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性遊記〜プロローグ〜

時は今より少し未来。世界の人口は今の半分にまで低下していた。

世界中に広まったあるウィルスが原因だ。

そのウィルスの感染元は全くわかっていない。

ある日を境に爆発的に感染範囲を拡げたことと、

そのウィルスの感染経路と特殊なウィルスの特性に研究者はことごとく死亡したり行方を
くらませているからだ。

感染元はわからないがそれ以外ならわかっている事も少なくはない。

まずこのウィルスは人から人にしか感染はしない。

といっても人なら誰でも感染するのではない。正確に言うなら、

このウィルスは女性から女性に感染する。

つまり男には感染しない。しかし男なら安全というわけでも無い。

理由は感染の方法にある。

このウィルスは人の体液によって感染する。

しかし一方で外環境に弱いらしく、食事等に汗等が混入しても感染はしない。

よって主な感染経路は性交なのだが、それだけならばここまで感染範囲は拡がらなかっ
た。

風邪をひけば発熱や鼻炎等の症状が出るようにこのウィルスにも独特の症状がある。

それはそのウィルスが自己増殖を感染者に促し、感染者を性交中毒者にするというもの
だ。

そしてこれが男も安全ではない理由なのだが、感染者は精液以外を補食出来なくなる。

誰もが知っている事だが、精液に栄養等はほとんどない。

どういう仕組みかは不明だが感染者は栄養補給が不要となるらしい。

そのため食事は不要となるのだが、精液だけは好んで摂取するようだ。

栄養としてではなくデザートのように精液を摂取する感染者。

これが普通の病人なら他の食事も必要なためデザート等取る余裕はないが、

食事のいらない感染者の胃のなかは常に空。

そのため満足するまでねこそぎ摂取され、結果精神崩壊等から摂取された男は死亡するの
だ。

研究なためには感染者を研究所に入れなければならない。

しかしそれは所内全域にウィルスを繁殖させる危険もある。

某国のウィルス研究所もそれが原因で全滅した。

世界最大の研究所の崩壊により、どの国も研究を断念した。

そして偶然にも感染がなかった日本は数百年ぶりに鎖国を発令した。

それ以外に国を守る手段がなかったのだ。

国外在住の日本人を含めるすべての女性の入国を禁止した。

しかしそんな対策を嘲笑うように1人の男が入国した。

男でありながら通称S-Virusと呼ばれるこのウィルスの感染者で唯一の抗体所持者。

しかし彼は救世主ではない。

彼の名はゴクウ。彼が性天大帝と呼ばれるのはもう少し先の話。
今までROMでしたが、長文に挑戦しようと思います。
今回はエロなしですが、がんばります。

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