僕はマオ、まだ12歳だけど町の平和を守るガーディアンズの一員。とはいっても、滅多に事件なんて起こらないから、仕事はあまりないんだけどね。
「マオ!久しぶりに仕事が入ったぞ。」
「はい!」
この人はギル、僕の仕事仲間だ。久しぶりの仕事だ!今回はどんな任務だろ?以前は盗賊のアジトを襲撃だったけど、少人数だから楽勝だった。
「今回は、森で行方不明になっている人達の捜索だ。ここ数日で、魔の森と呼ばれる森で行方不明者が続出している。原因を探るのも今回の任務だ。」
「はい!」
「今回は我々、デルタチームのみでの任務だ。出発は明日の朝、遅れるなよ。」
「はい!」
デルタチームは僕とさっきの隊長ギルとアーサー、あとはミントとフレア。この5人だ。明朝、僕は皆と落ち合い森を目指した。森へたどり着く頃には、日が完全に沈んで夜になった。
ライトを装備に入れていたから、暗闇でも探索を続ける事ができた。僕達は集合場所を決めて、1時間だけ別行動した。1時間後僕は特に変わったことや、行方不明者を発見することはできなかった。とりあえず集合場所に戻ると、アーサー以外全員戻ってきていた。
「マオも戻ってきたか、後はアーサーだけだな。」
僕達はアーサーを戻ってくるのを待ったけど、30分経っても戻ってこないので心配になり、全員で探しに行くことにした。
「いたか?」
「いえ、見当たりません。」
「どこ行ったんだろう・・」
「きゃああああああ!!!!!」
森の奥のから悲鳴が聞こえてきた。フレアの声だ!僕達は声がした方に直行した。そこには尻餅をついているフレアと、青白い顔をしたアーサーの姿があった。
「ダメだ・・死んでいる・・」
隊長のギルがアーサーの死亡を確認すると、ギルはアーサーの体を調べ始めた。
「外傷は見られない・・一体死因は何なんだ?・・」
僕達はアーサーが死因を探っていると、後ろから物音がした。僕達は一斉に後ろに振り返ると、一人の女性が木の陰から出てきた。僕は目を疑った。女性の背中から翼が生えている、さらに尻尾まであった。
「まだ仲間がいたのね。」
「何者だ貴様は!?」
「知る必要はないわ、だってあんた達は全員死ぬんだから。」
女性がそう言うと、木々や草の陰から沢山の女性が現れた。僕達はいつの間にか囲まれていた!
「さあ覚悟はいいかしら?」
「くっ!・・全員私に付いて来い!」
ギルは後方が手薄なことに気づき、強行突破することを決心した。
「追いなさい!」
当然女性達が後を追ってくる!彼女達は翼で空を飛べるから、走って逃げるきるのは難しい、僕達は200mほど先に館を見つけた。
「あの館に逃げ込め!」
僕達は何とか館に逃げ込む事ができた。扉に鍵をかけて、彼女達が入って来れれないようにした。
「一体何なのよ!さっき奴等は!?」
「それは私が聞きたいな・・とにかく外は危険だ。何とかして本部に連絡を取る方法を探すんだ。」
「じゃあ私は、あっちの部屋を調べてくるわ。」
「私も付いていきます。」
「では悪いがマオ、お前は向こうの部屋を調べてきてくれ。私はここを確保しておく。」
「うん、わかった。」
「気を付けるのよ!」
僕は扉を開けると、周りに誰もいないかを確認した。誰もいないみたいだ・・僕はほっと一息ついて、扉を閉めた。どうやらここは食堂みたいだ。部屋の奥に暖炉がある。テーブルの上には一組のファイルが置かれていた。
「何だろ?」
ファイルの表紙には淫魔ウィルスと書かれていた。僕は表紙を捲ると内容を見た。
『淫魔ウィルス。連れてきた人間の女性に淫魔ウィルスを投与すると、翼と尻尾が生えてきた。さらに異常に性欲が強くなり、男を見かけるといきなり襲い掛かり、男が死ぬまで体液を搾り取った。ある程度時間が経つと理性を取り戻し、言葉も普通に話すようになった。翌日、ウィルスを投与した女性がウィルスに感染していない、研究員の女性を襲い始めた。絶頂を迎えるとウィルスに感染した女性同様、尻尾と翼が生えてきた。そして周りにいた男を襲い始めた。このウィルスは女性から女性へと伝染して増殖していくようだ。うまくいけば、国一つ掌握できるかもしれない。』
僕はこのファイルを見て、さっき僕達を襲ってきた女性達は、ここで生まれたことを知った。とりあえずこのファイルをギルに見せないと!僕は急いでロビーに戻ると、目を疑った。
「ギル・・そんな・・」
さっきまで元気だったのに、今は顔を青くして横たわっている。脈をとると、もう息をしていなかった。
「ぎゃあああああ!!」
「!!」
後ろから悲鳴が聞こえてきた。僕は食堂に戻ると奥に扉がある扉を開けた。さっきの悲鳴はこの先からだ・・僕は恐る恐る進んでいくと、若い男女が一人ずついた。でも男はギルやアーサー同様死んでいるようだ。女性も人間じゃないみたいだ・・さっき読んだファイルの内容と外見が一致する。
「まずいわね・・やっぱり幼くて可愛い男の子がいいわね。」
