魔王城7F。
「くっ……さすがに敵も手強いのぉ」
魔法使いのグエンが傷ついた腕をさすりながらつぶやいた。
僧侶のケインはそんなグエンに回復魔法を唱えつつ、魔法力を回復するドリンクをがぶ飲みしていた。
「それだけ魔王に近づいてるってことだろ。恐らく次のフロアにいるだろう」
戦士のジョーは剣の刃を懐紙で拭いながら言う。
確かに、上に登るにつれ敵は強くなってきていた。
それだけ敵も本気になってきたということだろう。
「回復アイテムもそろそろ尽きてきたね」
僕はアイテム袋の中を見ながら言う。
「急いで魔王の元へ……! ケイン、後ろ!」
回復魔法を唱えていたケインの後ろから迫ってきた魔物……それはサキュバスだった。
セミロングの金髪をリボンで左右に束ねた、顔の作りの幼い少女。
しかし、その肢体は張り艶を保ちながらも成熟しきっていた。
豊満な肢体を小さなスカイブルーのビキニで覆い、肉付きよくもきゅっと引き締まったお腹は丸見え、健康的に張った胸元や太ももを見せつける挑発的な外見。
昨日の夜のこともあって、そんなサキュバスを見て、ケインを助ける前に唾を飲んでしまう。
そんなサキュバスに水の呪文をくらわせるグエン。
サキュバスは巨大な水球を受けて、体を痙攣させながらその場にくずおれた。
(ああ、何を考えているんだ、僕は!)
自己嫌悪に陥る。
仲間のピンチを前に、敵の魅力に屈しそうになるだなんて。
それに、昨日のお金のことだってそうだ。
もし首尾良く魔王を倒して、解散するときには、お金を山分けすることになる。
その時に10万ゴールドもなくなっていたら怪しまれてしまうだろう。
ああ、僕は一体どうしてしまったんだ……。
「ふぅ……まったく、気を抜けんのぉ」
「まったくだぜ。よし、そろそろ階段を登るぞ」
皆で準備を整え、階段を登ろうとすると……階段の上の扉が音を立てて閉まりはじめた。
「急げ!」
扉へ急ぐ。閉じるスピードからして、このままのスピードなら間に合う――!
「しまった!」
「!」
後ろからグエンの声。
見ると、グエンが大事にしていた杖を取り落としたところだった。
一年の旅を共にしてきた大切な杖……グエンは悔しそうな顔をしつつ階段を登る……。
――僕は一人、階段を駆け下りていた。
「勇者殿!」
「いいんだ、先へ!」
階段を落ちてゆく杖を拾うと、上を見る。
扉は今にも閉まりそうだった。
僕が槍投げの要領で投げた杖は、扉の向こうのジョーの手元に滑り込んだ。
「勇者!」
「僕は違う道を探す! 必ず追いつくから、魔王の元へ!」
僕の叫び声が届いたかどうか、扉は重厚な音をたてて閉まった。
「仕方ない……まだ行っていないルートから階段を探すか」
僕は一人、階段を降りる。
階段手前のエントランスには、水球に打たれて力尽きたサキュバスが倒れていた。
ムッチリと張ったお尻が小さなビキニからをはみ出し、ずっしりと重たげな乳房はむにゅりと形をひしゃげさせている。
(馬鹿! 倒した魔物をなにまじまじと見ているんだ!)
