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館の淫魔3

館の探索は順調に進んでいた。
順調すぎて手ごたえが感じられない。
最初のときのように淫魔が意思表示してくることもない。
この階にはいないのかもしれない。俺はそう思い始めていた。
一階の左奥にある部屋。ここで一階の部屋の半分を見て回ったことになる。
「………………」
トラップに警戒しながら慎重に部屋に入る。
そこは物置といった感じの部屋だった。ボロボロになっている書物や、腕や足が欠けた
彫刻、破れた絵画、足が折れている椅子などが雑然と並べられている。
足の踏み場も無いとはまさにこのことだった。
見たところ淫魔はいない。まさかこのガラクタの下に淫魔が埋もれているなんてことは
ないだろう。それはそれで楽しいが。
俺はしばらくガラクタの山を眺め、一箇所だけ不自然に床が露になっていることに気付
いた。
…………怪しい。俺はガラクタを足蹴にしながら部屋の中に入った。
まるでそこだけ切り取られたかのように真四角の床が見えている。何かがあるのは間違
いなさそうだった。
俺はやっと見つけた手ごたえに興奮しながら、その床に手で触れてみる。冷たい板の感
触。特に異常はない。次に軽く叩いてみる。コンと軽い音が返ってきた。その音からこ
の下に大きな空間があることが分かる。
床板は簡単に外れた。湿った空気が漏れる。そこは階段だった。
薄暗く奥までは見通せないため、かなり下まで続いていそうだ。
「ビンゴか」
隠し階段。ちょっと捻りが足りない気もするが、かくれんぼの隠れ場所としては上出来
だろう。
俺は意気揚々と階段を降りる。その先に淫魔がいることに何の疑問ももたなかった。
しかし。
そこに淫魔はいなかった。すぐに行き止まりになっていたのだ。
「……っ」
まさかこれも罠か。俺は急いで踵を返す。だが既に遅かった。
入り口が閉じられ、完全な闇に包まれる。そしてチョロチョロと水音が聞こえ始めた。
「く……」
俺は階段を引き返し、入り口をこじ開けようとするが、どんなに力を加えても入り口は
びくともしなかった。
その間にも水はどんどん溜まっていく。
ついに足元が水に浸かった。ヌルリとした感触。どうやら溜まっているのは水ではなく
ローションのようだった。
俺は無駄と分かりながら入り口を力の限り叩き続ける。ドンドンと空しい音が反響する
だけで、やはり床板は外れない。
やがて腰までローションに浸かってしまった。
このままローションが溜まり続ければ、俺は溺れてしまうだろう。だがまるで俺の顔の
位置を把握しているかのように、ローションは俺の首の位置で止まった。
ブーというブザー音がして、トラップが次の段階へと移る。
トボドボと何かがローションの中に投げ込まれるような音がする。
一つや二つではない。その何かは大量にローションの中に入れられている。
目が闇に慣れ、俺はその何かをやっと視認することができた。
それはこぶし大ほどの大きさで、ピンク色の突起が付いた肉の球だった。その大きさと
いい、形状といい、それが女の乳房を象っていることは明白だ。
その肉玉が何十、何百と俺の体に群がってくる。まるで餌を見つけたピラニアのように
……
俺は恐怖に身を引きつらせる。だが逃げ場はどこにもなかった。
服の中に肉玉が入り込み、その柔らかな肉を押し付けてくる。肉玉は次々に俺の服に入
り込み、その負荷に耐え切れず俺の服はびりびりと破れてしまった。全裸にされた俺の
体に容赦なく肉玉は迫ってくる。
「はぁ…………っ」
ローションの効果もあってか、その柔らかくて、すべすべの肌の感触に俺は思わずため
息を漏らしていた。俺の胸も腹も脇も手も肉玉がぐにゅぐにゅとその柔肉を押し付け、
擦りあげてくる。時折固くなった乳首を俺の乳首に押し付けられたり、背筋を擽るよう
に撫で上げたりと、絶えず変化する愛撫に俺は翻弄されてしまう。
下半身も同じように服を剥ぎ取られ、肉玉の責めに晒された。ペニスには二つの肉玉が
パイズリをするように肉竿を挟み込み、上下左右に揺らしながら扱きあげる。さらに亀
頭に違う肉玉が張り付き、乳首で尿道口やカリ首を直接刺激し、またその柔肉に亀頭を
めりこませる。玉袋や足の付け根、太腿、膝、足の指先に至るまで柔らかな乳房がむに
ゅむにゅと全身の性感帯を開発しようと蠢く。
そして、アナルにも容赦なく肉玉は攻撃を加えてきた。ローションですっかり滑りのよ
くなった俺の菊口に狙いを定めて、肉玉がめりこんでいく。
「ぐっ……」
俺は慣れない感触に思わず腰を前に出す。しかし肉玉にとってそれは何の障害にもなら
なかった。にゅるりと肉玉がアナルの中へと侵入を果たし、ブルブルと細かく震える。
全身を包み込む甘美な感触に体から力が抜けていく。ガクガクと足が震え、立っている
のがやっとだった。
肉玉を押しのけようにも、両手にも肉玉が群がっている。逆にその柔らかさを味わわさ
れるだけだった。
次第にペニスを扱く肉玉の動きが熱を帯びてくる。二つだけだった肉玉は四つに増え、
ペニスへの締め付けを強くする。
ゴトリと音がして、今までどんなに押しても開かなかった扉が開いた。出口は目の前。
あと数歩進めば、このローションから出ることができる。
だが、肉玉から送り込まれる甘美な刺激が俺にその一歩を踏み出させない。もはや出口
などあっても無くても同じだった。俺はもうこのローションの中から抜け出せない。
アナルに入っている肉玉が一気に引き出される。それと同時に強く肉竿が扱かれ、鈴口
を乳首で引っかくように強く刺激された。止めの一撃の前に、俺はなす術もなく白濁液
を噴き出した。
一瞬だけローションが白く染まる。だがすぐに透明に戻った。俺の射精が終わると、肉
玉の動きも止まった。
思えばこれが最後のチャンスだった。もしこの隙に一歩を踏み出すことができれば、俺
は肉玉から逃れることができただろう。
だが経験したことのない快感の余韻に浸っていた俺は、その一瞬をただ呆然と突っ立っ
たまま肉玉を眺めることしかできなかった。
動きを止めた肉玉の乳首がすぅっと消える。そしてそこから女の唇が現れた。にゅるり
とその唇から真っ赤な舌と、歯並びのよい白い歯が覗く。
そして。
肉玉は責めを再開した。
これまでは柔らかな乳房で優しく揉みしだくような責めだったのが、一転して噛み付い
たり、キスマークをつけるように強く吸引したりしてくる。
「ん……っ!」
突然の荒々しい責めに俺は身を捩る。臀部や足の付け根、太腿、ふくらはぎを歯型が残
るかと思うほど強く噛みつかれ、玉袋が肉玉の口の中に呑み込まれ、コロコロと転がさ
れる。その刺激の全てが途方も無い快感となって俺を襲う。
何よりペニスへの責めが強烈だった。これまでのパイズリに加えて、肉玉の舌先がチロ
チロと鈴口を舐め、またぱっくりとカリ首までを咥え込みパイズリフェラになる。
快感に体がビクビクと震える。
体に群がった肉玉は俺を解放する様子もなく、次の射精へと導くべく責めを激しくして
いく。
つぷりと亀頭に歯を立てられ、俺はあっけなく二度目の射精を迎えてしまった。
今度は俺が射精し終えても、肉玉の責めが止まることはなかった。
たとえ止まったとしても、俺はやはりここから出ることはできなかっただろう。
俺は光が差し込む出口を見ながら、肉玉から送り込まれる快楽に溺れた。