足が震えてきた・・とにかく見つからない内にここから離れないと・・僕は音を立てないようにゆっくり後ろへ下がると、さっき拾ったファイルを落としてしまった。物音に気づいて女性がこっちを向いた。
「誰!?」
逃げようとしたけど、足が縺れてしまって転んでしまった。起き上がる前に、女性が僕を見つけた。
「あ〜ら・・可愛い・・坊や、こんな所で何してるの?」
「こ・・来ないでよ!」
僕は腰に着けていた剣を抜いて威嚇するけど、女性は構わずこっちへ向かって来る。僕は目を瞑って向かって来る女性を剣で刺した。そしたら、カランカランと音がしたので、目を開けると剣が女性の体に刺さらず、床には剣の刀身が落ちていた。
「ダメよ、女の人には優しくしないと。」
「あ・・ああ・・」
女性は中腰になると、僕の頬に両手を添えてきた。体の震えが止まらないよ・・殺される・・僕は恐くて目を開けていられず、目を瞑った。
「んむっ!」
突然唇に暖かくて柔らかい感触がした。目を開けてみると、女性が僕にキスをしてきていた。僕は暴れて離れようとするけど、女性は僕を放してくれない。
「んっ・・はぁ♪ふふ・・どう?お姉さんのキスは?」
「ふえ・・」
「ふふ・・キスしたことないみたいね。ここも準備万端みたいだし、そろそろ食べさせてもらうわね。」
僕の下着ごとズボンを脱がせると、僕のおち○ちんを掴んできた。
「ひぁ!」
「あら?精液の匂いがしないわ・・坊やイッたことないのね。ふふ・・これからお姉さんが気持ちいいことしてあげる。」
そう言って女性は手を前後に動かし始める。何だか気持ちいいけど・・このまま身を任せたら危険な気がするよ・・でも足に力が入らなくて立てないよ・・誰助けて!
「ダ!・・ダメ!やめて・・お○っこが出ちゃうよ!」
「ふふ・・我慢しなくていいの。このまま出しなさい!」
ああ・・ダメ・・もう我慢できないよ・・出る!っと思ったら、突然女性が後ろに倒れた。僕のおち○ちんから女性の手が離れた。
「マオ!逃げるわよ!!」
「フレア・・ミント・」
フレアは僕を抱えると、食堂に通じる扉を開けて女性が追って来れないよう、鍵をかけた。向こう側からドアを叩いてるみたいだけど、開く様子はない。
「きぃ〜!!あんた達!あたしから可愛い男の子を奪って・・ただじゃ済まさないわよ!覚えてなさい!」
「ふ〜・・もう大丈夫ですよ、マオ。」
「ミント・ギルが・・」
「知ってるわ・・私達も報告したいことがあって戻って来た時死体を見つけたわ・・」
「報告したい事って?」
フレアは僕にファイルを渡してくれた。僕が見つけたファイルによく似てる。表紙にはサキュバスと書かれていた。
『サキュバス。淫魔ウィルスに感染した女性が、最もなりやすい淫魔。背中に翼があり、子悪魔のような尻尾が特徴的だ。得意な責めはこれと言ってなく、フェラ、パイズリ、セックス、などの得意不得意はそのサキュバス次第のようだ。後の研究で判明したが、淫魔ウィルスに感染したものには、刃物や銃などは一切通じないようだ。』
「森で私達を襲ってきたのは、その人達です。」
「僕も同じような物見つけたよ。」
僕はさっき見つけたファイルを二人に渡した。二人はかなり驚いているようだ、まあ当然だよね。僕は二人にわからない所があったので聞いてみることにした。
「ねぇ、ミント。」
「何です?」
「このフェラ、パイズリ、セックスって何のこと?」
二人は顔を真っ赤にして、僕の方を見てきた。そしてミントが僕に服を渡してきた。
「わ・・私も知りません。それより早くズボンを穿いてください。」
「あ・・うん。」
僕はズボンを受け取り、すぐに穿いた。まだ二人とも顔が赤い・・やっぱり、さっきのこと何か知ってるのかな?
「と・・とりあえず!今後の事を考えましょ。」
「別れるのは危険です。全員で行動して、何とか脱出する方法を探しましょう。」
「そうだね。」
僕達は食堂を出ると、一旦ロビーに戻った。そして二人が探索してきた方の部屋から館を調査することになった。二人が扉を通ると、突然扉が閉まった!おまけに鍵をかけられて、二人と引き離されてしまった。
「マオ!大丈夫!?」
「僕は平気だよ!ミント達は!?」
「大丈夫よ!とりあえず、危険だからそこを動いちゃダメよ!後で迎えに行くから!」
「そんな・・やだよ!僕だけ守ってもらうなんて!反対側から、そっちに行く道がないか探してみる!」
「こら!マオ!!」
僕は二人の制止を聞かずに食堂に戻った。だけど、先に進む扉には鍵がかかってた。諦めてロビーに戻ると、二階から行けないかと思い、扉を開けようとしたけど、鍵がかかってる。最後に階段の踊場にある扉を調べると、開ける事ができた。よし!この先に何かあるかもしれない!何か見つけて僕も頼りになることを二人に教えてあげよう!
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