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裁きの島 第二話 「樹」

夜が明けた
僕は戦いに備え、テントの中でゆっくりと眠っていた
「ん…」
僕はまどろみから覚醒し、毛布の中から起き上がる
そう、今日から淫魔との戦いが始まるのだ
「……やるしかないな」
僕は顔を洗うため、テントを出た




裁きの島――あの手紙の主、審判はここをそう呼んだ
天候は晴れ、問題はない
旅支度を整え、僕は森の前で佇んでいた
審判はこの森を通ることを薦めていた
罠―――
ここに誘われたこと自体が罠だったので、これを罠と呼ぶのも不思議ではない
では、森を通らないとしたら他にどんなルートがあるのか?
一つは、西に広がる草原地帯
森よりは危険は少なさそうな印象を受ける
しかし森は意外にもちゃんとした道で一本繋がっている
草原で淫魔に囲まれた場合はかなりの不利を強いられるであろう
森も挟み撃ちの危険があるが、囲まれるよりはマシである
もう一つ、浜辺に戻って海沿いに進むルートもある
三つの選択肢を、頭の中で整理する
「……いいさ、なんとかを喰うなら皿までって言うしな」
僕はあえてあの審判の言う通り、森を進むルートを決めた





森は思ったよりも明るかった
木漏れ日が落ちてきて、視界による不安はとりあえずない
僕はゆっくりと道を歩いていく
(救援が着くのは2週間ぐらい先か…?それまでには決着がついてるだろうな)
僕が死ぬか、生きるかの二択だろう
と、急に静かだった森がざわめき始める
ガサ………ガサ…………
葉が風の音に比例して音を鳴らす
(来るか……!)
僕は荷物を置き、身構える
と、ここまである程度幅があった一本道が、急に僕を中心に形を変えた
それは円形に変化し、更に広くなったような感じになった
「何だ……?」
そして僕はもう一つの異変に気づいた、
地面が、柔らかくなっている……?
足の感触が、トランポリンに乗ったときのような感じになっている
「これは……!」
「ようこそ、私のステージへ」
「くっ……!?」
僕と向かいあう形で、それは現れた
女…彼女は全身が緑の皮膚に覆われ、手と足はその地面の中にめり込んでいた
なんとも歪な光景……だがその乳房、下半身の膣…
彼女は人間に近いものといっていい、だがそれは…
「淫魔、か…!」
「この裁きの島であなたの相手の一番手は私ですね、光栄です」
「く…審判の手先というわけか」
「私は樹(ドリアード)というコードネームで呼ばれています、つかの間ですが楽しみましょうか」
言語をさっきから普通に喋っている…上級淫魔クラスということか
「まさか最初から上級淫魔が現れるなんて……」
「フフフ、人間の間では知性を持った淫魔を上級と呼んでいるのですよね…フフフ」
樹は繰り返し妖しく笑う
「何が…おかしいんだ」
「教えてあげましょう、この島にいるのは上級淫魔がほとんどです」
「何だと……」
僕は耳を疑った、一流ハンターでさえてこずる上級淫魔が
この島ではほとんどそれだと?
「あなたに裁きの島は抜け出すことはできない…大人しく搾られて死んだほうが幸せですよ」
樹は、体全身を揺らしながら、ゆっくりと移動してくる
「僕は、それでも戦って、生きなくてはならないんだ!」
「…………」
樹は目を閉じて、首を振る
「ならば仕方ありません、行きますよ!」
地面にめり込んだままの右手を、樹は少しだけ揺らした
「ッ!?」
僕の足元に急に地面から生えてきたツタが絡む!
「うわぁっ!?」
僕はバランスを崩し、成す術なく尻餅をついてしまう
「くっ…ツタが外れない」
転んだときの衝撃は柔らかくなった地面のおかげでない
だがそのせいで、起き上がるのにも苦労する
「フフ…基本私達との戦闘は一騎打ちです、そしてこういった柔らかいフィールドで戦ってもらう」
樹は僕にゆっくりと近づきながら告げる
「全力をお互い出し合えるように、ね……」
「う………わ…………」
転んでバランスが取れないままの僕に樹はゆっくりと上から覆い被さってくる
「フフフ……」
樹は更にツタを利用し、僕の衣を次々と脱ぎ去っていく
僕はとうとう全裸とされてしまった
樹は緑のうろこのようなものを所々に着けているが、二つの乳房、乳首もはっきり見えるし、膣からは愛液がとろとろ落ちている
いつでも犯れるのは明白であった
「まずはここを元気にしてあげなくちゃ、ね……」
樹は僕のまだ起っていないソレを見て、また微笑む
彼女はゆっくりと僕に顔を近づける
「う………ンンッ!?」
「ん………ちゅ…………ちゅぱ…………」
そしてその唇で僕を塞いでしまう
「んんっ……んんんんん……」
僕はなんとか口内への侵入を許さないよう、唇を硬く閉める
「ん………強情ね」
彼女は一回僕から顔を離す、僕はそれが起たないよう集中するのに精一杯だ
