地下10階
近くにベットがあったのでそれを使って休ませてもらい、起きた後はこの水の引いた穴を探索している
穴はかなり大きく、地下9階と上でリンクしているらしい
ここに水があり、そこでミズカと戦い勝利した後、引いた水と共に降りてきた
と、そんな感じなのだが
「これからどうすればいいんだ?」
穴の中を一通り探索したのはいいが、出口らしいものは全くみつからなかった
はるか上で9階に続いているが、こんな断崖絶壁を水なしで登るのはまず不可能だ
「ここにも敵が出てくるのはまず間違いないから、しばらくは待つしかないわ」
シャドーが嘆息混じりにそう答えられ、サウはハァとため息を漏らす
「それじゃ、もう一眠りさせてもらおうかな…」
穴の横の方にちょこんとあったベットに向かおうとする
“……その必要はなくてよ”
唐突に、声
はっとし、振り返る
だが敵の影はない、静寂が辺りに漂う
“まさかあなたがここまで来るとは正直私も予想外だったわ…でも、あなたの快進撃もここまで…”
「お前は……何だ!?」
姿なき声に戸惑う、声が何処から聞こえてくるのかわからない
辺りを見回すが、やはり姿はない
「……セイレーン」
シャドーの落ち着いた声音が、サウの精神を少し安定させた
“シャドー、やはり裏切ったの…?”
セイレーンは落ち着いた声音だが、何処か震えているようにも聞こえる
「運命(さだめ)には逆らえないわ…この人は、自分の闇を振り切った…」
“……そうね”
納得するその声は、何処か儚げに聞こえる
“来るといいわ…我が居所でもある「水の神殿」へ…”
そして、サウから見て対角線上にある岩の壁が音もなく消え――
空洞が出来た、中は暗くて見えない
“ミズカを倒したその実力…見せてもらいましょう”
そして、セイレーンの気配は消えた
残されたサウは、決意を固めるかのようにうつむいている
「……相手は四天王の一人、今までのようにはいかないわ」
シャドーの忠告、だがサウは前を向くと
「わかってる…でも超えなきゃならない…!」
その瞳は、輝きに満ちている
シャドーはフッと笑うように声を出し
「あなた…少し強くなったわね」
「………行くよ」
ゆっくりと、サウは歩き始めた
水の神殿までの道のりは、海底トンネルといった感じの一本道だった
直線で続いているため、迷うことはない
前方に、おぼろげだが、岩で出来た神殿が待ち構えている
「……あそこか」
確認するサウ、ゆっくりと、だが確実に進んでいく
「……待ちなさい」
「!」
シャドーの声じゃない、背後!?
振り向く
後ろには、黒いローブに身を包んだ黒髪の女性
特徴的なのはその長身か、サウの頭の辺りに彼女の胸がある
「何だ、あんたも敵なのか?」
サウは警戒心を緩めず問う、長身の女性は物静かに微笑み
「まぁ…あなたの敵、という事実は確かね」
「……俺の邪魔をするのか?」
女性は微笑みを顔から消す
別に怒ってるわけでも笑ってるわけでもない無表情
「私の名は“乙女”…この異形の世界で唯一にして最高の人間の性戦士…と呼ばれているわ」
「人間……だと?」
一瞬、ささを思い出すが、また違う、何処か完璧というイメージが強い女性だ
「あなたの闇の力…どれほどのものか、見せてもらうわ」
黒いローブを脱ぎ、彼女は全裸になる
「くっ…?」
背が自分より高いからか、彼女の何処かにプレッシャーを感じてしまう
「きて…?」
誘うような甘い声、サウはじりじりと近づき、彼女に飛びついた
キスは身長さがありすぎて出来ない、指先で乳首を愛撫する
「ん…」
乙女は目を閉じ、多少身じろぎをする、効いているみたいだ
だが
「……くっ!?」
彼女の乳首を愛撫すればするほど、自分の乳首にも切ない疼きが走る
これに一瞬驚いてしまったのがマズかった
乙女はサウの手首を掴み乳首から指先を離される
そして顔がスッと自分の目線から落ちていく
その動作があまりにも速く、対応できない
「うあ…」
気がつけば、乳首が唇に吸引されている
円を描く舌の微妙な動きが、深い脱力感を誘う
更に手首を拘束していた手は背中をゆったりと擦っている
体全身に来る安息感のようなものが、サウを支配し始める
「私の能力は3つある…1つは“鏡”(ミラー)…相手に与えている愛撫が自分に返る…」
「くっ…!」
乳首が唇から解放され、一度離れるサウ
だが、次の瞬間、頭がクラクラしてくる
「な、に…?」
ピンクの霧が辺りを舞う、とてもいい匂いだ…
「幻影(ファントム)…この幻想感、たまらないんじゃない?」
「う、く…」
気がつけば馬乗位の体制を取られている
抜け出そうとするが、手首を捕まれ地面に押さえつけられていて上手くいかない
しかもこの霧が快楽の潜在を呼び出すかのように体をくすぐってくる
「さぁ、何も考えないで…」
そのまま体を下ろし、形良い胸にサウの顔が埋まる
そしてアソコもゆっくりとペニスを飲み込んでいる
「ふくっ……!」
もがいてみても鼻腔を擽る凄まじく優しい穂のかな香りと
ペニスに来る焼きつくような快感にどうしても力が抜けていく
「は、離せ…!」
「んふふ、だぁめ、このままイっちゃいなさい?ほら、もっと胸でいじめてあげる」
「んんんっ!」
なんとか胸の谷間から反論しても、すぐさま優しい圧迫に包まれる
「また私の中で固くなってきた、もう限界でしょう?」
「そんなこと…!」
「強がってもダメ、あなたと今一つになってる私にはわかるわ…ほら」
腰をゆったりと振ってくる
「――――ッ!!」
「どう?私の中は、完璧な快楽を想定に作られた私の器は、外側から締めつけ、尿道口に疼きを走らせることで限界をくすぐる…たまらないんじゃない?」
「は……ああ……」
「我慢なんてしても苦しいだけ、出しちゃいなさい?」
もはや言葉を発することもできない、乙女は腰を激しく振り、容赦ない快感でトドメをさした
白濁液が乙女の体の中へと吸収されていく、吸われるような締めつけにサウは震えた
「熱くて美味しいわ、あなたの精液…私の糧になる」
腰を上げペニスを抜き、彼女は立ち上がると投げ捨ててあった黒いローブを再び羽織る
「な…逃げるのか!?」
「残念ながら、私はあくまでも“人間”の異形…あなたを完全に倒すことは出来ない」
背を向ける、マントが揺れる
「残り1つの能力…見たければ、もっと強くなることね」
「ぐ……くそっ」
「セイレーンを倒すらしいけど、まずセイレーンのところまで辿り着けるように、頑張ってね」
そして歩き去っていく乙女の背中を見ながら―――
サウは、快感の余韻の中、意識が途絶えるのを実感していた
続く
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