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B級ホラー学園物10

『残念でしたね…すべてのサキュバスを消し去るかに見えた貴方も、
愛しい相手の幻影にはたやすく惑わされてしまった。
死んだ奥さんの幻に搾り殺される感想はいかがですか? ふふっ』
『かはっ…卑怯な手を使いやがって…畜生…それ以上妻を侮辱するようなことはするな!!
もとの姿に戻れ!!』
『あぁ、やっぱり。気持ち良く気持ち良くて何がなんだか分ってないんですね。
実はもう戻ってるんですよ、普段の私の姿…サキュバスの盟主アマリリスの姿に。
 妻と妻の敵を見間違えてしまうほど、貴方が貪ってる快楽は甘味なのでしょうね』
『そんなっ…ああっ…あああぁぁっ…!!!!』
『また出た。そろそろ終わりが近いようですね』
『はぁ、はぁ、かならず…かならず、私の子がお前を殺す!!
私の子供にそれが出来なくとも…必ず…子孫の誰かがお前を殺す!!』
『…自分の血統に呪いをかけますか…ふふっ、未来が楽しみですね。
さぁ、もうフィナーレですよサリムルク。死になさい』



***

ルルベルが死ぬと同時に霧が晴れた。
結界が消えたようだ。
魔法陣の赤い輝きはすぐに消えてしまった。
アマリリスが出てくると思ったんだが…ルルベルは何か失敗したのか?
回りを見回しても霧が晴れた以外特に変化はない。
そのときたくさん気配を感じて俺は夜空を見上げた。

上空にはたくさんの影が見えた。
なんだ…??
サキュバスじゃ…ない。もちろん人でもない。
たくさんの影がこっちに向かってくる。
あれはたくさんの悪魔と……天使か?
悪魔はすぐに分るが、天使は初めて見た。
もっとも天使という確証があるわけではないが、おそらくそうだろう。
月明かりに照らされた幾人もの悪魔と天使が屋上に降り立ってくる。
天使って不思議な感じがするな…。
思わず見とれてしまう不思議な感じが誰かに似てる気がする。
降りたった天使達と悪魔達に俺は取り囲まれた。
黒いスーツを着た成人男性の姿をした悪魔が歩み寄ってくる。
頭からは羊のような角が生えていた。
なんだか他の悪魔より強い力を持っているように見える。
その悪魔が話しかけてきた。
「あなたはもしかして…サマリスク様の血を継ぐ者か?」
俺はうなずいた。
「私は悪魔の長の一人、ケイオルスという。
神原の友人だ。
私たち悪魔も、天使たちも君の味方だ。
結界の中で何が起こったか教えてくれないか?」
俺は思わず安心して力が抜けた。
生贄は満たされたはずなのにアマリリスはまだ現われていない。
ルルベルの企みは失敗したんだ、きっと。
封印を解く方法を間違っていたのかもしれない。
もし今からアマリリスが復活しても、これだけの人数がいればどうにかなる気がする。
希望が湧いてきた。
俺は今まであったことを順を追って話した。
話の途中で周囲の悪魔たちは驚いたり悲しんだりした。
結界を解くカギの真実や俺がメリアやルルベルを倒したことを聞いたときは辺りがざわめき立った。
神原の死については多くの悪魔が暗い表情になった。
だが、どんな話をして目の前のケイオルスは無表情だった。
「彼は魔王の御子息と人間の女性の間に生まれた。
優れた力と人望を持っていたのに…残念だ」
そう言うケイオルスの言葉がどこか無感情に聞こえて何だか嫌な気分になった。
「それと…まだアマリリスが解放されていないことについてだが。
私が見たところ、生贄はまだ満たされていないようだ。
ルルベルは必要な生贄の数を誤ったようだな。
魔王の力を侮ったのか…愚かな奴め。
しかし……ほぅ…見たところ、あともう少し悪魔の死で間に合いそうだ…」
…何かおかしい。この悪魔は本当に味方か?
天使や他の悪魔とこいつだけ様子が違う。
まるで誰かの人形のような…
突然ケイオルスの口元が歪んだ…何かヤバい!!
俺は咄嗟にその場に伏せる。
ケイオルスの指先から放たれた数本の光の筋が俺の後ろの悪魔たちを切り刻んだ。
断末魔の叫びと共に数人の悪魔が絶命する。
血が魔法陣に染み込んでいく…!!
「避けたか。まぁいい。お前である必要はないのだから」
そばにいた悪魔と天使が俺を庇うようにケイオルスとの間に立ちふさがった。
「どういうつもりだケイオルスっ!! 我らを裏切るのか!!」
「まさかサキュバス側につくのか…!!」
辺りの者たちが殺気立ってケイオルスを取り囲む。
それを気にもとめない様子でケイオルスは話し始めた。
「私は遥か昔、アマリリス様と契約したのだよ。
もしアマリリス様が窮地に陥ったときお助けすれば永遠の快楽をくださると。
だから私はルルベルに協力して学園の設立を神原と共に進めた。
生贄となるべき多くの悪魔を学園に配置した。
哀れな部下を切り刻んで最後の生贄にしてやった。
その褒美を今からアマリリス様がくださる!!」
そのとき何かが砕けたような音が辺りに響き渡った。
ケイオルスの背後の空間が裂けていた。
裂け目の中は濃密な闇だった。
そこから美しい女の手が伸びてきてケイオルスの体に絡みついた。