そう、昨日の夜、ユキナの足でいじめ抜かれてから、町の女性や女性型魔物を見るだけでドキドキしてしまうようになっていた。
今まで世界の平和を守るため、神聖な勇者という仕事についていたのに、たった一晩女性と接しただけでこんな腑抜けになってしまうなんて……。
「…………」
先ほどまでの激戦が冗談かと思うほどの静寂。
仲間達が先に魔王の元へ向かい、急いで追いつかなければならない状況でありながら、僕は何故か動けずにいた。
魔王の上層階でありながら魔物の気配がしない――もちろんその違和感もある。
ただ、何より大きな原因――。
――自然と、僕の視線は倒されたサキュバスへと移動していた。
魔法による水に濡れたサキュバスは、なおも先ほどと同じ体勢を取っていた。
俯せに倒れたサキュバスは、豊かな胸をひしゃげさせており、確かな質感を持つ乳肉の斜面を、玉型の水滴が滑り落ちてゆく。
長い脚はしなだれるように折れており、太ももや臀部は露わになりつつも、その奥は妖しい闇に隠されていた。
(ああ……なんて綺麗な脚なんだ……)
頭がくらくらしてくる。
僕は急がなければならないと知っていながら、彼女へ一歩一歩、近づいてゆく。
(そう、ここは入り組んだ迷路になっているし、迷ってしまうのも仕方ないんだ。ジョー達もわかってくれる……それに、長いこといるつもりはないんだ、あと二、三分の間だけなんだ……一匹の魔物と戦う程度の時間だけなんだ)
心臓が高鳴る音が脳内に反響する中――僕は倒れたサキュバスの太ももに触れる。
それは人肌を保っていた。
(生きている……?)
どうやら気を失っているだけらしい。
念のためサキュバスの顔を覗き込む。
金髪の両端をリボンでとめ、艶やかな頬を朱に染めながら、悩ましげに眉を潜めて目を閉じるサキュバス。
微かに呼吸の音も聞こえた。
「……□、□§⊇⊇……」
催眠の呪文――対象はそのサキュバス。
目を覚まさないうちに魔法を使うことで、二重の催眠をかけたのだ。
いくらグエンの魔法にも生き残る魔法抵抗力の持ち主でも、無防備な睡眠中に脳へ直接魔法をかけたのだ。
激しい痛みなどが伴わなければ、これで二十分は動けないだろう。
「どうせ三分ぐらいなんだ……だから……」
周囲に魔物の気配はない。
僕は溜まった唾を一息に飲むと――サキュバスの太ももに頬ずりをはじめた。
「ああ……水に濡れて……もちもちしてるぅ……」
昨日、魔王へ挑もうとする前夜、娼婦のユキナによって虜になってしまった女性の脚。
長く、しなやかで、それでいて肉付きがよかったユキナの脚――しかし、このサキュバスの脚は違っていた。
確かに長く、しなやかで、肉付きも良い。
加えて、ユキナ以上に張りがあるのだ。
触れれば相応の力で押し返してくる肌。
それはユキナの吸い付くような大人の肌ではなく、幼いからこそ持つ生き生きとした少女の肌。
太ももの間に顔をうずめれば、まるで押しつぶされているような抵抗を感じる。
それが、水にしたたるおかげで滑りを持ち、僕の頬をどこまでも誘ってゆく。
「あ〜……ああああああああぁ……」
うめき声を上げながらその太ももに舌を這わせる。
濡れた太ももは、サキュバスの肌からあふれ出る汗と相まって、独特な甘い味がした。
――すでに、僕の股間は限界近くまでそそり立っていた。
「あと……あと五分……あと五分だけなんだ……」
僕は震える手で自らの装備を外し、聖なる鎧を床に置いて裸となる。
昨日、ユキナによってとことん踏みにじられたモノからは、先走り汁が竿の根本まで垂れており、今もぷくぷくと泡を立てながら、どんどん汁をあふれ出させてゆく。
僕は若干の羞恥感を覚えながらも、急がなければならない状況、何より激しすぎる心臓の鼓動に後押しされ――サキュバスの肩の両サイドに膝をつく。
ゆっくりと上体を倒し、震える腰をなんとか操ると――彼女の唇へと亀頭を押し当てた。
途端、肉厚の唇が、僕の亀頭をもちっと押し返す。
「――ぁああああああああああああああああああ!」
それだけで充分だった。
痙攣する亀頭からあふれ出る白濁液。
それはサキュバスの唇の中へとはき出されてゆく。
