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その淫魔の属性は…

俺は名うてのハンターではない。まあいわゆる雑魚狙いでなんとか生計を立てている。
中級クラスの敵が現れれば逃げる。一目散に逃げる。また属性を持つ敵も避けるようにしている。
あれだ、淫魔はそれぞれ特化した能力をもつものがいることは知っているだろう?
胸(乳)、手、尻等々。そんなタイプは下級であっても特化した部位で責められたらやられてしまう。
だから逃げる。そいつらは特化してるだけあって見た目ですぐにわかるから逃げられる。
そして今日も俺は一人の下級淫魔と対峙していた。ちょっと可愛いかったし、特に警戒する部位も
感じられなかったから楽勝の予定だった。しかしこいつが思わぬ属性を持っていやがった…。


「お前の淫力は…声か!」
「やっと気づいたみたいね。でもね、もうあなたの大好きな声はわかっちゃった!」
先ほどから戦っているこの淫魔。どうやら声を操るのだ。
戦い始めてから何度も声を変え、ついにおれの好みの声を探り当てたようだ。
今はちょっと高めの甘ったるい…心地よい声で俺を魅了している。
「ふん、そんな声ごときで俺は動じない」
「ふふっ、強がっちゃって。でもね態度には隠せないね。
この声になってから、あなた優しくなったもの。最初は無理やり服を破ったりして
乱暴だったのにねー。男の子だもんね、照れてるんだよね。そうゆうとこも、好・き・よ」
うっ見抜かれてる。しかもそんな声で好きなんて言われたらいとおしくなってしまうじゃないか。
「そう言えばあなたの名前はなんていうの?」
「…っ」
俺は答えそうになるのをかろうじて止めた。言霊ってやつか?名前なんか教えたら
暗示にもかかりやすくなってしまうだろう。
「けちー、教えてくれてもいいじゃない。裸の女の子相手に失礼ね!」
女は俺の責めですでに全裸になっている。見た目は普通に可愛いうえに胸も大きめで見てるだけで
勃起しそうだ。しかもこの甘いボイス、今のところ耐えられてるが長引けば虜になりそうだ。
しばらく見つめていると何かに気づいたように淫魔が叫んだ。
「そっか、ごめんねー私だけ裸になってるから見とれちゃってるんだね。うん、わかったわ。
さあ、貴方も脱ぎぬぎしましょうね。はーい上着をぬいで。ズボンは…自分で脱ぐの恥ずかしいかな?
私が脱がしてあげるね。うわっパンツのなかに硬いものがあるー。なんでかなー?もう興奮してる?
じゃあ汚れる前に脱いじゃいましょうね。今から気持ちよーくしてあげるからね」
うーむ、この声で言われると抵抗しようという気持ちが薄らいでゆく。それでも耐えられなくもなかったが
あえて俺は言われるままに裸になった。しかし、ただ黙って裸になった訳ではない。機を伺っていた。
女が俺の前に屈みこみパンツを下ろした瞬間。俺はつま先に体重をかけ女の方へ倒れこんだ。
「えっ?」
女にしゃべらせる時間を与えてはならない。絡み合いながら押し倒し相手を仰向けにさせその上に
馬乗りになった。俗に言う――
マウントポジション…相手からの攻撃は届かないあるいは無力化、こちらから一方的に嬲ることが
できる格闘技の体位。この状態になれば普通の戦いであればまず負けはないだろう。
ただしバトルファックにおいてはそう上手くいかない。男が上の場合は女の胸の関係上、
腹寄りに座らなければならない。よってひざであいての肩を押さえるような形になる。
また下半身へ攻撃することもできない。それでもこのポジションを狙ったのは…。

