学園は深い霧に包まれ、既に外界と隔たれていた。
屋上に一人のサキュバスが佇んでいる。
巨大な黒い翼、黒髪に赤い瞳。
切れ長の目は挑発的で怪しい魅力を放っていた。
「あら? 学園長がどういう用かしら?」
どこからともくな現れた老人が現れる。
「メリア、早くここから立ち去ってくれんかな?
お前がいくら策をめぐらしたところで、
魔王様が命を賭してかけた封印は絶対に破れぬ」
老人はサキュバスを睨む。
メリアは笑った。
「出来るわよぉ、時代遅れのおじいちゃん。
ここは特別な場所だしね? それより出てきてくれて助かったわ。
悪魔のあなたに肝心なところで邪魔されちゃ迷惑だもの」
淫らな肉体を見せつけるように老人に歩み寄る。
「お前ごときに魅了されると思うなよ?
わしの生徒達をこれ以上傷つけさせるわけにはいかぬ」
***
「おい、そろそろ起きろ。
もう少し危機感を持てよなぁ、黒川」
目を覚ますと呆れ顔の神原と、少しだけ恥ずかしそうな顔の井上がいた。
「お前がネンネしてる間にサキュバスのことと現状を井上に話してたところだよ。
まったく…いきなり挿入して中出しして…俺が下ごしらえしてなかったらお前死んでたぜ?」
………返す言葉もない。
「ま、人間に戻ってから射精したんだから疲れる程度で済んだ。
けどな、つまりお前は人間の女に中出ししたわけだよ。
子供出来ててもしらねぇからな?」
ぎょっとした。当たり前のことだが…そういう危険だってありうるよな。
思わず俺は井上に謝った。
「すまん井上!! もし出来てたらちゃんと責任もつから許してくれ!!」
「え…黒川君、責任持ってくれるの…? 嬉しいな…」
なんだかホントに嬉しそうだ…手術代は出すって意味だったんだが…違う意味でとられた気がする。
「さて解決したところで今後のことについて話し合おうか。
この空き教室に今のところサキュバスは来てないが、バレるのも時間の問題だ。
しかも、時間が経てばたつほど女が襲われてサキュバスが増えていく。
これからはなるべく迅速に行動したい」
「ここから逃げるの?」
「いや、出来るだけ多くの人を助けるべきだろ」
「うるさい。黒川、お前たいしたこと出来ないのにでかいこと言うな。
本当は逃げたいところだが、学園に結界が張られ誰も出入りが出来なくなってるからな」
なんでそんなことが神原にはわかるんだ…?
「じゃあどうするの?」
「とりあえず味方のところへ行く」
「「味方?」」
俺も井上も口を揃えて聞き返してしまった。
「そう味方だ。仙崎だよ」
仙崎…気味の悪い生物の教師だ。
生物室に私物の標本をたくさん置いてることで有名だが…。
「なんで仙崎が味方なんだ?」
「そんなことはいい。とりあえず生物室まで行くぞ。
奴に会えばだいぶ状況がわかる」
よくわからないが…神原の言う通りにするほかなかった。
生物室はB棟の3階。ここはA棟の2階の端だから少し遠いな。
「途中サキュバスにあったらどうするんだ?」
「逃げる。だが、場合によっては戦わなければならない。
サキュバスは厄介な相手だが、勝てない相手じゃない。
1人に3人で挑めば比較的たやすいはずだ。
もっとも集団に見つかったら迷わず逃げるが…」
神原は突然黙って廊下の方を睨んだ。
廊下に人の気配がする。
「ふふふ、いたいた生き残りが3人も!!」
ガシャンッ!!
ドアのガラスが割れて教室にボーイッシュなサキュバスが2人飛び込んできた。
「あ、あの体つき良い男の子は僕のね。ちんこ大きそうだもん」
「かまわないよ。僕はもうひとりの目つき悪い男の子食べるから。
女の子はあとで可愛がってあげるからね」
あたりにあの甘い匂いが漂う。
さっきたくさん出したにもかかわらずペニスが硬くなり始める。
2人のサキュバスは翼も尻尾も生えていた。
この学園の生徒ではなく、襲撃してきたサキュバスのようだ。
2人は僕らに歩み寄ってくる…。
<1>窓から逃げる <2>戦う
<1>窓から逃げる
俺は井上の手を引いてベランタへと飛び出した。
神原が何か叫んだがわからなかった。
そのままベランダを伝ってどこまでも走っていく。
何も見えなかった。必死だった。
サキュバス2人は追いかけてこなかったが、神原も来なかった。
足止めしてくれてるのかもしれない。
助かったと思った。
「きゃっ!!」
井上が短い悲鳴を上げたと思うと繋いでいた手が離された。
振り向くとグラマラスな淫魔が宙に浮いていた。
その淫魔に後ろから抱き締められるようにして、井上は宙づりにされている。
井上は恐怖に震えていた。
助けようにも、ベランダから2メートル程離れた空中に捕らわれた井上を助けるすべはなかった。
先端が男性器のような形の尻尾が井上の秘所にあてがわれる。
「可愛い子、たっぷりかわいがってあげる」
先端の割れ目から透明な汁を溢れださせ尻尾が井上の中に滑り込んだ。
「くぅっ!!」
井上の体が空中で震え嬌声が零れた。
恐怖で青くなった顔はたちまち上気し、快感に歪んでいく。
井上の秘所からは愛液が溢れ、下に垂れ始めた。
「やぁぁっ…黒川君みないで…ああぁっ…んっ」
俺は危機的状況にもかかわらず、目が離せなかった。
尻尾の動きが激しくなる。じゅぷじゅぷと愛液をまき散らす。
「だめっ、また、またなっちゃうっ…!!」
ひときわ奥まで尻尾がつき込まれた。
「ああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
井上ははしたなくイッてしまう。すると尻尾が大きく脈打った。
声にならない声がかわいい口から洩れる。
結合部から白濁液が噴き出した。
「あら少し多かったかしら?
