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タイトルなし 1-6

 突然、ぬめったなま暖かい感触がホリスの下半身を包み込んだ。はっとして視線を落と
すと、股間に顔をうずめるフェレイアの姿があった。身をよじって抵抗を試みるが、時す
でに遅く、ホリスの分身はフェレイアの口内にすっぽりと飲み込まれていた。すでに勃起
しきっているそれを、肉厚の唇であますところなくしごき立て、長い舌でやわやわとくす
ぐる。色鮮やかなフェレイアの唇に自分のものが出入りするところを見るだけで、いいし
れない官能の衝動がわき上がってくる。はやくも手足が力無く引きつり、視界は涙でかす
んできた。無意識に息が荒くなり、口から漏れるあえぎ声をかみ殺さなければならなくな
った。
 そんなホリスの悶えぶりをフェレイアは上目遣いでうかがうと、妖しげに目を細める。
そして、今度はキノコの傘だけをくわえなおし、丹念にしゃぶりはじめた。亀頭をねちね
ちと舌の先端で責め、カリ首を唇で執拗に擦りあげる。食人鬼(オーガ)も腰を抜かすほ
どの、えぐすぎる責めであった。オーガどころか、人一倍感度のいいホリスは、全身をこ
わばらせ、ベッドのシーツを必死につかんで耐えていた。
 ちゅぽんっ。フェレイアは、唾液でねとねとになった怒張に軽くキスをして、口を離し
た。
「はぁ、はぁ、ふぅ……教官……?」
 今にもこぼれ落ちそうなほどの涙を瞳にため、息も絶え絶えにホリスは言った。
「バカ。戦士がそんなのでどうする。ヤル気あるのか?」
 と、言いつつも、言葉とは裏腹に、フェレイアの表情は嬉しそうなものであった。ホリ
スは頭をつかまれ、抱き寄せられた。なされるがままに、ホリスはフェレイアの胸に顔を
うずめる。
 戦士としての鍛錬のたまものだろうか。豊かな乳房の頂は寸分も垂れておらず、甘美な
弾力としなやかさに満ち、包み込むような温かさと、柔らかさがあった。それは猛々しい
「鬼教官」フェレイアの名からは想像もできないものだった。

 それだけではない。匂い立つような色気とはよく言ったものだが、フェレイアの乳房の
狭間には、まさにむせかえるような芳香が漂っていた。それも、けばけばしい香水のよう
なものではなく、瑞々しく、そして艶やかな香りであった。
 何人の男が、何匹の淫魔が、この胸の中で戦意を奪われていったのだろう。ホリスは窒
息しそうになりながら、ぼんやりと考えた。
「すこしは反撃してみろ、ホリス。よがっている姿もかわいいがな」
 ホリスの頭ががしりとつかまれ、乳房の先端に導かれる。豊かな乳房の感触が顔を覆っ
た。
「むっ、うむぅっ、ぷあっ……ふむっ……んんっ、ぷふっ」
 しかし、すでに骨の髄まで桃色の快楽で染め上げられているホリスには、突然乳房を口
の中に突っ込まれても、反撃どころかうめき声を上げるので精一杯だった。
「ホリス……実戦でも淫魔相手にそんな醜態をさらしているのか……? これは実戦だぞ、
わたし相手だからといって手を抜くな、馬鹿者!」
 そうだ。これは、戦いだったんだ。
 ホリスは、フェレイアの叱咤で我に返った。
「はむっ、ん……ちゅ、ぷあっ、んんっ、むっ」
 頭を動かし、フェレイアの巨乳に挑みかかる。サクランボのような乳首を舌でなぶり、
強弱をつけながら乳房全体を吸い上げた。空いた手でもう片方をつかみ、ゆっくりと揉み
しだく。
 うぅっ、柔らかい……。思わずホリスは小さな声でうめいた。いくら愛撫しても、妖し
く心地よい弾力が返ってくる。責めているはずなのに、逆に感じてしまいそうな感触だっ
た。
「んっ……ふぅ……その程度か、ホリス?」
 あえぎ声というよりも、ため息に近い声を漏らしてフェレイアは言った。あまり感じて
いるようには聞こえない。もちろん、百戦錬磨のフェレイアを簡単に鳴かせることができ
るとはホリスも考えていなかったが、すこしショックではあった。

