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ファン・ド・シエクル 1話

「君は本当になにもわかっちゃいないなぁ」
向こうの世界の女性は言う。にこやかに。親しい友達をたしなめるみたいに。
その繊細な手で僕の弟のまだ毛も生えてないペニスから精液を搾り取りながら。
ゆっくりと手が動くたび弟は可愛らしく喘ぐ。
「君が思ってるほど世界は素晴らしくない。理不尽で不条理なんだよ。
なんてことないくだらない事で世界が大きく変わったり、
誰もが認める偉大なことでも結局は何も変えられなかったりするんだ」
僕はうなずく。うなずいたけど、考えはうまくまとまらなかった。状況が異常すぎる。
弟のペニスは何回か射精したあとなのにもかかわらず硬くピンと張り詰めていた。
ゼリー状と液状の中間ぐらいの状態になってペニスから噴出した弟の生命力は
彼女の手によって延ばされ、更に弟から生命力を搾り出すための潤滑液となっていた。
僕はさっき何度も達したばかりなのにもかかわらず強く勃起していた。
「だから君のするべき行動がいやらしくてくだらない事に思えても、
それが世界を変えてもなんら不思議はないんだよ」
僕はうなずかない。そこはどうしても納得がいかない。
言うことを聞いてしまってはいけない。女性はおかしそうに僕を見つめる。
「頑固なんだなぁ。こんなに言ってもわからないなんて。
じゃあ、今は信じられないなら信じなくても良いよ。 嫌でも信じざるをえないときが来るし。
でも君の行動が君自身や君の弟に大きく影響することぐらいは理解できるよね?」
女性は僕に微笑みかけた。弟がまた射精した。
勢いよく噴出した精液は女性の可愛らしい顔や、かなり大きめな胸に付着する。
それをペニスをしごいてる手と反対の手ですくい取り口に運ぶ。
それでもまだしごき続ける。ペニスは硬く勃起し続ける。何度でも射精する。
ただ弟の喘ぎには疲労が感じられ、顔色も悪く見える。体も一回り痩せた気がする。
抵抗する体力もないらしい。そもそも抵抗する気すら搾り取られてしまったように見えた。
僕はますます強く勃起した。でも恐怖と危機感を感じた。弟を助けなくてはならない。
「どうする? 私の手伝いしてくれる?」

****

話は少しさかのぼる。
僕は弟をつれて近所のお祭りへ出かけた。
両親とも仕事があったので僕が連れて行ったのだ。
大学も夏休みで暇だったし、弟が僕と行きたがったのもある。
なかなか大きいお祭りで人がたくさんいた。
途中弟とはぐれるアクシデントは有ったがそれなりに楽しめた。
異変は帰宅時に起きた。

家の前まで来たとき、弟が突然僕の手を引いた。
驚いた顔で僕を見上げて言う。
「お兄ちゃん。今裸の女の人がいた」
「ん? どこに?」
「家の中。二回の窓からこっち見てたよ」
僕は2階の窓の方に目をやった。カーテンは閉まっていて誰もいなかった。
「気のせいじゃないか?」
「…そう言われるとそうかも」