「よくやりましたね、ケイオルス。
今、ご褒美をあげましょう」

怪しく纏わりついてくるような声が響いたとき、屋上の全員が戦慄した。
すぐに裂け目から全身が滑り出てきた。
黒い巨大な翼が現れる。
伸ばされた黒髪が白い肌の上をさらさらと流れている。
ケイオルスが邪魔で体の全ては見えないが、神がかったようなような妖艶さがあった。
どんなにいやらしい体をしてるのか見たくて仕方ない。
ケイオルスは後ろから抱きつかれてるだけにも関わらず、涎を垂れ流しながらアマリリスの体を感じていた。
豊かであろう胸も、熱い秘所も奴に押し付けられていて見えない。
「ふふっ、私の体を見たい獣がたくさんいるようですね」
このときアマリリスは明らかに俺の方を見ていた。
いやらしく微笑みながら赤い瞳で俺の心を見透かしていた。
この場にいる天使の中で一番力を持っていそうな女性がアマリリスに言った。
「この世界にもうあなたの居場所はない。
元の暗闇の底へ戻りなさい。
さもなくばこの場の全員が全力であなたを仕留める」
「あなたは天使長のひとりファラリルですね。
良く知ってますよ、ずっと暗闇の底から見ていましたから。
あなただけじゃなく、この世界の全てをね。
だから良く分かってるんですよ。
世界中の天使と悪魔が束になってかかってきたところで私の敵ではないと」
「なにを…」
「そうだ、私がこの暗闇から抜け出せたことを記念してパーティを開きましょうか。
とても素晴らしい快楽に酔いながら皆さん仲良く全員死んでいただきましょう」
そう言うと同時に眩い桃色の光が世界を照らした。




