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館の淫魔2

俺が館の中に入るとすぐに扉は閉まった。
「く……」
そこは凄まじい淫気が充満していた。
これほどの淫気に当てられれば、他のハンター達が早々に罠に嵌ったのも頷ける。
正気を保つのが難しい。甘い芳香に頭がぼうっとしてくる。
俺はぶんぶんと頭を振り、両頬に平手打ちをして気合を入れなおした。
ポケットから貰った館内の見取り図を取り出す。
エントランスは吹き抜けになっており、正面には階段があった。
階数は全部で二階。しかし部屋数はかなり多い。全部見て回るのはかなりの苦労を要し
そうだ。
「さてと」
どこから見て回るか?
直感を信じて適当に部屋をぶらつくか。それとも近い場所からしらみつぶしに探すか。
思い出せ、かくれんぼの王道とはなんだ?
「あ」
ふと妙案を思いついた。俺はすぅっと息を吸い込む。
「…………も〜い〜か〜い?」
耳を澄ましてみる。
かくれんぼでは定番の質問。あの淫魔ならうっかり答えてくれるかもしれない。
「………………」
だが応答はなかった。流石に淫魔もそこまで馬鹿ではないらしい。
これで答えてくれたら楽だったのになあ。仕方ない、近い部屋から地道に探していくか。
と俺が一歩を踏み出しかけたとき、いきなり上から大きなタライが落ちてきた。
「いてっ」
小気味良い音がしてタライが俺の頭を直撃し、逆さまになって床に落ちる。
大きな円形の底が露になり、そこに汚い字で『馬鹿にすんな!!』と走り書きがされて
いた。
「……………」
どうやら答えてくれなかったものの、淫魔には聞こえていたらしい。
デビルイヤーだ。というよりここは淫魔の体内なのだから聞こえて当然か。
俺は改めて気を引き締めた。
ここは淫魔の体内。少しの油断が命取りになってもおかしくはない。
まずは手始めに左手にある部屋へと向かう。
見取り図を見ると、それほど大きな部屋ではなさそうだ。
俺はドアノブに手を掛け、ゆっくりと回した。鍵はかかっていない。
そこは書斎だった。いくつもの本棚が壁際に立ち並び、高級そうな椅子と机がある。
建物に入ったときに気付くべきだったが、どうやらボロイのは外見だけで、内装は年代
を感じさせない綺麗なものだった。
………いない。
ぐるりと部屋を見渡したが、それらしい姿はどこにもなかった。
だが死角になっている場所に隠れている可能性もある。
しらみつぶしに探す以上、絶対にいないという確信を持ってからでないと部屋を後には
できない。
やるなら徹底的に、だ。
探すのは机の下と、奥にある箪笥の中くらいか……
俺はそう判断を下すと、部屋の中へと踏み込んだ。
その瞬間。
何かが俺の頭に落ちてきた。
タライではない。その何かは俺の頭にすっぽりと嵌り、俺の視界を奪ったのだ。
「んぐ……!」
俺は慌ててその何かを抜こうとしたが、完全にぴったりと嵌っていて容易には抜けない。
しかもその中は館の中よりも強力な淫気で満たされていた。
甘い芳香に体が痺れていく。
早く抜かなければ体の芯まで淫気に蝕まれてしまうだろう。俺はふらつきながらもそれ
を抜こうと躍起になった。
ふらふらと。
俺はそれを抜くのに必死になっていたせいで自分が一歩ずつ部屋の中へと入っているの
に気付かなかった。
思惑通りに。
次のトラップが発動する。
滑った感触に膝から下が呑み込まれるのを感じた瞬間、俺の視界を覆っていた何かは砕
け散った。
視界が回復する。真っ先に目に入ってきたのは、俺の膝から下を挟みこんでいるピンク
色の肉だった。
「な……っ」
まるで巨大な口のような肉の裂け目に足元が囚われている。抜こうとしても、両足を拘
束されているために力が入らない。
そして。
カチッという機械音がしたかと思うと、俺の正面にあった本棚が俺に向かってゆっくり
と動き始めた。
俺はそこで初めて自分の位置を確認する。
いつの間にか部屋の真ん中ほどにまで入っていた。
正面から迫ってくる本棚。俺は嫌な予感がして首だけを捻って背後を振り返る。
そこには椅子があった。
それもただの椅子ではない。本革の代わりに柔らかな肉で覆われた搾精椅子だった。
逃げなければ。あの椅子に座らされることは即ち、死を意味する。
俺は体を捻って膝下を捕らえている肉から逃げだそうとするが、左右に捻っても、上下
に跳ねても決して抜けなかった。
そんな俺の抵抗を嘲笑うように本棚はゆっくりと迫ってくる。
残り一メートル……八十センチ……五十センチ……三十センチ……
俺は両手で本棚を押し返そうとした。しかしそれも徒労に終わる。
