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勇者、誘惑(その3)サキュバスクイーン

「ジョー、大丈夫か!」

 ケインの声に、ジョーは震えながら立ち上がる。

「大丈夫だ、まだ薬草がある」
「薬草程度ではその傷は……」
「しかしケイン、お前の魔法力はほんのわずかだ。回復アイテムも少ない。というのに――」

 見れば、王座の前、なんのダメージも受けていないと言わんばかりに威厳を持つ魔王が不敵に笑っていた。

「――奴を倒すには、俺たちでは力不足のようだ」
「であれば……」
「大丈夫じゃよ」血だらけになりながらも、勇者に守ってもらったの杖を握るグエンが力強く遮った。「勇者殿は必ず戻ってくる。古来より魔を打ち砕く血を継いだ勇者殿が、必ず戻ってくる。その時まで持ちこたえるのじゃ!」

 ジョー達は頷きあうと、鬨の声を上げ、魔王に向かって走り始めた……!

 ◆

 魔王城7F、サキュバスの巣。
 僕とアイラムはベッドを前に、お互い服をぬいで下着姿になる。
 と言っても、アイラムはホットパンツを脱いだだけだったが、僕は神のご加護のある軽鎧を脱いだため、まったくの無防備になったと言っていい。

「それ……尻尾?」

 見ると、アイラムのお尻の上、ちょうど背骨と恥骨との連結部から、白い肌とはうって変わって黒い尻尾が生えており、その先端はまるで男のモノのようにぷっくりと丸く膨れていた。

「そ。サキュバスはデーモンの末裔だからね」

 そう言って尻尾を左右に振るアイラム。 
 どうやら自由に動かせるらしい。これにも注意しておかないと。
 やがて、二人はベッドに入る。
 途端、僕は膝立ちになると、アイラムのお尻にショーツの上から顔をうずめた。
 まだベッドの上で立ったままだったアイラムの不意をついたのだ。

「や……そんな、いきなり……!」

 言いながら逃げるようにお尻を振るアイラム。
 その小ぶりながらもむっちりと肉の詰まったお尻が揺れるのを見て、僕は完全に勃起してしまっていた。
 しかし、相手に攻撃をさせる暇を与えるつもりはない。
 彼女のアナルがあるであろう場所を舌でなぞりながら、ショーツをたくし上げてTバック状にする。
 ぷるん、とつややかな尻肉があふれ出ては揺れる。

「あふん! ……そんなとこ……汚い……ひゃあっ!」

 どうやらアナルは苦手らしい。
 ちょうど上に見える彼女の尻尾も、プルプルと小刻みに震えているようだった。
 ここを重点的に攻めれば、一方的に勝負をつけられそうだ。
 なんといっても、アイラムは逆V字型に脚を広げ、後ろにお尻を突き出して、ただ体を震わせているだけなのだ。
 こっちに攻撃できる姿勢ではない。
 僕は更に奥、お尻の穴から女性のクレヴァスのほうへ顔をうずめると、ちょうどアイラムのお尻と垂直になるように膝立ちになり、舌を必死に蠢かせる。

「ふぁああっ、だめだよぉ……お尻も、オマンコもなんて、っふぐうっ……!」

 全身を痙攣させてゆくアイラム。
 僕は彼女の太ももに手を回し、更に舌のスピードを上げようとすると……。

「――ふぐうっ!」

 突然、アイラムの全体重が僕の顔面に降りてくる。
 彼女は垂直に立つ僕の顔面を、まるで椅子の座位のように扱い座ったのだ。

「ふふ……お互い楽しまなきゃね?」

 アイラムの妖しい響きを含んだ言葉。
 僕はしかし、彼女のお尻に視界も奪われており、彼女が何をしようとしているのか把握できない。
 たいして重くはないものの、しかし体力を奪われ続けるのは得策ではないので、膝立ちから崩した正座の姿勢になる僕。
 そんな中、抱えていた彼女の脚の筋肉が蠢くのを手で察知した。
 脚……さっき、その脚の表面に亀頭をこすりつけるだけで盛大に果ててしまった、魔性の脚。
 その先、爪先が――僕のブリーフの上から、亀頭をぎゅっと鷲掴んできた。

「んぐううううううううううううっ!」
「はは! みっともない声! ほ〜ら、クンニも続けなきゃ負けちゃうよ〜」

 アイラムの笑い声に、しかし僕は反論する余裕すらなかった。
 そもそもアイラムの股間に顔をうずめていることにより呼吸が困難だったし、ショーツの上から僕のペニスをいじるアイラムの技は、ユキナ以上に的確なものだったからだ。
 足の親指と人差し指でカリの下を鷲掴み、それを不規則に上下させる。
 もう片方の足は袋をこねくり、時折筋を強くつまんだり、亀頭を親指の腹でくにゅくにゅいじくっては、再び袋をこねくり出す。
 アイラムの人間椅子と化した僕は、その足技に際限なく興奮を高めていた。
 もはや舌を動かす余裕もなく、呼吸だけをすることに尽力しつつ、股間のものを引いて快楽から逃げることしかできない。

「クスクス、クスクス……」
「…………!」

 とあることに気づく。
 アイラムの息づかいとは別に、女の子の声が複数聞こえるのだ。
 それは、人間の言葉は扱えなくとも感情の起伏だけは知る魔物……美しいサキュバスの群れの笑い声に違いない。

(僕の、こんなみっともない姿を……大勢のサキュバス達に見られて、小馬鹿にされてる……!)

