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月の女王 / 第3話 『消失』

「おぉぉぉぉぉぉぉぉー!!」
絶叫した俺は「月の女王」と闘った時と同じように『獣』を呼び覚ました
狂気をはらんだ視線、荒い息、滴る涎
もはや「人」とは呼べない状態であったらしい
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ
彼女を舐めまわすように見つめる俺
あきらかに彼女を獲物として認識していた
「・・・・・・・・・」
俺が豹変したことにより動揺と恐怖を隠せない彼女
いつもの勝気な目にはうっすらと涙さえ浮かんでいる
俺から逃れようと床にしりもちをついたまま、ずるずると後ずさる
「ぐぉぉぉぉ」
俺は彼女に逃がさない為の呪縛をかける為、狂気を孕んだフェロモンを発して彼女を刺激させ、興奮状態に陥らせる
すぐに彼女の股間は濡れ始め、俺のかけた呪縛により上気した表情で俺見つめだす
「あ、ふぅん・・・」
もはや彼女の表情からは恐怖は感じ取れない
むしろ俺に犯されるのを待ち望んでいるようにすら見える
満足した俺は今まさに彼女に襲い掛からんとした時、かつての伝説の闘士が動いた
バキッ!
ボスは俺の顔面に強烈な拳を食らわせる
俺が吹っ飛んだのを確認したボスは彼女に向かって一言
「逃げろ、こいつは俺が何とかする」
と彼女を逃がす為に退路を確保する
俺をみたボスは俺が陥った症状を理解した様子で
「そうゆう事かよ!?この、バカが・・・!」と呟く
「がるるるるる」
邪魔をされた俺は殺意をむきだしにしてボスへと飛び掛かっていった

先程俺がフェロモンを発したとき、鋭敏にそれを感じ取る闘士がいた
アメリカ人との混血で長く美しいブロンドに長身
アイスブルーの瞳と高貴なオーラを合わせ持つ最強の女性闘士
その美しさと戦闘能力の高さより「女神(アテナ)」と呼ばれている女だった
アテナは俺のフェロモンに惹かれるようにボスの部屋へと誘われる
「!!」
部屋の中を見たアテナは両目を大きくひらき、両手を口にあてて驚愕のあまり、立ちつくす
- アテナが見た光景 -
いつもはきちんと整理されている部屋
デスク、ソファー、壁の絵画、花瓶、書類はいつもの場所にはなく部屋中に散乱しており
ボスは殴り倒され、息も絶え絶えに壁際でぐったりとしている
一人の男が本能のままに女をひたすら突きまくり、嬌声をあげる
犯されている女の秘部からは血液が入り混じった愛液が垂れ流され、部屋中に異臭が放たれている
女はすでに白目をむいており、意識があるかどうかも分からない状態で、男にされるがままになっている
「ボス、これは一体・・・」
ボスを助け起こし、状況の説明を求めるアテナ
「あぁ、すまねぇな・・・。ついでに、・・・1つ、頼まれて、くれや・・・」
無言でアテナは頷き、目で先の説明を促す
「細かい、事は・・・後で話す、まずは、だ・・・あの馬鹿から・・・1発、抜いて、やってくれ・・・
お前なら、できる、はずだ・・・。そうすりゃ、あいつは、元に、戻る・・・くっ」
苦痛に顔を歪ませながらも途切れ途切れに語るボス
「後は・・・、任せたぜ・・・・・」
最強であるアテナに全てを託せた事による安心感なのか、ボスはそのまま気を失う
「・・・・・わかりました、やってみます」
返事がないのを承知でボスへ語りかける
その一言により心なしかボスの表情が和らいだように感じるアテナだった