まぁいいわ。さぁ、あなたもサキュバスよ。
一緒にいた男の子を吸い殺してしまいなさい」
ぐったりした井上を俺のすぐそばに下ろす。
今更になって逃げようとしたが、気がつくと俺は数人のサキュバスに囲まれていた。
こんな状況になってどうすれば良いんだ?
井上がフラフラと近寄ってくる。その目は赤い。
「ごめん黒川君…美奈子おかしくなっちゃって我慢できないの…いっぱい精液欲しいの!!
きっと…黒川君のこと殺しちゃうけど…気持ち良くなれるんだから良いよね?」
井上が俺に抱きついたと同時に狂おしい快感が俺の体に叩きつけられた。
俺の腰に脚を絡みつかせて立ったまま俺のペニスを秘所に飲み込んでいた。
その体位で井上はガンガン腰を揺らす。
「あぁん、すごく気持ちいぃ…黒川君のおちんちん好きぃ!!」
気持ち良くて仕方がない。なんとか反撃しようと腰を突き込むが、こっちが不利だった。
もう限界だった。
「だめだっ…井上っ…!!!!」
射精同時に俺はその場に崩れ堕ちる。
「あぁぁ…黒川君の精液すごい熱くて濃くて…美味しいよぉ…もっと…黒川君の全部美奈子にちょうだい…!!」
立っていられなくなった俺の上で井上は腰を振る。
たて続けに精液が迸った。体がまったく動かなくなる。
井上の中にすべて飲み込まれるような錯覚を覚えた。
そしてそれを心地よく思ってしまった。
「もっと、もっと…」
快楽に屈した俺は何度も狂ったような射精を繰り返し、
すべて井上に飲み込まれてこの世からいなくなった。
BAD END
<2>戦う
「黒川、俺は左のやつ始末するから右のはお前と井上でなんとかしろ」
井上と俺は頷く。
「人間なんて何人束になってもサキュバスには勝てないよぉ?」
「現実を知りなよ可愛い人の子たち」
サキュバス達は完全に余裕の様子だった。
2人とも細身で胸も小さかったが、滑らかな白い肌と体のパーツのひとつずつが俺の思考を濁した。
この女を犯したくてたまらなくなる。
欲望の赴くままに行動すれば死ぬのはわかってる。
それでも欲望で理性を溶かしてしまうような、狂った魅力がサキュバスにはあった。
一人のサキュバスが俺に近づいてくる…奇麗な体だ。
桃色の唇が軽く重ねられた。
思考が止まる。
「ふふ、僕のキスがそんなに良かったのかな?
