仙崎の話が本当なら、生き残るために出来ることはふたつある。
ひとつは魔王の骨ってのを守り切ること。
もうひとつはサキュバス化した悪魔をイカせて元に戻していくこと。
魔王の骨の場所は、体育館の地下にあることしか分らない。
そもそも体育館に地下があるなんて知らなかった。
サキュバスたちより先に見つけなきゃ意味がないが…行けばわかるか?
サキュバス化した悪魔をイしていくのは現実的じゃない。
とっくにみんな生贄にされてる可能性もある。
というか、そうだろうな。
もし生徒や教師でサキュバス化して、まだ無事だとすればそいつは人間なのかもしれない。
いずれにしても、体育館まで行かなきゃな。
「ゃ、だめっ、あぁぁっ…!!!!」
後ろから俺の大きいペニスを打ちつけられて、サキュバスが絶頂に達する。
体育館まで行く途中もう3回もサキュバスに遭遇したが、簡単に倒せた。
自分の力が明らかに上がっているのを感じる。
そして気づいたことがあった。
俺はサキュバスをイカして消すときに奇妙な快感を感じている。
黒くて大きな力が体中に漲るような、不思議な歓び。
「俺は本当にどうしちゃったんだろうな…」
それから2人のサキュバスを倒し、俺は体育館まで辿り着いた。
***
体育館の地下で。
「さぁどんどん来いサキュバスども!! この先は通さぬ!!
私が貴様らごときすぐに消してくれる!!」
牛の男は両腕に一人ずつサキュバスを抱え込むとそのまま激しい手マンでイカしてしまう。
またあまり巨大すぎる一物と激しい腰使いで次々とサキュバス達を鳴かせ喘がせイカせていく。
全てのものを快楽で堕とすサキュバスがどうしようもなく快楽によがり狂い消えていく。
その状況はサキュバス達に危機感を与えると同時に興奮を与えていた。
しかし、どうにもイク様子がない牛男にサキュバス達は攻めあぐねていた。
しばらくその状態が続き…一人のサキュバスが現れた。
「こんにちは、牛さん。こんなに暴れてくれちゃって。
私がいっぱい気持ち良くしてあげるから機嫌直してくれるかしら?」
牛男の顔に怒りが浮かんだ。
サキュバスの言葉に答えず搾りだすように言った。
「貴様っ…メリアっ……学園長をどうしたっ…!!」
メリアがにいっと口の端を引きあげて笑う。
「あの老いぼれなら干からびて、するめみたいなっちゃったわよ?
結界が破られるまでの時間稼ぎがしたかったようだけど…馬鹿なもうろく爺だと思わない?」
「貴様っ…貴様だけは許さんぞっ!!!!」
牛男がサキュバスに突進する。
メリアはたやすく組み伏せられた。
前戯も無しにバックから巨大すぎる一物が叩き込まれる!!
「あぁんっ!!!! いいわぁ、あなたのそれ!!
