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(ストリートファイターパロディ)

男はその表情に余裕と酷薄を浮かべ、下に組み敷いた女を責め立てている。
男の名はベガ。真紅の軍服を脱ぎ捨てたその体は人間ばなれした筋肉と骨格を
併せ持ち、薄暗い部屋の中に怪しい妖気さえ立ち上らせている。
一方女の方はといえば、ベガにその柔肌を弄ばれつつも
瞳の奥に宿る強い意志の光を未だうしなっていない。
女の名はローズ。今となってはベガに対抗し得る最後のひとりであろうか。
ベガがサイコパワーなる「気」を駆使して覇王たらんとした時、この妖艶たる美女が
ソウルパワーなる「気」をもってそれを阻止せんとしたのも全くの必然だった。
この「気」を完璧に操る二人が闘うとなればいくら時間を費やしたとて終わりのあるものではなく、
決着をつけるには二人の肌を合わせるより無い。そして先に「気」をやってしまった者は
自分の持つ「気」を余さず相手に吸われてしまうのだった・・・

ベガは荒腰を繰り出しつつも、その下で喘ぎを噛み殺すローズに冷たい眼をすえた。
眉根を寄せ、唇を噛んで今はただ必死に耐えるより術のないといった彼女の風情は、
魔王の嗜虐心を満足させるのに充分なものだった。そして、一突きをくれる度に揺れる
豊満なその白い胸。横になっても形の崩れなかった両の半球はベガの掌の中で存分に
その形を変え、心地よい弾力を跳ね返してくる。胸から腰にかけての女性らしいたおやかな線を経て、
細いウェストの上に縦に割れた臍。そしてさらにその下の茂みの奥、その秘裂こそは
ベガの肉剣を掴み締めつけ、あわよくばその精を存分に搾り取ってやろうというローズの
最後の砦だった。
が、しかし・・・ベガはその快感をむしろ愉しんでさえいた。ローズのそこにある無数の襞は
ベガの肉棒の表面を顫動しつつも強烈な締めつけを加え、
現在も圧倒的な悦楽をあたえているはずなのだが。
ベガはお構いなしにローズの体内に己の肉剣の型を刻みつけてゆく。
むしろ今青息吐息なのはローズの方だった。
ベガの無慈悲な攻勢の前に息をつく間もなく翻弄されている。
(うう・・・何てこと・・・でも私が気をやってしまえばもはやこの男を倒すことは不可能に・・・)

ベガはローズの乳房を貪るように味わい、その頂点の桜色の蕾に荒々しく歯を立てる。
「ウゥ・・・ンッ・・・」
思わず声を出してしまったローズが小指を噛む。と同時にベガのものを一層強く締め付けるが
ベガの律動は止まらない。頤を反らし快感に耐えるローズ。
(クックッ・・・全くこれほど相性がいいとはな。まるであつらえた剣と鞘のように・・・)
空調の途絶えた部屋でもつれ合う二人の体にいつしか大量の汗が浮かび、流れ落ちてゆく。
もはやローズは頬にまとわりつく後れ毛を払う余裕も無い。
ベガは片手でローズの顎をつかみ、その快楽に押し流されまいと歪む瞳の奥を見下ろしながら言う。
「まだまだこの程度で決着がつくなどと思ってはいまいな?・・・宴は始まったばかり・・・
貴様が正気を失うまで存分に犯しぬいてくれるわ!!」

いつしかローズは四つんばいにさせられ、ベガは背後から彼女にのしかかっている。
存分に胸と尻の柔らかな感触を愉しみ、しみ一つ無いその美しい肌をめでながらも
ベガの尖端はローズの中心を貫きつつ蠢き、強烈な快感を交感しあっている。
その一突きごとに揺れるたわわに実った両胸、そしてもはや隠すこともかなわぬ喘ぎ声・・・
「アッ・・・・・クウゥッ・・・・・ンッ・・・・・ンン・・・・・」
確かな反応をみせるローズの艶姿に満足しながらもその荒腰をゆるめない。
やがてベガはローズの腕をとり、両腕を手綱がわりにして責めあげてゆく。
浅黒い肌の下にうごめく白い肌とのコントラストが部屋の温度をさらに上昇させていった。