気がつくと俺は近くにいた悪魔の女を犯していた。
「いったいこれは…」
褐色の肌の女をバックから激しく犯している。
サキュバスではなく悪魔だ。
膣が俺のペニスを離すまいとしゃぶりついてくる。
俺はいやらしく揺れる尻を掴んで激しくペニスを出し入れしている。
「あぁぁっ、だめぇっ、もっと、あっ、ぁぁぁっ!!」
女の嬌声は激しくなっていく。
俺は快感を貪りながら女を徹底的に犯してやる。
どうしてこんなことになったのかなんて考えられなかった。
そこら中から嬌声が聞こえる。甘い匂いと声が思考を麻痺させる。
快感と興奮が俺の体を暴走させている。
繰り返し奥までペニスを突き込むうちに女が限界まで高ぶってきた。
「んっ、あ、イクっ、いくっっ、いっちゃぅっ!!!!!」
絶頂と同時に膣が震え快感を与えてくる。
そして不思議なことが起きた。
女の体から桃色の光の玉が抜け出しどこかに飛んで行ったのだ。
突然、悪魔の女は活力が抜けひどく消耗した様子になる。
それでも女はもっと犯してくれとねだってくる。
…どうなってるんだ?
辺りを見回し…愕然とした。
屋上にいた全てのもの達が我を忘れて男女で交わっている。
多くの者がいくらか消耗してるように見えた。
よく見ると既に死んでいる者もいる。
近くに相手を見つけられなかった者はアマリリスの体を見ながら激しく自慰に耽っていた。
更に驚くべきは学園の外でも同じことが起こっていたことだ。
道路で狂ったように男女が交わっているのが見える。
夜だったはずの空は桃色に明るく輝いていた。
世界が薄い桃色の光に包みこまれていた。。
「気付いたみたいですね、自分たちが仲間同士損ない合いながら快楽に溺れてることに。
でも気付いただけで抜け出せないレベルですか」
アマリリスがケイオルスのペニスを踏みつけながら笑っている。
美しいサキュバスの体の全貌がはっきりと見えた。
神がかったようにエロティックだった。
全ての者を魅了し堕落させ滅ぼす肉体。
白く滑らかな肌に触れてみたい。
豊かに揺れている上向きの乳房にしゃぶりつきたい。
細身過ぎることもなければ太くもなく、完成された美しさとエロティックさを持っていた。
…メリアと戦っていたときに見た記憶のようなものに出てきた女とぴったり合致した。
太もも、ふくらはぎ、足にケイオルスや周囲で自慰してるものたちの精液が大量に付着している。
それらが肌へと吸収されていく。
ケイオスは既に死にかけていた。
俺はアマリリスに魅入られながら目の前でおねだりする悪魔の女をピッチをあげて犯し始めた。
「あ、あぁっ、イッたばっかなのにぃっ…はげしっ…んんっ」
ドロドロに濡れた膣に絞めつかれ、射精感がこみ上げてくる。
「私の結界でこの街を包んだのですよ。
この結界の中では全ての者が激しく欲情する。
達してしまうと力を少しずつ私に奪われていく。
少しずつ、とは言いましても、4回か5回で死んでしまうことも珍しくありませんけどね」
そう聞いても射精感は収まらなかった。
褐色の女の一番奥までペニスを突き込んで盛大に射精する。
大きな喪失感と快感が体を支配した。
明確な力の損失を感じる。だが、それを凌駕する快感があった。
「あ゛、あっ出て、るっ…いっぱあぃっ、んっ!!!!」
女は再び絶頂に達した。
俺と女の体から桃色の光の玉が抜けだし、離れたところにいるアマリリスの体に吸い込まれる。
見ると何個もの桃色の光がアマリリスに吸収されている。
「ふぅん、あなたから一度に奪えたのは生命力を少しだけですか……精神力の強さが影響してますね……」
ぐったりとしているにもかかわらず褐色の女は艶めかしく尻を揺らした。
膣内に大量に吐き出した精液が音を立てる。
俺のペニスは依然として硬く、女を貫いていた。
腰の動きが止められない。
理性が快感に毒されきっている。
「こうして結界を開いて遊んでいるだけで、結界内のすべての力が私のものになるんです。
この街の全員が死ぬまでどれだけの時間が必要だと思います?
私は一時間もしないうちに全員死に絶える確信があるんですが、どうでしょう?
そうそう、もちろんあなたが思いを寄せている女の子も一人で自慰に耽って死にゆくでしょうね」
アマリリスは俺に問いかけ、微笑んで見せた。
その悪意に満ちた美しい微笑は俺を更に興奮させていく。
だが。
それと同時に。
アマリリスへの確固たる強烈な怒りが生まれた。
俺は褐色の女からペニスを引き抜くとアマリリスの方へ歩みだした。
「やぁっ、もっとぉ…」
後ろで褐色の女がねだる声が聞こえる。
だが、追って切る様子はない。
もう女には動く体力も残ってないようだ。
俺は消耗した体でアマリリスに近づいていく。
体が少し重い。
「ふふっ、私に気持ち良くして欲しいんですか?
私に触る前にあなたはきっと自慰に耽って死んでしまいますよ?」
そう言って目を細めたアマリリスは足もとのケイオルスのペニスを一際強く踏みつぶした。
間欠泉のように精液が吹き出しアマリリスの体を白く汚す。
射精が止まるとそれっきりケイオルスは動かなくなった。
アマリリスがケイオルスの亡骸を踏みつけると、砂のように亡骸は崩れ去った。
物体が存在できないほどにエネルギーを吸いつくされたのか。
俺はアマリリスまであと1メートル程の場所で立ち止まった。
近くで見たアマリリスの美しさとエロさは尋常じゃなかった。
全身にまとわりついた精液を指ですくい舐めとる姿を見たら何も考えられなくなった。
俺は自身のペニスを扱き始めていた。
先ほど放出した精液や交わっていた女の体液を流さんばかりにカウパーが溢れだしていた。
「とても素敵ですよ。みなさんそうなんですよね。
私の体を近くで見て、私の匂いを感じて、私の声を聞いて。
どうしても自慰を我慢できなくなって、私を倒すために近づいたはずなのに一人で快楽に溺れて死ぬ。
ここまで近づいて達すれば結界の効果は関係なく私に搾られたことと変わりませんから…本当にすぐに死ねますよ」
見せつけるように大きな乳房に迸った精液を塗り込んでいく。
精液に塗れた巨乳が艶めかしく形を変える。
俺はそれを血走った目で見つめながらペニスを扱いてる。
精液は胸から吸収されていった。
アマリリスの右手の指で太ももについた精液をすくって、熱い愛液を滴らせている秘所に滑り込ませた。
そのまま何度か指を出し入れする。
1メートルの距離があり、そこら中で嬌声と水音が響いているにも関わらず、
アマリリスの秘所が奏でた粘着質な音はいやに頭の中に響いた。
甘い吐息をすぐ傍に感じる。
左手では胸を抱きよせて、谷間を強調して俺に見せつけていた。
思考は混乱し、焼き切れている。
ただただ興奮し狂ったようにペニスを扱いていた。
「さぁ…そのまま気持ち良くイッてしまいなさい」