俺は右手で相手の口をふさいだ。すかさず開いている左手で相手の胸を優しく揉みしだく。
この体勢では一発で決める大技はだせない。少しずつポイントを稼いでいく持久戦だ。
それでも相手からの攻撃は気にしなくていいので後は相手がイくのを待つだけだが。
「ふっ、どうだ?お前さんの自慢の声は封じさせてもらった。
喘ぎ声が聞けないのは少々残念だが、このまま胸への刺激でゆっくりとイってもらうぜ」
俺はゆっくりとその大きな胸を揉みしだく。ある程度なじんできたところで手のひらに唾をつけ乳首をこねる。
揉み応えのあるいい乳だ。バトルでなかったらもっといろいろしたかったところだな。
「あ…う…ふうっ」
押さえた口の隙間から女の声が漏れる。
「おっと、さすが”淫声”。喘ぎだけでもそそられる。気をつけないとな」
今の俺にはかなり余裕がありその程度では効きはしてないのだがな。
単調な作業はあきる。早くイってくれよ。

それから30分くらいたっただろうか…俺は未だ胸を揉んでいた。左右の胸を交互に揉んではいるが。
「ふう、やっぱり刺激が弱いのか…胸だけでイかせるんだもんな。気長に構えるか」
焦りや不安はなかった。ただ今まで戦った女はわりと簡単にこの胸揉みだけでイかせていたのだが。
結構汗も出てきて疲れたな、と一息ついた時、不思議なことが起こった。
『あー、もう我慢できない!』
どこからか声が聞こえたのだ。誰だ?他に仲間がいるのか?しかしこの声は…。
『やっと繋がったみたいね。口を押さえたくらいで”声淫魔”の言葉は封じられないわよ!』
間違いない。これはこれはこの女の声だ!しかし口は手で押さえているのに…何故だ?
『これが声淫魔の奥義。身体を使って直接相手の脳に”声”を叩き込む技よ。
こんなに長い間体を密着させていたらあなたの脳へと言葉を響かせるのも簡単だったわ』
何?そんな反則な技、聞いてないぞ?!
『声を出せないようにするってとこはなかなかいい線いってたのよ。でも、だめね。
そんな揉み方では女性を喜ばせるなんてできないわよ。さて、と』
『命令よ、手を放しなさい!それと胸を揉むのはもうやめなさい!』
その瞬間金縛りにあったように俺の腕は動かなくなった。
「ぷはー、やっと本領発揮ね。あなた、胸への責めに自信があったみたいだけど
よっぽど胸の弱い娘と戦っていたか演技されてたかのどちらかね」
そ、そんなはずは…ないと…思うけど…。
「あー久しぶりに”心声”を使っちゃた。結構…気持ちいいわね。心と心がつながっている感覚がたまらない!
そうそう、私の声があなたに届くだけじゃなくてね、あなたの心の声も私に聞こえたから。
あなたが女の人のどういうところが好きか、何がしたいかもわかったわ」
淫魔はクスクス笑いながら言った。
「おちんちん、すごーく大きくなってるね。ずっーと私のおっぱいにくっつけていたものね」
確かに体位の関係上俺のペニスは下胸付近に密着していた。自分でも気づかなかったが
ずいぶんと勃起していた。
「重いからひざを降ろしてくれる。そして私のおっぱいを跨ぐようにひざ立ちになるの!」
淫魔の言葉に抵抗できず、言われたとおりの体勢をとった。
「さあ、あなたの手はもう動かない。あなたが動かせるのは腰だけ。
ゆっくりと腰を振りなさい。必死で腰を動かしなさい。あなたが満足するまで
私のおっぱいにおちんちんをこすりつけなさい。恥ずかしがらなくていいのよ」
「だっ…誰が…そんな…」
「強がっても無駄。このおっぱいにおちんちん、挟みたいんでしょう?」
女は俺がこすりつけやすいよう少しだけ胸を上にそらせた。その瞬間ペニスに胸がふれる。
「う…あっ」
なんて、なんて気持ちよさだ。やばい、この気持ちよさはやばい!耐えなければ!
しかしそんな思いとは裏腹に俺はペニスを乳房にこすりつけていた。一度振り始めると止まらない
まるでさかりのついた犬のように腰を振り続けた。止まらない。止まらない。
女は決して自分から胸で挟んだり扱いたりはしてくれない。
はたから見れば寝ている女に自分のペニスを必死でこすり付けている変態だ。
だが止められない。このままではイってしまう。負けてしまう。淫魔の虜になってしまう。
駄目だ!駄目なのに…腰が止まらない。止めたくない。やわらかいおっぱいに包まれていたい。
蕩けるような乳房が右から左からおちんちんにあたってる。女の人の綺麗なおっぱいが
僕の汚いおちんちんにあたっている。なんか気持ちいい。すごくいい。止めたくない。
早くしたい。もっと早く強く扱きたい。一生懸命腰を振ろう。気持ちいい。とても気持ちいい。
ああもうこのまま射精したくなってきた。このいやらしいおっぱいを僕の白くて臭い精子で汚したい。
そんなことして怒られないかな?していいよね。いいよね。イくよ。イくよ。ああー!!!