太くってカリ高で中に引っ掛かって…中身が全部持ってかれそうっ!!」
心底嬉しそうに言うメリアに怒り狂った牛男はより激しくペニスを打ちこんでいく。
その度にメリアはいやらしい喘ぎ声をあげる。
だが…牛男は途中から違和感に気付き始めた。
自身が受けている快感も相手が受けている快感も大きいのは確かだ。
だが、どうにもおかしい。
自分の動きは相手をイカせようとしているというよりは…
「ねぇ、あなたは学園長を殺された怒りで私に飛びかかったと思い込んでいるけど、
私に欲情して飛びかかっただけだって気づいてるかしら?」
自分が射精するためだけに快楽を求めた腰使いだった。
「そんな馬鹿なっ…!!」
サキュバス共の親玉と自分は互角で戦えていると思ったが、そうではなかった。
「あなたは私のカラダを見ただけで誘惑に屈しちゃったのよ。
この女を滅茶苦茶に犯して死ぬほど中出ししたい!!ってねぇ?」
「違うっ、違うっ…私はっ…はっ…学園長の仇をとるっ…!!」
「あら? 少し持ち直した…タフねぇ。
じゃあ有無を言わさず搾りとってあげる」
メリアはペニスを締め付けながら艶めかしく尻をゆらす。
牛男の口からうめき声が漏れる。
持ち直しかけた理性はより深く蝕まれ、狂ったようなピストンを生み出した。
牛男の口からは涎が垂れ、目は血走っていた。
「まんま獣ね? そのままたっぷり私に力を注ぎこみなさい。
気持ち良くて気持ち良くて、死んじゃうから」
そう言ってからわずか数秒で牛男は達した。
生命力や魂の一部が溶けた大量の精液が音をじゅぶじゅぶと音を立てながら子宮に注ぎ込まれる。
「ふふっ、あなたすごく良いわ。もっとその力をちょうだい」
牛男は咆哮をあげた。快楽にどんどん破壊され、何度も射精する。
それでも腰の動きが止められない。
急速に牛男はやせ細っていく。
そして…最後の射精が終わると牛男の体はその場に崩れた。
「ごちそうま…意外と惜しいとこまでいったんだけどねぇ牛男さん…。
ところで、あなたたち、こんなところで止まってないで先へ急ぎなさい。
私と遊びたいのかしら?」
戦いに魅入っていたサキュバスたちは逃げるように奥へと進んでいった。
メリアは牛男の死体には目もくれず、地上に繋がる階段の方を見て呟いた。
「さて…これからが楽しみね」
唇が三日月型に歪んだ。
***
熱気とサキュバスの甘い匂いで頭がぼーっとする。
体育館はひどいありさまだった。
これほど多くの男女が交わってるのを見たことがない。
嬌声の大合唱だった。
「なるべく巻き込まれない様に鍵を探さなきゃな…」
地下への入口を探したが、ぱっと見では見当たらなかった。
すると体育館倉庫の方にあるのかもしれない。
俺はサキュバスや悪魔や人の乱交に巻き込まれない様に体育館倉庫へ向かった。
同級生や教師の姿も多い。
このとき気づいたが、俺はサキュバスと人と悪魔を遠目にも見分けられるようになっていた。
根拠はなくとも、それぞれそういう気配がするのだ。
なんとか争いに巻き込まれず体育館倉庫まで辿り着いた。
「あった…!!」
跳び箱の影に見覚えのない階段が姿を見せていた。
奥の方にたくさんの気配を感じる。
危険そうだが…行くしかないな。
そう思った瞬間、後ろから誰かに抱きしめられた。
「クロっち、こんなところで何してるの?」
背中に柔らかい感触が伝わる。
「…佐藤?」
他のクラスの奴だが、良く話す友達だ。
でも振り替える間もなく気付いてしまった。
「お前もサキュバスになってしまったのか…」
佐藤はあっけなく答える。
「そうだよ。さっきからずっと食事をしてるんだけど、全然満足しなくてね。
クロっちならじゃないと満足させてくれないって、わかるんだ」
俺は佐藤を振りほどいて距離をとった。
かまわず逃げるのも可能だろうが…俺は佐藤を人間に戻してやりたかった。
佐藤は体操着姿だった。ハーフパンツから伸びる足が健康的で眩しい。
背は高くて運動神経も良い、美人だった。
俺は佐藤のことを友達としてとても好きだった。
「どうしたのクロっち? あたしとするのが嫌?」
「お前みたいな美人で良いやつと出来るのは嬉しいけどな、
どうしてこんなことになっちゃったのかと思っただけだよ…。
佐藤、必ず俺がお前を人間に戻してやる」
佐藤は少し憂いを含んだ顔をして、俺を見つめた。
「それは無理だと思うよ。
たくさん精液を取り込みすぎたから」
そう言うと体操着を脱ぎすてた。
奇麗な体をしてると思った。ほどよく筋肉がついてて胸も形が良くて、くびれのラインもなんだか奇麗で…
とても嬉しそうに佐藤が微笑む。
「ふふ、クロっち、あたしのカラダ気に入ってくれたみたいだね。
でも何か気付くことない?」
………なんてことだ…佐藤のカラダに驚いて気付かなかったけど…背中に小さな翼があった。
「翼とか尻尾とか生えたらもうイッても死んじゃうんでしょ?