<1>イク <2>まだイカない

<1>イク
俺を止める要素は何一つなかった。
世界で最も淫らな女が膣に指を出し入れしながら俺を見つめている。
悪意と悦びが混ざった微笑で俺を見つめている。
俺はその微笑と、深い谷間と、愛液を滴らせる秘所と、細く美しい指と、
流れるような黒髪と、くびれと、太ももと……………
全てに魅了されていた。
頭の中にはアマリリスと快楽しか存在しない。
イって搾られるまでもなく、俺の思考と記憶は壊されてしまった。
「もうイッてしまいそうですね?
どうぞ、私の体にたっぷり欲望を吐き出してください。
何度も何度も私の肌にあなたのどろどろに溶けた精液を染み込ませてください。
何度も何度も。気持ちいいですよ?
そして快楽に溺れて死んでください。
邪魔で仕方なかったサリムルクの血統を途絶えさせましょう」
アマリリスが自身の胸を揉みしだく。
精液を絡みつかせた指が乳房に埋まったり、大きめの乳輪をなぞったり。
乳房は俺の目の前でいやらしく形を変える。
秘所に出し入れする指の動きが大胆になってきた。
二本の指で内側掻くように動かしてみせる。
トロトロと愛液が地面に零れおちる。
アマリリスの口から官能的な熱い吐息が漏れた。
そして俺に限界が訪れた。
病的な量のカウパーを迸らせながら激しくペニスを扱きあげ射精した。
うっとりした顔のアマリリスに多量の精液がかかった。
「あぁ、良いですよ、そう…たくさん出してくださいね」
アマリリスの体中に精液が飛び散る。腹から胸にかけては特に大量の精液がかかった。
鳩尾の辺り一面が濃厚な精液でべっとりと濡れている。
そして信じられないほどの喪失感、欠落感。
またそれを凌駕する快感。
俺は立っていられなくなり膝をつきながらもペニスを扱くのを止められなかった。
アマリリスは体中についた俺の溶けた魂を手ですくって舐めとっていく。
「やっぱりサリムルクの血統は味が良いですね。
他に類を見ない精神力。
でもあなたはサリムルク程ではなかったようですね?
ふふ…もっといっぱい出して快楽の中、死になさい」
俺は再び射精した。
何度もアマリリスの体を精液まみれにしながら俺の意識は闇に溶けた。