ついに本棚が俺の体を押し始める。すると今までどんなに暴れても抜けなかった膝下の
肉は、いともあっさりと俺を解放した。
下半身の自由が戻る。だがそれはあまりにも遅すぎた。
俺の体は速度を増した本棚に押され、搾精椅子へと運ばれていく。
「くそぉおおお!!」
それは断末魔の声とも言えた。もはや椅子は目前。声を上げたところで状況は何も変わ
らない。
パスンと。
間抜けな音がして、俺は魔の椅子に座らされた。
しゅるりと長い舌のようなものが飛び出し、俺の手足を拘束する。
「ぐ……」
背中が熱い。椅子は俺が座ると同時にぐちゅぐちゅの粘液を分泌し始めた。
じゅっと音を立てて服が溶けていく。数分もしない内に俺は全裸にさせられた。
防御の手立てを失った体に容赦なく搾精椅子の責めが開始される。
まずは直接密着している背中がヌルヌルの肉で何度も何度も擦り上げられる。
大きな舌に背筋を舐められるような感触に俺はぞくりと体を震わせてしまう。
さらに首筋や耳の裏なども同じように擦りあげられた。
分泌液には媚薬の効果もあるのだろう。俺の体はその滑った肉が走るだけで敏感に反応
するようになっていた。
さらに責めは下半身へと及ぶ。
椅子の特性ゆえに、無防備に晒される場所。俺のアナルへ柔肉はその魔手を伸ばしてい
く。
味見するかのように柔肉は俺の菊口を舐め上げ、粘液を塗りつけてくる。その動きは人
間の舌のように繊細で、それでいて激しかった。
「あ……が……」
声が漏れる。必死に押し殺していた声が、容赦ないアナル責めの前に搾り出されてしま
う。
快感に身をくねらせることすら許されない。
柔肉の甘美な刺激の前に、俺の括約筋はどんどんほぐされていく。
既にペニスは痛いほど勃起していた。上を向いたペニスは唯一柔肉の責めに反応し、何
度もピクピクと震える。
抵抗もできないまま、俺は搾精椅子のされるがままに快楽を享受していた。
手足が拘束されているせいだけではない。
その椅子からもたらされる快楽はあまりにも良過ぎた。
つぷりと柔肉がついに俺のアナルの中へ侵略を開始してきた。
同時に背凭れの部分からも肉の触手が生え、これまで触れていなかった俺の胸や臍や脇
腹を責め始めた。
「くあああ……っ!」
ぬりゅぬりゅとアナルへと押し入りながら、一方で無数の触手が俺の上半身を責め嬲る。
異次元の快楽に体が支配される。思考が弾け、頭が真っ白になる。
ペニスにはまだ何も触れていないのに、俺は搾精椅子の虜になり始めていた。
「んぐ……!?」
いきなり口に触手の一つが捻じ込まれ、大量の液体を喉へと流し込まれる。
吐き出す余裕すら与えられず、俺はその液体を嚥下させられた。
火照った体がさらに熱くなる。おそらくは高濃度の媚薬なのだろう。
搾精椅子は執拗に俺の体を嬲り続ける。だがペニスにだけは決して触れようとはしなか
った。
ポタリポタリと鈴口からは先走り汁が溢れ、俺の股の間に落ちていく。
焦らされている。搾精椅子は俺が完全に堕ちるのを待っているのだろう。
だが頭では分かっていても、膨れ上げる焦燥感はどうにもならなかった。
上半身は絶えず刺激され、アナルは蹂躙され、媚薬を飲まされ続けている。それなのに
射精だけは許されない。
限界はすぐに訪れた。
もう何も考えられない。一刻も早くこの苦しみからの解放を願った。
このまま搾精椅子に、全てを、委ねたい。
そう思った瞬間、股の間から柔肉が盛り上がり、ぱくりと俺のペニスを咥えこんだ。
「ん……〜〜〜〜!!!!」
背筋を快感が走りぬける。
鈴口が強く吸引され、俺は射精した。
どくどくと精液が柔肉の中に飲みこまれていく。
焦らされ続けたせいで、ペニスは何度も脈動して精液を吐き出した。
そして長い長い射精が終わる。だがそれは始まりに過ぎなかった。
「んぶっ!!」
どっぷりと再び媚薬が口内に流し込まれる。上半身を責める触手も、アナルを嬲る柔肉
も、射精前よりもさらに責めを活発にした。
しかも今度はペニスも柔肉によって咥え込まれている。ぐにゅぐにゅと肉茎が締め付け
られ、ざらざらの襞にカリ首や裏筋が擦られる。
俺はすぐに二度目の射精を迎えた。
ペニスを咥えこんだ柔肉はその全てを啜っていく。
二度目の射精が終わっても、搾精椅子の責めは終わらない。
機械的に。ただ本能のままに精液を搾取し続ける。
「んっ!? ……んん〜〜っ!!!」
このまま死ぬまで搾精椅子に搾り取られる。その恐怖に俺は今更ながらに抵抗する。
しかし拘束は取れない。俺をあやすように再び口内に注がれる媚薬。
俺はそれを飲まされながら、もはや逃れられないことを悟った。


