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月の女王 / 最終話(後編)


一部始終をみていたアルテミスには心なしかムっとしている
すでに俺たちは服を脱いで向かいあっている
その美しい裸体を目にした俺のモノをすでにそそり立っている
「ふふふ、約束通り本気で犯すわ、壊れたらダメよ・・・」
俺に抱きつこうと手をのばした時
「はっ」と俺は気合を入れて淫気を開放する
「あら、貴方もそうなの、面白いわね。でも、ケダモノに負けるほど私は弱くなくてよ・・・」
もはや俺が正気を失っていると信じてた彼女は独り言のように呟く
「どうかな?」
俺はしたり顔で彼女の顔をみる
驚愕に打ちひしがれた彼女の表情がどんなものか期待していたのだが・・・
「理性で獣性をコントロールしたのね・・・ 本当に面白い、そうでないと楽しめないわ」
「へぇ、驚かないんだな・・・」
「あそこで見てる女も言ってたでしょう?結果が分かっている 過程に興味はないって。
それと同じなのよ、でも私は過程を楽しませてもらうわ だから命がけで足掻くのよ?
可愛い彼女の為にもね、ふふふ・・・」
冷静すぎる彼女にこっちが面食らってしまい、その隙に彼女は屈んで俺のモノを咥える
前回の時は前儀とか一切すっ飛ばしていきなりの本番勝負だったのでこれには驚いた
俺のモノが真紅の唇に吸い込まれていく
彼女の体温は低めでひやりとしているが唇は柔らかく温かい
その意外な感触に浸っていると更に温かい感触がモノに触れる
初めはモノの先端を優しくなぞり、徐々にモノ全体を絡めるように纏わり付いてくる
「ぐ・・・」
今まで感じた事のない感触に思わず声が漏れる
信じられないが彼女の舌が俺のモノに巻きついているような感じがする
驚愕に彼女を見下ろした俺と目が合った彼女の目は笑っていて
彼女は一旦モノを離して俺に語りかける
「驚いたかしら?でも本番はこれからよ、しっかりと堪えなさい」
そして再び彼女は口撃を開始する
今度はストローク運動を織り交ぜながら舌を右巻き、左巻きと刺激方法を変えつつ
あいている手で玉袋を弄んでいる、当然上目遣いに楽しそうに俺の反応を見ている
「おぅ、ぐ、あ、うぅぅ・・・」
気持ちよさに意識を持っていかれないように自分の尻をつねって堪える俺
しかしついに堪えきれずに仁王立ちから膝を折ってしまう
膝を折ったおれの脚を払い、彼女は俺を寝転ばせてそのまま69の体勢へ移行する
「ふふ、貴方があんまり可愛い声をあげるから感じちゃったじゃない
だ、か、ら、貴方自身で私をもっと感じさせるのよ・・・」
完全に手玉に取られている俺は心で“上等だ!”と叫んで彼女へ挑みかかる
彼女の尻を両手で詰めが食い込むほど強くわしづかみにして彼女の秘部を手繰り寄せてむしゃぶりつく
口いっぱいに唾液を含ませてことさら音を立てていやらしさを強調させる
「じゅじゅじゅじゅじゅじゅーーーーーーーーー」
次は彼女の突起部を優しくついばみ、舌の上で転がすように愛撫をする
「くふぅん、いいわ・・・」
彼女から嘆息の息が漏れる
「あぁぁん、やるわね、気持ちいい、お返しにこのまま1回イカせてあげるわ」
そして再び俺のモノを咥えて攻撃を再開する彼女
先ほどと同じく舌を絡めたストロークに加えて首全体左右に揺らし、かつ深く咥え込む
お互い攻めあいながら「んー、んー」と喉で喘ぎ声を出し、腰をひねり、少しでも快感から逃れようとあがく
「ぷはぁ、半月前とは大違いね、強くなったわね」
攻撃の手を休めて素直に賞賛の言葉を俺に送るアルテミス
「それはどうも!」っと掛け声と同時に彼女を横に転がして後背をとり俺はモノを後ろから一気に挿入する
「あぅ・・・」
いきなりの展開におどいている彼女を尻目に一気に激しく腰を打ち付ける
ぱぁんぱぁんぱぁんと部屋に響き渡る淫靡な音
音のリズムに合わせた彼女の喘ぎ声と俺の気合の嘆息
「くっ、はっ、くっ、はっ、くっ、はっ・・・・」
「うぅぅん、あ、あぁ・・・・」
俺が優勢に彼女を攻めている。このまま「いける!」と確信して決着をつけるべく一気にスパートをかける
「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!」
渾身の力を持って彼女を突きまくる俺、激しさのあまりに唇からは涎がでている
「あ、いぃぃ、いっちゃう・・・わ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
