綾小路家、家訓
一、男子、女子共に性技の達人であれ
二、男子たるもの性技にて婦女子に遅れをとるべからず
三、婦女子、己より性技に長たる者を伴侶とすべし
僕は今、婚約者の沙織さんの家に向かっている。正しく言えば婚約者じゃない。まぁ、公認なのは公認なのだが正式に婚約させてもらっていないと言うべきだろう。何故って?彼女の家、綾小路家の家訓とやらのせいで僕達はずっと恋人のままなのだ。
この綾小路の家訓とやらが曲者で、何でも婦女子は結婚にあたって自分より性技に優れた異性、つまりはSEXが強い男でないと結婚しちゃいけないって言うのだから大変だ。でもまぁ、それが自己申告であればこっちも救われたさ。問題なのは親、もしくは親族が見届けなきゃいけないっていう点だ。たまったものじゃない・・・。詰まる所、彼女の親の前でSEXをして、僕がイカされる前に彼女をイカせない限り、結婚はおろか婚約すら認めてくれないのだ。
かくして僕は今日何度目かの対戦になるか分からない対戦の為に、綾小路の家に向かっているという訳なのです。
確か最初の対戦は1年以上前だったかな?あの時は何が何だか分からなかったなぁ・・・。
『お父さん、お母さん、僕と沙織さんを結婚させてください、お願いします!必ず幸せにします!』
『えぇ、構いませんわよ?綾小路の家訓にさえ従ってもらえれば・・・』
と、いきなり服を脱がされて沙織さんとSEXをさせられた。ばっちり両親の前で・・・。
他人の前でSEXした事なんてないから羞恥で最初は勃起すらしなかった。(あれはある種の羞恥プレイではないだろうか?)AV男優だってできる訳ないよね、彼女の親の前でおっ立てろだなんてさ。で、結局沙織さんに無理やり勃起させられて始めたのは良かったけど、沙織さんの体とテクニックの前にものの5分で前儀からフィニッシュまであっさりと終わりました、はい。くどいようだけど両親の目の前で・・・。あの時は自殺したくなったね、さすがに。
等と昔の負の想い出に耽っていたらいつの間にか彼女の家に着いてしまった。あぁ、そういえば思い出した。たしか今日の対戦で100回目だったな・・・。ふむ、100と言えば、何やら運命的なものを感じてしまう数字だ。どっかの国の皇帝が99回も強敵と戦って負け続けたが、100回目に1回だけ勝って天下を取ったと言う話を聞いた事がある。それに某組織のエースパイロットも百と名のつく金色の機体を愛用していたと言うし・・・。これは何かある。もしかしたら今日は約束された勝利の日?そう思うと何かものすごくヤル気がでてきたよ、僕は。ふふふ。待っていてください、沙織さん。今日こそ貴女を僕の女(もの)にして見せます!
こうして僕は気合十分で綾小路の家の門をくぐったのだった・・・。
場所は代わってここは対戦の場所。
「沙織、此度でトオル殿との対戦は何回目であったかな?」
「はい、100回目となります」
全裸の上に薄い着物1枚だけを羽織った沙織が短く応える。
「100回、か・・・」
100回という数字に少しの憂いもなく即答する娘に、少々ウンザリとした表情の父親。母親は目を瞑ったままじっと動かない、きっと元来から無口でこんな感じなのであろう。
父親はチラリと母親をみてため息をつく。この親にしてこの娘あり、か。とでも言いたげな顔だ。
「のぉ、沙織よ。いくら我が綾小路の家の掟とはいえ、そろそろ加減してだな、トオル殿に花を持たせて婚儀にいたろうとは思わぬか?」
沙織は母親同様に目を瞑り、正座してじっとしていたが、父親の言葉にピクリと繭を吊り上げて口を開く。「お言葉ですがお父様、沙織は由緒正しき綾小路の血を受け継ぐ女子です。いくら私とトオル様の幸せの為とはいえ、家訓に準じる性技の闘いにおいてわざと負ける等と・・・。そのような事は私のプライドが許しませんし、トオル様も望みますまい。それに・・・」
この先の言葉はすでに何十回聞いたか分からないが、とりあえず会話のお約束になりつつあるので、父親は短い言葉で先を促す。
