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月の女王 / 第8話 『誕生』

「うふふふふ、さっきまでの威勢はどうしのかしら?」
女は男に深く跨り、ゆっくりと大きく腰をふる
「ううぅ」
男はイッた直後なので敏感になっているカリ部から伝わる刺激に
小さなあえぎ声をだして耐えるのが精一杯だった
おまけに先ほどの極限まで耐え抜いた闘いの後
不意打ちとはいえ無防備の精神状態で射精してしまった為に
体力、精力、精神力全てを根こそぎ放出してしまっている
今は騎乗位でいたぶるように攻め立てられている
“このままではまずい、負ける・・・・、しかし!ここで負けるわけにはいかない!”
男はむりやり闘志を奮い立たせて女を見つめる
女を見据えたその目に再び光が宿る
「いいわね、その目、そうこなくてはね
 さぁ!この私を狩ってごらんなさいよ、オードブルさん」
「ア・・・ポ・・・ン」
「何かしら?」
途切れ途切れに男が発する言葉を女が聞きなおす
「俺の名はっ、アポロンだ!」
アポロンは大声で自らの名を叫び、逆転への反撃を開始する
「ぬあぁぁぁぁっぁぁぁ」
アポロンより渾身の一撃が女を襲う
下から上への突き出しにより女が宙に浮かび上がっているかのように跳ねる
「お、おぉぅ、あぁぁん」
女が快感のあまり嬌声を上げる
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん・・・・・・・・・・
素早く、激しく、アポロンは女を突き上げる
「ね、ねぇ、お願いよぉ、私を、アルテミスって呼んで、お、お願い、アポロン」
アルテミスはアポロンの名を呼ぶ
アルテミスの表情より限界が近いと判断したアポロンは、トドメを刺そうとそれに応える
「さぁ、イクんだ、アルテミス!」
アポロンが叫び声と同時に突き上げのペースを加速する
「ア、ぁ、ア、ぁ、あ、ぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ、ダメェェェェェ、イイ、スゴクイイ!!」
アルテミスは宙を仰ぎ、絶叫する
「も、もっと、もっとよ、もっと、強く激しく私を乱れさすのよ!アポロン!」
「!?」
再度の勝利を確信しはじめたアポロンの心に動揺が走る
“ダメだ、騎乗位ではこの女を倒せない、ならば体位を変えるしかない”
アポロンが得意とする正乗位に持ち込めば可能性がある
そう判断したアポロンはアルテミスと体位を入れ替えようと力任せに押しのけようとする
「ふふ、させないわよ?」
ガシッ
アルテミスはアポロンの両手を掴み返して力比べのような形になる
「くっ、男の力に女が敵うと思うのか−!」
「ふふふ、試してごらんなさい!」
アポロンは下から押し返すという不利な状況ではあるが手と腕に力を込めて押し返そうとする
「くぅぅぅぅ〜」
「はぁぁぁぁ〜」
両者は互いに力を込めあう
アポロンはアルテミスの体勢を崩すために力任せに左右へと腕を振る
「くうっ」
アルテミスはそれを防ぐために、アポロンを押しつぶすように全体重を上半身へのせる
「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう」
アポロンが目を瞑りアルテミスの押さえつけの力に必死に耐える
“くそう、力が・・・”
先ほどの射精によるダメージで思うように力がでないアポロン
その苦悶の表情にアルテミスが興奮度が一気に高まる
女が男を力で屈服させ、かつ犯そうとしているシュチュエーションが彼女を高ぶらせている
アルテミスの目は大きく見開かれ、アポロンの顔に穴があくのではと思うほど凝視している
力比べに集中している両者は下半身運動を中断しているがアルテミスの乳首のみが
イク寸前ではないかと思うほどにピンと勃っている
“この男を力で屈服させてやる”
そのSの感情がアルテミスに更に力を与え、アポロンを押し付ける
ダンッ
ついにアポロンの両手が床へ押し付けられる
「ぐあぁぁぁ」
「ふふ、ふふふふふ、この勝負、力比べはお前の負けね・・・」
男は両手を封じられた上に、力で押さえつけられた屈辱に悔しさのうなり声を漏らす
「どうしたの?押し返さないの?それとも・・・男のくせに押し返せないのかしら?非力なのね、アポロン・・・」
勝利したアルテミスより敗者のアポロンへ容赦ない言葉が襲う
アポロンは怒りのあまり、憤怒の形相で女をにらみ殺そうとしている
その表情がアルテミスにはたまらない
「いい表情(かお)してるわ、アポロン、男の前は、女の私に力比べで負けたのよ、押さえつけられて
これから身動きがとれないままに私に犯されて、あげくにはあっけなく簡単にイカさせるのよ?
うふふふふふふふ、悔しいでしょ?屈辱的でしょ?でも、アソコだけは喜んでいるみたいね・・・
女に力で負けたくせにアソコがビンビンなんてお前はただの変態だったようね
私ね、反抗的な男を犯すのが大好きなのよ、特にお前のように強くて、プライドが高い男が最高なのよ」
アポロンが強い視線でアルテミスに「何が最高だ?!」と悪態をついている
「いいわ、お前には特別に教えてあげるわ、アポロン」
上からものを言う事によって自らを勝者であることをアピールし、アポロンに更なる屈辱感を与え続けるアルテミス
「それはね、お前のような男を屈服させて、私の体無しでは生きられないケダモノをつくる事よ」
「!!」
初めてアポロンの表情に恐怖が表れる
時間にしたら1秒もなかったはずだが、アルテミスはそれを見逃さない