“チャンス!”と思い俺は一気に射精感を高めてアルテミスと同時昇天を図る
これこそが彼女の母「遥さん」より教えられた俺達の切り札
かつて自分がボスに裏切られ、そしてボスを裏切った際、苦しさのあまり現実逃避を計るために
生み出したもう一人の人格アルテミス
当初の彼女は通常の人とあまり変わらなかった、しかし、彼女が妊娠して性行為ができなくなると
徐々に欲求不満となり、出産後は淫乱な人格へと変化していった
あまりに不憫に感じた遥を連れたハデスが長い時間をかけて人格の消去をはかった
それが互いの絶頂による淫気の消滅に伴う人格の消去である
結果、遥は自我を取り戻したわけだがそれが元でハデスは寿命を大幅に減らして数年後世を去った
その去り際に娘が同じに陥った場合、対処できるようにと口伝として残し、俺たちが継承した訳である
「「あっ!!」」
狙い通りに二人は同時に昇天し、俺は持っている全精気を込めて発射する
彼女も自分がイクのが久しぶりなのか無条件で快感を受け入れて絶頂している
完璧だった
これで彼女、アルテミスは消滅して元の人格のみが残るはず
それで全てが解決して元に戻る・・・・・・・・・・・・・と信じていた
ーー しかし ーー
「ふ、ふふふふふ、やっぱりこれが貴方達の切り札だったわけね・・・」
「何!?」
精力を使い果たした俺はぐったいりとしていたがその一言で跳ね起きる
咄嗟にアテナをみると、彼女に至ってはすでに万歳三唱をしており、両手を挙げたまま呆然と固まっている
「な、な、な、何故・・・俺は失敗、したの・・・か?」
「いいえ、貴方は完璧だったわ、そうね、簡単に言えば皆私を勘違いしてるだけ
あの人(母親)は2重人格だったようだけど、私の場合は違うの・・・・ 最初からアルテミスなのよ。
だから私から消える人格なんてないのよ。貴方達の勘違いのおかげで気持ちいい思いが出来たわ、ありがと
だから今度は私の番。今の貴方が貴方として体験する最後のsexよ?楽しんでね
そこにいる彼女にも貴方が悶える所をしっかりと見てもらわないと、ふふふふふ・・・・」
そう言ってアルテミスは俺を仰向けにしてかろうじて硬さを保っていおれのモノを挿入する
イッタ直後なのだが、彼女の中で軽く締め付けられ、すぐに硬くなる俺のモノ
「ちょっと!待ちなさい、貴女の目的、望みは何?!」
時間稼ぎなのか、アテナがアルテミスへ話しかける
無視してもいいはずの質問だが、何故か律儀に答えるアルテミス
「そうね、今まではただの娯楽よ・・・・。性的欲求を解消してただけ
その副産物として私と波長があった男は彼やアポロンのように眠っていた本能が
呼び覚ませれてケダモノになるの、そしてね、それを貴方達がしたように消滅させて
遊んでいたのよ、だからさっき言ったでしょう。私、ケダモノに負けるほど弱くなくてよ?と・・・」
「じゃあ、・・・望みは何よ?」
アテナはもはや俺達をみておらず、拳を強く握って俯いて細かく震えている
“そっか、終わるのは俺達とおもっているのか、アテナは・・・・
でも俺はさっき約束した。アテナの所へ戻るって。そしてあの時のように・・・
あの笑顔で迎えてもらうんだったよな”
自分でも分からないが、アルテミスの美しい顔を見ながらすごく冷静にこんな事を考えていた・・・
「望み、か。貴女聞くと辛いわよ?それでもよくて?」
「・・・言いなさいよ・・・」
おそらくアテナは分かっているのだろう、同じ女として
「彼よ」
短く、明確に、アルテミスは俺を見つめてそう答えた
「何故かしら?」
質問をやめないアテナ
「私はずっと一人だったわ、父をなくした後、母は生きるためにプライドを捨て体を売り、私を育てたわ。
家に帰ってこない日ばかり。帰ってきても見知らぬ男と一緒。その間私は一人だった。それが悲しくて寂しかった
そして大きくなって私も母の手伝いがしたくて体を売り始めた。それしか知らなかったから・・・
母に喜んで欲しくて・・・でもあの人は怒った。当然の事よね、でも当時の私は それが分からなかった。
で、悔しくて家をでたわ。そして今度は一人で生きてく為に体を売った。男と肌を重ねてる間だけは寂しくなかった。
終わった後の一人の寂しさを埋めるために更に体を売った。 おかげで界隈では結構有名になったわ。
でもね、私を一人の女として扱う奴は誰もいなかった 解るかしら?ただの性欲処理人形として扱われる気持ちが。
で、いつの間にか私もオトコを性欲処理人形として接するようになったわ・・・。でも半月前、初めてそうでない男がいたわ
肌を重ねてる時は我を忘れてお互いを貪りあった。でもそいつは、自分が犯されてるにも拘らず
