遙か古来より、猛威を振るう魔王に抗い続けた二人の人間がいる。
勇者と賢者――それぞれの家系は代々手を取り合い、魔王の脅威を打ち払い続けた。
退治しても退治しても、数年ごとに復活する魔王。
それは、魔王が殺されるたびに魔界の中で、魔王にふさわしい最強の魔物を決めるべく内部抗争が行われていたからで、魔王が決まるや否や魔物は魔王により統率され、人間界を襲いにかかる。
それを勇者と賢者が退治し、魔界で内部抗争が起こり、魔王に統率されるや否や勇者と賢者がそれを退治し――その繰り返しが続く中。
そんな歴史に終止符を打った出来事――それは、勇者と賢者が仲違いしたことであった。
◆
『女の子を連れて行くなんて、無理だよ』
懐かしい声が聞こえる。
あたしは彼に追いすがるけれど、彼はそれを払って、安心を誘うように笑う。
『僕一人で大丈夫だから。マリアはそこにいて』
馬鹿。そうじゃない。そうじゃないでしょ。
それは、代々続く家系の伝統だとか、病弱なあたしに対する優しさだとか、そういうことじゃ、まるでない。
格好つけたいだけじゃない。自分勝手なワガママじゃない。
そう言ってる自分に酔ってるだけじゃない。
勝手にあたしを残して行って、勝手に冒険して、勝手に消息を絶って。
本当に、アンタは――――
「――アちゃん。マリアちゃん!」
――目を覚ます。
そこは宿屋のベッド。
視界一杯に広がるのは、上衣の襟をはち切らんとする大きなオッパイ。
「カスミ――起きたから、その腹立たしい胸を下げなさい」
「腹立たしいって……仕方ないでしょ、もう」
呆れた、と溜息をつくカスミ。
身を包むのは、一枚の布でできた着物。
普通は全身を覆うデザインらしいけれど、カスミが着ているのは胸や肩、腰や脚を大きく露出させるデザイン。
あたしが着るには恥ずかしすぎるデザインだけれど、カスミにとっては一番動きやすい服装だそうだ。
というのも、カスミはJAPANという島国で育てられた「クノイチ」と呼ばれる暗殺者の末裔で、この服装はクノイチにとって正装とも呼べるものらしい。
秘伝の暗殺技術を幼少の頃より教えられたカスミは、今やJAPAN、いや人間界でも随一の格闘家なのだ。
胸は95近くあるべらぼうなサイズ、それでいてウェストが細いから一層胸が強調されている。
格闘家として鍛えているだけはあり、胸は垂れることもなく釣り鐘型を保っていて、着物の裾から溢れるお尻は、女の私が見ていても引き込まれちゃいそうなぐらい大きい。
その発育の良さは、農耕民族のJAPAN住民離れしていて、体格自体は狩猟民族である大陸住民寄りだ。
逆に、その大陸産まれのあたし、マリアこそ、JAPAN住民寄りの体格。
昔病弱だったこともあって、体は細く、胸も控えめ、カスミには到底及ばない。
お尻も子供みたいに小さいし、こんな体格でカスミと同じ十七歳だとは、自分でも信じたくないものだ。
「そろそろ時間よ!」カスミはそんなあたしのコンプレックスに全然気づかないで、腰に手を当て大きな胸を張りながら起床を促す。「今日はいよいよ魔王城に入ろうっていうんだから、朝からきちんとご飯食べないと」
「うん、わかってる……」と言って立ち上がろうとするあたし――しかし、お腹に嫌な予感を感じる。「あ――」
「どうしたの?」
口元に人差し指をあてて首をかしげるカスミ。
そんなダイナマイトボディで、大きな瞳を丸くして、そんな仕草するのは色々アレだと思うわよ、と言いたくても言えない。
脂汗が全身から噴き出る。息が浅い。目眩がする。
「あ〜、ごめん、今日みたい――アレの日」
「アレ? ……う、嘘! こんなタイミングで……」
「仕方ないでしょ! 女として産まれた以上……あ〜……たたたたたたたぁ……」
お腹を押さえながらベッドに倒れ込むあたし。
道具袋からメンス用品を出していると、カスミが大きく溜息をついた。
「もう……じゃあ、魔王城に行くのは明日ね」
「うう……ゴメン、宿屋代払っておいて」
そう言って蒲団にうずくまる私。
お大事にね、と出て行くカスミ。
あたしは微かな頭痛の中、何故か子供の頃を思い出す。
『なんでアンタが勇者なのよ! 勇者って、名前がズルいわ!』
『ズルいって……いいじゃない。賢者だってカッコいいよ』
