森の新しいボスが雌豹の族長に代わったことで、霊獣と人間の関係も大きく変わろうとしていた。先代の支配者である穏健な樫の樹の聖霊とは大違いの獰猛な雌豹を、人間たちは警戒していた。
森の支配者は人外の眷属たちであるものの、そこは人間達の生活の場・入会地にもなっていた。森での狩猟ができなくなれば、付近一帯の村落の生活は成り立たなくなってしまう。それは周辺国の情勢をも左右する重大な問題であった。
そんな中、雌豹のリーダーから、人間たちに手紙が届いた。
森での狩猟の制限枠を、弓術大会の成績で決めるという通告だった。弓術大会に参加できるのは、今年元服する少年のみ。参加者は、事前に森での3日間の事前合宿に必ず参加することという条件もあった。
各地の領主は、さっそく領内でもっとも弓の腕がたつ少年を探し出し、雌豹たちが主催するという森の合宿へと参加させた。
森の集合場所へ到着した少年達が目にしたのは、信じられない光景だった。
一糸纏わぬ同年代の少女達に出迎えられたのだ。
恥ずかしげもなく自慢の美しい肢体を晒すネコ科の魔物の美少女たち。
思春期の少年たちは、目のやり場に困り、ドギマギしてしまった。
「こ、これはいったい・・・」
困惑する少年を、娘たちが取り囲む。
「ようこそ、あたしたちの縄張に」
少女たちの手が伸び、服を剥ぎ取ろうとする。
突然のできごとに、少年たちは顔を真っ赤にしてパニックに陥るが、ほとんど抵抗することはできなかった。
「ちょっ・・・ちょっとどういうつもりだよ!?」「なに考えてんだ、やめろ、俺のベルト返せって・・・」
あちこちから聞こえてくる弱々しい抗議のさけび。だが、素っ裸の美少女に本気で抗える者はいなかった。
「いいから、あたしたちに任せて♪」「あら、引き締まった素敵な体♪」
と黄色いはしゃぎ声がかしましく響き、少年たちは衣服を脱がされていく。
ほとんどが、片田舎に住む猟師の息子たちである。純朴な少年たちは、もちろん体の経験など皆無だし、こんな色っぽい女性の姿も見たことがなかった。
カワイイ女の子に、裸にされて、ナニを見られた、10代の男がどうなるかは、言うまでもないだろう。
逸物の勃起をごまかそうと、必死な少年たち。だが、そんなみっともない状況で羞恥心を刺激され、さらに興奮してしまうのだから、憐れなものである。
前屈姿勢になって必死に下半身を隠そうとしていた小柄なソバカスの少年にいたっては、3人もの少女たちに指差されて笑われて、とうとう泣き出してしまった。だが、それでも竿の猛りは治まらず、ますます天に向かって力強くそそり立ってしまっているのだから、救いようがない。
そんな中で、1人だけ、何とか精神力を集中させてパニックに陥らない1人の少年がいた。侯国から直々に派遣された弓術師範の息子である。
「おい、お前ら、いったい何のつもりだ!? 俺たちを裸にして食い殺そうって腹づもりか!?」
そこらの田舎のガキと俺は違うんだと言わんばかりの堂々とした態度の少年に、少女たちのリーダーと思しきハイエナ娘が応答した。
「侯国の騎士様とお見受けしますが、あなたにも森の掟には従っていただきます。ここから先、衣服を着用することはまかりなりません。それは禁忌です」
そう言われてしまえば仕方がない。だが気位の高いその少年は、少女たちの手は借りず、自分自身でてきぱきと服を脱ぎ、下半身まで素っ裸になった。
「ほら、これで文句ないか?」と平常心を装う少年。
だが、鼓動はドキンドキンと高鳴り、声が上擦ってしまった。無理もない、武芸一筋で鍛錬にばかり精を出していた彼もまた、他の少年たちと同様、女体を知らない初心な男子に過ぎなかった。
(勃つな、勃つな、勃つな!!! 頼むから勃たないでくれよ、俺の息子!!!)