「それに?」
「はい、トオル様であれば必ずや私を正々堂々と闘って実力で絶頂に導き、妻に迎えてもらえるものと信じております」
これまた何十回このシーンを見たか定かでないが、真っ直ぐな瞳で父親を見据え、きっぱりと沙織は言い放つ。父親は「はぁ・・・そうですか・・・」と大きくため息をつかざるを得ない。
正直、父親が見る限りトオルと沙織ではまだまだ実力に隔たりがある。今回だってトオルが勝つ見込みは20%位だろうと踏んでいる。沙織だって分かっている筈なのに、このトオルが勝つという根拠のない自信がどこからくるのか不思議でならない。そもそもトオル自身が本気で勝てると思っているのか怪しいとさえ思っていた。故にある懸念が拭いきれないのだ・・・。
父親はよっぽど小難しい顔をしていたようで、それを見た沙織が「クスクス」と笑い出す。
「お父様、今回も私が勝ってしまうのでは、と心配なのですね?お顔にそう書いてありますわよ?」
図星を指された父親がギクリとした顔をして沙織から目を逸らす。
「い、いや、お前が余りにも加減をしなさ過ぎるのでな、そろそろトオル殿もお前を諦めて他の女子に心変わりをしてしまわぬか心配なのだ、ワシは」
再度チラリと妻を見てから心の中で (かつてのワシがそうであったようにな・・・) と付け加えておく。
何を隠そう、この父親も綾小路の婿養子であり、自分の横に鎮座している妻との激闘の末、ようやく結婚に至った経緯がある。ちなみに結婚前の対戦成績は1勝186敗、それまでにおよそ2年間が経過しており、結婚後は連敗記録を果てしなく更新し続けている(現役で)
綾小路家のDNAのなせる業なのか、それほどまでに綾小路の女はSEXに強かった。
そのおかげで当時の父親(名前は勇介)は何度も挫折して諦めようとしたが、その都度妻に励まされて(?)果敢に勝負を挑んだ。
で、その励まし方なのだが・・・。
『勇介様、わたくしを諦めるもしくは、捨てて他の女に走ろうものでしたら・・・、即刻新たな人生を歩む事になりましてよ?もちろんニューハーフとしてですけれど・・・・・おーほほほほほ』
『・・・・・・・・』 青ざめた顔で絶句せざるを得ない勇介。
その後の努力の結果、一切手加減無しの妻(裕子)との、永きに渡った死闘(?)を奇跡的に1度だけ制し、命がけで自分の貞操を守った訳だ。代わりに人生における自由を失った訳だが・・・。
そしてまた20年以上の歳月を経て、歴史が繰り返されるのが不憫でならない父親、勇介であった。
そして・・・。
「奥様、旦那様、お嬢様。トオル様がお見えになりましたのでお連れしました」
裸に薄い着物1枚になった僕は仲居さんに案内されて慣れ親しんだ(?)決戦の場所へと案内された。すでに皆揃っていて僕を待っていたようだ。相変わらず無表情なお母さん、小難しい顔してそわそわしているお父さん、静かに闘志を燃やしている沙織さんが3者3様に僕を見つめている。
僕は沙織さんの横に座り、毎回の約束事のようになっている選手宣誓のような宣戦布告を始める。
「お父さん、お母さん。僕は沙織さんと正々堂々と闘い、此度こそはこれに見事勝利して沙織さんとの婚約を認めてもらいます!その目でしかと見届けてください!!」
この家に来ると言葉使いまでおかしくなるのは気のせいだろうか・・・。
それはさておき、僕の言葉に並々ならぬ決意を感じたのか、
「トオル様、よくぞ申されました。沙織は嬉しゅうございます。ならば私も持てる性技の全てを持って挑みましょう。そして沙織を見事打ち破ってくださいまし・・・」
沙織さんが感無量の様子でうれし泣きしている。うれし泣きするのはいいけど、僕が勝ってからにして欲しいな。いや、その前に持てる性技の全てって、貴女・・・そんな事されたら僕負けちゃうよ?きっと・・・。いやいや、弱気はいかん!今回は100回目、約束された勝利の日なのだ!!