『勇者のほうが主人公っぽいじゃない。駄目。勇者はあたしがもらうから!』
『そういう問題じゃないと思うけど……』
五歳頃の過去。
『稲妻の魔法、あたしにも教えなさいよ』
『え? だって、稲妻は勇者にしか……』
『そんなの、やってみないとわかんないでしょ!』
『うう、わかったよぉ……』
十歳頃の過去。
『マリア、どうして昔から僕につっかかってくるのさ?』
『べ、別につっかかってなんかいないでしょ!』
『もう疲れたんだよ。それに、魔王が復活するらしいじゃないか。そろそろ修行に集中したいんだ』
『――勝手にすればいいじゃない!』
十五歳、ほんの二年前の過去。
『女の子を連れて行くなんて、無理だよ』
そして、一年前。
一体、何が間違ってしまったんだろう。
ただ、あたしは、唯一の友達にかまってほしかっただけなのに。
病弱だったあたしを毎日見舞いに来てくれた、幼馴染みと仲良くなりたかっただけなのに。
どうして離ればなれになってしまったんだろう。
『僕一人で大丈夫だから。マリアはそこにいて』
ああ――そう、それは、確かにアイツの自分勝手なワガママで。
周囲の反対も押し切ってでも旅に出た、アイツの自己中心的な行動であって。
でも、その原因を作ったのは――どう考えても、あたしじゃないか。
あたしが素直じゃなかったから、こうなってしまったんじゃないか。
結局、あたしのワガママが、アイツを消息不明にまで追い込んでしまったんだ。
あたしが悪いんだ――。
「――ううううううぅ……ぅうううううううううぅっ……!」
陽光から逃げるように蒲団をかぶって、あたしは痛みに耐える。
体の奥底からわき起こる痛みに、ただただ耐える――。
◆
「――どうしよう。いきなりお休みになっちゃった」
カスミは一人町を歩きながら独りごちる。
様々な苦難を乗り越え、いざ魔王城に乗り込もうとしたら、相方が生理で一日休みだなんて、まるで双六のようじゃないか。
暇を持て余す――訳にはいかない。
日々の修練を一日でも怠れば、いざという時に実力を発揮できない、あるいはできないかもしれないという憂いを残す。
それを避けるため、カスミは一人町を出る。
途端、現れる魔物。相撲レスラーのような体格で、棍棒を持つトロール。
ここは魔界への入り口に近く、現れる魔物も強敵揃いだ。
しかし、カスミは構わずトロールに走り寄る。
振り下ろされる棍棒を紙一重で避け、顎に掌底、浮いた体に回し蹴り、転んだその腹に踵落とし、一本。
カスミはJAPANという島国随一のクノイチ、格闘技術においては世界最強と言っていい。
もはや雑魚敵に手間取るレベルではない。
「こんな私を選ばなかった勇者も勇者よね……ま、言ってもはじまらないけどさ」
魔物を倒しながら、森の奥へと進むカスミ。
傷一つなく、森を突き進むうちに――トロールに襲われている人間を発見した。
「や、やめろ……うああああああああああっ!」
その人間は十二、三歳だろうか。
流れる金髪、憂いのある二重、長い睫毛に華奢な肢体――それは世界中を旅してきたカスミとて見たこともない、美しい少年だった。
今まで男性に興味を持たないようにしていたカスミにとっても、男臭さのない耽美さも手伝って、彼は魅力的な男性に見えた。
そんな少年が、トロールの前で両肩を両手で抱えながら震えている。
「た、助けて……僕はただ薬草を採りに来ただけで……」
(助けなきゃ……!?)
そう思い、動こうとした矢先、その少年が下半身裸なのに気付き、赤面して硬直してしまうカスミ。
どうして裸なのかはわからないけれど、彼はその細く華奢な脚やお尻を露わにしながら座っている。
もし助けたとしても、彼にどんな視線を向ければいいのかわからない……そんな子供じみた躊躇を覚えていると、
「ふ、ふあああああああああああああ!」
「!?」
彼が新たな悲鳴を上げる。
見れば、彼の下半身にアメーバ状の何かがまとわりついていた。
スライム――こんな魔界の手前ではなかなか見られない低級魔物だ。
そのスライムに下半身を浸食されているのだ。
「や、やあ! オチンチンこすっちゃ駄目! 駄目だよぉ! 気持ちよくなっちゃうよぉ!」
(な、なんなの……この状況は……!)