口内を満たしても更に溢れ続ける白濁駅は、唇のサイドから垂れ流れ――やがて、サキュバスの顔はゼリー状の精液にまみれていた。
「はぁ……はぁ……」
早々にイッてしまった僕は、羞恥と疲れに俯きながら上体を起こし、サキュバスの顔をまじまじと見る。
美しくも幼い作りの顔が、僕自身の精液に汚れている……そう思うと、イッたばかりだというのに、股間の奥がズクンと反応してしまう。
「だ、駄目だ……もう行かなきゃ……」
――そうだ。一体何をしているんだ、僕は。
今にも仲間達が魔王と戦おうとしているのに。
僕は早くそれに追いついて、人間達を迫害し続ける魔王を倒さなければならないのに。
だというのに、こんなところで聖なる鎧と剣を脱ぎ捨てて、倒した低級魔物が眠る間にその体中を触り、挙げ句の果てに射精までしてしまうだなんて……最低じゃないか。
欲望をはき出したからだろう、僕の思考はすでに冷静だった。
僕は急いで鎧に手を伸ば――そうとして、その光景を目にしてしまったのだ。
顔中に精液を敷き詰めた幼いサキュバス。
その喉が、コクリ、と音をたてて白濁液を飲み下す光景を。
動きを止めた僕は、更なる驚きの光景を目にする。
眠っているはずのサキュバスは、何度も喉を鳴らしながらも、小さな唇を微かに開いて、桜色の舌を伸ばす。
その赤い肉に絡みつく、ゼリー状の白濁液。
サキュバスは更に舌を伸ばしてそれを絡め取ってゆくと、内に収めて――ひときわ大きく喉を鳴らす。
「――――!」
気づけば僕のものは、再び限界までにふくれあがっていた。
鎧にかけていた指を離すと、その指を自らのモノに絡め――
「……¢∴Å∞Å……」
呪文を唱える。
それは僕が覚えている中でも高度な部類に入る呪文――身体操作の呪文だった。
呪文にかかった相手を、ある程度意のままに操れるという呪文。
本来、これは緊急時に敵の動きを止め、周りの敵の混乱を誘う呪文だった。
作用する効果の大きさもあり、消費する魔法力も莫大な量が必要だ。
しかし、僕はそんな高度な呪文を使い、彼女をただ立たせる。
僕は自らのモノを握りながら、その前で正座をする。
(ああ……何をしているんだ、僕は……)心の奥底にいる何かが叫ぶ。(仲間達がピンチかもしれないんだ、急いで行かないと……)
『まだ魔王と戦っているとは限らない』他の何かが叫び返す。『普通なら勇者を待つだろう。きっと小休止中だ』
(聖剣を持たない彼らでは魔物との戦いにすら窮する)
『そんなやわな奴らじゃない。それに、巨大な敵と戦う前だからこそ雑念を払いきる必要がある』
脳内で行われる誰かの口論。
しかし、もはや僕は自らの本能を止められなかった。
「¢∴⊇£」
命令の呪文。
眠りについているサキュバスは目を閉じつつも、ゆっくりと片足を上げ――僕の股間を踏みつけた。
「――ふぁああああああああああああああ!」
サキュバスの指先は幼いだけあり、ユキナよりもぷりぷりと瑞々しい。
亀頭の裏筋を指先でやわやわと揉みつつ、徐々に力を入れて踏んでゆくと、指先のみずみずしさに竿がにゅるりと逃げる。
それを追う足先、逃げる竿、更に追う足先、なおも逃げる竿……。
僕はすでに言葉にすらならないうめき声を上げながら、無意識のサキュバスに与えられる屈辱に耐えていた。
そのふくらはぎは微かに筋肉質で、亀頭を踏みつけるたびに筋が走り、美しい丸みを際だたせる。
太ももにも筋が現れては消え、時折プリンのように震える柔らかそうな脚肉。
そして、布の面積の少ないTバックに隠された股間は、太ももが内に寄れば筋が現れ、外に寄れば秘密の肉園の片鱗が見え隠れする。
「あああ! 低級魔物なのに! 倒した雑魚敵なのに! 眠って何も出来ない相手なのに、僕は……ああああああ!」
眠れるサキュバスによる脚ダンスは激しさを増してゆく。
僕の亀頭を逃すまいと追いすがるぷりぷりの足先は、亀頭のくびれに指を絡め、親指で鈴口を押しつぶしてくる。
竿は歓喜に震えながらも、更に堅さを増してゆき、その指の束縛から離れてぶるりと跳ねる。
長大なまでの脚は、様々な角度から脚線美を見せつけつつ、僕の股間に追いすがる。
逃げても逃げても、サキュバスの脚は僕のオチンチンを離そうとしない、離してくれない……!