「沙織、トオル様、その心意気や良し!」
今まで身じろぎ一つしなかったお母さんがカっと目を見開いて僕達を鋭い眼光で射すくめる。このお母さんって物静かで普段全然口を開かないのに、こういう勝負事になると異常な位の熱血漢ぶりを披露するんだよね、何故か。でも沙織さんも似たようなものか。勝負となると途端に眼の色所か、人間が変わるからね。
「では、両者とも身につけているものを脱ぎなさい」
ほら、早速お母さんが仕切り始めた。で、お母さんの言う通りに僕らは着物を脱いで全裸になる。チラと沙織さんを見てみる、相変わらず白い肌が綺麗だ。胸も大きすぎてなく均等の取れたプロポーションだね。見てるだけで僕は勃起しちゃったよ・・・。
「あら、トオル様。私の体を見ただけで、それほどまでに欲情を抱くとは女冥利につきますわ」
僕のそそり立ったモノを見て「おほほ」と嬉しそうに笑う沙織さん。もしかしたら彼女も僕のモノをみて欲情したりするのだろうか?
「うふふ、トオル様。お察しの通り、沙織もトオル様のイチモツに欲情しておりますわ、この通り・・・」
そう言って指に股間から絡めた愛液で糸を引いてみせる沙織さん。この清楚可憐なお嬢様が突然いやらしくなる、このギャップが堪りません。
それにしても、僕の心の声が聞こえたかのように的確に考えを見抜くとは・・・、僕ってそんなあからさまな顔をしていたのかな?でも僕の体で好きな人が興奮してくれるのってやっぱり嬉しいよね。
そんな事を考えている内に 「それではお母様、始めてください」 と、沙織さんが試合開始の合図を打診する。そこで僕はつまらない事を考えるのを止めた。ここからは沙織さんとの真剣勝負だ、気を抜けばあっと言う間にイカされてしまう。
そして僕は試合開始の合図を今か今かと待っている。でも何故か今日に限って中々合図が来ない。集中力が途切れてしまうが、チラリとお母さんの方を見てみる。
何処から取り出したのか、いつの間にか手に小さな太鼓と鉢をもっていた。知らない間に座布団まで8枚位重ねて敷いているし。どっかのテレビで見た事あるよな、この場面・・・。
「それでは、両者、はじめ!」 でんでん♪ (←分からない人、ごめん)
・・・・・お母さん、見かけによらず意外とマニアックなテレビ見てるんですね・・・。
試合開始の合図が鳴ったものの、お母さんのモノマネに気を取られて油断した僕は沙織さんの奇襲をモロに喰らった。
「うふふ、トオル様。前回のおさらいですわ♪」
と、いきなり僕に飛びついてきた沙織さんが僕の乳首に舌を宛がう。前回も散々これでよがらされてペースを崩したまま、ジリ貧になったあげくに負けたんだよな。
チロチロチロ・・・
コリコリコリ・・・
舌と指先による愛撫が僕の乳首に襲い掛かり「あぅ・・」と僕は堪らずに声を上げてしまう。
くそう、何故女だけじゃなく、男まで乳首が感じてしまうのだ!?
「あらあら、この程度で声をあげているようでしたら、この勝負、トオル様に勝ち目はありませんわ、情けない・・・・・・え?あ、あぁぁん・・・」
僕は沙織さんの攻撃を受けてしまったが、すぐさま彼女の乳首へ手を伸ばして軽く摘んでやったのだ。
「沙織さんこそ、この程度で感じているようでは負け決定ですよ?」
僕は挑発を兼ねて「したり顔」で彼女を見下してやると、心底彼女が嬉しそうに「うふふふふ」と笑い出した。僕が咄嗟に反撃したことが嬉しいのだろうか?
「面白いですわ。ならば私の負けが決定かどうか、その体で存分にお確かめくださいまし」
沙織さん(面倒なので以下:沙織、トオル)が僕の股間へ顔を移動していく。
まずい、沙織のフェラで今まで何回イカされたか分からない。僕は咄嗟に体操座りの様に足を丸めて股間をガード。
「ふふ、トオルったらそんな事で私の攻撃を防いだつもりかしら?可愛いわね・・・」
殿方を辱めながら気持ちよくさせる方法もありましてよ?と僕の下半身を持ち上げる。こ、これはまさか「チングリ返し」か?