ベガはローズと繋がったまま彼女の上半身を手繰り寄せ、
片手で乳房をもみしだきつつもう片方の手で顔をこちら側に振り向かせ、唇を重ねた。
ベガの舌はローズの口腔内を蹂躙し、圧倒する。ローズは腕をベガの首に絡み付け、
もはや彼女の屈服は決定的かと思われた・・・
(フフ・・・これぞ「征服」というものかな?・・・この女が音を上げるのももはや時間の問題・・・
しかし惜しいなこの女・・・「気」を吸い取ったら奴隷として飼ってみてもいいか?)
「ツッ・・・!」
舌を噛まれたベガは表情をゆがめ、ローズから顔を離す。
「・・・この程度のことで・・・・・女性を征服できるなんて思って欲しくないわね・・・」
まるで頭の中を読まれたようなそのセリフに不快をおぼえながらも、
それよりもまずベガは自分を見つめるその不敵な微笑に妙な違和感を禁じえなかった。
(何か違う・・・・・何が?・・・汗・・・・・後れ毛・・・・?)
その次の瞬間、この世のものとは思えない強烈な快感がベガの肉剣の根元を襲った。
「ヌオオオッ!!・・・・・こ、これは?・・・・・」
そこに巻きついているのは1本の髪の毛。しかしその1本はローズに残された最後のソウルパワーを帯びて
ベガ自身の根元を強烈に締め上げる。

「どうやら・・・形勢逆転のようかしら?」
ローズはこの機を逃さずとっさに体を入れ替え、女性上位の体位にもってゆく。
なす術もなく組み伏せられるベガ。その肉樹の根元からは強烈な波動を受け、幹から尖端にかけては
ローズ自身の肉襞に温かく包まれ締め上げられてゆく。
並みの男なら一瞬たりとも耐えられるはずのないこの責めに対し、
ベガはじっと両眼を閉じなおも鬼気迫る最後の抵抗を続けていた。
ローズの双乳を鷲掴みにしながら下からなおも腰を打ち振るっていく。
ローズの方にも余裕があるわけではない。その動きに翻弄され必死に耐えながらも
ベガに顔を寄せ、その耳朶を噛み甘い息をふきかけつつ止めをさしにかかる。
「もはやこれまでのようね・・・・ベガ・・・・・思う存分に・・・・・お往きなさい・・・・・」
ローズはベガに唇を重ね、優しく舌を絡ませてゆく。同時にローズの秘裂はベガのものを握り締め、
波動を帯びた髪とともにベガを追い上げてゆく。

ベガの両眼が開き屈辱と憤怒を露にするのとその肉棒が激しく脈打ちその精液がローズの
胎内を叩くのはほとんど同時だった。
「ウオオォッ・・・・・覇王たるこの俺が・・・・・貴様ごときに・・・・・何故・・・・・」
それは通常の射精という生易しいものではなく精気、生命力をも放出せんとするものだった。
(ドクッ・・・・・ドクッ・・・・・)
ベガのそれが脈打ち、精を打ち放つ度にローズはそれを取り込み糧としてゆく。
「何故・・・と訊いたわね?・・・・・それは・・・・・貴方が男で・・・・・私が・・・・・女だから・・・・・」
永遠に続くかと思われたその脈動もやがて弱まり、そして途絶えた。
ローズは一つ大きく溜息をついて、立ち上がった。
眼下にはかつて全てを欲した男の抜け殻が横たわっていた。
その表情は醜く歪み、この世に怨みを残してゆくとはこういうことかとローズは思う。
(まったく・・・・・男ってやつは・・・・・)
ローズは手早く服を着込み、ショールを羽織ると
男の妄想と狂気を具現化したその要塞の司令室を後にした。

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