呆けた顔しちゃって…食事を楽しませてもらうね」
押し倒されて手早くズボンとパンツを脱がされる。
まるで動けなかった。
視界の隅で井上はどうすれば良いのかわからない様子で立ち尽くしている。
神原はもう一人のサキュバスにペニスを扱かれていたが、胸を揉みしだき秘所に指を這わせていた。
俺はサキュバスが俺のペニスを指で撫で上げるのに魅入られていた。
硬く硬く張り詰めたペニスを指が撫で上げる。
快感に全身が何度も緊張しては力が抜ける。
赤い瞳でこちらを見つめながら乳首を舐めてくる。手の動きが少しずつ大きくなっていく。
撫で上げるから扱きあげるに変ってく。
精液が熱く煮えたぎる。
俺はもう…
「黒川君負けちゃダメ!!」
井上が叫んだ。
一瞬で理性が主導権を取り戻した。
そうだ。快楽に溺れることは死を意味する。
「あ、持ち返した。生意気だなぁ、僕の魅了から抜け出すなんて。
でも手遅れだよ」
サキュバスは手の動きを速めてきた。
大きな快感が流し込まれてくるが、俺は攻め始めた。
小ぶりな胸にさわさわと刺激を与え、乳首をはじく。
サキュバスが小さな嬌声をあげた。効いてる。
「君と僕のどっちが早くイッちゃうのか、少し考えればわかるよね?」
確かにこのままじゃ負けは確実だが…
<1>防御に徹して神原の助けに頼る <2>井上に助けを求める
<1>防御に徹して神原の助けに頼る
防御に徹して神原が加勢してくれるのを待つことにした。
今見たところ神原とサキュバスの戦いは五分五分だが、このまま普通に戦うより神原が向こうで勝利するまで耐える方が
勝率が高いように思える。井上は役に立ちそうもないしな。
俺は上目遣いで俺を見つめる赤い目や、小ぶりで白い胸を見ない様に目を閉じた。
「ふぅん…やっぱり人間は馬鹿なんだね」
突然、唇が重ねられた。
思考が動きを止めようとする。
唇が離れた。耳元で囁かれる。
「僕が魂もなにも全部手で搾りだしてあげる…」
ぞくぞくと快感が走る。気持ちいい。
されるがままにペニスを扱かれた。どんどんリズムが速くなっていく。
精液が熱く煮えたぎる。
防御に徹するどころか快感を受け入れてしまっていた。
もう我慢できなかった。
激しい快感に目を見開き、俺は達した。
「はは、すごいすごい!! たくさん出たよ君の大事な命のかけら」
精液がサキュバスの細身な体にかかっている。
もっと出したかった。その望みはすぐに叶えられた。
射精したにもかかわらずリズムよく動かされる手によってすぐに精液が溢れそうになる。
精液をローションに動かされる手が最高の快感を与えてくれる。
俺は再び射精する。喪失感。失った所は快感が埋めてくれる。
「すごい美味しいよ君の精液。こんなに出しちゃうとすぐに死んじゃうのが惜しいなぁ」
また射精。何度も射精を繰り返す。
喪失感と増幅する快感。
どんどん快楽が大きくなって、最後には何もなくなった。
BADEND
<2>井上に助けを求める
「井上!! 手伝ってくれ!!」
俺は井上に向かって叫ぶ。
「でも…どうしたら…」
「ちっ、オナってるときにすることをサキュバスにしてやればいいんだよ!!」
そう叫んだのは神原だった。バックで結合していたが、勝率は五分に見えた。
「えっ……わかった。やってみるね」
サキュバスの手のペースはどんどん加速していた。
快感に逆らえない、そう感じる。
乳首への攻めでとくに感じてるのは分かったが、耐えることに意識を集中しないと今にもイキそうになる。
井上がサキュバスの後ろに回って秘所に手を伸ばした。
「あ、もうこんなに濡れてるんだね…なんかすごくいやらしい…」
井上の指先が的確に秘所を撫でまわし、クリトリスをこねる。
サキュバスが少し大きな嬌声をあげる。
「ふぁんっ……っ…僕の食事の邪魔にするとは良い度胸だね女…」
サキュバスの尻尾が素早く動き、井上の秘所に押し込まれた。
「きゃぁっ!!」
「たっぷり濡れてるのは君もだよ、この淫乱が!!」
尻尾がリズミカルに動き出す。
井上のかわいらしい喘ぎが聞こえる。
片手は尻尾をとめようと握りしめ、もう片方の手はサキュバスの秘所をこねていた。
後ろに注意が行ったからか受ける快感が少なくなった。
これなら…行けるかもしれない。
俺はサキュバスの乳首を軽くつねった。
サキュバスが喘いだ。そしてこっちを上気した顔で睨む。
「人間が…大人しく精を差し出せ!!」
手の動きが激しさを増す。
先ほど一瞬ゆるくなっていた快感に油断していた俺は危うく達しかけた。
だが、井上を責めていた尻尾の動きは目に見えて悪くなっている。
一度に複数の攻めをこなすのは慣れてないらしい。
「自分でするときみたいにすれば良いんですよね…」
井上はサキュバスの愛液を十分に指にまとわりつかせる…そして。
「あぁんっ!!!!」
中指で秘所、親指でアナルを貫いた。
サキュバスが切羽詰った喘ぎ声を上げる。
俺は井上へ攻めがいかないように乳首を攻め立てる。
「こうやって二本入れて…中でグリグリすると…気持いいよね…」
「っあ…お尻なんてっ…っぁ…やぁっ…」
井上が指の動きを強くしていく。水音が響く。
サキュバスは最後の抵抗とばかりに激しくペニスを扱いてきた。
快感が蓄積された俺はもうどうしよもなく精液が溢れ出そうになる…!!
「ぁっ…!!!!!!」
声にならない叫びがサキュバスから洩れた。
サキュバスが絶頂に達したのだ。
たちまち光に包まれサキュバスの体が消えた。
光が消えたとき最初に見えたのは絶頂直前のわななきを見せるペニスと、
それに顔を寄せている井上だった。
続く
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