搾精ファイル01『搾精椅子に囚われ、死ぬまで精液を搾り取られる』


●コンティニューしますか?
→コンティニューする。
  コンティニューしない。



「…………はっ!?」
ふと気が付くと俺の目の前には扉があった。
「何か嫌な夢を見た気がする」
椅子に犯されて死ぬ夢……冗談じゃない。
だが夢というにははっきりと内容を覚えていた。
この扉に入った途端に頭から何かが降ってきて、それからよく分からない肉に挟みこま
れて、本棚に押されて、変な椅子に座らされる。
夢というよりも啓示と考えたほうがいいのかもしれない。
俺は扉を開けると、足だけ伸ばして部屋の中に入れた。
すると天井から人の頭より一回り大きい花瓶が振ってきた。
花瓶は床に落ちると、粉々に砕け散る。
「……………」
やはりただの夢じゃなかったようだ。
俺は夢の内容を思い出しながら、慎重に部屋の中へと入った。
「さてと」
真ん中からは肉の裂け目だったな。
種が割れていればトラップって本当に無意味なもんだ。
俺はポケットからババネロを取り出す。
ババネロ……とっても辛い。死ぬほど辛い。そんな食べ物だ。ハバネロじゃないぞ。こ
の世界独自の食べ物だからその辺よろしく。
「夢ではよくもやってくれたな、と」
ポイっと肉の裂け目が出てきた場所に放る。
コツンと床にババネロが落ちると同時に、肉の裂け目が飛び出しそれを呑み込んだ。
「……………………」
「……………………」
時が止まった。俺も肉の裂け目もピクリとも動かない。
「……………………」
「……………………」
やがて肉の裂け目は真っ赤に腫れ上がり、消えた。
「復讐完了だな」
俺はさらに搾精椅子にもババネロを放る。
搾精椅子も肉の裂け目と同じようにババネロを呑み込み、しばらく時を止めた。
やがてカタカタと揺れだす。独りでに椅子が震える様はさながらポルターガイストとい
った感じだ。
「うむ」
俺は満足気に頷くと、机の下と箪笥の中を確認し、搾精椅子にさらにババネロを放って
から、書斎を後にした。


書斎探索完了。
カビン→ベアトラップ→プレスウォール→ギミックは誰もが通る基本コンボだと思うんだ。
というわけで、話はこんな感じで進めたいと思います。

エロトラップ&コンボ募集します。何かいい案があれば教えてください。

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