必死に念じる少年に、ハイエナ娘がよりそう。
「まぁ、ずいぶんと鍛えられた良い腕をされていますのね。きっと弓術の方も、さぞや達者でいらっしゃるんでしょう?」
二の腕で、ハイエナ娘の乳房がムニュッとした。その胸からあふれ出たかのようなタイミングで、少年の鼻腔を麝香系の薫りがくすぐる。理性を蕩かして、牡の本能を挑発する鋭利な匂いに、少年の下半身がムクムクと反応してしまいそうになる。
「そ、それほどでもない。まだまだ修行中の未熟な身。おだててもらっても困る・・・」
「でも、ほら、こんなに鍛錬された筋肉・・・」
肩甲骨から胸板まで、ハイエナ娘に妖しい指使いでなで上げられる。ビクッと刺激が背筋に走り、思わず甘ったるい嬌声が自分の口から漏れそうになるのを、奥歯を食いしばって辛うじて我慢した少年。だが、下半身の方は、辛抱が足りずに頭をもたげ、そろそろ上を向いてしまいそうになっていた。
そんな半勃起した下半身に、ハイエナ娘がチラッと一瞥をくれる。
(見られた!!!!)と思った瞬間、いつもとは違う種類の汗が吹き出すように少年は感じた。
「カワイイ〜♪」
ハイエナ娘の囁き声に、少年は脳天を蕩かされそうなる。
それから、歩いてしばらくの宿営地に案内された。
最初は少女たちをすっかり恐れていた少年たちだったが、歓迎の宴が開かれ食事などする内に、だんだんと打ち解けてきた。裸でいることにも、少しずつ慣れて、気分も自然になってくるが、それでもやはり、少女たちの肉体の魔力にはついつい目を奪われ、鼻の下と腰の下をみっともなく伸ばしてしまう状況には変わりなかった。
ハイエナ娘は、そんな少年たちの様子を注意深くうかがいながら、1人の少年につき1人の少女を選んで、弓の指導者に任命した。
知らぬ間にスケベ心を見透かされた少年たちは、自分好みのタイプの娘が担当と知るや、それが計画された作戦とも知らず、涎を垂らさんばかりに歓喜したものである。
そしてハイエナ娘は、先ほどの騎士の少年は、自分が受け持つことにした。
弓術の訓練が始まった。
小さな陶器製の的に向かって矢を射る形式だ。割れればアタリ、そうでなければハズレの、シンプルな判定である。
どの少年も、自分好みの美少女に良い格好を見せようと、はりきって弓をひく。
命中すると、段々に的が遠ざかり難易度があがっていく。
序々に実力差が現れ、当たる者、当たらぬ者が峻別されてくる。
最後まで残ったのは、弓術師範の息子である騎士の少年と、そしてもう1人は、予想外というべきか、先ほど少女たちに泣かされていた例の小柄なソバカス少年であった。
「ソバカス君、すごい」と担当のヒョウ娘が歓声をあげる。
憎からず思ってる美少女から褒められたのだ。もちろん嬉しくないはずがない。
これまで、ほとんど他人から評価されることのなかった貧しい猟師の息子。チビで泣き虫の自分にとって、唯一誇れるものは、弓の腕前だった。それを同年代の美少女から認められて、賞賛までされたのだ。こんな良い気持ちになるのは久しぶりのことである。
この勝負、負けられないとソバカス少年は集中した。
隣にいるどっかのボンボン貴族よりも、自分の方が弓の腕前が上だということを、この女の子の前で何が何でも証明したいと、そう思ったのだ。
次の勝負、また次の勝負、と少年たちは確実に的を射抜いていく。
だが、先に負けたのは、ソバカス少年だった。
実戦で鍛えられた田舎の天才少年も、しょせんは宮廷の正統派には及ばなかったのだ。
ガックリとうな垂れるソバカス少年。
(チクショウ・・・、どうして僕はこんな駄目な奴なんだろう)
せめて女の子の前でみっともなく泣くのだけは我慢しようとするが、涙腺を抑えられそうにない。
(たった一つしかない特技ですら、勝てないなんて・・・)
さっきまで応援してくれていたあの娘も、きっと自分にガッカリしてるに違いないと思った次の瞬間、少年の背中に柔らかくて暖かいモノが触れたのが分かった。
びっくりして振り返ると、さっきのヒョウ娘がピッタリと肌を合わせているではないか。もちろん二人とも生まれたままの姿の裸同士だ。
「カッコ良かったよ、ソバカス君」と少女が微笑む。「これは、あたしからの御褒美」
「んっ・・・・」
生まれて初めての接吻に、ソバカス少年は酔いしれた。
裸で擦れあう人肌に、若い逸物が反応してくる。
「うあっ、ぁん!!!」
すっかり成長してしまった少年のモノが、ヒョウ娘に優しく握られていた。
「あっ、これは、その。。ごめっ・・・」
勃起してしまったことを謝ろうとしたソバカス少年をさえぎるように、竿が扱かれる。
「えっ、ちょっ・・・」