「美しい」と言ってくれた。大概の男は恐怖で顔が引きつっているのにね。初めてなのよ?穢れた私を人として、
女として見てくれた初めての男、それが彼なのよ!だから彼が欲しいの!他に女がいるのなら奪ってでも手に入れるの!
貴女が障害というのであれば貴女ここで殺してでも彼を手に入れるわ・・・、私の幸せの為に。」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
3人は皆沈黙する
「そう、私達に手がない以上、この闘いは終りね・・・」
ぽつりとアテナが呟く、そして
「アレス」
俺の名を呼んでしばらくの間黙り込む
「ここまでよ、貴方が決めなさい」
俺は無言でアテナを見つめる
「決着のつけ方を・・・」
アテナはそれっきり別の方向をむいて完全に黙り込む
「選びなさい」
アルテミスも短く俺に決断を迫る
それはこのまま正気を保って彼女に付き従うか、犯しつくされてペットになるか、という選択・・・
「・・・・・・・・・」
考えるまでもない、俺は・・・
「アルテミス、お前とは添い遂げられない、俺はアテナの元へ帰る」
そう、俺たちは約束した、だからそんな選択をする必要はない、結果は決まっているのだから
「・・・ばか」
小さくアテナが呟く、その目には光るものが見えたのが俺にはちょっと嬉しい
「そう、そうなの、わかったわ。」
アルテミスから怒りのオーラが立ちのぼる
「死んでも、怨まないでね・・・」
彼女はゆっくりと腰の動きを再開する
対する俺の精力多少は回復しているが戦闘が出来るほどではない
おまけに制御していた獣性は先ほどの戦闘で消滅している・・・・
このままでは俺はアルテミスに蹂躙しつくされて御終いだろう
僅かに回復している精力の全てで局部防御に徹して、頭脳をフル回転させる
大丈夫、吹っ切れた事により、頭脳は冷静だ、さぁ、考えろ、何か手があるはず
考えることをやめたら俺は全て失い、ただの男版ダッチワイフとなり、人でなくなる
くちゅり、くちゅり、くちゅり
「さぁ、終りの始まりよ・・・」と緩やかに腰を動かすアルテミス、俺との結合部より音が聞こえる
不意に目が合った彼女と俺はしばらく見詰め合う
“やっぱり美しいな・・・”
考えなくてはいけないのはそんな事ではないのに何故かそんな事が頭に浮かぶ
「「・・・・・・・。」」そして無言のまま見つめあう
「・・・アレス、貴方の名を教えて」
「・・・和樹」
「お前は?」
「美月。美月(みつき)よ」
「最後に教えなさい、和樹」
「あぁ・・・」
「貴方にとって、彼女は何?」
「帰れる所」
言ってからちょっと恥ずかしくなってしまい照れ笑いをしてしまう俺
「ふふ、前から思ってたけど貴方って変わってるわ、この状況で笑えるなんて」
呆れた、とため息をついているが、彼女の顔からはすでに怒りが消えている
そしてふと真顔に戻る
「やめましょ、私の負けよ」
「「え?」」
俺とアテナが耳を疑って同時にはもる
「面と向かってそこまではっきりとふられたら、ムキになってる自分がバカらしくなっただけよ」
こっちがボケっとしてる間にも彼女は俺のモノを引き抜きテッィシュで自分の秘部をさっさっと拭いてる
おまけにポイっとテッィシュの箱を俺に投げつけて「そんな格好のままじゃ風邪ひくわよ」等と言われてしまう
「ちょ、ちょっと!、アンタどうゆうつもりよ?」
訳が解らないアテナがやっぱり訳が解らない俺の変わりに詰め寄る
「あら、せっかく彼氏を助けてあげた恩人に対して結構な態度ね」
「ぐ・・・」
痛い所を突かれて反論できないアテナ
「何てね、冗談よ・・・、ただ彼を壊してしまうのがもったいないって思っただけ
後は・・・そうね、私、貴女のせいでふられた訳だから腹いせにこれからあなた達の恋路を
邪魔するってのはどうかしら?悪くないでしょ?」
等と悪びれもせずに親友にでも話しかける口調で言ってのける
「ふふ、いい根性してるじゃない・・・いいわ、やれるものならやって御覧なさいよ
自分がどれだけ無駄な努力をしてるかって事を徹底的に思い知らせてあげるわ。
助けてもらった今日のお礼にね・・・」
「楽しみにしてるわ、先に断っておくけど、これが原因で貴女がふられても、それは私のせいではなくてよ?」
どびきりの女神というか、悪魔のような笑顔で俺たちに微笑みかけるアルテミス
もう一人の当事者である俺の意思の確認は一切とられないままに事が進められていく・・・
結果オーライ・・・とは言いがたいがとにかく彼女の憑き物はとれたらしい