BADEND




<2>まだイカない

消えたと思われていた理性が俺の中で囁いた。
俺が今ここで死んでしまったら、どうなる?
井上は助けられないばかりか、町の全員が死ぬ。
そして次は世界が…。
こうなったのには俺の責任である面もある。
ならば。
俺は刺し違えてでもこいつを倒すべきだ。
理性が少しずつ力を増してきた。
狂ったように…いや、なかば狂いながらペニスを扱いていた手を止め、ゆっくりと体を前進させる。
欲望はアマリリスの体に精液をぶちまけたいと叫ぶ。
それを抑えながら動くのは苦痛だった。
「ふふふ…やはりサリムルクの血ですね。
他の悪魔たちよりは優秀です。
でも、その様子じゃ私が優しく撫でてあげればすぐに精液を漏らしてしまいそうですね?」
にじり寄る俺の手を掴んで自分の口元に引き寄せる。
「だからこれは…ハンデですよ。
まだペニスには触らないであげましょう」
ペロッ、と人差し指が温かい舌で舐められた。
「くぅっっ!!」
全神経が人差し指に集中して快感を受け止める。
アマリリスは愛おしげに俺の指に舌をからませ始めた。
目の前で舌が蠢き俺の指を唾液で濡らしていく。
それを舐めとるようにまた舌が指を這いまわる。
目の前で指が一本一本舐め尽されていく。
指ではなくペニスを舐められているかのようにペニスはビクビクと震えている。
アマリリスは悪意を孕んだいやらしい微笑で俺を見ていた。
くそったれが…反撃してやる…。
舐められている側の腕が完全に脱力している。
だが、もう片方の手は集中すれば動かせる。
この手でこいつをイカせてやる…。
俺は空いた手でアマリリスの乳房をすーっと下から撫であげた。
アマリリスが小さく笑う。
柔らかくて滑らかな肌だった。
もっと触りたい…