「・・・・・・・・・・・・・・・」
アテナは目を閉じて深く息を吸い込む
彼女の細胞1つ1つが闘いの為に活動を開始する
体全体から力が湧き出てくるのを感じるアテナ
目を開けた時、彼女からギリシャ神話における闘いの女神そのものを感じさせるオーラが漂う
「んっ」
アテナより魅惑のフェロモンが発せられる
俺が発した狂気とは違い、神々しさを感じさせる
俺は反射的に突然感じたオーラの主へと振り返る
新たな獲物が現れた事により俺は口の端で”にやり”と笑う
アテナの体を凝視した俺は、それが最上級の獲物であることに満足し、舌なめずりしながら襲い掛かる
「早い!!」
一瞬で距離を縮められたアテナはとっさに身を翻してかわす
”本番で勝負してはいけない!”
一瞬の交錯の中でアテナの直感が警告を鳴らす
俺のペース押し倒され、突かれたら、いくらアテナでもどうなるかわからない
それほどに今の俺は危険な生き物だった
それならば・・・と、アテナは決意を固めた表情で再び俺と正面で向き合う
「がぁぁぁぁあ!」
俺は再びアテナへ襲い掛かる
「はっ」
アテナは逆立ちのように両手で床を叩くように宙へ舞い、飛び掛ってきた俺の首を長い脚でロックする
そのまま反転して俺を床にたたきつけるようにフェイスシッティングを極める
ガツン!
俺は後頭部への強烈な衝撃により一時的に動けなくなる
間髪入れずにアテナを俺の熱い武器を優しく握る
アテナの手より心地よい冷たさを感じる俺
「貴方のもの、熱い・・・、すごく苦しそう、楽にしてあげる・・・」
シュッシュッシュッ
語りかけながらゆっくりと俺の武器をしごきだすアテナ
シュッシュッシュシュシュシュシュシュシュ・・・・・・・・・・・
スピードに強弱がつき、感度をさらに高められる俺
アテナの手の冷たさと、手コキの気持ちよさで俺の武器がピクピクと震えだす
「んっ〜〜〜〜〜〜〜」
顔を防がれているのでくぐもった声で快感を叫ぶ俺
俺の叫びによる振動がアテナの秘部へと刺激を送る
「ふふ・・・気持ち良いわ・・・」
その刺激によりアテナより放たれる愛液と秘部の匂いにより俺の意識は更に興奮させられる
興奮し始めたアテナはうっとりとした表情で次の行動へ移る
チュポ・・・
俺の武器が温かく柔らかい感触に包まれ、何かが絡みつく
「うぅぅ」
手コキとはまったく違った気持ちの良い感触に呻く俺
それはアテナによるフェラチオだった
アテナの唇は柔らかく、キスは「女神の口付」と呼ばれるほどに甘くとろけると言われている
その唇をもって与えられる快感は尋常でなかった
ジュポ、ジュポ、ジュポ、ジュポ、ジュポ
アテナは長い舌を武器に器用に絡ませ、顔を振りつつローリングフェラで俺を攻撃する
ビクンッビクンッビクンッビクンッビクンッ
彼女が顔を振る度に俺は反応してしまう
手足をばたつかせてアテナの攻撃から必死に逃れようとする俺
突然彼女の動きが止まる
それにより一瞬気が緩む俺
止まったかと思いきやそのまま一気に吸いあげる
・・・バキュームフェラだ
「ん、ん、んっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
時間にしたら僅かな間だったと思うが俺にはまるで永遠かと思えるような
永い時間、刺激を与え続けられた
「ん!」
思わず発射しそうになる
俺の武器から射精感を感じたアテナは素早く俺から口を離す
「そんな簡単には逝かせてあげないわよ?」
「?!」
俺はアテナに組み敷かれたまま目を見開く
そしてアテナは俺をいたぶる為に武器のカリ部をチロチロと舐め始める
再びこみ上げる射精感!
アテナは攻撃を中止して楽しそうに微笑む
「ん、ん〜〜〜〜〜〜!」
射精できない苦しみにもがき苦しむ俺
百戦錬磨のアテナには男の射精感をコントロールし、焦らす事ができるらしい
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・」
10回以上も寸止めを食らっている俺はアテナの秘部へ荒い息を吹きかけ、
限界が近い事を教えている
もがき続けていた手足もすでにだらしなく伸びきっていた
「ふふふ、これが最後よ」
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ・・・・・・・・・・・
アテナの言葉が終わるや否やいきなり手テキによる高速ピストンがはじまり
俺は一気に高められる
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜」
アテナの秘部の隙間より咆哮をあげる俺
それは刺激による快感とようやく訪れる射精に対する歓喜の咆哮だった
地獄の快感より開放されるべく俺は残された全ての力を武器に注ぎ発射に備える
「さぁ、お逝きなさい!」
アテナの掛け声と共に俺は発射した!・・・・・・・・はずだった
「ガァ?」
俺は武器がドクドクと脈打ちながらも射精感が訪れない・・・
理由が分からない俺は、もがき始めた
「ふふ、ふふふふふふ。残念ね」
アテナはそう言うとフェイスシッティングを解き、俺に今の状況を視認させる
「ぐぉぉぉ・・・・・・・・・・」
深い絶望感が俺を支配していく
アテナは俺の武器の根元をしっかりと握り、射精をとめていた
絶望の表情を見たアテナは武器の先端を俺に向け、
「ちょっとした意地悪よ、ごめんね」
と微笑みながら俺の武器を握る手を緩めた
どびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅぅ〜〜〜〜〜〜
溜まりに溜まった大量の白濁の液は俺の顔面めがけて飛び散り
俺は体から顔まで精液にまみれる
その瞬間、俺の心は真っ白になり満足しきった『獣』は消失し、
俺が目覚める
そう、俺は『人』戻ったのだった

人に戻った俺は自分の顔から嗅ぎ慣れた異臭を嗅ぎ取り、顔をしかめる
“何故?”
俺は何故顔面シャワー浴びているのかがさっぱりわからない・・・
呆然と精液にまみれた自分自身の姿を眺めていた
俺の横にはしゃがんだ姿勢で両手で頬杖をつき、俺を見つめるのアテナの姿がある
「おかえり」
優しく話しかけられる
理由はわからないが、何故か自然と俺はこう答える
「た、ただいま・・・」
それに応えるかのようにアテナがにっこりと笑った・・・それは女神の微笑みだった


続く・・・・
相変わらず文章が長くてすみません
簡潔に文章を纏める能力とBFの表現能力が不足してます
そんな状況ですが、お付き合いください
今回はハッピーエンドっぽく終わってますが
ゴタゴタが片付いてません
何となく、こんな風に終わってみたかっただけです
次回は今回の後始末がテーマの予定です

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