「あ・・・・、そういえば・・・」
ふっと、もう一組の事が頭に浮かぶ
「しまった!アポロン!」
俺はアルテミスに「何とかしてくれ」という目で訴えかける
「別に何もする必要はなくてよ」
あっさりと答えるアルテミス
「あっちはとっくに終わってるはずだから」
「ど、どっちが、勝ったんだ?」
緊張の面持ちで結果を聞こうとする俺に対して「何もわかってないのね、彼女の方は最初から分かってたのに」と
仕方なく説明を始める
「答えは簡単。結衣ちゃんは、ただ彼「アポロン」にひたすら身を委ねて彼を満足させればいいのよ
彼は満足っていうか、1回出してしまえばとりあえず正気に戻るわけだから。それは和樹も体験ずみでしょ?
彼女は少しでも早く彼を満足させるために獣性を解放したのよ。だから今頃は兄妹というか男と女として
愛を確かめ合ってるんじゃなくて?」
「ふん、ばれてたのね・・・踊らされっぱなしで気に入らないけど、そうゆう事なのよ
だから手っ取り早く私が出て元にも戻そうとしたんだけどね・・・って、ちょっと人の男の名前を軽々しく
ファーストネームで呼ぶのをやめてくれるかしら?」
と早速アルテミスを牽制するアテナ、どうやら二人の戦いはすでに始まっているらしい・・・
「あら?こんな事くらいで目くじら立ててたら貴女これから大変よ?
分かってると思うけど、私すごい意地悪よ。だからせいぜい楽しませてもらうわ、貴女達で・・・
その変わり無関係の男を犯したりするのは止めて差し上げるわ」
まぁ、何というかこれから大変かもしれないけど、これはこれで楽しくやっていけるのかもしれないと
思って二人のやり取りを微笑んでみていた俺にアルテミスが近寄ってくる
「貴方、他人事のように見てるけど、大丈夫?一番の当事者は和樹、貴方よ・・・
これから一人に時には気をつけなさい、いつ私に犯されるかもしれなくてよ、こんな風に。ふふふ」
と、彼女は両手で俺の頬を持って俺にその真紅の唇を押し付ける
「!!!!!!!」
たっぷり5秒は俺の唇を奪った悪魔は微笑みながら「さ、行きましょう」と俺の手を引く
「え?って何処へ?」
「決まってるじゃない、和樹の家よ。私達これから一緒に暮らすのよ」
「何ぃーーーー!?」
「ちょっと!待ちなさい!!」
こうして1つの事件?は終幕を迎えて
女神という名前の悪魔による新たな事件?が開幕した
今度の事件は当分解決しそうにありません・・・・

月の女王 − Fin −
ようやくこの話も書き終えました
☆今回の教訓として長編物は難しい
☆シリアスも自分にとっては難しい
☆長編を書くときは初めに物語全体の構成を考えるべき
☆不用意にキャラを増やさない
☆エロシーンは頑張って多めにしたほうが良い
☆1話1話を簡潔にまとめる努力をする事
等など多々ありますが、代表的なのはこんな感じでしょうか?
自分なりにいい勉強にはなったのでないかと思ってます。

まぁ、これに懲りずにまた書こうと思ってます。
本編執筆途中、すでに別の話が書きたくなったのでその布石としてこんな感じで終了させました。
次はこの話のキャラの設定を生かしたままパロディっぽくして1話完結の話を書いていこうと思ってます。

長編物をお書きになられている他の作家の皆さん頑張ってください
同じ作家として応援しています

主旨が良くわからない話でしたが、こんな文章に触発されて新しい作家さんが
でてきてくれると嬉しいですね

最後ですが、最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。
また次回作を宜しくおねがいします。


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