そんな話を聞いたよ」
唖然とした。
「………いったいどれだけの男としたんだよ?」
俺の中でなんともいえない嫌な感情が沸き立ってくる。
どうしようもない状況とその原因への怒り。
「誤解しないでくれる? あたしはまだ一生のうち誰ともしたことはないよ。
さっきサキュバスにされちゃったから処女ではないけど…。
精液は手と口でとってたの。そもそも裸を見せた異性も父親の他にはクロっちが初めて。
ねぇ、この意味わかる?」
佐藤が俺にだけ裸を見せてる…?
サキュバスになっても口だけで渇きをしのいでたと。
だけと俺とは繋がりたいと…
「佐藤、お前…」
「あ、下手なこと言わないで良いよ。
あたしがクロっちに片思いなのは分ってる。
クロっちはいつも井上さんのことをぼけーっと見てたもんね」
俺が井上のことをそんな風に見てたか?
…見てたのかもしれないな。井上には何かひかれるものがあるから。
好きとかそういう類か確信は無いが。
「馬鹿なクロっちには好きなのかどうかも、よくわからないんだろうね。
…まぁ、いいや。はじめよう?」
佐藤が正面から抱きついてくる。
そして軽く触れるようにキスをしてきた。
「これだけちゃんと言っておくよ…後悔のないように。
あたしはクロっちのことが誰よりも好きだよ」
そう言うと今度は愛情のこもった激しいキスをしてくる。
俺は…佐藤をどうにかしてやりたくて、どうにもならなくて…
無力感と共に佐藤の体を抱きしめていた。
もっと、深く、佐藤と繋がりたく思う。
それがどういう感情からきたのか分らない。
だが、自分が佐藤に溺れかけてることがうっすらと分った。
「じゃあ…下も脱ぐよ」
ハーフパンツを脱ぐとピンク色のパンツが現れた。
意外と可愛いのはいてるんだな、と俺は働かない頭で思った。
もうパンツは愛液でぐしょぐしょだった。
すぐに下ろされる。
「クロっちに処女あげようと思って我慢してたら…こんなになっちゃったんだよ?」
おろしたパンツと秘所の間をたくさんの愛液が糸引いている。
「触って…くれるかな…?」
顔を赤めて佐藤が言う。
俺は言われるまでもなく愛液にまみれた秘所に指を這わせ、胸を揉みあげた。
「くうっ、だめっ……やっぱり好きな人に触られるとすごい気持ちがいいよ。
イッちゃったら終わっちゃうから…もう繋がっても良いよね?」
マットの上に佐藤が寝転んで俺を誘う。
俺は何も考えずに佐藤に覆いかぶさっていた。
「うっ」
「こんなに硬くしてくれてるなら絶対入るね」
佐藤が俺のペニスを握ったり撫でながら笑っている。
俺のペニスは今初めて刺激を受けたにもかかわらず、かなり高ぶっていた。
この状況に興奮してるのか…。
「いいよ…来て」
じゅぷぅっ!!