家の中に入って二階に上がったとき、僕は弟の話を信じなかったことを後悔した。
確かに2階には裸の女性がいた。それも素晴らしくエロティックな体形で可愛らしい綺麗な顔立ちの女性だ。
でも問題なのは女性が裸なことでも美しいことでもない。
問題なのは彼女の足元で父さんと母さんが死んでたことだ。
それもひどくやつれた全裸の死体だった。
「こんにちは。コウくんとユウタくん」
女性は僕らに微笑みかけ軽く会釈する。
僕は呆然としてしまった。状況が理解出来ない。弟も同じだった。
両親はどう見ても死んでいる。そしてそのそばに立っている美しい女性は微笑んでいる。
「私はこの世界とは違う向こうの世界から来たの。名前はレシス。
君たちに会うためにわざわざこっち世界まで来たんだよ」
女性が言ってることは頭に入ってきた。ただ言ってることはよくわからなかった。
僕は女性の体に目が釘付けになっていた。女の子とえっちをしたことはたくさんあるし、
女の人の体を見るのが珍しいわけでもない。
でも、この女性の体は考えられないくらい完璧でいやらしかった。
豊かでツンと上向きの乳房、細く艶かしい体のライン…綺麗だ。
「…どうしてお父さんもお母さんも死んでるの?
どうして僕達の名前を知ってるの?」
弟の言葉で我に返った。このレシスという女性は明らかに不審者だ。
なぜ両親がそんな風に死んでいるのか確かめなければならない。
この不審者をいやらしい目で見ている場合じゃない。
「良い質問だねユウタくん。順番に答えよう。
君たちのパパとママは私が殺したよ。目的のために邪魔だし、
こっちの世界に来るのに消耗したエネルギーを充填しなきゃならないからね。
名前はさっきご両親から聞いたの」
「どうやって殺した?」
僕は尋ねた。レシスが言ってることはよくわからかったけど、
両親がどうしてこうなったのかは知る必要があると思った。
「コウくん。君もなかなか良い質問をするね。
それにも答えよう。ご両親は何回も絶頂に達して生命力を吸い取られて死んだよ。
人はイクときに生命エネルギーを放出する。それを過剰に放出させて奪うことが私達には出来るんだ」
そこまで言ってレシスは両親の亡骸を蹴った。
両親の体はは砂のよう崩れ落ちた。
「生命力を限界まで搾り取るとこんな風になっちゃうんだよ」
正直言って何を言ってるのかさっぱりだった。ただ、この人が両親を殺したの間違いなかった。
「私はずっと君達を探してたんだ。
私達と同じ能力を持った人間をね。つまりえっちした相手の生命力を奪う能力」
「僕らにそんな能力はない」
「あるの。開花してないだけで。
なにしろ君達は私達と同属なんだから。力の使い方を教えてあげる」
レシスがこっちに歩みよってくる。僕は動けなかった。
だけど弟は動いた。弟は素早く部屋から抜け出した。
部屋にはボクとレシスが残された。
「あらあら…ユウタくんは怖くなっちゃったのかなぁ。
まぁいっか。すぐに捕まえられるもんね。
さてコウくん。まず君に力の使い方を教えてあげよう」
レシスはゆっくりと僕を抱きしめた。僕は逃げられなかった。甘くて優しい匂いがした。
僕はレシスのやわらかくて肉感的な体に包まれた。
僕は痛いぐらい勃起したいた。
「ふふ、すごくえっちがしたい気分になったでしょう?
私をいかせてごらん。私の全てを奪い取ろうという意志を伴ってね。
そうすることでコウくんは私から生命エネルギーを奪うことが出来る。
効率よく多量に生命エネルギーを奪うにはテクニックも慣れも必要だけどね」
なんとなく言ってることがわかった。確かに僕はその方法を知ってる。なぜかわからないけど。
そして僕はそれを実行するべきだと感じた。なんだか本能的に。

「最初はコウくんのなすがままになってあげるよ。
イクのも全然我慢しないでコウくんを手伝ってあげる。
でもそれでもコウくんが一人でいっちゃったら才能が無かったってことで両親と同じように死んでもらうね」