カスミは混乱していた。
それは、何故かスライムに犯されている少年に対しての混乱でもあったし、魔物に襲われている少年を助けに動けない自分自身に対する混乱でもあった。
「駄目ぇ! お尻の穴なんて……あああああああああああ!」
(そんな、お尻の穴まで!? あんなかわいい子が、スライムに、そんなところまで食べられてるなんて……!)
気づけば、体が火照ってきていた。
それは戦いの最中の火照りとは質が違う。
脳からではなく、もっと奥底――お腹の奥からわき上がる火照り。
その火照りは頭をぼーっとさせ、カスミの注意力を散漫にさせてゆく。
もじもじと体を揺らしながら、ぽーっと彼の嬌態を眺めていると――突然、背中から押し倒された。
「――――!」
不覚――カスミが思うものの、もう遅い。
後ろから忍び込んできていたトロールによって羽交い締めにされたカスミは、両手を後ろで縛られた。
「ダレダ……?」
その騒動に、少年をいたぶっていたトロールも気づく。
つたない人間語を話しながらこちらに歩み寄ってくるトロールに、カスミを捉えたトロールが答える。
「コイツ、ノゾイテイタ……ハツジョウシテイル」
「なっ――!?」
そんな訳ない! と反論も許されないまま、カスミはトロールに抱えられ、少年と向かい合って座らされる。
途端、スライムにしゃぶられている少年の股間が丸見えになって、いよいよカスミは顔を真っ赤にしてしまう。
「フフ……コノフタリ、モチカエッテ、タップリオカソウ……」
(犯すって……そ、そんな! 魔王を前にして、こんなところで捕まってしまうだなんて!)
逃げようとするが、さすがのカスミの力でも縄を解くことができない。
であれば――カスミは座った姿勢から、勢いをつけて跳ね上がると、回転して回し蹴りを放つ。
後ろのトロールの顎に直撃して、倒れ込むトロール。
驚いているもう一匹のトロールへ、再び回転蹴りを放つ――が。
「ガアアアアアアアアアアッ!」
「な――きゃあああっ!」
倒したと思っていたトロールが、倒れながらも軸足を掴んできた。
外れるキック――その足首を掴まれてしまう。
「クッ……テマドラセヤガッテ!」
「ハガクダケタ……コイツ、ユルセナイ!」
(なんてこと! もっと時間を置いてやるべきだった――)
両足首を掴まれ、屈辱にもショーツを露わにしながらわななくカスミ。
そう、こちらが格闘家と知られていない以上、もっと状況を把握してから反逆すべきだったのだ――しかし冷静な判断が出来なかった。
それは、少年の淫らな姿を見てしまったからに他ならない……気持ちが急いていた。
こんな浮ついた気持ちではしくじるのも当然だ。
「マタ、アバレラレルワケニハイカナイ……アレヲイレテオコウ」
「ソウダナ……」
そう言ってトロールが腰巻きから取り出したのは――釣り針のような形の何か。
(な、なに、これ……?)
目をこらして見れば……それは微かに蠢いていた。
それは小さなミミズだった。
「ひっ――!」
「イイメダ……キョウフシテイル」
トロールはそう言って下品な笑い声を上げると、ミミズをカスミに近づけてくる。
(入れておくって……あれを食べさせられるの? 嫌!)