手コキをしてもらうなんて、生まれて始めての純朴な少年は大慌てだが、ヒョウ娘はそんな反応を楽しむかのように、脈動する初々しい肉棒をリズミカルに扱きあげる。
「言ったでしょう、これは御褒美よ」
次の瞬間、少年の逸物が口腔に含まれる。
ザラザラとした舌の感触が亀頭の上をいったりきたりする。
たまらず分泌された少年の先走りのエキスを唾液と混じり合わせ、まるで舌先を尿道口に差し込むかのように先端を責め立てる。
唇をすぼめて、カリを縁取りするかのように咥えられると、ソバカス少年は惚けた顔で天を仰ぎ、もうどうなってもいいと瞳を閉じた。
弓術場のいたるところで、ネコ科の獰猛な娘と少年がまぐわっている。
だが、騎士の少年ただ一人だけは、そんな破廉恥な行いに意地でも加わるものかと、淡々と弓をひいていた。
次々と的は射抜かれ、目標は遠くなっていく。
「大したものですわ、騎士さま。残っているのは、あなた様あとお一人」
「そうだな」
ここで騎士の少年は、大きく深呼吸をした。
今までと違い、そろそろ本気を出さなければ難しくなってきた。おまけに他所からいかがわしい声が聞こえてきたりもするものだから、精神統一の必要もあった。
ふたたび、的を射る少年。
だが、ほんの少し手元がくるってしまう。
だめか、と諦めかけたが、セーフだった。
矢は若干中心からそれたものの、何とか陶器を割ることに成功した。
「よしっ!!」と思わずガッツポースをする少年。
何となくハイエナ娘の方を振り返るが、彼女はつれなく「お見事」と一言だけだ。
どうしてだろう。。
その態度に、少年はたまらぬ寂しさを覚えてしまう。
少年は、ハイエナ娘が満面の笑みで祝福してくれることを、無意識に期待していたのだ。
そのとき、隣から男の素っ頓狂な声が聞こえてきた。
何事かと柵越しにのぞくと、ちょっと前に的をはずして敗退したソバカス面のガキに、ヒョウ娘がおっぱいをよせつけて、迫っているではないか。
「御褒美よ」とヒョウ娘が口付けしている。
(ヤローーーーーっ!)
少年の心は嫉妬心でかき乱された。
年頃の少年だ。チャンスがあれば、美少女と色々やってみたいのは当然の心理であるし、他の奴だけそんな良い思いをしていれば、愉快なはずがないのである。
だが、そんなところで不平をいってもカッコ悪いだけと思ってしまう。
「僕もご褒美が欲しい」なんて図々しいことを言える年頃ではなかったからだ。
少年は、無視を決め込んで、弓術に集中した。
的はだいぶ離れて、難易度はかなりあがっていた。
それを見事に射止めていく少年。神童と呼ばれるに相応しい快挙である。
だが、それを祝福してくれる者は誰もいない。
それが少年を激しく苛む。
どうして自分を見守っている美少女は、笑ってくれないのだろう。
自分が一番なのに、こんなに難しい的に命中させたのに、君のために一生懸命やってるのに・・・
少年の心の中で、ハイエナ娘に対する思いがどうしようもなく募っていく。
「次が最後です」
ハイエナ娘が言った。
「かなりあるな・・・」と呟く少年。楽勝ではなかったが、落ち着いてやればまだ何とかいけそうだ、と狙いを定める。
集中力を高めていると、あの、一度嗅いだら忘れられない、雄の魂を狂わせるような麝香が、再び少年を包んみ込んだ。
「よく狙ってくださいね。次が最後ですから・・・」
意味ありげな笑みのハイエナ少女。
少年は、そのときになって、ようやくと意味を悟った。
「さあ、騎士さま」と差し出された矢を受けとり、弓をひく。
当てられる、と少年は確信した。このまま射ればきっと的に命中し、割れるはずだ。
御褒美よ、と微笑むハイエナ娘の妖艶な表情が目に浮かぶ。
的は、次が、最後なのだ。
ハイエナ娘が微笑んでいた。
自分の勃起しそうな分身を見て、「カワイイ」と笑ったときの声が脳裏をよぎった。
自分はどうして弓をひき、矢を射ようとしているのだろうか。
その答えは、少年の本能が一番よく分かっていた。
矢は、ほんの僅かばかり的をはずした。
「残念ですわ、騎士さま」
ハイエナ娘の指が、股間をまさぐる。ペニスの包皮の中で指先がぐりぐりと蠢き、先走りの樹液が敏感な亀頭の粘膜にねっとりとまぶされていく。
「でも、次はきっと」
渡された矢をうけとり、再度狙いを定める。
もちろん次もはずしてしまう少年。
「フフフ、残念ですわ。さっ、もう一度」
ハイエナ娘が、親指と人差し指と中指を三脚にして、亀頭冠のくびれシコシコと刺激する。とめどなく溢れ出る自分の体液が、まるで快楽に敗北したことの証明に思えて、少年はその背徳感に背筋を震わせた。
(そうか、こいつらの目的は・・・)と陰謀の全容がようやくと少年にも見えてきた。
負けるものか!!!