レシスは優しい笑顔でひどく残酷なことを口にする。この女性はこういう人なのだろう。
僕はレシスの胸に手を伸ばした。やわらかい。軽く持ち上げるようにして揉む。
「いきなり胸に手を伸ばすのは感心しないなぁ。
でも上手だよ。気持ち良い」
僕はレシスの胸を揉みしだいた。ピンと立った乳首を指の腹でクニクニ刺激したりもした。
しばらく続けるうちにレシスの顔が上気してきた。
「ふふふ…なかなか期待出来そうかな?
今度は他のところも触ってほしいなぁ」
レシスは僕の手を濡れた秘所に導いた。熱い肉が僕の指に絡みついた。
ここに挿入したらどれだけ気持ち良いかを嫌でも想像させられた。
指がペニスになってしまったみたいに気持ちよくて仕方ない。
僕のペニスは痛いくらい勃起し、ズボンに染みが出来るぐらいカウパーを出していた。
「どうしたの? ちゃんと触って私を気持ちよくして?」
僕は激しく指を出し入れしたい欲求を押さえて秘所全体を指で軽くくすぐる様に動かした。
ぞわぞわした感覚がよりレシスに愛液を出させる。
彼女が少しずつたかぶるにつれて僕はクリトリスを重点的に攻め始める。
指でゆっくりとクリトリスを円をかくように撫でる。
レシスが甘い声を漏らす。伸ばされた美しい黒髪が揺れる。
一回だけいかせれば良いんだ。だから膣でいかせようとする必要はない。
目的は何回もいかせることでも深いオーガズムを与えることでもない。
そういうそぶりを見せれば返り討ちに会うのが目に見えている。
何よりそんなことをするほど僕に余裕がなかった。
レシスがズボンの上からひと撫ですれば達してしまうほどに僕はたかぶっていた。
胸の柔らかさや、彼女の熱い秘所の感覚や、艶かしい声、優しくて甘い匂い、知覚出来る全てが僕を高ぶらせていた。
彼女はこのうえなく魅力的で危険な女性だ。
そうだ。僕は彼女を知っていた。まだ幼いころに見たことがあった。
今までずっと長い間忘れていたことだった。
目の前で彼女が誰かと交わっているのを見たんだ。そしてその相手は彼女によって生命力を奪い尽くされて死んだ。
でもそれが誰だったのかは思い出せない。ただ僕にとって大事な人であったことは覚えていた。
なんでこんなときにそのことを思い出すのだろうか。わからない。
どういうことだとしても、その記憶によって僕はレシスに対してより強い敵意を感じた。
彼女から全て奪ってやろうと思った。何度もいかせて全ての生命力を奪ってやろう。僕にはそれが出来る。
そして彼女が奪い取った権力をまた奪い取ってやろう。

…権力?

どうして僕は今そんなことを考えたのだろう。自分の考えがわからない。
失っていたずっと昔の記憶を思い返す必要があるようだ。でもそれは今じゃない。
今はこの女性に従うままに女性をいかせて自分の命を長らえさせなくてはならない。
この女性が嘘を言ってないことも危険なことも僕にはわかっていた。
もう既に僕のペニスは触らなくても達してしまいそうなぐらい張り詰めていた。
あんまり長引けばトランクスにすれたちょっとした刺激で達してしまいそうだ。
僕を少しも攻めてはいないのにここまで高ぶらせるレシスという女性はやはり危険なのだ。
集中して出来るだけ早くいかせなくちゃならない。
僕はクリを攻める早さはゆっくりとしたまま、反対の手で胸をやや強めに揉んだ。
そして首筋に舌を這わした。
「ん…あっ…ほんと上手だよ。そのままコウ君自身がいく前に私をいかせれば合格だね」
こっちがどういう状況かはばれていた。
レシスはいつでも簡単に僕をいかせることが出来る状況だった。そうはしなかったけれど。
僕も彼女に密着して股間をレシスの太ももやお腹に当てないように気をつけて愛撫を続けた。
彼女から生命力を奪おうという意志をもって彼女を攻め続けた。

「あぁ、そう…!! そのまま……!!」

彼女は軽くのけぞって絶頂に達した。嬌声が僕の耳に染み込んでいく。
同時に僕は生命力がレシスから僕に流れ込むのを感じた。
それは性的な快感とはまた違う快感を僕にもたらした。
とても強い絶頂のような快楽。ひたすら生命力を奪い続けたいと思わせるような中毒的な快楽。
このまま彼女をいかせ続けようと思ったが無理だった。
快楽に身を任せいていた顔が一瞬で悪魔的な微笑に変わり僕を抱きしめた。
「さすがはベルとエポックの息子だね」
耳元で熱っぽくそう囁いてレシスと僕の体に挟まれていたペニスをぎゅっと圧迫した。
瞬間僕は達した。それだけなのに今までに感じたことのない絶頂感を感じた。
そして僕から生命力が流れ出ていった。レシスから奪った量よりずっと多量の生命力が奪われた。
眩暈がした。僕は立ってることが出来ずにその場に崩れ落ちた。
パンツの中は精液でいっぱいになっていた。スボンに大きな染みが出来る。
「合格だよ。でもまずは身の程を知ってもらわなきゃね」
レシスは手際よく僕を脱がせ精液をくまなく舐め取っていった。