 しかし、ホリスはあわてることなく、責めを続ける。舌を下腹部へと滑らせ、乳房を揉
んでいた手で背中をなぞる。
「…………んっ」
 フェレイアがすこし高い声を漏らす。すこしは感じたのだろうか。
 滑らせてきた手を、フェレイアの尻たぶにあてがう。丸みを帯びた桃のような尻は、さ
すがにしなやかで、柔らかい。さわっている方が逆に感じてしまいそうだ。まったく、男
を愛撫するためだけにつくられたような体である。
 舌先を細め、へそを丹念になめる。太ももにも舌をはわせ、音を立てて吸い上げる。時
折、秘部をかすめるようにして舌を下腹部にはわせながら、フェレイアの表情をうかがっ
た。
「ん、はあ……んんっ……ホリス、生意気な攻め方をするようになったな」
 声がだんだんと鼻にかかったようなものになってきた。
 よし、あと少しだ。ホリスは唐突に蜜壷に吸い付き、小豆大の突起をつまみ上げた。
「ああんっ、あ……んふっ、ふあ……くっ」
 ひときわ高い声を出すフェレイア。
 すこし顔を上げ、ホリスはそのようすをうかがった。恍惚とした表情であらぬ方向を見
つめるフェレイアに、先刻までの厳格さはない。このまま激しく攻めれば勝てるかも。ホ
リスは、目の前の勝機に舞い上がった。
 フェレイアの太ももをつかみ、ぐっと持ち上げる。フェレイアの体は意外に軽く、非力
なホリスでも簡単にかかえこむことができた。そのまま下半身を押し上げ、フェレイアの
足を自分の肩に載せて支える。あたかもフェレイアが逆立ちをしているかのような体勢に
なった。いわゆるマングリ返しを向かい合わせにしているような状態だ。
 さすがのフェレイアも羞恥を感じたのだろうか、心なしか体が硬くなっているように感
じる。しかしホリスは容赦なくフェレイアの秘部に顔をうずめ、舌を激しく動かしてクリ
トリスを刺激した。

「んっ、うあっ……ひあっ、あっ、ああっ……い、いいぞ……んっ、ホリス」
 自分があのフェレイア教官をあえがせている。その現実が、ホリスを酔わせ、有頂天に
した。しかし、ホリスは見落としていたのだ。フェレイアの瞳にいまだ闘争心の光が宿っ
ていることを。
 ベッドに押さえつけられるかたちになっていた、フェレイアの頭がもぞもぞと動いた。
ホリスの頭を抱え込むようにしてフェレイアの足が閉じられ、全体重がホリスの顔にかか
った。体勢を立て直そうと、あわててフェレイアの下半身を手で支え、全身をこわばらせ
るホリス。
 刹那、あのなま暖かい、おぞましい感触がホリスの分身を包み込む。無防備なホリスの
下半身にフェレイアの口撃が襲いかかったのだった。
 ちゅうぅっ、ずちゅっ、じゅば、じゅぽっ。
 視界がふさがれ、なにも見えないところに響く淫猥な音色、そして甘美な感触。逆立ち
状態から繰り出される強引なフェラに、あえぐのはホリスの番だった。気が狂いそうにな
るほどの快感に、思わず手に力を込める。すると、フェレイアの桃尻にからは、これでも
かといわんばかりの瑞々しい弾力がぷるんと返ってくる。もう、なにがなんだかわけがわ
からない。
 じゅっ、じゅぽっ、じゅむ、ずちゅるるううっっ。
 フェレイアの強烈なディープスロートが股間に炸裂する。あまりの快楽に、下半身がぷ
るぷると小刻みに震え、尻の穴がきゅっとすぼまる。
 ずるっ。どさっ。
 ついにフェレイアの体重を支えきれなくなり、後ろむけに倒れ込む。フェレイア上位の
69[シックスナイン]の体勢になった。