少年の射った矢で、割れる陶的。
だが、少年の胸に勝利の喜びは訪れなかった。
ゆるゆると肉棒を扱いてくれていた少女の指先が、名残惜しげに我慢汁に糸を引かせて、去っていってしまう。
「お見事ですこと」と少年の耳には冷たい声が響いた。
胸が張り裂けんばかりの絶望感に打ちひしがれる少年。
だが、そこに天の救いのような声が聞こえた。
「ですが、まぐれということもございます。さ、もう一度矢をお取り下さい」
(負けちゃダメだ、負けちゃダメだ、負けちゃダメだ・・・)
「お願い、騎士さま、あたしのために矢を射って♪」
少年の射った矢は、確実に、的から僅かの距離の虚空に命中した。
「愛してるわ。もうずっと、あたしだけのナイトでいてくださいね」
ハイエナ娘の舌で耳たぶをしゃぶられた。
股間では、焼けた鉄棒のように激しくそそり立つ逸物をストロークされる。ドクドクと脈打ち、肉槍の先端からは歓喜の涎が吹きあがる。
袋の中の淫玉をかわるがわる揉み揉みと玩ばれると、体内で煮え滾った白濁の欲望が、込み上げてきた。
「さ、もう一度」と矢を渡される。
見ると、的はあろうことか至近距離にあった。弓術を始めたばかりの子供が練習するくらいの距離である。
どうにでもなれ、と明後日のでたらめな方角に向かって、少年は矢を射ってやった。
すると、ハイエナ娘は気分を害してしまったらしい。
射精直前の興奮に戦慄いていた下半身が見捨てられ、少年はたまらず涙目で懇願した。
残酷な女王様からもう一本矢を頂いた負け犬の少年は、子供でもはずさない的を目掛けて一生懸命に狙いを定めると、確実に、わずかばかり外側の虚空を射抜く。
「良い子ね。御褒美をあげる」
ハイエナ娘の言葉に、少年はこれ以上ない至高の喜びを覚えた。
亀頭が指先に包まれ、予測できない巧妙な動きで少年の敏感な部分をツツっーと愛撫する。
反り返った肉棒に添えられたもう片方の手が、精液を搾り取るような仕草で、肉棒を上へ上へと扱きあげていく。
「うあっ・・・・うあぁぁぁっっっっ!!!! 出る、出る」
少年の断末魔に、ハイエナ娘は目を細めた。
亀頭が広がり、先端から白濁液がトロリと滲む。
「イク、イク・・・・・・あっ、、イクぅーーーーっっっ!!!!!!!!」
弧を描いて飛んだ少年のエキスが、先ほどの的へと見事に命中した。
「フフフ、良い子ね、坊や。さぁ、これから三日間、あたしたちと楽しい弓術の稽古をしましょう」
そして開かれた弓術大会。
人間を代表して勝負に挑む少年たちがいっせいに並んで構えていた。下半身をギンギンに滾らせて。
大人たちは誰一人気付いていなかったが、的を狙っただけで、もう体は条件反射で快楽を想像してしまう。
真剣そのものの表情で的を睨む少年たちに、美少女たちの黄色い声援が届く。
「がんばって〜」「期待しておりますわ」「しっかりね〜」
その応援を裏切る者は、ただの一人としていなかった。
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