「ならこれは…どう?」
「え………あぅ!!」
彼女はその二つの乳房を、僕の胸板にゆるりと擦り付けた
その感触に、思わず声を上げてしまう
「フフ、隙有り」
「んむっ、ん……ん―――ッ!」
「ちゅ……じゅる、ジュルルッルルルル!!」
彼女は再びキスをしてきた、そして口内に侵入し僕の舌を自分の舌と絡め、蹂躙してくる
僕も必死に反撃しようとするが、彼女に先手を取られてしまい思うように反撃できない
そして彼女は存分に舌で僕の口内を舐め取り、自身の唾液を僕に飲ませてくる
「ん………ん……………ッ」
僕はそれを味わわせられる、頭の芯がボーッとし、抵抗力が薄れていく
「ちゅう………ちゅ…………フフ、気分はどう?」
彼女は唇を離すと、顔は近づけたままにゆっくりと問い掛ける
「あ………う……………」
僕は酔ったような気分になり、上手く話すことができなかった
「樹から出る樹液の味は特別でしょう?しばらくはその味の虜よ」
彼女はゆっくりと僕に覆い被さるように四つん這いになったまま、体制を整える
手と足は地面に埋もれているので、僕の手首を掴むといったことはできないようだ
「私は体の体質上、手や足を使った攻撃はできないけど…あなたを天国に導くことなら容易よ」
彼女はゆっくりとすっかり元気になった僕のそれを自分の膣の中に導こうとする
「私の蕾の中を、存分に味わいなさい」
それだけ言うと、彼女は一気に僕のそれを飲み込んだ
「―――――――――ッ!!」
食べられた瞬間、僕は強く体を震わせた
彼女の胸に震えた体が接触したのを感じた
「どう?気持ちいい?さあ、動くわよ」
彼女は腰をゆっくりと振り始めた
僕のソレは蕾の中でシェイクされ、中の蜜が絡み、歓喜に打ち震えた
声を上げようにも、樹液のせいかろれつが回らず言葉にならなかったが
「ぁ…………ぁ」
なんとか声を絞り出そうとしたが、それはかすれていた
激しい快楽に、精を打ち放ちたい欲求を必死に堪える
「あなたの養分を貰って、私は成長する…あなたには死んでもらうわ」
腰を振りながら、彼女はそう告げる
「どこまで耐えられるかしら?」
「ぁ…………ぅ」
僕は自分の悲鳴すら上げることができないことに、涙を流していた
「ふふ、可愛いわね」
彼女は再び顔を近づけ、僕の涙を舌で舐めとり、その頬に優しく口づけする
「安心して、苦しまないように吸い尽くしてあげるから」
より一層激しく腰が上下に揺れ動く
「さぁ……もうイキなさい!!」
「―――――――――――ッ」
僕は下半身の快感に耐え切れず、白濁液を彼女の中に注ぎ込んだ
「ん…力が、私に入ってくる……」
「ああああ!!す、吸い上げられるッ!!」
僕はやっと声が出せるようになった、イッたことで酔いが覚めたような感じだ
彼女の蕾はイったばかりの僕のソレから更に精液を頂こうと、ポンプのように蕾が吸引してくる
「フフフ、さあ、死ぬまで私に出してもらうからね?」
絶頂を迎えたばかりだというのに、僕のペニスはまた快楽を求め始めた、これも樹液の力か?
彼女は再び僕の唇を奪おうと顔を寄せる
「く…またか!」
俺は手を伸ばし彼女の頬に両手を添えて引き離そうとする
「だめよ」
「あっ!」
彼女はそれを見越していた、地面から生えたツタが今度は僕の手首をも拘束してしまったのだ
「これでもう完璧に動けないわね、フフフ」
彼女はゆっくりとキスしてきた
(あの樹液を飲むわけには…!)
僕は今度こそ唇を引き絞り、彼女の口内への侵入を許さないようにする
「1回イったというのに、凄い精神力ね…」
彼女は再び、今度は胸だけではなく自分の女体全身を僕に擦り付けてくる
「……………っ」
「どう?もうたまらないでしょう?」
彼女の甘い囁きが聴こえる……だが
「僕も、淫魔ハンターの一人だッ!!」
「え……きゃあッ!」
彼女から始めて黄色い声が出る
僕は手足を封じられながらも、必死に腰を動かし彼女にダメージを与えたのだ
「うっ……ばかね、私の樹液は膣からでも出せるのよ、ペニスに直接触れることで性感も高めるの、枯れ果てなさい!」
「ぐっ……あ、熱い」
より激しくなった快感、お互い腰を振り続ける
「さあ、キスしてあげる、二つの口から樹液を体に取り込めば、あなたも終わりよ」
彼女は容赦なく口を塞ぎ、舌で僕の唇をなぞってくる
「!!」
下半身の快楽と突然の口づけに、僕は思わず口を空けてしまった
「ちゅっ、じゅるるるる、ぢゅるっるるるるるる!!」
「――――――――!」
口内を舌で弄ばれ、樹液を飲まされる……
マズイ、意識が、飛びそうだ………
僕は急速に視界がぼやけていくのを感じた
だが…………それでも、負けるわけにはいかない!
「――――――――――――――――ッ!!」
僕は最後の力を振り絞り、腰を上げる!
「な……………!!」
口を塞いだ状態のままだった彼女は目を見開く
そして次の瞬間、決着はついた