 てゅぽん……フェレイアはホリスの分身から口を放し、
「ふふん、威勢の割にはあっけない責めだったな、ホリス」
 ぬらぬら、れろれろと、口にはくわえずに、ペニスに舌をはい回らせる。時折、ちゅっ
と亀頭に口づけをしたり、カリ首につつつと舌をこすりつける。長い舌でこうも巧みに攻
められては、戦士のモノといえどもそう長くはもたない。
 フェレイアはそれを見透かしてか、褐色の桃尻をぷりぷりと挑発的に振り、ホリスに流
し目を送る。反撃できないだろう、とでも言うかのように。
 さすがにむっとしたホリスは、半身を起こしてフェレイアの秘部に挑みかかる。舌技を
完全に発揮できれば、フェレイアの責めの手をゆるめさせるぐらいの自信はあった。下半
身に取りつき、秘部に舌を伸ばしたその時、
「んむ……ふふっ、かぽっ」
 嘲るような声とともに、フェレイアは亀頭を口の中に含み、ぱんぱんに張った先端に歯
を立てる。しびれるような快感が駆けめぐり、全身が波打つような錯覚にとらわれる。
「あうあっ……教官、教官んんっっ」
 射精感が急速に駆け上がってきた。全身から汗が噴き出し、玉がすぼみあがる。首を振
って耐えるが、爆発は時間の問題だった。
 とどめ、と言わんばかりに、長い舌をペニスに絡め、フェレイアは一気にすすり上げた。
尿道を通して体の内容物を吸い出しかねないほどの勢い。その上、精液を絞り出そうとで
もするかのように、片手でむにむにと睾丸を揉みしだく。
 じゅる、じゅるる、ずちゅるるーっ。
「も、もう、教官……教官……そんなにされると……ああっ」
 反撃することも忘れ、ただうめきながらフェレイアの頭を押さえるホリス。勝機は露と
消えた。
 ホリスの分身全体を優しく愛撫していた舌は、ぬるりと亀頭に移動し、先端にあてがわ
れる。先走り液をねとねとと塗りたくり、子供の頭をなでるように亀頭を摩擦する。そし
て次の瞬間、細められた舌先が先端に挿入され、ドリルのようにえぐり刺激した。
「う、うあ、わああっ」
 耐えられるものではなかった。フェレイアの超絶舌技の前では、戦士の宝刀といえども
なまくら刀のようなもの。難なくホリスの限界は食い破られ、激しい快感とともに白濁液
をぶちまけてしまった。

「ん、んむ……ごくごくっ、ごくり」
 イッたというのに、フェレイアの吸引は弱まるどころか、さらに激しくなった。先端を
激しく責め立てながら、のどを鳴らして白濁液を飲み下していく。敏感になった部分を刺
激されながらの射精は、時間が経ってもいっこうに勢いが弱まらない。まるでペニスが水
道ポンプにでもなったかのようであった。
「ごく、ごくん……ちゅ、ちゅうぅっ……じゅるっ、ちゅっ」
「きゃうんっ……イッたすぐは、や、やめてくだ……ああんっ」
 射精が止まったあとも、執拗にペニスを吸いたてられ、尿道のわずかな残りカスすらも
フェレイアの口で吸い出されていく。
 てゅぽん……なにも出なくなると、ついにフェレイアはペニスを解放し、顔を上げた。
「ん、ごくり……うっぷ。はあ、もう満腹だ」
 そしてフェレイアは立ち上がり、ホリスを見下ろす。口の端から垂れる精液をぬぐいな
がら、余裕の笑みを浮かべている。その威厳すら感じられる褐色の体と美貌を、ホリスは
射精後の倦怠感とともに呆然と眺めていた。

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