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妖精物語・<1、ひとまず守りを固めよう。>

 アルはひとまず守りを固めることにした。彼女たちの体が小さいせいでどう責めたらわからないため、解決策を思いつく時間が欲しかったのだ。
 ――まずペニスに触れられなければ射精はしないだろう・・・
 アルは腰を後ろに引いてペニスに触りにくくすると、更に股間を両手で覆い、カバーした。勿論服は着たままだ。正に攻撃を捨てた完全防御体勢だった。
「あははははっ!!な〜にお兄ちゃん、その格好!!あははははっ!!!」
 青髪がアルを指差して大笑いを始めた。よっぽどこの格好が可笑しかったらしい。
「ぷっ・・・・・・その格好・・・・・・キミ、いくら射精させられたくないからって・・・・・・それはないよ〜・・・・・・くくっ」
 赤髪も笑いを必死にかみ殺そうとしているが、全然押さえられていない。しかし、いくら笑われようとアルは少しも気落ちしなかった。母親に薬を届けるためにはここを何としても切り抜けなければならない。これはそのために必要なことだと思っていたからだ。
「あらあら・・・もう、二人ともそんなに笑っちゃ失礼ですよ。あちらもあちらで必死なのですから」
 そんな中、緑髪だけは全く動じていなかった。今までどうりにこにこと笑顔を浮かべながらアルのほうをじっと見つめてくる。
「・・・・・・それにしても、せめて服くらいは脱いでいただきたかったですね。私たちが折角脱いでいるのに、あなただけが服を着ているのは何か興ざめじゃあないですか」
 そう言うが早いか、彼女の緑色の髪が一瞬ざわめいた。
「さあ、裸になってください♪」
 次の瞬間、彼女の方から凄まじい突風が吹きつけ、アルに襲い掛かった。
「う・・・うわっ!!!」
 アルは一瞬バランスを崩して転倒しそうになったが、何とか体勢を立て直した。いくら体が小さく直接押さえ込まれる心配のない妖精とはいえ、転ばされてしまえば行動は著しく制限される。何とか転ばなかったことにアルは内心安堵のため息をついたが、すぐに自分の体の異変に気が付いた。
 やけに体が涼しい。それにさっきまでズボンを掴んでいた手の感触が、ざらざらした布地の感触から何か柔らかいものの感触に変わっている。
「あらあら〜、これはなかなかですねえ・・・」
 アルはいつの間にか全裸にされていた。そのアルの体を妖精三人たちがまじまじと見つめている。
 ――くそっ!
 アルは心の中で舌打ちをした。おそらくさっきの風に着ている服を飛ばしてしまう魔法でもかかっていたのだろう。これでペニスを守る砦は自分の両手のみになってしまった。両手の防御を突破されたが最後、アルのペニスは妖精たちの性感攻撃の嵐にさらされてしまう。何としてもそれまでに突破口を見つけなければならない。
「さてさて、それじゃあこれで両方とも裸になったことだし〜、改めて試合開始だねっ!」
 赤髪がそう言うと同時に、妖精三人が一斉にアル目がけて突っ込んできた。その目標は一つ、アルのペニスである。
「うわあああああああっ!!!!」
 アルは咆哮をあげると、妖精たちを振り払おうと全力を尽くす。
妖精たちはそれぞれ違う軌道を描きながら飛来し、あるときは指をこじ開けようと、またあるときは指をぺろぺろと舐めて脱力させようとしてくる。一方アルは断じて妖精にペニスに触らせまいと、指をがっちりと組んだり腰を激しくくねらせたりしてそれをかわす。
「はあっ・・・・・・はあっ・・・・・・」
 もうアルには妖精たちをどうやって攻撃するかを考えている余裕はなかった。少しでも気を抜くとペニスを直接攻撃されてしまいそうだった。
 ――くそっ・・・どうにかしないと・・・・・・
 と、そこで不意に妖精たちがアルから離れていった。向こうもどうやら一端インターバルをおくようだ。
「も〜っ、お兄ちゃん!!ちょっとくらいちんちん触らせてくれたっていいでしょ!!」
 開口一番、青髪がそんなことを言ってくる。なかなか思う様にいかないので、少し気が立っているようだ。
「お兄ちゃんのは、ちょっとしこしこ〜、とかぺろぺろ〜、とかくちゅくちゅ〜、とかかりかり〜、とかされたらすぐ射精しちゃう早漏ちんちんじゃないんでしょ!?じゃあちょっとくらいいいでしょ!触らせてよ〜!!!!」
 青髪が空中で地団駄を踏んでいる。今にも「だん、だん、だん、だん!!!!」とかいう音が聞こえてきそうな見事な地団駄だった。
「いや・・・そんなこと言っても、これって一応こっちにとっては命を掛けた勝負なわけだし・・・・・・」
 アルはそんな青髪の様子にただただ戸惑うばかりであった。

