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『第55期対淫魔戦士養成学校卒業検定・首席卒業者の顛末』後編の4

「特待生…?」

 少女はオレの髪を指で梳りながら、鸚鵡返しに問いかけた。

「ああ、それなら食うものにも寝るところにも困らない」

 オレは答えた。

「街娼なんかよりはよっぽどマシだと思うが」

 少女はオレの髪の先を指でくるくると弄んだ。

「うーん… 別に今も、そんなに困ってないけど」

 少女はにぱっ、と笑った。

「お日様の下をどーどーと歩けるのは、嬉しいかも」

 オレは少女の太股に預けた頭を頷かせて答えた。



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 じゅるじゅるじゅるっ!

 いきなり激しい音を立てて、コレットがオレのペニスを吸引した。
睾丸から直接精液を吸いだすかのような激しい吸引。
ペニスにまとわりついた唾液の気泡が弾け、その刺激がさらに精液の流れを促していく。

「くはぁぁぁっ!」

 乳首から送り込まれたダメージが色濃く残る今のオレには、その情けない絶叫を抑えることはできなかった。
足がピーンと伸び、つま先がキリキリと反り返っていく。

「んむっ♪」

 オレの明確な快感反応を目の当たりにして、コレットが笑った。
いや、表情は見えないのだが… 笑ったに決まっている。
 しかし、そんな些細なことに腹を立てている場合ではなかった。
すでにコレットの手中、いや口中にあるオレのペニスに、
コレットの誇る恐怖の活舌が襲い掛かってくるのは時間の問題なのだから。

「んぐぅっ!」

 とにかくコレットに快感を与えて、少しでもその動きを鈍らせるしか手立てはない。
オレはねじられた舌を引き抜きながら、そのねじれを利用してコレットの中をドリル状に抉った。

「あぁんっ!」

 その瞬間、悲鳴を上げてコレットがオレのペニスを吐き出した。
小麦色の地肌に包まれた尻が、ぴくっ、ぴくっと断続的に震える。

「…へへっ、なんだ。お前もイく寸前じゃねーか」

「…お前『も』ってことは、センパイもイく寸前なんですね」

 失言だった。にしても口が減らない女だ。
言葉を返す代わりに、オレはその口でコレットの秘蜜をすすり上げた。

「にう〜……っ!」

 コレットは変なうなり声を上げて嬌声を押し殺すと、再びオレのペニスを唇に押し込んでいく。

 お互いの意地をかけた死闘がはじまった。

じゅぶっ… じゅぶっ…

ずちゅっ… ずちゅっ…

 しばらく、粘着質な音だけが響いていた。

 コレットは唇でペニスを強くしごきながら、尿道口を真空になるほど吸引し、
なおかつ、舌を幹にからませてくる。
 フェラチオの快感要素を全て詰め込んだコレットの口技に、正直、オレはかなりの
旗色の悪さを感じていた。

 オレのペニスがぴくっ、ぴくっと震えるたびに、
コレットが得意げに「ふふん♪」と鼻を鳴らす。
 オレも乱れる呼吸を抑えつつ、コレットの蜜を掻き出すように奥へ奥へ舌をねじこみつつ
充血した肉芽をきゅっ、きゅっとコレットのお尻の上下に合わせてつまんでやるのだが、
時折りコレットのふとももが硬直してオレの頭を締め付けるほかには、
快感反応を引き出すことができないでいる。

 焦る。
 こうしている間にも、オレのペニスはどんどん追い詰められているのだ。
まさか正面からのガチンコで後輩に遅れをとったとあっては…

 オレは69の体勢で、コレットに表情が見えないのをいいことに、
必死の形相でコレットの股間に食らいついた。

 Gスポット。クリトリス。ラヴィア。女が感じる神経の集中している箇所と
それを刺激する角度、タイミング。

 3年間、アイナと机を並べ、枕を並べて憶えた全てを、後輩の股間につぎ込んでいく。

 それでも、

コレットは微塵もその喉の、舌の、唇の動きを乱すことなく、オレのペニスをおいつめていくのだ。

 オレのペニスは、コレットの唾液とオレ自身の先走りでひどいありさまになっているだろう。
そんなひどいありさまのペニスを、コレットの目の前にさらしているのか……と思うと、
ますます焦燥感が、そして射精感が募ってくる。

 ダメだ。

 気持ちいい。

 もはやオレを支えているのは、先輩としてのプライドだけと言ってよかった。
アイナや……ユリアが相手だったら……きっと、もうとっくに……

 ずじゅぅっ!