首を振って嫌々をするものの、トロールの手は止まらない。
そのミミズはどんどんカスミに近づいてきて――それは何故か、カスミの股間に向かっていた。
「コレヲイレラレルト、アルモノガホシクナル」
「ソウナルト、モウサカラエナイ……」
「ど、どこに入れようと……」
「オマンコダヨ」
「――――!?」
驚く間もなく――ショーツをずらされて、薄毛の縁取る膣へ、トロールの指が食い込んだ。
「――いやあああああああああああああああああああっ!」
「? ……ナンダ、ショジョマクガナイゾ」
「シカシヌレテイナイ……ドウイウコトダ?」
カスミは膣内をトロールの太い指でこねくり回されるのを必死で我慢する。
確かに、カスミはすでに処女を失っている。
しかし、それは男性経験によるものではなく、クノイチの房中術を覚える課程で、師匠に木刀でもって裂かれただけで、その痛みのためにカスミは房中術を学ぶことを断固拒否した。
そのため、処女膜はなくとも男に慣れてはおらず、膣内を濡らす術すら知らないのだ。
「マアイイ……ホラ、メシノジカンダ」
そう言ってトロールは指を引き抜く――その指先に、ミミズはいなかった。
カスミはそれを見て不思議に思うが、すぐにミミズの行方が知れた――。
「ひ――ひいっ! お、お腹に上がってくる、なにかが上がってくるぅ!」
うねうねとのたうちながら、しかし膣の奥へ奥へとせり上がってくる何か。
それこそがトロールの持っていたミミズなのだ――やがて、それはお腹の中央、子宮のあたりで動きを止めた。
「ソノミミズハ、メスノタイエキヲエサトスル」トロールは饒舌に語る。「ソレヲキュウシュウスルカワリニ、アルエキタイヲフキダス……ソレハ、キセイシタメスヲカイゾウスル」
(改造……?)
「カイゾウハジョジョニススミ……ヤガテ、ソノメスハ、オスノタイエキヲモトメルヨウニナル。ドンナコトヲシテデモ、ナ」
雄の体液を求めるようになる――どんなことをしてでも。
カスミにはその内容が理解できなかったが、どうやら魔物によって体をいいように操られてしまう、ということらしい。
確かに、ミミズが体内に入ってから、どうも体に力が入らない――トロールに手を離されるが、反抗する気力がわかず、スライムに犯されている少年の前でくずおれてしまう。
「フタリトモ、タスカリタイカ?」
地面に平伏しているカスミと少年を見て、トロールは聞く。
当たり前よ、と答えようとするも、体が熱くてうまく体をコントロールできない」
「あ……当たり前だよ!」
そんなカスミの気持ちを、少年は喘ぎながらも代弁する。
「ソウカ」トロールはその少年の言葉にニヤリと意地悪く笑んだ。「ナラ、カタホウダケニガシテヤロウ」
片方――ということは、二人の内どちらかは町に戻ることが許されるらしい。
となれば、少年を帰すという選択肢しかない。
カスミはこれでも世界随一の格闘家だし、隙を見て逃げ出すことも出来る。
こんなひ弱な少年を魔物に引き渡す訳にはいかない。
「じゃあ……」カスミは喉の力を振り絞って言う。「少年を先に返して!」
「だ、駄目だよ!」途端、少年は反論する。「女の子の貴女が先だ!」
「女の子って、私は……」そこで言いよどむ。魔王打倒をもくろむ格闘家であることが知られる訳にはいかない。「……とにかく、キミが先に逃げるのよ!」
「そんなの駄目だよ! 貴女みたいな綺麗な女性を置いて、逃げる訳にはいかないよ!」
綺麗な女性、と臆面もなく言われて、こんな状況だというのに胸を高鳴らせるカスミ。
ああ、こんなかわいい男の子が、スライムに下半身を犯されながら、それでも私をかばおうとしている――そう思うだけで、なんともいえない思いがわき起こってくる。
しかし、トロールはそんな空気を鼻で笑い飛ばすと、涎を唇の端から垂らしながら邪悪に笑った。
「デハBFシロ」
「BF?」
「バトルファック……セックスノショウブダ」
「「――――!?」」
言葉をなくすカスミ達に構わず、トロールはBFのルールの説明を始める。
お互いが相手をイカせようとして、先にイったほうの負け。
イったほうが逃げることを許され、イカせたほうを魔物の根城に連れ去る。
つまり、相手を逃がすには、その相手をイカせなければならないのだ。
(――魔物の根城、ということは、魔王城?)
