1968

妖精物語・OP

 空が茜色に染まり始めたころ、普段余り人は通らない山道を一人の少年が歩いていた。年のころは16、7歳といったところだろうか。背はそれなりに高いが、まだその顔には幼さがいくらか残っている。
 彼の名前はアル・シャエイという。普段は町のはずれにある小屋で母親と一人暮らしをしている。しかし彼の母親が急に病に倒れてしまったために、アルは薬屋がある隣街にまで薬を買いに行っていた。
 母親に一刻も早く薬を飲ませてあげたい。そんな思いから彼の足は普段誰も通らず、半ば封鎖状態になってしまったという山道に向かっていた。
 彼の住む町と、薬屋がある隣町とは山を挟んで隣にある。当然山を迂回して行くよりも山の中を通っていったほうが早い。そういうわけで、彼は今人が全く通らない山道を黙々と歩き続けていた。

「お〜い、そこの道行く少年!」

 そんな時、彼の後ろ側から突然声が聞こえてきた。アルはびっくりして後ろを振り返るが、そこには矢張り人の姿はない。
 ――空耳かな?
 そう思ってアルは再び前を向いて歩き出す。しかし――

「お〜い、無視するなんてひどいぞ〜!」

 また後ろ側から話しかけられる。それも声は上の方から聞こえてきたような――
 アルは足を止めて振り返った。相変わらず後ろ側には誰の姿もない。だが上を向くと、そこには羽が生えた小さな人型の生物が3人飛んでいた。いわゆる妖精というものだろうか。

「あははっ、やっと気付いてくれたね〜」

 妖精たちは、アルが気付くと嬉しそうな声をあげてゆっくりと下降してきた。彼女たちはそれぞれ赤、青、緑色の髪と瞳をしており、薄いワンピースのようなものを一枚はおっているだけだ。
 アルは彼女たちの姿を見て素早く身構えた。彼女たちは間違いなく妖精型の淫魔だ。一度淫魔に射精させられてしまえば、後は死ぬまで射精させられてしまう。それはすなわち、母親に薬を持って帰ることが出来ないということだ。なんとしてもここで射精させられるわけにはいかない。

「う〜んいいね〜。ものわかりが早い子、ボクたちは大好きだよ♪」

 赤髪の妖精がそう言うと、突然彼女たちの体を風が包み込んだ。その風がおさまるころには彼女たちはもう裸になってしまっていた。赤髪が一番幼児体型で、緑髪が一番グラマラスだ。
「それじゃあ始めようよ、お兄ちゃん♪」
 青髪の妖精がそう発言すると、突然彼女たちの雰囲気が変わった。

 ――さて、どうしようか?

選択肢
1、ひとまず守りを固めよう。
2、守りなんて知るか!責めあるのみ!
3、そんなことより逃げた方が早いや。
 どうも、幻螺旋と申します。これが人生通して初の投稿ですよ。いつまでも読んでいるだけではいかんと思って書き始めた訳ですが・・・何か選択肢とかあるしどうなることやら。
 書くのはとてつもなく遅いですが、絶対完成はさせますので。感想などいただけたら幸いです。

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