 コレットが激しくオレのペニスを吸い上げた音が響いた。

「ん…… ふ!」

 オレはたまらず、コレットの弾む尻に爪を立てた。

 もう…… ダメだ。

 負ける。

 後輩と正面から舌技を比べあい… そして、負ける。

 冗談じゃない。

 そんなことがあってたまるか。

 そう思っても、コレットの唇がカリ首の形にぴたりと沿って動き、
ペニスに加える圧力を制御しながら滑り降りていくと、もうオレは
聞き分けの悪い子供のようにカブリをふるしかなかった。

 絶望にむけて加速していく射精感が、コレットの唇によって鈴口から吸いだされていく。

 頭が真っ白になる。

 ずるり、と、とうとうオレの舌がコレットの膣圧に負けて押し出された。

 オレはキツく目をつぶって、コレットのヒップをキツく握り締めた。


「んあぁぁっ!」


 …………

 オレは口中を満たした、濃厚な女の味に意識を呼び戻された。
むせかえりそうな、少女の匂い。

 絶叫していたのはコレットだった。
オレの舌という栓が抜けたコレットの膣から、真っ白に泡立った本気汁が
後から後からあふれ出していた。
 オレにとどめの一舐めを見舞うはずのコレットの恐怖の活舌は、擦れた音を鳴らしていた。
のけぞった喉から虚空に突き出されて震える舌に、切ない吐息が絡む音。
 そのときになって、ようやくオレは、コレットの意地っ張りな演技に気付いたのだった。

「へ…… へへっ……」

 オレのプライドを傷つけてくれた分、からかって意趣を返そうと口を開いてみたが、
荒い息の合間から溢れる愛液が流れ込んでくるばかりで、とても言葉は紡げなかった。
息を詰めて、一気に愛液をすすりあげ、飲み下す。

 じゅるじゅるじゅるっ!

 ものすごい音がした。

「……! …………!」

 声は、しなかった。
その精神力と言うか頑固さは驚嘆に値する。
しかし、体の方まで思い通りになるほど世間は甘くない。
わななくヒップの向うから、のけぞって振り乱されたトレードマークのサイドポニーが見えた。

 勝った。

 オレがコレットに先んじて修行を積んだ一年は、
そしてここ一週間のアイナとの特訓は、決してムダではなかったのだ。

 オレは一気にとどめをさすべく、コレットのヒップの割れ目に指を沿わせた。

 びくうっ!

 痛快な反応があった。

コレットも悟ったのだろう。これから自分が前後二穴を同時に責められて、果てさせられることを。

もう逃れられはしない。オレは滑るように指先を潜り込ませ、コレットのアナルを貫いた。


「あぁぁーーーっっ!!??」


 びゅくっ! びゅくっ!!

 どくっ! どくっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!!

 薄暗い公園の茂みから、空気を切り裂くような絶叫が上がった。

「…………」

 オレの、第一間接までコレットのアナルに埋まっていた指が、きゅぽ、と抜けて、落ちた。

「わたし、の、勝ち、です、ね♪」

 コレットが振り向いた。
仰け反った喉から乳房にかけて、真っ白な飛沫が散っていた。
その胸元には、しっかりとオレのペニスが抱きしめられていた。

「……切り札は、最後までとっておくもの、ですよぅ♪」

 はぁはぁと、熱い息を弾ませながら、コレットが笑う。

 勝利を確信し、完全に油断しきっていたオレのペニスを直撃した、
コレットの、超弾力のオッパイによる一撃は、
 
オレに残された力の全てを、一瞬で刈り取っていた。

 後輩に、負けた。

 その屈辱をかみ締める暇もなく、オレの意識はゆっくりと暗転していった……

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