****

ボクは逃げていた。夜道をひたすら走った。
あのレシスという女は明らかに同属だった。ボクやお兄ちゃんと同じ匂いがした。
そしてボクなんかよりずっと強い力をもった同属だ。
ボクらのルーツを知るチャンスだったかもしれないけど、危険過ぎた。
本当の両親を知ることが出来ても死んでしまってはおしまいだ。
お兄ちゃんはきっと殺されるだろう。ボクと違ってお兄ちゃんはまだ自分が人間じゃないことに気づいてない。
ボクはまだ幼い子供かもしれないけど自分の能力に気づいた。
それがどんなに気持の良い危険な力かも知っていた。
その力を持ってないお父さんとお母さんが本当の両親じゃないことも知っていた。
育ててくれたのには感謝してるけど、死んでも全然悲しくなかった。敵討ちをしようとも思わなかった。
それは不思議なことにお兄ちゃんも同じみたいだった。
お兄ちゃんはあのときレシスという女性に見とれていた。
両親を殺したあの女性といい、それを悲しまないボクらといい、心が冷たく出来てるのかもしれない。
でもそれで良い。暖かい心を持ってたらこの能力を楽しめない。
この地域では失踪事件が多発している。その原因は全てボクだ。
失踪した女の人はみんな見つからない。当然だ。ボクが生命力を奪いつくしてしまったからこの世にいない。
まず綺麗な女の人や可愛い子をみつける。なんとか二人きりになる。そしたら後はボクの思うがままだ。
生命力を奪う力のあるボクらはなにか不思議な魅力があるらしい。
女の人はみんなボクの言うことをだいたい聞いてくれたし、お兄ちゃんも同じだったみたいだ。
今日のお祭りでもボクは女の子を一人吸い殺した。
かわいらしい女の子を見つけたから、わざとお兄ちゃんとはぐれてその女の子を林に連れ込んだ。
服を脱がせて全身を愛撫してまんこをビショビショに濡らしてから挿入する。
女の子は処女だった。それでも女の子は感じていた。
血はほとんど出ないかわりに、ペニスを抜き差しするたびに大量の愛液がこぼれ出た。
女の子は達した。女の子の生命力がボクに流れ込んできた。ボクは腰の動きを止めない。
そして女の子は目に見えて元気が無くなった。
耐え難い快楽の中にいながら女の子は恐怖を感じてるらしかった。
ボクは親切にも自分の能力のことを教えてあげる。
たぶんもう一度いっちゃうと生命力が底を尽きて死んじゃうことも教えてあげる。
女の子はボクの話を信じてはっきりと恐怖を感じる。でも悲鳴を上げられない。もうそんな元気もない。
声にならない快感によるあえぎしか出ない。ボクの耳にだけ聞こえる声量で甘い声をもらすことしか出来ない。
ボクは女の子がまたいっちゃう前に射精する。相手にはボクみたいな能力はないからいっても問題ない。
我慢せずにそのタイミングで女の子の膣に精液を注ぎ込む。
女の子は知らない男の子に中だしされたことで絶望する。同時にボクがたっして性交が終わり、
自分が助かったことに安堵する。死ぬしかないと思ったのに生きながらえたんだから嬉しいよね。
でもそれは勘違い。
ボクは腰の動きを再開する。ペニスは硬く隆起したままだ。それが女の子にまた耐え難い快楽をたたき付ける。
女の子は絶望と快楽におぼれて我慢なんか出来なくなる。我慢なんかする気もなくなる。
そうして女の子は絶頂を迎える。どうしようもない快楽に溺れて生命力をボクに全て奪われる。
ボクはほかの事では感じられない至福の喜びを感じる。快感に魂が打ち震える。
女の子からペニスを引き抜き亡骸をふみつける。砂のように崩れる。死体は見つからない。
ボクは何度も何度もそんなことを繰り返している。生命力を奪うことをやめられない。
それがボクの至福の時間だから。
ボクはお兄ちゃんと合流する。適当な言い訳をして純粋で良い子のふりをする。
良い子のふりをしていればよくしてくれる。ボクはお兄ちゃんには感謝してる。
両親はボクらを育ててくれたけど、同時に恐れていた。
ボクが能力に目覚めたことも気づいており、ボクと一緒にいることを避けていた。
だけどお兄ちゃんは親切でいつも優しかった。
それは無知だったからかもしれないけど、ここまでやってこれたのはお兄ちゃんのおかげだとわかっていた。
…だけどお兄ちゃんを置いてボクは逃げた。