「変態」
「――――!」
達しかけたその時、不意に聞こえた女性の声。
それは、眠っているはずのサキュバスの唇から漏れ出ていた。
恐る恐るサキュバスの顔を見上げると……そこには、軽蔑の目で僕を見下す金髪の少女がいた。
「魔王を倒しに来た勇者って聞いてたけど、アンタがその勇者な訳?」
「な……なぜ、人間の言葉を……」
「何も知らないのね。一部の魔物は人間の言葉を理解しているのよ」
「そんな……ひあああっ!」
驚きに身をすくめていると、唐突に襲ってくる股間からの刺激。
サキュバスの脚が、確かな意思を持って僕の股間を踏みつけてきたのだ。
(まさか……もう二十分経っていただなんて……!)
呪文の重ねづけを忘れていた自分の愚かさに気づく間もなく、サキュバスは不敵に笑った。
「私の名前はレイコ・ホリンジャー。サキュバスの女王、アイラム様の側近よ。勇者一行を倒す指示が来たから、苦手な肉体戦で戦おうとしたけど……まさか、こんな簡単に勇者を倒せるだなんて。最初から知ってれば楽だったのに」
「倒せる、だと……? ――ひぐうぅっ!」
表情一つ変えず、巧みに僕のモノを踏みにじってゆくサキュバス……レイコ。
膨らむ亀頭のカリを爪先で弾きつつ、根本の尿道を踵でぐりぐりと踏み、時折親指と人差し指で竿を挟んでは激しくしごく。
かと思えば離れて、不規則に竿をぺしぺしと蹴ってゆき、サンドバックのようにきしむ僕のモノを弄んでは、親指の平で鈴口を捕らえ、もどかしくもコリコリと押し込んでくる。
「そうよ、倒すの。アンタは低級魔物のサキュバスに倒されるのよ。それも圧倒的な力の差でね。まさか、淫技では誰にも負けないサキュバスの土俵にわざわざ上がってくるなんて、アンタって相当の馬鹿ね。それとも、ただ犯されたいだけの変態なの? 世界の平和を棒に振ってまでオチンチン踏みにじられたい変態坊やなの?」
「や、やめてぇ! ゆるし……ふぁあああああああああ!」
電気あんまの要領で振動させられる股間に、僕は頭を真っ白にしてしまう。
「だってそうでしょ? アンタだけがここに残ってるってことは、仲間達は先に行ったってことでしょう? 初めて私の体を見たとき、いやらしい目で見ていたものね。もしかしてわざと仲間とはぐれたのかしら? 不意をくらって遅れたふりして、私の体でエッチなことしたかっただけなんじゃないの?」
「ひがうぅふぅううううううう! ふぁああぁあぁあぁああああああああ!」
竿の根本を激しく小刻みに震わせるレイコの脚。
見上げれば、筋肉質でありながら丸みを帯びた、果てしなく淫らな長い脚が視界に入る。
こんなにも美しい脚に踏みにじられている……勇者の僕が!
