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月の女王 /第2話 『覚醒』

・・・・・・・・・・・プルルルルルルル
・・・・・プルルルルルルルルル
プルルルルルルル
電話が鳴っている・・・
「ただいま、留守にしております
 ピー、と言う発信音の後にお名前とメッセージを・・・」
お決まりの留守録のメッセージが流れている・・・
俺の意識は心地のよい虚ろなままぼんやりとしている
その直後、現実に引き戻される怒鳴り声

『てめぇっ!!、何してやがる!!今何時だと思ってやがるっ!!!』
「!!」
耳慣れた怒声に突き動かされ、反射的に時計を見る俺
「23:15」
時計が指し示す時刻に疑問を抱きながら俺は急ぎ電話へと飛びつく
「ボス、すみません!」
訳もわからず、とりあえず誤っておく・・・
『何だ、本当に居やがったのか、かま掛けただけなのによ』
『まぁ、いい。お前、今日の試合忘れてやがるな?』
“今日の試合?”
質問の意味をたっぷり10秒は考えた
その間、徐々に記憶が戻ってくる・・・
確か、月の女王に会って、闘い、負けて・・・
改めて「負けた」という記憶を思い出し、俺の心は鬱になりがっくりと肩が落ちる
そう言えば・・・、その後の記憶がない
ふと、日付表示付の時計をみると、「2月24日・23時16分」を表示している
「あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーー!」
突然全てが繋がり、俺は自分が置かれている状況を把握し、絶叫した
昨日、彼女に負けた上に、丸一日気を失い、予定されていた今日の試合をすっぽかした!・・・ らしい
サー、と自分の顔から血の気が引いていくのがわかる
「すぐにそっち行きます!」
電話の向こうでボスが何か叫んでいたような気もするが、耳にも入らなかった
ガチャーン!
俺は受話器をたたきつけるように本体に戻し、急いで身支度を整え、部屋を飛び出した

− 30分後 −
コン、コン
ボスの部屋のドアをノックする
「・・・・・・・」
・・・返事がない
「失礼します」
蚊の鳴くような声で恐る恐る入室した俺を仏頂面で出迎えるボス
頭髪がなく、厳つい表情と強靭な体躯を併せ持つ、かつては伝説の闘士と呼ばれた男
今ではこの闘技場を取り仕切るボスとして闘士達より畏れられ、君臨している
『おぅ、お前もいい身分になったもんだなぁ、えぇ?』
極め付けに凶悪な視線を浴びて硬直する俺
当然だが、試合放棄の事でかなりのご立腹の様子だ
無言の圧迫により部屋中に張り詰めた空気が流れる
その間、ボスは片時も俺から目を離さない
無言のままの俺に対してどうやら怒りが頂点に達しているらしい・・・
ピクっ
ボスの型眉が吊上がる
“誰が助けてくれ”
心の中で祈りをささげる俺
祈りが天に通じたかどうかは分からないが「バタンッ!」と勢いよくドアが開け放たれる
思わず振り返る俺
救世主現る!と思いきや
「このヤロー!」
いきなり、原色系のボディコンを着込んだ女が俺めがけて殴りかかる
とっさの事によけきれなかった俺は吹っ飛ばされ、「ガタンッ」と壁に頭を強くぶつける
「〜痛っ」
痛みを堪える俺
“・・ドクン・・”
痛みと共に一瞬「違和感?」というべき何か別の感覚を感じる
気のせいと思い、痛みを我慢して、俺はボディコン女を睨つけながら対峙する
「お前!よくもあたしとの対戦バックレやがったな!」
“・・・そうだった、対戦相手はこいつだった・・・”
こいつとはライバル関係にあって、顔を合わせる度にどっちが強いかを競い合っている
クールで通している俺のペースを乱せる闘技場で唯一の女だ
今まで3勝3敗で今夜決着をつける・・・はずだった
“あちゃぁ〜”と思い、思わず視線をそらしてしまう俺
100%こっちに非がある以上どうしたものかと悩んでいる俺に彼女は皮肉たっぷりに語りかける
「わかったぁ!あんた、あたしに負けるのが恐かったんだよねー」
「何てたってこの前はあ・た・し・の圧勝だったからねー、無理ないわねー」
「あの時ぃ、童貞君みたいな顔で、ものすごぉく気持ちよさそうにピュッピュピュッピュ発射してさー、
可愛かったわね〜」
「早かったよねー、うふ」
確かに前の対戦では彼女の騎乗位と前立腺攻めというありえない同時攻撃の前にあっけなく撃沈された
あまりの気持ちよさに不覚にも涙がでてしまった程だ
あの時の屈辱がふつふつと甦る
・・・が、ここは我慢だ
「ごめんねー、いきなり殴ったりしてー」
「 早・漏・君 」
“カチーン”
この言葉に怒りのオーラを発する俺
この時点で当初怒っていたはずのボスはこの展開に怒りを忘れて呆然としている
“やれやれ、またかよ。夫婦喧嘩は犬もくわねぇというが・・・”と呆れ顔で俺たちを眺めている
そんなボスを無視したまま、いつものパターンに陥った俺たちはいがみ合う