         *       *       *

「お姉ちゃん〜、あの子のガードかなり固いよ〜。どうしよう〜」
 青髪が地団駄を踏んでアルの注意を引き付けている間に、残りの二人は作戦会議を行っていた。正直に言って、アルのガードは攻撃を捨てているだけに非常に固い。赤髪にはあれが突破できるようには感じていなかった。
「う〜ん、それは簡単ですよ。あの方はおちんちんに触られたくないだけなのですから、他のところを責めてあげればいいんですよ。それに気持ちよくしてあげたら、快感でガードも緩むかもしれませんしね」
「ああ〜、そっかあ!お姉ちゃん、あったまいい〜」
「それに・・・たとえガードが緩まなくてもあの子の得意技をくらってどぴゅどぴゅしない男の子はいないでしょう?」
 その発言に赤髪は一瞬きょとんとしたが、すぐににやっとした笑いを浮かべた。
「なるほど〜・・・確かに姉さんのアレは強烈だからね〜。じゃあボクたちは出来るだけあの子の注意を引き付けておけばいいんだね〜」
「そうですね。ではこの作戦で行きましょう。うふふ・・・じゃあたくさん気持ちよくしてあげましょうね・・・・・・」
 そう言って緑髪は怪しく微笑んだのだった。

         *       *       *

「お待たせしました。そろそろ再開しましょうか」
 そのような緑髪の声でアルは我に返った。どうやら今までずっと青髪が地団駄を踏むのをぼーっと眺めていたらしい。
 ――しまった!
 アルはここに至って自分の愚かさを嘆いた。今の時間は妖精たちからの攻撃が止んでいた。ということは妖精をどうやって攻撃するかを考えておくべきだったのだ。
 一方向こう側は青髪が地団駄を踏んでいる間に、赤髪と緑髪が作戦を話し合っていたらしく、なにやら青髪にひそひそと話をしている。完全にアルの失策だった。
「じゃあ、いっくよ〜!お兄ちゃん!!」
 そんな元気一杯の青髪の声を皮切りに、妖精たちは再び一斉に飛んできた。
 ――そうだ、今は後悔している場合じゃない!とにかくこの攻撃を防ぎきらないと!
 一番最初にペニスに飛んできたのは赤髪の妖精だった。アルはさっきと同じように身をよじってそれを払いのけようととするが――