気が付いたら足を止めてた。
まだ間に合うかもしれない。なんとかしてお兄ちゃんを助けよう。
来た道を走って戻る。
あの女に生命力を奪う能力で勝てなくても問題ない。普通に殺してしまえばいい。


****

僕の体をレシスが舐める。精液が舐めとられてその快感によりまた精液がでる。
生命力が漏出していく。僕の体はどんどん動かなくなる。
「ふふふ…私に歯向かっちゃいけないことを教えてあげるね」
もう充分だ。歯向かう気なんてない。僕はそう言いたかったけど快感のあまり喋れなかった。
「君達兄弟には優秀で忠実な私の奴隷になってもらうの。
この世から消さなきゃいけない連中がいてね、それを手伝ってもらいたいんだよ」
奴隷! こんな女の奴隷なんてごめんだ。さっきの力を使うにしろ人の命を奪うなんて嫌だ。
「っ…嫌だ」
今度はなんとか言うことが出来た。
「生意気だなぁ。君が戦うことで私も助かるし、なによりこの世界を救うことにつながるんだよ?」
嘘をついてるようには見えなかった。それでも信じがたいことをレシスは言った。
「私の世界の住人がこっちの世界の住人を食べてたのは昔からなんだけど、
食べつくそうとする勢力があってね。その勢力を排除するのを君には手伝ってほしいんだ。
なんだか格好いいでしょ?」
事実のように思えた。でも裏があるようにも思えた。ただ言いなりになるのは危険だと感じた。
「はぁ…ぁ…僕らが……そういう奴ら勝てるとは思えない…」
「ふふ…もし君にそれだけの実力がないとしよう。
でもね、弱者が起こすほんの小さな波が世界を変えることだってあるんだよ?」
女の言葉が脳に絡み付いてくる…なにかおかしい…この女に従ってはいけない。
自分の命を落としてしまってもその方が最終的に良い結果になるような気がした。
僕個人にではなくこの世界にとって。
だから僕は首を横に振った。
「ふーん…たいした精神力。仕方ないか。めんどうだし成果は薄くなるけど、一度壊して人形にしてから使おうかな」
レシスは綺麗で優しい笑顔を僕に向ける。そして僕の体をまたいだ。
いくら射精しても硬くそり立っているペニスに熱い愛液が滴り落ちた。それだけで僕はまた勢いよく射精した。
ペニスに膣の入り口が近づいてきた。そこに飲み込まれて僕は死ぬだろう。
死への恐怖と、どろどろの秘所から与えられる快感に対する期待を同時に感じていた。

そのときだった。
包丁がレシスのわき腹に刺さっていた。
レシスは驚き自分に包丁を付き立てている僕の弟を見た。
「このまま死んじゃってよ。そんな能力を持ってる奴はボクの他にいらないんだ」
レシスは驚いた顔をしていたがすぐに優しい顔で微笑んだ。
「ユウタくんは兄さん思いのいい子だなぁ。でも私にそれは無駄だよ」
刺されたところから血が出ていなかった。弟は驚いた様子も無く包丁をひねって傷口をえぐった。
ところが傷は血を流す間もなく再生した。弟は忌々しそうな顔をして包丁を引き抜いた。
「レシスさん…っていったっけ?何人から生命力を奪ったらそんなになるの…?」
「数え切れないぐらいたくさん。たくさんの生命力を持ってればこんな傷なんともないの。
もっともそれ以前に私たちはこういう方法じゃ殺せないけどね。
ふふ…でも…そっかぁ、ユウタくんは能力のことを知っていて、それを既に使ってるんだね。
コウくんも才能があるけど能力に気づいたのは今。それも私のおかげで。
それを幼い君は自分で知り使いこなしてるわけだ。
これはかなり君にも期待出来そうだね」
レシスは僕の上からどいてユウタの方に近づいた。
「ユウタ…逃げるんだっ…」
弟がこんな能力を知ってることも使いこなしてることも知らなかった。
ほんとは振舞いどおりの優しいいい子でないのはわかってる。
だけどそんなことは関係ない。弟は僕を助けようと戻ってきてくれたんだ。
弟は助けなくちゃならない。
たげど声を出すことしか出来なかった。起き上がるだけの力が僕には残ってなかった。