ニヤリ、真紅に彩られた唇が妖艶に微笑む
“この男はもうすぐ堕ちる・・・”
そう確信したアルテミスはアポロンの心にトドメの楔を打ち込む
「もう1つ、いいことを教えてあげる
不思議な事に、私に犯された男は女をケダモノのように犯しまくるようなの
そうね、たとえそれが恋人、母親、姉、妹、関係なしにね・・・」
稲妻が落ちたような衝撃だった
“お、俺がケダモノと化す?あのアレスように?そして妹、結衣を・・・・?犯す?”
今まで何人もの男を狂わせてきたアルテミスにはアポロンの心が手に取るようにわかる
“彼は今最愛の女を犯してしまうかもしれない恐怖と闘っている、今がチャンスね”
中断していた下半身の活動を開始するアルテミス
ギュゥ
急激にアポロンのモノを締め付ける
「はぅ!」
我に返るアポロン
「さぁ、この狩りもクライマックスよ、アポロン」
まるでダンスを踊っているかのように激しく腰を振り出すアルテミス
前後左右、上下運動、規律制のない不規則な動きにアポロンでさえついていけず
マグロ状態でただただ蹂躙されるがままになっている
「何を悩むのかしら?アポロン、お前はこれから本能のままに欲しい女を抱けばいいだけなのよ?
そう、お前はすでにケダモノなのよ?お前が心に描く女、メチャクチャに犯してもいいのよ?
それは犯罪ですって?大丈夫、私が全部許してアゲル、だってお前はすでに私のモノなのよ・・・
だからお前の秘めた思いを、黒き心を、今ここで開放するのよ
それはとても気持ちいいことなのよ?さぁ、アポロン・・・私の新しい男・・・」
ドクン
アポロンの心に違和感が生まれる
“何だ、この違和感は・・・”
アポロンの表情が一瞬正気にもどる
「ふふふ、生まれたようね、それは心の扉よ
さぁ、はやく扉を開けて生まれ変わりなさい、アポロン!」
そう言ってアルテミスはさらに腰の運動を激しくする
“もうすぐ今までで最高のケダモノが生まれる”
心の中で喜びの声をあげる彼女の表情は、まるでおもちゃを買ってもらう前の少女のように嬉しそうだった
心の高ぶりと同時に体も高ぶりつつある彼女は自らの長い髪に白く細い指を絡ませ、
髪をからませた指先で自らの顔を引っかくように顔を覆いながらアポロンを貪りつくす
真紅に彩られた唇は妖しく動き、妖艶な喘ぎ声を発しながら・・・
「お、ぁ、ぁ、ぁ、ゆ、ゆい・・・」
アルテミスの前に屈する寸前のアポロンが最愛の妹の名を口にする
「そうなの、ゆいちゃんがお前の大切な女なのね?妹、かしらね・・・
欲しいのでしょ、ゆいちゃんが?だったら奪ってしまいなさい、アポロン、
兄妹なんて関係ないわ、私が許してあげるのだから、愛する女を本能の赴くままに抱けるのよ
私に抱かれるよりずっと気持ちいいはずよ?」
アルテミスの黒い誘惑がアポロンの心を黒く蝕んでいく
「ぐ、ご、が、がぁ・・・・」
徐々に人の言葉を発せられなくなりつつあるアポロン・・・
「ねぇ、アポロン、こう考えた事はなくて?ゆいちゃんとは血が繋がっていない
形だけの妹だったら・・・って、もしそうなら、ゆいちゃんもお前の事を愛しているんじゃ
なくて?彼女はきっと待ってるわよ、貴方と結ばれる日を・・・」
相変わらず騎乗位でアポロンを攻め立てていたアルテミスは決定的な一言を
告げるために彼の上に乗り、女性上位の体勢になり耳元で優しく囁く
ビクン
アポロンの目が見開かれ、体が大きくのけぞる
「がぁぁぁぁぁぁぁ〜!」
突然にアポロンは両腕でアルテミスを抱きしめてそのまま激しくピストンを開始する
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ
濡れに濡れたアルテミスの秘部とアポロンのモノが擦れる度に湿った音が聞こえる
「あぁぁん、そうよ、気持ちイイ・・・、女はね、愛する男に、奪われたい、と、いつも、思ってるのよ、あぁ」
桃色吐息とでも言うべき甘い息が耳に吹きかけられたアポロンはついに絶頂を迎える
どぴゅぴゅどぴゅぴゅどぴゅぴゅぢぴゅぴゅどぴゅぴゅ
アポロンはかつてない放出感を味わう
それは性的な放出感とは違う、心より広がる黒き感情に押し出されて
白きものが放出されるような感覚、白きものの放出と共に自我さえも
放出されているような感覚、頭の中が真っ白から真っ黒へ
そう、アポロンは人でなくなった、新たな獣の誕生の瞬間だった・・・

「お兄ちゃん!」
「アポロン!」
そこへ3人の男女が部屋に飛び込む
アポロンが独自でアルテミスに挑んだことを知った
アレス、アテナ、マーキュリーが止めに来たのだが
すでに遅かった
そこにはすでに闘技場最強闘士の姿はなく、目に狂気を浮かべた獣と化したただの男と
その獣を愛しそうに可愛がる女
アレスにとって見覚えのある黒髪、透き通るような白い肌、真紅に彩られている唇
まぎれもなく2週間程前にみた『月の女王』その人だった
「また、逢えたわね・・・・・、約束通り、本気で犯して差し上げるわ」
真紅の唇が妖しく微笑む
アレスは以前と同じく“美しい”と感じていた・・・


続く・・・



ようやく話が終盤に差し掛かりました
あと2話位で終われるように頑張ります
話の構想はある程度できているのですが
相変わらずBF描写が上手くいきません
悲しきかな、我が文才・・・
でも、まぁ、もう少しだけですので
皆さんも頑張って付き合ってください

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