 もう限界だった。

「あら、サキュバス達に笑われて興奮しているの?」アイラムも小馬鹿にしたような口調で言った。「世界の平和を守る勇者っていうから、どんな聖人かと思えば……ただのド変態、ただのドマゾ、聖人というより精子人ね、あはは! 何が伝説の勇者よ! 魔物に足でオチンチンしごかれただけで涎垂らしてよがっちゃってさ! 魔物の群れの真ん中で、剣も鎧も脱ぎ捨てて間抜けにも素っ裸になってよがっちゃってさ! もうあんたなんて勇者じゃないわ、豚勇者よ! ほら、豚勇者、さっさとイっちゃいなよ! 大勢の魔物に見られて、きったない精子をドピュドピュ出しちゃいなよ!」
「ふ……ふああああああああああああああああああああああああああああん!」

 絶頂。脳内を白い閃光が覆い、腰がおかしくなったかのように痙攣する。
 やがて――僕はベッドに力なくくずおれる。
 人間椅子から脱し、そこにあった光景は……。

「ああ……そんな!」

 ベッドの周りには、30匹はいるであろうサキュバスの群れが集まってきていた。
 そのうち一人が口元にあわせた両手を近づけ、何かを口に含み、口内でゆすいでは、両手に戻して隣のサキュバスに回している。
 サキュバス達はそれを心待ちにしているように、その液体に見入っている。
 液体で口内でゆすいだサキュバス達の唇の端には、白い液体がにじんでいる――。
 ――僕の出した精子を、30匹ものサキュバス達が味わっていたのだ。

「あら、もうビンビンじゃない、豚勇者」

 そんな僕の隣で、あざけるように笑うアイラム。
 僕はアイラムを睨みつけようとするが、あんなあられもない姿を見られている以上、その眼光に威厳はない。

「期待しているんでしょ?」アイラムはリップの塗ってある瑞々しい下唇に人差し指を当てながら続けた。「あと一回イカしてくれる、って思っているんでしょう? 勝負のどさくさに紛れて思いっきり気持ちよくなりたい、って思っているんでしょう?」
「そ、そんなこと……!」
「あるわよ。顔に書いてあるわ。睨んでいるようで、期待するような色が濃い。ホント、豚みたいに卑しい勇者ね。そんな豚勇者が、サキュバスの女王たる私に触れられると思って? おぞましい!」

 そう言って彼女はサキュバスの群れをのけてベッドから降りる。

「に、逃げるのか!」
「当たり前じゃない。あんたみたいな豚につきまとわれたら迷惑よ」
「約束は破らないって言ったじゃないか! キミをイカせれば魔王の元へ連れて行ってくれるって言ったじゃないか!」
「ええ。その通りよ」
「だったら戻って……!」
「その必要はないわ……あんたはあと一分後には果てて、私の勝ちになるから」
「何を言って……」
「あんたは自分の手で果てるのよ。その短小のチンポをこすって、自ら負けを認めるの」

 アイラムの確信を持っているような声。
 僕は訳がわからず混乱する。

「ちなみに、あんたが勝ったら私が魔王を裏切る、っていう代償のかわりに、あんたが負けたら私に払う代償、まだ言ってなかったわね」
「――そんなの、聞いていない!」
「虫が良すぎるわよ。等価交換の法則、私の賭けたものに見合う何かをあんたにも賭けてもらう。それは……」

 アイラムの声が止まった途端、ベッドの周囲にいたサキュバス達の精子堪能会は終わったらしい。
 見目麗しい彼女たちは顔を真っ赤に染め、口を半開きにしながら僕の近くへと身を乗り出してくる。

「――私の部下、サキュバス達の餌になること」
「――――!」

 先ほどのアイラムの予言。
 さっきまでは意味不明だったものの、その時には僕にも心当たりが生まれていた。
 口を半開きにし、唾液のたゆたう口内をあられもなく見せつけ、舌を伸ばしてくる30匹近くのサキュバス達。
 ショートカットの子、ロングヘアーの子、アイラム以上に豊満な胸の子、逆に幼児のようにつるぺたな胸の子、小ぶりなお尻の子、むっちり張ったお尻の子、マイクロビキニ姿の子、ユキナのようにいやらしいワンピースを着た子――あらゆる魅力に富んだ低級魔物、サキュバスの群れ。
 彼女たちは待っていた――僕の精子を。
 ――知らぬうちに、チャームの魔法にでもかけられていたのか。あるいは僕自身の欲望だったのか。
 僕はすでにギンギンに張っていたモノを擦っていた。

「ハァん……!」
「チュッ、チュグッ……!」
「んあ〜〜〜〜〜〜〜……」

 サキュバス達はそれぞれ、いやらしい嬌声を上げながら僕の精子を待ちわびる。
 僕は、この勝負に勝たないと魔王を倒しに行けないとわかっていながら、もう一度でもイけば負けてしまうとわかっていながら、自らのオチンチンを徐々にスピードを上げて擦り立てる。

「聖剣ねぇ、ははっ!」アイラムはサキュバス達の向こう、僕の装備の置き去りにされた床から伝説の剣を握りながら小馬鹿にして笑う。「あんたは聖剣握るより、その短小の精剣握ってるほうがお似合いよ。さ、負けを認めなさい。仲間を裏切って、それどころか世界中の魔物の驚異に怯える人間全員を裏切って、低級魔物のサキュバスの顔を見るだけで盛大に精子をドッピュンドッピュン出しちゃいなさい!」
「あ――ぁああああああああああああああああああああああああああああ!」

 果てる。
 巻き散る精子はサキュバスの群れへ跳び。彼女たちは必死でそれに舌を伸ばし、隣のサキュバスの頬にかかってはそれを舐め、口内に入っては口移しでそれを奪い、浅ましくも精子争奪戦を繰り広げる。
 再び屹立するオチンチン。
 もはや僕は、アイラムほどの美女ではない彼女たちに向かって精液をはき出し続けるしかなかった……。
朝上げたつもりが上がってなかった。
いちよ続くけどどうすっかな、この先。

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