***

甘かった…ボクはお兄ちゃんを助けようとして選択を誤った。
えっちでこの女を倒すのは無理だろう。仮にいかせることが出来るとしても、
この女を殺すためにはどれだけ深く何度いかせなければならないかわからない。
それまでにボクは精液を搾りつくされて死ぬ。
生き残る活路を見出さないと。
「…あなたの望みは何?」
ボクはレシスに尋ねた。
「君達兄弟に私の手伝いをしてほしいの。この世界を荒らしている私の同属を倒す手伝いだよ」
本当なら悪くない。ボク達のルーツを知る機会にもなるし生命力を奪う相手は人間じゃない。
もっと多くの生命力が奪えるし警察も気にしなくて良い。
すこしずつ実力をあげてこの女を犯しつくすチャンスもあるかもしれない。
嘘でも本当でもボクは従うほかないのだけれど。
でもその前にひとつ確認することがあった。
「どうしてボク達なの?」
「それはそのうち教えてあげる。
それよりユウタくんは私の手伝いをしてくれる気になったのかな?」
何か隠している…。でも従う他ない。逃げるのはもう無理だろう。
ボクは頷いた。
「うんうん。ユウタくんは良い子だね。
君みたいな賢い子は好きだよ」
レシスがボクの頬を軽く撫でる。それだけでぞくぞくとした快感がボクの体に渦巻く。
「ユウタくんは手伝ってくれるって。
コウくんも手伝ってくれるよね?」
お兄ちゃんは黙っていた。従う気はないように見えた。お兄ちゃんは時々頑固だ。
でもそれで死んでしまってはどうしようもない。
「お兄ちゃん…手伝うことにしようよ。
生き残るにはそれしかないよ」
ボクが説得しても駄目だった。お兄ちゃんはこの女に手を貸すぐらいなら自分が死んでもかまわないと思っている。
「やれやれ…何も悪いことしろって言ってるわけじゃないんだけどなぁ。
仕方ない。コウくんは自分が危なくなっても動かなかったからユウタくんに危なくなってもらおうかな」
ボクはレシスに押し倒された。そのまま手早く服を脱がされる。
抵抗することが出来なかった。ボクの肌がいやらしい吐息と視線にさらされる。
ボクのペニスは既に期待に打ち震えている。
この女性に従うことを決めた以上、抵抗するべきではない。
だけどボクが抵抗しなかったのはそんな理由よりも快感への期待があったからだ。
ゆっくりとボクの体にレシスが手を這わす。
ぞくぞくと快感が呼び起こされ全身の血液が一部に集中していく。
「やめろ……っ!!」
お兄ちゃんが枯れた声で叫ぶ。
「コウくん。やめて欲しかったら私の奴隷になりなさい。
そしたらユウタくんを殺さないであげる」
「っ………」
「ふふ…あなたの大事な弟からいっぱい搾り取ってあげるから、ゆっくり考えるといいよ。
でもあんまりゆっくりすぎるとユウタくん死んじゃうからね?」
そう言って楽しそうに笑うレシス。ボクのペニス触れる。
そうしてカウパーを潤滑液にゆっくりとしごき始めた。
ボクの全身に快感が走る。
生命力を奪われないようになんとか耐えようとする。
だけどこんなの無理だ。甘味な刺激がボクの理性を溶かす。
ボクの生命力が精液に溶け出して煮えたぎる。
すぐに熱い精液がボクのペニスから噴出した。
レシスの手や顔にそれがかかる。
いやらしくそれを舐めとっていく。
女の子たちから奪った生命力が奪われていく。
ボクは甘味な快感に飲まれまた射精する。
レシスはペニスをしごきボクの生命力を搾り出し続ける。