防御に気を取られ、油断した僕は何とも恥ずかしい格好で沙織に後ろの孔をおおっぴらに見せる事になってしまった。沙織が当然のように孔に固く尖らせた舌先をねじ込んできた。
「はぅ?」
初めて味わう感覚と、恥ずかしい格好をさせられた事に肛門がヒクつき、一瞬力が抜けてしまって丸めた足が崩れる。沙織はその隙を逃さずに僕の無防備なモノを握った。
「さぁ、どうするの?トオル・・・」
沙織が竿をシゴキながらレロレロと孔を舐め回してくる。
「ふふふ、おち○ちんもすでにカチカチだし、このままあっという間に出しちゃうのかしらね?」
「くぅ!」
体勢を崩して反撃しようにも、意外と力持ちの沙織ががっしりと体を固定してしまって身動きが取れない。滑らかな手が僕のモノをシュッシュと絶妙な強弱をつけてシゴく。
「あら、恥ずかしい格好のままシコシコされるのはさぞ気持ちいいようね、トオル。ほら、カチカチのおち○ちんがこんなにヌルヌルしてますわよ?」
亀頭をクチュクチュと音を立ててイジられる。悔しいが気持ちいい・・・。
「それに、コッチの孔もヒクヒクして気持ちいいみたいね・・・、Mの素質も十分みたい。」
「あ、あ、あぁぁぁぁ・・・」
再びアナルにレロレロと舌先をねじ込むように攻めたてる沙織。くそぉ!何故恥ずかしいのに興奮しているんだ、僕は!沙織の言う通り、Mなのか?!
「いいわよ、その恥ずかしさと気持ちよさと悔しさが同居したような顔。その顔だけで沙織はオナニーができてしまいますわ。その証拠に今、私のアソコは熱くて仕方ないですもの・・・」
勝ち誇った顔で楽しそうにアナルを舐め、袋を口に含んだりと僕を弄ぶ沙織。こ、これはかなり気持ちいい・・・、まずいぞ、これは。何が約束された勝利の日だ!?これじゃ約束された敗北の日じゃないか!
手足をバタつかせて何とか状況を変えたい僕だが、何ともならない。イヤだ、こんな風に何もできないまま負けたくない!僕の中で眠っている力があるなら第6感、7感、超サ○ヤ人でも何でもいい、目覚めるものがあるなら目覚めて何とかしてくれ!僕は全身に力を漲らせ、あるはずもない何かを覚醒させようとして必死に無駄な努力をしていた。が、この危機的状況は意外な形で脱する事ができたのだ。
「ふふふ。少々遊びが過ぎてしまったようですわね」 と、沙織がチングリ返しを解いたのだ。
「・・・・・・・何故だ?沙織」
「情けをかけた等と誤解しないようにしてくださいませ。私はトオル様と正々堂々と勝負がしたいのです。そう、その猛々しく熱く滾るモノと、私の熱く潤った女壷との1騎討ちで・・・」
唾液でしっとりと濡れた唇に指を当てるようにして沙織が妖しく微笑む。雰囲気が少しずつ変わってきた。いつもは沙織の中で眠っている淫乱な部分がついに眼を覚ましたようだ。
僕を見るその目が恋人に向けるそれではなく、獣が狙った獲物を見るような目なのがその証拠。後は言葉使いが痴女っぽくなるのが特徴だ。
ゆっくりと僕から少しだけ遠ざかり、M字開脚でアソコを見せ付けて僕を誘う沙織。自分の指でクリ○リスを露出させ、腰を振り出す。上気して息も自然と荒くなっていく。挑発している内に僕のモノを欲しくて堪らなくなったようだ。
「はぁ、はぁ、ねぇ、トオル、早く来なさいよ。男らしく私と真っ向勝負をなさい。そしてイカせるかイカされるかのギリギリの感覚を味あわせなさいよ。さぁ、早く、その熱く滾るソレを私の蜜で溢れかえった壷に入れてグチャグチャにかき回しなさいよ。ねぇ、早く・・・」
自分の言葉に興奮度を高めていく沙織。そのいやらしさに見惚れて動かない僕を待ちきれず、仕方なく自分でクリをいじってオナニーまで始めてしまう。愛液が絡んでクチュクチュと音がして、アソコがヒクヒクと蠢いているように見えてくる。
「ゴクリ」と唾を飲み込む僕。そのオナニーの姿に湧き出る雄としての本能。
『挿入(いれ)たい、突きまくりたい、あの女をヒィヒィ言わせたい、イカせたい、射精(だ)したい』