『はーい、そこまで!ストップ』
え?ええーなんで?なんでやめちゃうの?
言葉と同時に僕は腰を止めていた。振りたいのに、こすりつけていたいのに動かせない!
あれ?さっきは逆に考えてたような?もうよくわからない。
「そんな泣きそうな顔しないで。嬉しくなっちゃうじゃない。あわてないで。このままじゃもう出ちゃうでしょ?
もっともっと我慢して出した方が後で何倍も何倍も気持ち良くなれるわよ?」
うん、それもそうだ。僕は思い直して気を落ち着けた。
「さあ次は手で扱いてあげるわ。そこに立って」
言われた通りにすぐに女の前に直立し、ペニスを突き出した。
「そういえばあなたは胸が大好きだったわね。それとゆっくりとイかせるのが好きだったのよね?お望みどおり
わたしもゆーーーーーーーーっくりとイかせてあげる!」
女はペニスを手でゆっくりと扱きながら濡れた唇を僕の胸に押し付けてきた。
最初は優しく乳輪をなめる、ある程度ほぐれてきたところで啄ばむようにキスをする。
それを何度か繰り返されながら…突然体に電流が走った!
女が乳首を強く吸ってきたのだ。すごい、すごく気持ちいい。それだけでイけそうなくらい気持ちいい。
僕は初めて男も胸で気持ちよくなれることを知った。
「あはっ!胸が気に入ったようね。わかる?女の子もね優しくするだけじゃなくて時には強く責めるのよ。
あなたのようにただ単調に揉むだけじゃ駄目なの」
その間もペニスへの刺激は止まらない。しこしこしこしこ。ああ、またイきたくなってきた。
このまま胸を責められながら射精したい!この女の顔に、胸に、おっぱいにぶっかけたい!
「ああ、イきたいよ、イかせて!」
「駄目よ…ゆーっくり責めるの。早くしたらイっちゃうからね。ゆっくり、ゆっくり」
女は擦るテンポを緩めてきた。しこしこしこしこ…しーこしーこ。寸止めではない。
ペニスをしごく手を外したりはしない。僕の顔や態度から刺激を調節して。
そこからもじわじわ、じわじわと高められてゆく。
射精を1とするならば0.999999…と続いていく刺激。快感。決して射精には到達しない
それは無限に射精へと近づいていく感覚。もどかしい、あと少しが欲しい。
ああ、また遅くなった。ゆっくりになった。胸への責めもさっきより甘い。
これじゃあイけない。足りない。もっと強くして欲しい。どうしてしてくれないのだろう?
さっき僕が焦らしたからか?おっぱい揉むのがへたくそだったからか?
あれが悪かったのか?どうしたらイかせてくれるのだろう…。