「あら、やる気?早漏君」
「かかってこいよ、変態露出狂」
二人の中で闘いのゴングが鳴り響く
「いくわよ!」と同時に素早く俺の背後に回りズボンを脱がせる
彼女は闘技場でも最速を誇る程のスピードテクを有しており、俺でさえもついていけない
その為に彼女との対戦では必ず先手を奪われる
「くっ!!」
彼女を振りほどこうと体をくねらす俺
その一瞬の隙を突き、パンツまで下ろし、俺の武器を奥まで咥える彼女
「うぉっ!!」
その刺激で俺の武器が一気に目覚める
俺のものを咥えながら上目遣いににやりと笑い、そのままディープスロートへ
「くぅ・・・」
気持ち良さについ前かがみになってしまう俺
逃がすまいと俺の腰を「ギュッ」両手で強く抱きしめる彼女
「じゅる、じゅる、じゅる、じゅる・・・・」
唾液たっぷりに、卑猥な音を立てながら俺の武器に舌を絡ませ、むしゃぶりつく彼女
ビクビクッと俺の武器は彼女の口の中で快感の反応を繰り返してしまう
“・・・しまった!”
後悔したがもう遅かった
俺の反応を見逃すような彼女ではない
嬉しそうな表情を浮かべ、即座に反応している部分を探り当てて、執拗なまでに舌で刺激を与え、攻め上げる彼女
屈辱と快感を同時に味わいながら防戦一方に追いやられる俺
ついに玉袋の収縮が始まり、俺は早くも発射準備が整いつつある事を露呈してしまう
満足げな彼女の表情より心の声までが聞こえるようだ
「あたしの勝ちね、早漏君・・・」と
俺が敗北を喫するのはもはや時間の問題だった・・・

押し寄せる屈辱と快感に耐える最中、俺は“おかしい・・・”と冷静に自分を分析し始める
彼女はランクBの闘士ではあるが、テクはすでにランクAと言われている程だ
しかし、俺とて今まで彼女と互角異常に闘いを繰り広げてきた闘士だ(ランクBだけど)
前回の闘いより1ヶ月と経っていないのに俺たちの実力はここまで差が開いてしまったのだろうか?
それに俺自身の体は何故か刺激に対して過敏になっているような気がする
結論のでない憶測が俺の頭の中を駆け巡る・・・
自分自身の葛藤の中、彼女の攻撃に対して必死に耐えようとする俺
しかしもう一人の俺(武器)は「マスター」である俺の意思とは無関係にクライマックスを迎え始めた
俺の武器がこれ以上無い位熱くたぎる
“くそぅ!”
もはや俺は俺自身をコントロールできなかった・・・

「うぅっ」と小さく呻く俺
どぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ〜
彼女の口の中に俺は勢いよく放出した
フェラだけでこんなにあっけなく逝かされた事により茫然自失に陥る俺
そんな事はお構いなしに大量に放出された俺の精液を喉を鳴らしながら飲み干す彼女
逝った直後に関わらず俺の武器の先端のワレメに舌を這わせ、
更に刺激を与えて再度の射精を促す、まるで1滴も残さずに吸い出そうとしているかのように・・・
ビクビクビク
彼女の追撃により俺の武器が再び反応する
武器が敏感になっている俺は更なる刺激により意識が快感により満たされてゆく
俺は敗北を認め、今までの心のガードを解き、素直に快感を受け入れている
俺の意識が快感で完全に満たされたとき、再び「違和感」ともいうべき不思議な感覚が俺の中に現れる
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
体の奥底より熱い鼓動を感じる・・・
“!!”
熱い鼓動と共に「何か」が俺の中で目覚めていくのを感じる
-体が熱い!-
俺ではない「何か」が急速に広がりを見せて俺を支配していく
「おぉぉぉぉぉぉぉぉー!!!!」
何故か俺は絶叫している
そして「俺」は俺自身ではない何かにより、「俺」でなくなった
俺が覚えているのはそこまでだった・・・


続く・・・と思う
何となく書いてしましました
最近の投稿はレベルがあがっているので
満足いただけないかもしれませんが・・・
読み手のイメージを自由にする為にあえて
名前とかつけてないですが、読みにくいですか?
要望あれば教えてください

[mente]

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