5つの言葉が頭の中でグルグルと回りだす。その間も沙織はオナニーを続けて「ああぁぁ、イイ、早く、早く頂戴、トオル・・・」と我を忘れている様子でよがっていた。もう我慢できない。
「沙織―!!」
叫ぶや否や踊りかかる僕。乱暴に押し倒してモノを沙織の秘部へぶち込む。押し倒された沙織の眼は嬉しさで輝いていた。
ジュブジュブジュブという音が二人の耳にはいる。かなり乱暴にぶち込んだにも関わらず、モノはスムーズに奥まですっぽりと入った。奥まで完全に挿入した瞬間、モノ全体が包み込まれるような錯覚に陥る僕。くぅぅ、相変わらず何て気持ちがいいんだ・・・。
「「あぁ・・・」」
感覚は違えども同時に感じる僕達二人。
ようやく僕のモノを味わう事ができた事で、沙織が心底楽しそうに笑い、白く長い両脚を僕の腰にがっしりと絡めてきた。
「うふふふふふふ。これでもう何処にも逃げられないわね、トオル・・・」
「うぉ?」
「さぁ、たっぷりと楽しみましょうよ?1騎討ちを・・・。私がイクか、トオルがイクかの二つに一つの、激しくもとても気持ちのよい、快楽の闘いを、ね?」
もはや沙織は完全に恋人から淫乱な雌へと変貌してしまった。それにどうやら決着がつくまで挿入したままという事らしい。上等だ、沙織。雄と化した僕のパワーを侮るなよ?
「いくぞ」
声と共に僕は腰を動かし始める。はじめはゆっくりなんて言っていられない、全開ピストンで奇襲攻撃、そのまま一気にイカせるつもりで突きまくる。
ぱぁん、ぱぁん、ぱぁんと腰と腰とがぶつかり合う激しい音。
「な!?すごい、いきなり!?」
奇襲は成功したようで、沙織が僕の全開ピストンに眼を見開いて口をあけたまま硬直している。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あぁぁっぁぁ」
沙織のあいた口から唸るような声が洩れ、感じれば感じるほど僕の腰を締め付ける彼女の脚が緩んでくる。1度抜いて体勢を立て直そうか?とも考えたが、僕はそのまま腰を打ち付ける。沙織には1騎討ちを挑まれているのだ、逃げるわけにはいかない。でもこのチャンスを逃すわけにもいかない。僕は低く立て膝をついて沙織の腰を持ち上げる。
腰に角度をつけて沙織のGスポットにあたるようにピストンをする為だ。
「あ、トオル!?そ、そこは!?」
どうやら上手い事目的のスポットを捉えたらしい。さっきまでのような激しいピストンはできないが、その分細かいピストンで捉えたスポットの1点集中攻撃を始める。
ここで一気に決めてやる!僕は細かいながらもピストンの速度をあげる。それに合わせるように沙織の愛液と僕のモノが絡み合う音も小刻みになる。
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・・、と。小刻な動きなのに、これほどのいやらしい音が響くなんて、それほどまでに沙織の膣(なか)は蜜で溢れていたのだろうか?
「そ、そんな?!嘘!?ダメ、イィ・・・ああああああああ」
僕の奇襲攻撃で完全に動揺してよがりまくっている沙織。自分自身の今の状況が信じられないのだろう、シーツを強く握り締めたままで眼が完全に泳いでいる。イケる、このまま突きまくるんだ!
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・・・・
すごい音だ、突けば突くほど音が大きくなる。際限なく蜜が溢れているのだ、きっと。もしかしたらシーツまですでに濡れているのかもしれない。
「お、お、お、お、お、お、おぉぉぉ」
しかし、腰を全開で動かしっぱなしなので、さすがに疲れが出てくる。でもここでペースを落とすわけにはいかない、休んだら沙織の反撃がくる。休んだら僕の負けだ。でも沙織の弾むように揺れる胸の乳首も結構ぴんぴんに立っている。もしかしたら絶頂が近付いているのか?