「じゃあなんで聖なる鎧を脱いだの? 聖剣を手放したの? なんで魔物の巣窟、魔王城のど真ん中で素っ裸になってるの? なんで私の口の中ねばねばしてるの?」
「ああぐぅ、ぐあああああああああああああああ!」
「なんでここにいるの? なにしにきたの? アンタは勇者じゃなかったの? 平和を守りに来たんじゃないの? 魔王を倒しに来たの? それとも無様に踏まれにきたの? ねぇ、どっち? ねえ!」
レイコの詰問に、僕はまともに答えることが出来ない。
もはやせり上がる射精感に頭を真っ白にするしかない。
しかし、レイコの指先が尿道を強く踏みつけているおかげで射精が出来ない。
尿道がどんどん膨れあがっているのがわかる。
どんどん尿道に白濁液が溜まってゆく。
「答えなさいよ!」レイコは嘲笑して僕を見下しながら詰問を続ける。「アンタは何しに来たの? 魔王城にまで何しに来たの?」
「ま、魔王を、倒し、にっ……ふぁあああああああ!」
「じゃあなんで鎧脱いでるの? なんで聖剣手放したの? なんで倒した魔物にとどめを刺さなかったの? なんで私の口の中ねばねばなの? なんで起きたらアンタの短小のチンポを私が踏んでたの? ねえ、ねえ!」
尿道を押さえられながらも器用に竿をしごかれる。
ゆっくりと、しかし力強く上下する足は、精液があふれ出ることを許さず、しかし精嚢から精液をポンプのように絞り出し続ける。
もはや肉の細胞数からして、これ以上の膨張が出来ないほどに股間が肥大化したところで――
――僕は、勇者としての矜持が消えてゆくのを感じながら、唇を開く。
「き……キミを見て……オチンチンビンビンになっちゃって……事故で一人になっちゃって……倒れたキミを見てたらムラムラしちゃって……ちょっとだけなら、って催眠呪文使って……太ももベロベロなめ回して……口の中にドピュドピュ射精して……精液むさぼるキミの顔を見て、オチンチン我慢できなくなっちゃって……呪文で無理矢理オチンチン踏ませて……ちょっとだけなら、ちょっとだけならって思ってたら……制限時間過ぎちゃって……!」
「それで私が起きちゃった、って訳――」レイコは溜息をつくと、心底まで軽蔑した目つきでもって僕を見下した。「最低のクズね」
「――――!」
その言葉に、股間の奥が性懲りもなく疼いてしまう。
「クズっていうか、豚でしょ。なにが勇者よ。よっぽど強いのかと思ったら、太もも見ただけで勃起しちゃうただの脚フェチの豚マゾじゃない。信じらんない。倒すの超ラクチンじゃない。気負って損しちゃった。アイラム様の手を煩わせるまでもなかったわね」
「ああ……言ったんだから……早く……!」
「なに? 女の子が眠ってる間にいやらしいことしてた豚勇者のくせに、何が望みな訳? その無様に張ったオチンチンになにさせたいの?」
再びはじまるレイコの詰問。
しかし、頭が真っ白になっていた僕は即答していた。
「お、オチンチン、ドピュドピュさせて! 変態なオチンチンを射精させてぇ!」
「こんな豚が勇者だったなんてね……良いわよ。イキなさい。でも――」
そう言って、僕の胯間から足を離すレイコ。
せり上がる射精感。
脳内を駆けめぐる快感に全身を震わせ……!