搾精ファイル02『ローションの海で肉玉に群がられ、死ぬまで精液を搾り取られる』


●コンティニューしますか?
→コンティニューする。
  コンティニューしない。



「…………はっ!?」
ふと気が付くと俺の目の前には扉があった。
「何か嫌な夢を見た気がする」
よく分からん肉玉に犯されて死ぬ夢……冗談じゃない。
だがなんだかんだでこの夢も二度目だ。
最初の夢が啓示だった以上、今回もただの夢とは言えない。
俺は扉を開けた。案の定ガラクタの山があり、さらに夢と同じ場所の床が露になってい
た。
「………………」
やはりただの夢じゃない。
俺はつかつかと床へと近寄り、床板を外した。湿った空気が流れ、中から階段が現れる。
「さてと」
ここに入ったら、行き止まりで、閉じ込められて、ローションが入れられて終わりだっ
たな。
今度はどんな復讐にしようか。ババネロでもいいが、何度も同じ手だと芸が無いな。
俺は迷った末にスビリタスを取り出した。
スビリタス……とっても強い。死ぬほど強い。そんな酒だ。スピリタスじゃないぞ。こ
の世界独自の飲み物だからその辺よろしく。
「夢ではよくもやってくれたな、と」
俺はスビリタスのビンを開けると階段へと転がした。
上手くいくかどうか半信半疑だったが、果たして床板が閉まり中から水音がしてく
る。しばらく待つとドボドボという水音。肉玉が今投げ込まれているのだろう。
だが残念だからそこに獲物はいない。あるのはただスビリタスのみ。
「……………………」
やがてゴトリと扉が開く。中からむわっと強いアルコール臭が漂ってきた。その余りの
強さに俺は顔を顰めながら、そっと中を覗く。
そこには。
真っ赤になった肉玉がプカプカと浮いていた。思わずその一つを拾い上げてみる。
「……………………」
肉玉はプルプルと震えるだけで何の反応も示さなかった。おそらくアルコールにやられ
ているのだろう。
「うむ」
俺は満足気に頷くと、肉玉をローションの中に放り、おまけとばかりにババネロも放っ
てから物置を後にした。


物置探索完了。
庵んさんの案を、俺好みのシチュにしてみました。
肉玉はないと・めあ様のデータベースを参考にしています。
刻命館に関係ないエロトラップもあれば、是非お聞かせ下さい。
もちろん刻命館に添ったのでもいいです。

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