「はぁ、はぁ、はぁ……」
僕は仰向けに倒れながら、息を切らしていた
一度は出してしまったので、体力の回復が必要だった
だが、この戦いは僕の勝ちだった
彼女――樹は立ち尽くしていた、僕を見下しながら
「私の負けですか…なるほど、とりあえずはこのゲームをある程度楽しむ実力は持ち合わせているようですね」
樹の姿がぼやけていく……絶頂を迎えた淫魔はその存在自体が消える
死ぬ、というわけだ
「ですが、ゲームはまだまだこれからです…この先にも私と互角、それ以上の淫魔はたくさんいるのですから……」
その言葉を最後に、樹は消えていった
フィールドも元に戻り、森は戦う前の一本道に戻った
「はぁ、はぁ……」
服もいつの間にかもとの服を着ていた、どういう仕組みだ…?
(なんとか勝てたが…まだたった1戦勝っただけだ)
しかもかなりギリギリの勝負だった、こんな状態では更に上の場所にいる淫魔たちになど手も足も出るまい
(僕も…鍛えていく必要があるな、勝ち残るために……)
僕はゆっくりと立ち上がる、よし、動ける
ゆっくりと森の出口へと歩き出した




「なるほど、樹を倒しましたか、ハンターの名は伊達ではないですね」
地下の一室、審判は独りごちるように告げる
「まぁ、しばらくは下級の淫魔と遊んでいただくとしましょう…まだまだお楽しみはこれからですからね」
彼女は凛と背を正して座っていた
着物が少し、外から来る風に揺れていた




続く
とりあえずBFしてるとこまでは書かないとマズいかと思い2話目
とりあえず意欲あるうちにどんどん書きたいです、ホントに

[mente]

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