「さ、さおりぃ、もう、イキたいんじゃ、ない、か?えぇ?だったら、イ、イッちまえ、よ!」
息があがっているから自分でも上手く言えたかどうか良く分からない。でもきちんと伝わったようで沙織が僕をすごい眼で睨んできた。僕に勝てとか言っている半面本音では負けたくないらしい。
「くあぁぁん・・・ま、まだまだ、よ。勝負はぁ、これからよぁ!あああぁぅぅぅう」
僕から押し付けられる快感に必死に耐え、食いしばった歯からかろうじて言葉を紡ぎだす沙織。もしかしたら今の言葉攻めは逆効果だったか?
でも、もはや後戻りはできない。このまま言葉攻めとピストンを続けるしかない。
「あぁ、そうかよ!!!」
「あああああああああああああ!!!」
沙織の返答にに大きく叫び返して更にペースをあげる僕。沙織の嬌声もつられて大きくなる。が、さすがにこれ以上のペースアップはマズイ。僕自身が先に限界点に達してまって、自爆でイってしまう可能性もある。
後、何か、何か沙織をイカせるためにできる事はないか?沙織のあの眼は本当に勝負を諦めていないようだ。僕のピストンのペースが落ちるのをじっと我慢しているつもりか?くそぉ、我慢比べか・・・。それは攻撃側の僕に分が悪い。
考えろ、沙織は、女は何に感じる?本当にこのままピストンを続けるしかないのか?一体どうすれば良いんだ?どうすればあの眼を何とかできる?
眼?そうか、後は眼力があった。
僕の思いを眼力に込めて沙織にぶつける。肉体というより精神にダメージを与えればきっと押し寄せる絶頂をとどめる事はできないはず。試合前も僕の顔をみて考えている事を見抜いたのだ。ならば間違いなく僕の眼力に気づくはず・・・。
(さぁ、沙織。早くイってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ、イってしまえ!)
違う、これでは逆効果だ。もっと優しい目で彼女を癒すように見つめるんだ。
(沙織、愛している。俺の為に・・・お前が絶頂を迎える時の可愛い顔を見せて欲しい。沙織・・・)
腰を動かしながら、精一杯気持ちを込めた優しい目で沙織を見つめる。等という器用なマネをしながら僕は沙織の反応を待った。
(!!!)
今1瞬だけ沙織が眼を逸らした。間違いない、僕の眼から思いを汲み取ったのだ。すでに上気して朱に染まっている頬だが、さらに赤くなったような気がする。もう一押しだ。
「沙織、一緒に・・・・」
最後まで言わずに沙織の解釈に任せる僕。沙織の脳には間違いなく一緒にイこうと聞こえたはず。
そしてその直後・・・
「あ、い、イヤ、ダメ、あ、あ、あ、あ、あ、あ・・・イ、イィ、イッちゃう、イっちゃう、イっちゃう、いぃくぅぅぅ・・・・イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク、イク」
心を乱された沙織がこの99回で見せた事もないような喘ぎ方と体の動かし方をする。当然だが今まで沙織をイカせた事ない僕だが、直感で分かる。沙織はイク直前だ!やった!この勝負、僕の勝ちだ!!
が、そこに油断が生じた。うっかり「約束された勝利の日」という単語が頭に浮かんでしまったせいで、こっちの集中力まできれてしまったのだ。沙織同様、途端に襲い掛かる射精感。
「うぐ?!」
「!!!」
僕は思わず腰を止めてしまったせいで沙織にこちらの限界を悟られてしまう。条件が5部5部に戻ったせいで沙織の眼が正気を取り戻す。
「ト、トオル!イって、早くイって、イって、イって、イって、イって、イって、イって、イって、イってぇぇぇぇ!」
大声で叫びながら最後の力で僕を抱き寄せて腰を振りまくる沙織。くそぉ、マジで限界だぞ?これは・・・。
「くっそーーー!!!」
子供のように叫び返してこっちも一か八かの反撃でピストンを繰り出す。最後の勝負だ!
「さおりーー!!!!!」
「あああああん!トオル、トオル、トオル、トオル、トオル!!」
狂ったように僕の名前を連呼しながら、僕にしがみついて腰を振り続ける沙織。ダメだ、沙織の腰振りの方が僕のピストンより強い、僕はこれ以上もう腰を振る事ができない。精子もすぐそこまで出かかっている。でも負けたくない!早く、早くイってしまってくれ、沙織!ぼ、僕はもぅ!