***

僕は弟がされるがままになってるのを見ることしか出来なかった。
助けようと思ってもこの女に従うべきじゃないと本能が訴える。
そして僕はこの光景に魅了されかけていた。
「早くしないと弟君が死んじゃうぞー?
私の奴隷になる事を誓うだけなんだよ」
なんとか頭を冷静に保とうとする。この女の言うとおりにしてはいけない。
「僕らには何も出来ない…だから弟を放せ。
僕らを従えたところでお前にはなんの利益もない」
「…君は本当になにもわかっちゃいないなぁ」
向こうの世界の女性は言う。にこやかに。親しい友達をたしなめるみたいに。
その繊細な手で僕の弟のまだ毛も生えてないペニスから精液を搾り取りながら。
ゆっくりと手が動くたび弟は可愛らしく喘ぐ。
「君が思ってるほど世界は素晴らしくない。理不尽で不条理なんだよ。
なんてことないくだらない事で世界が大きく変わったり、
誰もが認める偉大なことでも結局は何も変えられなかったりするんだ」
僕はうなずく。うなずいたけど、考えはうまくまとまらなかった。状況が異常すぎる。
弟のペニスは何回か射精したあとなのにもかかわらず硬くピンと張り詰めていた。
ゼリー状と液状の中間ぐらいの状態になってペニスから噴出した弟の生命力は
彼女の手によって延ばされ、更に弟から生命力を搾り出すための潤滑液となっていた。
それを見ている僕もさっき何度も達したばかりなのにもかかわらず強く勃起していた。
「だから君のするべき行動がいやらしくてくだらない事に思えても、
それが世界を変えてもなんら不思議はないんだよ」
僕はうなずかない。どうしても納得がいかない。
言うことを聞いてしまってはいけない。女性はおかしそうに僕を見つめる。
「頑固なんだなぁ。こんなに言ってもわからないなんて。
じゃあ、今は信じられないなら信じなくても良いよ。 嫌でも信じざるをえないときが来るし。
でも君の行動が君自身や君の弟に大きく影響することぐらいは理解できるよね?」
女性は僕に微笑みかけた。弟がまた射精した。
勢いよく噴出した精液は女性の可愛らしい顔や、かなり大きめな胸に付着する。
それをペニスをしごいてる手と反対の手ですくい取り口に運ぶ。
それでもまだしごき続ける。ペニスは硬く勃起し続ける。何度でも射精する。
ただ弟の喘ぎには疲労が感じられ、顔色も悪く見える。体も一回り痩せた気がする。
抵抗する体力もないらしい。そもそも抵抗する気すら搾り取られてしまったように見えた。
僕はますます強く勃起した。でも恐怖と危機感を感じた。弟を助けなくてはならない。
「どうする? 私の手伝いしてくれる?」

もう限界だった……弟は淫らにイカされ続けている…自分自身が精液を搾り取られているような錯覚さえ覚えた。
僕は…ゆっくりと頷いた。
この女の下で何をやらせられることになっても弟を死なせるわけにはいかない。
いつか力をつけてこの女から生命力を奪いつくす。
兄弟で力を合わせればそれも出来るかもしれない。
いつになるかはわからないけれど。
「わかった……お前の言うとおりにする…だからユウタを放せ」
レシスがユウタへの愛撫をやめる。弟は既に気を失っていた。
「やっと素直になってくれた? じゃあまずは私たちの拠点に来てもらおうかなぁ。
そこでいろいろ勉強してもらうよ」
レシスが目を瞑って何やら詩のようなものを呟く。
しばらく呟き続ける。逃げるチャンスだったが、僕はもう動く体力が無かった。
詠唱を終えてレシスが目を開く。部屋の中心に光の扉が現れた。
「さぁ行こうか。この扉はこちらの世界の私の拠点に繋がってるの。
私の素敵な根城にご招待してあげる…」
レシスが光の扉を開ける………疲れ果てた僕は意識を失った。
長編です。
目指すはえろくてえぐいちょっぴり狂ったファンタジー。1話はえろさ控えめ…かな?
正直微妙な出だしかとは思いますが、おいおいエロくて読みがいのある文章にしたいところです。
長くなるんでこれはまとめのみの投稿です。

混乱をきたさぬように簡単な登場人物紹介。
*コウ
主人公。一人称は僕。
本人は気づいていなかったが、この世界の住人じゃない。

*ユウタ
コウの弟。一人称はボク。
自分の能力に気づいてそれを行使していた。
今までに何人もの女の子から生命力を奪い取って殺してる。

*レシス
向こうの世界の住人。一人称は私。
生命力を奪うことに異常に長ける。
長い時間をかければ魔術も使える。
黒髪。ド外道。

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