<1>もっと触る <2>冷静になる

<1>もっと触る

もっと触りたい。
この白く滑らかな肌を触りまくりたい。
別にここでアマリリスの肌を堪能しようが負けることはないだろう。
それに責めないことには始まらない。
もっとこの掌でアマリリスの体中を愛撫してやろう。
そうだ、俺は間違ってない。
もっと体中を掌に感じたい。
俺は掌を押し付けるように体中を愛撫した。
尻や胸の感触が掌から容赦なく伝わり、強力に俺の理性を破壊していく。
アマリリスは俺の指をしゃぶりながらにんまりと笑っている。
俺はうわ言のように呟いていた。
「はぁ、はぁ…掌だけじゃ…」
掌だけじゃ物足りない…全身でアマリリスを感じたい。
「掌だけじゃ、なんでしょう?」
俺の指に唇を押しあてるようにしてアマリリスは訪ねてくる。
その先をなんと言おうとしたかこの女は知っている。
確信的な邪悪な微笑が俺の欲望を更に増大させた。
「…掌だけじゃものたりない…」
「ものたりない? 私を感じさせようとして体中撫でまわしていたんじゃないんですか?
あんなに執拗に触っていたのは自分の欲望を満足させるためですか?
ふふっ、呆れたものですね。好きな女の子もこの街もこの世界でさえもが危機であるというのに、
あなたは女の体をもっと感じたいがために誰も救えず死に絶えるわけですよ。
だってあなたはもう私に堕ちているんですもの。
わかります?」
アマリリスが屈辱的な言葉を並べても俺はアマリリスの体をまさぐることをやめられなかった。
気づけば両手でアマリリスの体を揉んだり撫でたり欲望の赴くままに動かしていた。
「手だけで満足出来ないなら体全体で私を感じればいいんですよ。
あなたは堕ちてしまったんだから、我慢する必要なんてありませんよ?」
「ッ…ぁ…」
耳元にアマリリスの唇が押し付けられる。
「さぁ、私を犯してください…」
その言葉で脳味噌が解けてしまったかのように感じた。
快感と欲望し暴走、俺は勢いよくアマリリスを押し倒した。
胸板や腹やペニスや太ももや脛に魔性の肌がまとわりついた。
全身が歓喜に震える。
肌を重ねているだけなのに気持ち良くて仕方がなかった。
特にアマリリスのお腹の上を滑ったペニスからは極上の快感を感じていた。
カウパーでドロドロになっていた熱いペニスが艶やかで柔らかい肌の上を滑ったのだ。
たまらなかった。
俺はそのまま半狂乱になって腰を動かし始めた。
すぐにアマリリスの腹部にカウパーの水溜まりが出来た。
そこにヌルヌルと激しくペニスを擦りつけて俺は喘いでいた。
口からは涎が垂れ、焦点は合ってなかった。
「あなたは私が出会ったサリムルクの子孫の中で一番欲望に弱い愚か者ですよ。
彼の血もだいぶ薄くなってしまったからでしょうか?
いずれにしてもあなたは一族の面汚しですね。
でも、良かったですね。
私のおかげで、そんなことも関係のない世界がすぐに出来上がりますから、気にせずイッてしまってください」
「かっ…っぁ、ああぁっっっ!!!!!!」
その言葉に応じるように俺は達した。
大量の白いマグマがお腹や胸に噴出する。
臍から谷間に白い川が出来た。
この射精で俺は井上のことも他の大切な記憶も快感と引き換えに失った。
だが、そんなことにも気づかずに俺は精液まみれになったアマリリスの体にペニスを擦りつける。
ひたすら快感を求めて腰を動かした。
他のことなんてどうでもいいのだ。快感が有れば他はいらない。
死のうが、関係ない。
「ふふふ、とても濃厚なのが出ましたね。
さぁ、もっと私を精液まみれにしてください」


BADEND



<2>冷静になる

自分のペースを乱されてはいけない…。
俺はアマリリスの肌に思いっきり触りたいのを耐えて、指先でなぞるようにアマリリスの体へ愛撫を加える。
指先から虜にされていくような感覚に陥ったが、なんとか理性を奮い立たせながら愛撫を続けた。
アマリリスが唇から俺の指を解放する。
舌と指先の間に透明な糸が引いた。
「ぷはっ…なかなかお上手ですね。
欲望に抗いながの片手の愛撫にしてはかなりのテクニックじゃないですか?」
「…それはどうも…」
一応効いてるようだが、向こうは全然余裕だ。
もっと激しく責めたいところだが、慎重に攻めないと返り討ちにあうのは目に見えてる。
そもそも、本当に激しく責められるかも疑問だ。
激しく責めたつもりが、激しく自分が快感を貪っていたなんてことになりかねない。
なにしろ俺は体を見せつけられて指を舐められただけでかなり来てる。
本格的にこの女と交わればどうなるかわからない。
…だが。
勝たなくちゃならない。
そして勝ち目もあるはずだ。
相手は油断してる。
誰も自分に敵わないと思っている。
そこを突いて一気に攻められれば……。
でも、まだそうも出来そうにない。
慎重に…慎重に戦おう。
「ふふふ…でも、いつまでも焦らすような愛撫をされては困りますね。
もっと激しく私を気持ち良くしてくれませんか?」
甘い吐息が感じられる近さでアマリリスはそう囁いた。
舐められていた手がアマリリスの形の良い巨乳に運ばれる。
そして柔らかい塊に手を押しつけた。
「くぅっ…ぁっ…!!!!」
アマリリスの胸はルルベルよりも凶悪に俺の欲望を喚起させた。


続く
意外と手間取ってしまった。
今回を最終回にしたかったけど、次回か、その次かになりそです。
永遠の快楽を信じて仲間を裏切ったのに足コキで死んだケイオルス氏が自分は好きです。

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