目を瞑り、「くぅぅぅぅぅぅ」 と歯を食いしばる僕。その僕の顔を沙織が両手でそっと包み込む。ついつい眼を開けて沙織を見てしまう僕に向かって沙織の唇がゆっくりと動く。
「トオル・・・、沙織の膣(なか)に、白いのいっぱい頂戴。お願い・・・」
(う、可愛い・・・・・)
絶頂寸前の上気した顔に眼を潤ませて切なく呟く沙織。今まで沙織のこんな可愛い顔なんて見た事がない!思わずドキリとしてしまった、この顔は反則だ。
「愛してるわ、トオル・・・」
沙織がゆっくりと僕に優しく唇を重ねていく。あぁ、すごく心地のよいキスだ、力が抜けていく・・・。
「うっ!?」
その瞬間、僕は沙織の望み通りに白いのをいっぱい膣(なか)にぶちまけていた。
沙織の中でモノが何度も脈を打っている内に、僕は沙織の眼と優しい言葉と口付けが僕をイカせる為の演技だった事に気づいた。最後の最後でさっき自分が仕掛けた罠を喰らってしまうなんて、バカだな僕は・・・。
僕の、負けだ・・・・。
そしてそのまま僕は力尽きたように沙織に全体重を預けたのだった。
「はい。両者、それまで!」 でんでん♪
決着がついたのを見届けたお母さんが試合終了の合図を鳴らす。
よっぽどそれをやりたかったのか、すごく満足そうな顔のお母さん。もしかして僕らの勝敗はどっちでも良いのでは?と思えてくるな。
沙織さんを早く嫁に出したい一心のお父さんに至っては憤怒の形相で僕を睨んでいる。そりゃそうだろうな、後1歩まで追い詰めて逆転サヨナラホームランを打たれた訳だからな。試合終盤はさぞかし僕の勝利に期待して心の中で小躍りしていたのだろうね、きっと。
ははは、限界に近い闘いをした後だと言うのに、こんな事を考える余裕があるなんて自分自身に正直驚きだ。負けたとはいえ、今回の闘いで大分強くなったと言う事なのかな?
でもやっぱり体が重い。おまけに瞼まで重くなってきた・・・。
薄れゆく意識の中で沙織さんが何事かを僕に囁いている。重い瞼をあげて彼女をみればうっすらと涙を浮かべて悲しそうな顔をしていた。どうやら、さっきまでの妖しい雰囲気の沙織さんからいつもの沙織さんに戻ったようだ。
「トオル様、此度こそは!と思っておりましたが、またしても私が勝ちを収めてしまいました・・・、申し訳ありません。最後に我を忘れた私があのように、はしたなくおねだりさえしなければ・・・、もう少し早く絶頂を迎える事ができていれば、トオル様の勝ちでした。無念にございます!しかし、残念ながら此度も婚約には至りませんでしたが、此度の対戦におけるトオル様の成長振り、沙織は嬉しゅうございました。次回、次回こそは・・・」
最後まで言い切れずに嗚咽を洩らす沙織さん。そうか、僕が負けた事を悲しんでくれているのか・・・。
「沙織さん、不甲斐ない男でゴメンね・・・」
僕はかろうじて繋ぎとめている意識がある内に言葉を紡ぎだし、臨終間近の人のように恐る恐る沙織さんの頬に手を伸ばしてみた。やっぱり濡れている・・・。
「次こそはちゃんと勝つからね、泣かないで・・・」
眼を閉じたまま小声で沙織さんを慰める僕。負けたほうが勝った方を慰めているなんて何か不思議な感じだ。
僕の言葉を聞き取った沙織さんが気のせいか「クスリ」と笑ってくれたように感じる。そしてそれは気のせいじゃなかった。
「はい、トオル様。お見苦しい所をお見せしまして申し訳ありません。もう大丈夫です。なれば、次こそは必ず私を絶頂へとお導きくださる事をお約束くださいませ。そして、お待ちしております・・・」
一度言葉を区切り、僕を抱き締める沙織さん。僕は彼女に抱きしめられたまま、最後の言葉を聞いた。
「101回目の、プロポースを・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(・・・・・・・う〜ん、それはちょっと違う気がするよ、沙織さん・・・)
内心で突っ込みを入れたくなってしまう僕。あぁ、でも、もう意識が限界だ・・・・・・でも最後にこれだけは言わせて欲しい!!
それは・・・。
(僕は、イキましぇ〜ん!)
おしまい
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