俺は大事な友達の膣に初めて入る男として侵入した。
すごい良いしまりだった。ヌルヌルの膣内がしゃぶりついてくる。
「ああすごいよクロっち!! クロっちのがあたしの中で暴れてる!!」
佐藤が快感に喘いでいる。俺も相当しんどかった。
受けてる快感はもちろん、よがる佐藤の様子がたまらなく俺を高めてくる。
気がつけば俺は腰を突き込みながら佐藤にキスをしていた。
「ああっ、嬉しいなっ、キスしてくれたよクロっちが!!」
佐藤が涙を浮かべている。理由は、わからない。
「あ、あぁっ、初めてなのにこんなに気持ちいいのはっ、サキュバスになっちゃったからかな??」
俺は答えずに自分自身を佐藤の中に突き込んでいる。
「ははっ、サキュバスにならなかったらクロっちとこんなことにならなかっただろうね。
そう考えるとあたしは幸せだよ」
「くぅっ…」
膣がきゅぅっと締まる。
いままでよりずっと気持ち良くて、切なかった。
「ねぇ、クロっち……中に出して……」
佐藤が甘い切羽詰った声で囁く。
「あたしのこと好きになって…一緒に、なろう?」
<1>うなずく <2>断る
<1>うなずく
「ああぁぁ…嬉しいよ、クロっち」
佐藤のきれいな脚が俺の腰に絡みつく。
「もう戻れないからね…。
さぁ、出して!! あたしのこと好きになって!!」
覆いかぶさる俺の首に両腕が回され耳元で佐藤が愛を囁き続ける。
俺の思考は快楽で混乱し、そこに佐藤の言葉が上書きされていく。
なぜか、一瞬だけ井上の姿が脳裏に浮かんで消えた。
腰を動かしてるのは自分なのに、自分の中身を気持ちよく掻き混ぜられてるみたいだった。
そして、その言葉は自然と漏れだした。偽りかどうか、自身にも分らなかったが。
「はぁ、はぁっ、佐藤っ、好きだっ…!!」
瞬間、大量の白濁液を注ぎこんだ。
快感に思考が染まり…俺はうわ言のように「佐藤が好きだ」と繰り返していた。
佐藤は俺を抱きしめて何度も何度も精液を搾り取る。
俺という個体が佐藤を構成するものとして吸収されていく。
俺は快楽の中で狂ったように「佐藤が好きだ」と呟き続ける。
腰が動かなくなっても最後の一滴まで佐藤は俺を搾り取った。
俺は佐藤に抱きしめられながら死んだ。
BADEND
<2>断る
俺は快楽や他の感情に絡め捕られながらも…なんとか言った。
「それは…出来ない…」
「それでいいよ」
「へ…?」
まぬけな声が出てしまう。
佐藤が俺に脚を回して器用に回転する。
俺はたやすく佐藤に組み伏せられてしまった。
「クロっちはカラダの繋がりで心が変わっちゃうような奴じゃない、ってことだよ。
ちょっと悔しいけどさ、それも嬉しいよ」
俺の上でゆっくりと腰を動かし始める。
「なんだ…これ…」
気持いい。俺はまったく動けなくなった。なにか…ヤバい感じだ。
「すごい気持いいでしょ? あたしさ、メリアって人に力を分けてもらったから、
こんなにクロっちのこと気持ち良くしてあげられるんだよ」
メリアって誰だ…?
サキュバスなんだろうが…ルルベルよりも強いのだろうか…
それに…力をわけてくれたって…
…畜生、気持ち良くて思考がうまくまとまらない…
「メリアって人は色々教えてくれたんだよ。
誰も快楽に逆らえない、とかね」
俺は何も言えずになすがままだった。
今にも射精しそうなのを耐えるだけだ。
「その通りだよね…だからあたしもサキュバスになっちゃって、クロっちも死にそうになってる」
佐藤は上気した顔でこっちを見つめる。
「クロっちと繋がって全部自分の物にしたかったのに…もうあたしも…イッちゃいそうだし」
じゃあ、もうやめてくれと言いたかった。
でも俺は歯を食いしばって耐えることしか出来なかった。
どうしてここまで気持いいんだよ…。
佐藤が腰の動きを速めてくる。
ヤバイ…!!
「あっ」
俺はほとんど無意識に佐藤を強く抱きしめていた。
佐藤の体が震える。
「ああっ…イッちゃうっ…!!!!」
腕の中で光が溢れる。
最後に「良かった…」という呟きを残して、佐藤は消えた。
しばらく、その場で呆然として動けなかった。
体育館では依然として乱交が続き、階段の先にはたくさんの気配がある。
徐々に体に力が戻ってくる。泣いていたのに気づく。
「佐藤…お前をサキュバスにしたメリアってやつ…絶対叩きのめしてやるからな」
俺は階段を下りていった。
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