呆然としながらも、冒険者としての意識を働かせるカスミ。
(だとしたら、なおさら少年を守らないと……それに、私だけでもうまく入り込めば、魔王を倒せるチャンスが出来るかも知れない)
(この勝負……負ける訳にはいかない)
トロール達が、始め! とBF開始の合図をする。
カスミは間髪おかずに、少年へと四つんばいで近づく。
「お、お姉ちゃん!?」
「お姉ちゃんじゃない。私はカスミよ……キミは?」
「ぼ、僕はツバサ……あ、スライムが……」
トロールの指示だろうか、スライムが少年……ツバサの下半身から離れた。
スライムの体液によってヌメヌメになったツバサの下半身。
毛一本生えていない細い足に、皮をかぶった男のモノ。
それはよく見れば結構なサイズで、陰毛も生えていない体から生えていると思うと、なんとも言えないいやらしさがあった。
「じっと、してて……」
「え? ――ふぁああ!」
後じさって逃げようとするツバサの腰を掴むと、男のモノに舌を伸ばす。
房中術を学ばなかったカスミとて、人並みの性の知識はあった……男のモノは、刺激を与えることで気持ちよくなるはず。
皮に包まれたモノの先端には、ピンク色のお肉がぷっくりと顔を覗かせていた。
そのお肉の中央、鈴口に舌先をあてると、中に入り込むようにグリグリと舌をうごめかす。
「ふぁああああああああああ!」少年は愛らしい嬌声を上げる。「だ、駄目だよぉ! オチンチンの中ニュルニュル入っちゃ駄目だよぉ!」
「おとなひくひて……んっ、ぬちゅっ、ちゅずぅ……」
必死で舌を蠢かせるカスミ。
そのうち、屹立したツバサのモノから、むわりと匂いが立ち上る。
それは、少年が発するに相応しくない、男の匂い――
――しかし、カスミはそれを嗅いでいるうちに、どんどん体が熱くなってゆくことに気づいていた。
(さっきのミミズのせい? ああ、なんで、こんな……こんな気分になっちゃうの……)
(この子を……この子を……!)
――滅茶苦茶にしたい。
カスミは口内にたっぷり唾液を溜め込むと、それを垂れ流すように亀頭に舌先を押しつけた。
舌の蠢きに腰を震わせるツバサ。
「あああああ……」
ツバサを見れば、だらしなく涎を垂らしながら、カスミの背中……いや、着物で隠しきれていないお尻を眺めていた。
カスミはわざとそのお尻を左右に振ってみると、
「ああああ! だめ、いやらしすぎるよぉ!」
そう言って、更に股間を膨らませるツバサ。
そんなツバサに、カスミはたまらない愛おしさを覚えてしまう。
腰を引いて逃げようとするツバサを押さえつけて、亀頭を舌で追い回し、皮をついばんでは、裏筋をなめ回し、玉袋を指先でほぐしては、皮の上からカリの部分を唇でくわえ、強すぎず弱すぎず甘噛みする。
逃げるツバサ、追うカスミ。
いつしかカスミはその行為に夢中になって、お尻を左右に振りながらオチンチンにむしゃぶりつく。
「ハハハ!」トロールの笑い声が後ろから響いてくる。「マルデメスブタダナ! イヤ、ソノデカチチカラシテ、メスウシカ!」
雌牛――トロールのその言葉を聞いてか、ツバサのオチンチンが反応した。
カスミは本能的に悟り、フェラチオを休めると、ツバサの下半身にのしかかり、着物の前をはだけさせ――大きく育った釣り鐘型の乳房を見せつけた。
「ああ……」ツバサはとろけたように呆然とカスミの胸を眺める。「すごい……いやらしい……」
「大人しくしてて……全部、やってあげるから」
カスミは自ら乳房を抱き上げると、ツバサのオチンチンを挟み込む。
自分でもいやらしく思えるほど大きく膨らんだ乳房は、張りがあり、いくら強くオチンチンを挟んでも、にゅるん、とあらぬ方向へ逃げてしまう。
それを追って胸で挟んでいるうちに、ツバサは腰をガクガク震わせていた。
「ああ……カスミさん、凄いよぉ……」
そう言いながら、無意識にか腰を突き上げてくるツバサ。
子供でありながら大きく、長く膨らんだそれは、突き上げるたびに乳房の肉を押し上げ、亀頭をカスミの口元までせり上げてくる。
カスミはだらしなく唇を開くと、唾液をたっぷりまぶした舌を伸ばし、乳房から顔を出してくる亀頭を捕らえた。
「ふぁああ! 逃げられないよぉ! カスミさんのオッパイから、ヌトヌトのベロから逃げられないよぉ!」
「逃がさないから……んっ、ちゅる、ちゅぼっ、んちゅれろぉ……」