「…めんなさい」
ついに漏れた僕の言葉。謝罪の言葉。屈服の言葉。
「んー?なーに良く聞こえないわ」
「ごめんなさい。ちゃんと射精させてください」
「あはっ。もうそんなこと言わなくてもいいのよ。そのもやもやした行き場の無い気持ちのまま
ずーっといるの。何を言っても駄目。狂うことも出来ないよね。自分でこすることも出来ないまま…ずっとね」
ああ、刺激が欲しい。なにか後一押し。解き放てる刺激が。
「そんなこと言わないで。ごめんなさい。お願いします。もっと刺激を…射精を…お願…」
最後の方は涙声になっていた。
「…んー、そこまで懇願されたらイかせてあげてもいいかな。ちょっとかわいそうだからね」
僕は恥ずかしいくらい嬉しそうに顔を綻ばせた。
やったやった!イける!射精できる!わかってくれた!なんていい淫魔なんだ!
女はそれまでじわじわとペニスを扱いていた手を放しながら言った。
「ただし手は使ってあげない。使うのはねお口。でもフェラじゃないわよ。
さあ、あなたは私の体を見つめながら、私の裸のことだけを考えながら腰をふりつづけていなさい」
僕は夢中で腰を振った。何も無い中空に必死でペニスを押し付けるように。
きっとこの後与えてくれるはずの刺激が何倍も感じ取れるように。恥もプライドもなく
必死で振り続けた。

「準備はいい?それじゃあ、イかせてあげるね。あのね、今からあなたは声でイっちゃうの。
なにも触られないのに声を聞いただけでどぴゅっって出しちゃうのよ。いくわよー」
そこから淫魔の声が変わった。それはとてもいやらしく。
それは僕が聞いたことのあるどんな言葉よりも淫らな響きで僕を射精へと導いた。
『さあ!イっちゃいなさい!イって!イって!しゃせいして!どぴゅってだすの!だすのよ!だしなさい!
はずかしくだすの!だしなさい!ああでるよ!でる!でる!!ほらでる!!!』
イっ…イく…出る…
ぴゅっ
?!
静かな射精。快楽を伴わない射精。痙攣もなく蛇口から水が滴るようにゆっくりとゆっくりと精子がもれてゆく。
せっかく射精を迎えているのに変に気持ちよさのない感覚。手で扱きたい。でも動かせない。
もったいない…僕の快感の素が無駄に零れてゆく…はがゆい…俺の…。
「あははははっ!気持ちよく出せると思った?思ってたんでしょ。かわいそうね。
いいわその顔。そういう顔が見たかったのよ。声淫魔はね、ちょうど男の身体が精液を出すだけってところで
止めることができるの。知らなかったでしょう?声と言葉で調整してね。ああ、もったいないね。ほんとだったら
どぴゅどぴゅっと出せて、すごーく気持ちよくなれてたのにねー」
「うっ…うっ…ああああああー!!!!!」
俺は声を上げて泣き出してしまった。ペニスからトロトロと精液を零しながら泣き出してしまった。
俺に宝箱を差し出し、必死で鍵を開けさせておいて、そのなかには何も入っていなかった。
期待を裏切られた。情けなかった。悔しかった。なんで普通にイかせてくれるなんて思ったんだろう。
…声が…相手の声がまるで甘い誘惑のように俺を警戒させなかった。くそくそ!

「情けない…男のくせに。みっともないね。射精できたじゃない。満足したでしょ?まだなのかなー?
あのね一つだけ教えてあげる。私、あなたをひざ立ちにさせた後は射精の言葉まで”淫声”を使ってなかったんだよ。
私に操られて仕方なくなんて思ってたらそれ違うわ。あなたは自分の意思で腰をふってみじめな射精を求めたのよ!
あなた、始め私のことを弱い淫魔と思っていたでしょ?ほんと失礼なんだから。でもあなたの方がもっと弱かったね。
私の言葉にまったく抗えないし。ほんと弱いね。もういいわ、あなた。次で終りにしてあげる」

『最後の言葉。あなたは死ぬまで自分で扱きながら精液を出し続けなさい』








俺・僕、淫魔・女は自分なりに意味を持って分けてる試みですが
読みにくくしていたらすみません。やっぱ文章はむずかしい。
淫声…催眠術にエッチな要素が入った声と思って下さい
心声…テレパシーと思って下さい

最後の言葉は果たして”淫声”だったのでしょうか?

[mente]

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