 突然、視界から赤髪の姿が消えた。

「えっ!?」
 そう思ったときには時既に遅く、突然睾丸を柔らかい感触が襲った。そしてそのままぐにぐにと揉みしだかれる感覚。
「ううっ・・・ふああっ・・・・・・」
 赤髪がガードの固いペニスではなく睾丸へと張り付いて、そのまま体全体を蠢かせて上手にころころと転がしてきたのだ。時折一部分が温かな感触に包まれるのは咥えられているからだろう。
のけぞってしまいそうな鋭い快感ではないが、ゲル状のものが沈殿していくようにゆっくりと下腹部に快感が溜まっていく。
「ふふっ・・・キミのたまたま、すっごくぐるぐるいってるよ?・・・嬉しいな〜、ボクたちのためにたくさん精子を作ってくれてるんだね・・・・・・」
 今度は体全体を小刻みに揺らしてくる。その振動はダイレクトに睾丸に伝わり、あっという間に快感へと変化してしまう。
「あがっ!」
 突然の刺激に対処しきれず、ついにアルのペニスから我慢汁が飛び出した。それはペニスを包み込んでいる自分の手に当たり、そのまま手、ペニスの竿の部分と伝わり睾丸まで垂れてきた。
「あはっ♪やったあ、感じてる感じてる〜♪」
 一度出始めると刺激が続く限り我慢汁は止まらない。赤髪が睾丸をぐにぐにと刺激するたびにペニスからは我慢汁があふれ出てくる。
 我慢汁を睾丸まで垂らしてしまうと赤髪の攻撃力が上がってしまう。とっさにそう判断したアルはできるだけ我慢汁を手で受け止めて下まで伝わらないようにした。しかしその結果、手の中に溜まった我慢汁は当然ペニスにも付着し、それほど時間がたたないうちにペニスは我慢汁塗れになってしまった。
「うふふっ・・・妹のマッサージはどうですか?気持ちいいでしょう?」
 いつの間にか、緑髪がアルの目の前まで飛んできていた。
「たまたまをぐにぐにと揉みほぐされて、あなたも随分感じてきているのでしょう?ほらほら・・・さっきからおちんちんがぴくん・・・ぴくん・・・って震えてますよ。もしかしておちんちんに少しも触られないで射精してしまうのですか?まさかそんなことはないですよね〜♪」
 そう言ってアルをからかいながらゆっくりと緑髪は下に降りていく。
 確かに緑髪の言うとおりだった。睾丸を刺激されるという未知の感覚に、アルは戸惑いながらもしっかりと感じていたのだった。我慢汁はとろとろと吐き出され、少し前からペニスはゆっくりと痙攣を始めていた。
 この上更に快感を加えられたら、いくらペニスへの直接的な刺激がないとはいえ射精へと急速に近づいてしまうだろう。しかし、今ペニスから手を離せば赤髪がまず間違いなくペニスへ直接攻撃をしかけてくるだろう。そうなってしまえば射精は確実だ。
 緑髪はアルのそういう事情をわかっているからであろうか、わざとゆっくりアルの体に近づいてくる。その目的は――アルの乳首だ。
「ふふ・・・もうここもびんびんですね・・・・・・♪」
 ぴんっ、と右の乳首をはじかれた瞬間、アルの体に軽い電流が走りぬけた。しかしこれならまだ我慢できる程度だ。アルにとっては寧ろ睾丸からくる快感の方が脅威であった。
「あら・・・・・・?」
 思ったよりもアルの反応が鈍かったことに緑髪が首をかしげる。もう一度ぴんっ、とはじいてみるがアルにそれほど反応は見られなかった。
「・・・・・・なるほど。あなたはまだ乳首は開発されていないのですね。・・・・・・ふふっ・・・嬉しいです。だってあなたのこんなにかわいい乳首、私が開発することができるのですから♪・・・もしもし、ちょっとたまたまを刺激するのをやめてくれませんか?」
「ん、りょ〜か〜い」
 緑髪が赤髪に声を掛けると、今まで耐えることなく続いていた睾丸への刺激がぴたりと止んだ。そしてそれと同時に、アルの右の乳首が温かく、ぬめった感触に包まれた。
「んっ・・・・・・ちゅ、ちゅ、ちゅ〜っ・・・・・・れろれろ・・・・・・」
 緑髪がアルの乳首を口に含み、ねっとりと舐め回してくる。乳首自体には触れないようにして、その周辺の乳輪をぐるぐると舐められる。
「んっ・・・・・・くふぅっ・・・・・・・・・」
 今さっきの、乳首をはじかれるという鋭い刺激とは異なり、ねっとりとした優しい刺激に自然とアルの口から声が漏れてしまう。ぞくぞくとした快感が背筋を通り抜けていく。
「んふっ・・・・・・ちゅぷ・・・ちゅぴっ・・・・・・ちゅ〜っ・・・」
 十分に乳首の周りを舐め回した後、緑髪は今度は乳首を集中的に責めてきた。乳首を唇で優しくはさんでこねくりまわしたり、舌で優しくこすりあげたりして、さっきよりも少し強めの刺激を送り込んでくる。
「んあっ・・・うっ、ううっ・・・・・・くうっ・・・・・・」
 睾丸への刺激が止まって、出なくなっていた我慢汁が再びとろとろとあふれ出した。緑髪の乳首への愛撫は少し前よりも確実に効果的にアルに快感を送り込んでいる。アルは唇を噛んで快感の声を漏らさないように必死になっているが、それでもこの不思議な快感に抗えず、更に激しい声が漏れていってしまう。
「んちゅ・・・ちゅ、ちゅ〜っ・・・・・・・・・・・・・・・かりっ」
「あひゃあああああぁぁ〜ん!!!!」
 たっぷりと乳首を舐め回したあと、突然緑髪が乳首を甘噛みしてきた。全身を一瞬にして走りぬけた予期せぬ快感電流に、成す統べなくアルは叫び声をあげさせられてしまう。尿道口からは大量の我慢汁があふれ出している。
 その叫び声を聞いて、満足そうに緑髪はアルの乳首を開放した。
「ふふっ・・・・・・開発完了・・・ですね」
 わずか十分ほどの間で、アルは乳首を開発されてしまった。それほどまでに緑髪の舌技は群を抜いていた。緑髪は人刺し指で自分の唇をゆっくりとなぞると、にっこりと笑顔を浮かべて、アルに告げた。
「・・・それではたまたまと乳首を一緒に責めてあげます・・・。頑張って耐えてくださいね?」
「え・・・?ひゃう!!」
 その言葉が終わらないうちに赤髪の睾丸への責めが再開された。睾丸がぶるぶると震わされ、ぐにぐにともみこまれた。再び訪れた睾丸への刺激に、アルは思わず体を震わせてしまう。
 更に予告どおり、その状態で緑髪が乳首を口に含んできた。睾丸と乳首からの快感二重奏により、狂おしいほどの射精欲求がアルに溜まっていく。
「く・・・あっ・・・・・・!ああああああぁっ!!」
 直接ペニスを刺激されていないため、射精にまでは至らないことがアルにとって幸いであった。ペニスからは我慢汁が絶え間なく垂れているが、射精するには何かもう一押しが足りない・・・・・・そんな感じだった。
 しかし、そうは言ってもこのままでは体が敏感になってしまうし、なりよりこの状態だと体力を非常に多く消費してしまう。もしこのまま焦らしに焦らされた後、再び全員でペニスを目がけて突っ込んでこられればもう防ぐことは出来ないかもしれない。
 かと言って何の策もないまま攻撃に走ると、無防備な状態のペニスを彼女たちの前に曝すだけという非常に危険な状態に陥る危険性もある・・・・・・。

 ――さあ、どうしようか?

選択肢
1−1、不用意に動くのは危険だ。
1−2、最後の可能性にかけて、責める!!
 やっと仕上がりました。といっても更にここから選択肢で分岐します。こういう様式が嫌いな方はすみません。
 今回も長くなってしまいました。しかもこれだけ長くて射精シーンなし・・・。申し訳ないです。
 それでも感想などいただけると幸いです。

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