ツバサという美少年を支配している――そんな状況に、カスミの思考は更に深みへとはまってしまう。
それに、皮をかむったモノの先から溢れてくるツバサの体液の味に、舌の裏が唾液を溢れさせてしまうという、体の異変からもくる思考の混濁化。
着実に体自体が変化しようとしている――それを感じながら、しかしカスミは淫らなパイズリフェラをやめられない。
「だ、だめ……このままじゃ、僕、負けちゃう……!」
「いいの! 負けちゃっていいの! イっちゃっていいのよ!」
いよいよツバサが腰を痙攣させる、その瞬間――。
「BFッテイッタダロウ」
「きゃっ!」
突然、カスミの体が抱え上げられる。トロールの仕業だ。
「ツバサトヤラ……コノムスメヲタスケタケレバ、モットセメロ」
そう言ってトロールはカスミの体を回転させると、カスミが脚を閉じる前に落とされて――カスミの股間をツバサの前にさらす体勢となる。
「いやっ――!」
誰にも見せたことのない場所を美少年の前にさらしている――思わず脚を閉めようとするカスミだったが、ツバサの顔があって閉めることができない。
だらしなく開いたカスミの股間――そこに吸い付くツバサ。
「――ひゃああああああああああああああああああああああああん!」
途端、背骨を電撃が駆け抜ける。
背を限界まで反らし、膝立ちながらお尻を突き上げるカスミ。
しかし、ツバサはそのカスミの大きなお尻を鷲掴み、引き寄せる。
「んむううううううううううっっ! んちゅっ、ぬちゅっ、ずずるるるるるぅ!」
「ひゃっ! だ、だめ、そんな、やらしっ――ひああああああああああああん!」
ツバサの舌が乱暴に動き、カスミのヴァギナ全体を舐めしゃぶってくる。
幼い頃の房中術の修行から、男は乱暴にするものだと思っていたカスミは、そんな献身的な愛撫に為す術もなく感じてしまう。
「か、カスミさんがイクんだ!」ヴァギナを舐めながら声を上げるツバサ。「僕がカスミさんを助けるんだ……ちゅぼっ、じゅぼぼっ!」
「ひああっ! だ、だめ! キミが先にイって……ひああああああん!」
カスミもカスミで、ツバサのペニスに舌を這わせ、たどたどしくも乳房で挟む。
先ほどのようにビクビクと反応はするものの、しかし時間を置いたせいか、すぐにイってはくれない。
逆に、お尻を鷲掴みされながらヴァギナをなめ回され、逃げられない感覚に、カスミ自身が猛スピードで上り詰めようとしていた。
(駄目……このままじゃっ……!)
カスミは焦りから覚悟を決めると――ツバサのペニスを口いっぱいにくわえ込み、吸引する。
「ふぐううっ……カスミさん……!」
一瞬、ツバサの動きが止まる。感じてくれたらしい。
カスミは気をよくする間もなく、ツバサのペニス全体を唾液で浸け、中身を絞り出すように吸引を続ける。
皮の間から染み出てくる汁は、むわりと男臭くて、でもそれが舌に触れるたびに唾液が凄まじい勢いであふれ出る。
どんなことをしてでも、雄の体液を求めるようになる――トロールの言葉。
これが、お腹に入り込んだミミズの効果なのだろうか。
ああ、だめ、意識が飛ぶ――ただ、ヴァギナが気持ちよくて、肉棒から染み出る体液が美味しくて――
「ひゃあああああっ! もっとぉ、もっとぉ!」
知らぬ間に、カスミはお尻を左右に振っていた――ツバサに股間を自ら押しつけていた。
もはやイカせるためではなく、味わうためにペニスをしゃぶりつつ、ツバサにいやらしいところを無理矢理押しつける。
そんなカスミの動きにあわせて、ツバサは更にお尻を鷲噛む力を込めると、ヴァギナの奥――膣の入り口にある部分に舌を突き入れた。
Gスポット――言葉だけしか知らなかったカスミは、そこがそれなのだと体で思い知らされながら、
「あ――ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんっ!」
果てる――潮を吹きながら。
カスミはあまりの快楽に脱力し、少年の小さな体にしなだれかかる。
「ハハハハハ! オモシロイ、キニイッタゾ! フタリトモ、マオウジョウニツレテイッテヤロウ!」
意識の外から聞こえてくるトロールの声。
カスミは閉じてゆく意識の中で、仲間であるマリアへごめん、と謝っていた……。
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