「――普通にはイカせない」
その声が聞こえるや否や――
――亀頭に激痛。
レイコの爪先が、亀頭の先端を蹴り上げたのだ。
「――ふぁあああああああああああああああああああっ!」
射精。
脈動しながら暴れ回る竿。
まるで暴発した銃のように、射出される白濁液によって軌道を変え、前後左右に暴れ回る。
飛び出る白濁液は、へたり込んだ僕の顔より高み、レイコの腹部にまで届くほどに勢いづき、それが一分近く続くと――やがて暴発は終わる。
途絶えてゆく意識。
「バトルファックにもならなかったわね。ま、楽な仕事でなにより……妹達の餌として持って帰ろっと」
そんな声を遠くに聞きながら、僕は受け身も取れず倒れ込んだ……。
◆
「ママ」
ベッドの中で私……サキュバスの女王、アイラムは目を覚ます。
アクビを垂れ流しつつ横を見ると、側近のサクラコが控えていた。
「なによ、こんな早くに」
「魔王様がお呼びです。一時間以内に来るように、とのことです」
「あのスケベ親父、ざけやがって……勇者にでもなんでも殺されりゃあよかったのに」
「アイラム様が来ないのなら他のサキュバスを10匹寄こせ、とも」
「……行くよ、あたしが。あ〜、マゾのふりすんのタリィのによぉ……」
洗顔歯磨きもそこそこに食卓に出る。
そこには、縦長の机に並んで座る娘達がいた。
「「「おはようございます、ママ」」」
「おっはよーん。今日も皆で適当に頑張ろー。おしまい、解散」
「ママ、おしまいじゃありません。食事の問題が残っています」
「食事? 魔物は別にメシなんて……ああ、そういうこと」
すっかり忘れていた。
あたしは娘達の顔を見て回り、日々の仕事の疲れで顔色の悪そうな娘を5人選ぶ。
「昼も夜もあるから、一度に5人が限度だからね。食べておいで」
きゃっきゃと喜んで牛小屋に入ってゆく5人。
牛の様子を見るために後に続いて入ると――。
「ふぁあああ! 許して、もう許し、ゆるひ、ふぃあああああああああああああああ!」
絶叫が響き渡る。
牛小屋の中央、敷かれた藁の上には、仰向けになり両脚を無理矢理開かれて悲鳴を上げる少年の姿があった。
一ヶ月前、聖剣を手に魔王城を登ってきた勇者である。
当日、魔王の命でサキュバスを一匹、勇者一行へと特攻させることになった。
そこで派遣したレイコが連れてきたのである。
確かな勇者としての実力を持ちながらも、その性癖によってレイコの誘惑に引っかかり、無様に牛奴隷となってしまったのだ。
といっても、アイラムは誘惑を得意とするサキュバスの女王である。
そんな変態マゾ勇者に同情する気はさらさらない。
「ママは気に入った?」
不意に後ろから声がかかる。
勇者を連れてきたレイコの声だった。
「ん〜、あたしは普通かな。バトルファックする気概がある奴ならまだしも、ただ犯されたいだけの変態でしょ?」
「まあ、そう言っちゃえばそれまでだけど……」
「それより、レイコが生き延びてくれたことのほうがよっぽど嬉しいぜ」
そう言ってレイコの頭をがっつり掴むと、レイコは頬を赤らめ、てへへ、と笑った。
「おいし〜!」
「あたしも〜!」
「ぼくも舐める〜!」
牛勇者に群がるサキュバス達。
ある者は股間に、ある者は乳首に、ある者は耳たぶに、ある者は腋にしゃぶりつき、そのたびに牛勇者は悲鳴を上げて悶える。
こうして毎日代わる代わる調子の悪いサキュバス達の餌としてミルク――精液を絞り出し、文字通り精力を与えている、という訳だ。
「ふぁああ! こんな毎日なんて、無理、ひああああああぁっ!」
「無理はさせるなよ。死んだら死んだで、作戦に支障が出るし」
「――クーデター、ですか?」
「おう。あの魔王をぶち殺す。でないと、この前みたいに娘の誰かを特攻させなきゃいけないし」
「でも聖剣は魔王の手中……」
「お勤めついでに探してくるよ。見つかったら、そこの牛を使って魔王と戦わせる。負けても死ぬのはただの牛。勝ったら牛の飼い主、私達が王になる。ま、気長に行くさ……じゃあ行ってくる」
そう言ってあたしは部屋を出る。
向かうは魔王の寝室だ。
一昨日は紐、昨日は鼻フック、今日はどんなグッズを出してくるのやら。
ただ、あたしは黙って耐えるだけだ。
娘達を自由にさせるため、クーデターを企てながら――。
END
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