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乳魔(9)

「ふぁぁ… サイコーでした♪」

長い長い静寂の後、スティアが身を起こす。
どさり、コールの体が投げ出された。

「おつかれさま、おにーさん♪」

その体を、よいしょ、とヒザの上へ引き上げる。
そしてコールの顔を覗き込んで、優しく微笑んだ。

「おめでとーございます。おにーさんの勝ちです。とっても強かったですよ」

コールの髪を、頬を、愛しげに撫でながら少女は囁く。

「正直、あんなボロボロの男に負けるはずがねーと思ってたんですが… むぅ、ちょっぴりくやしーです…… ん?」

スティアがコールの唇に耳をよせる。

「……いや、俺の負けだろ」

かすれた声で、コールが答えた。

「あはは、じゃ、ごほーびは要らないんですか?」
「ご褒美?」
「はい、ごほーびです。乳魔のごほーびですよー」

たゆん、ぷるん。

スティアがコールの顔の上、その目の前で、
真っ白な乳房を見せ付けるように躍らせた。

「ぐおぉっ………!!」

力尽きていたはずのコールの体が、スティアのヒザの上で突っ張った。
勃起したペニスから激痛が走る。

「おっ、おにーさんっ!」

悶絶する体力さえないコールの呻吟は、かの淫魔少女の微笑を強張らせるほどに無残な光景だった。

「ちょ、ちょっと待ってくださいね。すぐ楽にしてあげますからっ」

あわてた様子で、スティアは自らの乳房を捧げ持ち、
その乳首を、コールの唇に滑り込ませた。

「っ………!?」

即座に、甘く温かなほとばしりが、コールの口腔を満たす。
ごくり、と飲み干すと、全身にその温かさが広がってたちまちのうちに痙攣がおさまっていった。

「どうですか? おにーさんから抜きまくった精気がたっぷり詰まってますから、すぐ楽になるはずですよー」

穏やかな声をかけながら、優しくコールの頭を撫でる。
年端も行かぬ小娘が、聖母の笑顔を浮かべ、聖母の乳房で青年をあやしていた。
コールはスティアのヒザに頭を預け、甘えるように擦り付けながら、無心に乳首を貪っていた。

「………ふぅ〜〜」

短くない時間が過ぎた。
たっぷりと乳を含んだコールは、長い息をついて体を起こした。
カサカサに乾いていた肌が潤いを取り戻している。
おちくぼんでいた瞳が輝きを取り戻している。
そして何より、
股間の逸物が隆々と力を漲らせて空を仰いでいた。

「もう、大丈夫ですねー」

屈託の無い笑顔を浮かべるスティア。


「……ったく、お前は」
「スーーティーーアーー」
「……スティア」
「はい♪」
「まったく、淫魔に見逃されるばかりか、命まで救ってもらった淫魔ハンターなんて前代未聞だぜ?」
「まぁ、私も知らないですねー」
「畜生、屈辱だ。切腹モノだぜ」
「ふふ、生き恥をさらすがいーです♪」

けらけらと笑うスティアの額を小突く。

「いたっ」
「嘘つけ淫魔」
「ぶー、感覚が無いわけじゃないんですよぅ」

口を尖らせるスティアに、コールの唇から自然と笑みがこぼれた。
外見通り、おしゃまな小娘以外の何者でもない姿。

「むー、そんなこと言ってると、ごほーびあげないですよ?」

……外見通り、ではなかった。
小娘にはこんなモノはついていない。

スティアが再びその巨乳を突き出すと、コールは息苦しいほどの興奮を感じて口ごもった。

「んふふー。パ・イ・ズ・リ♪ してほしいでしょー?」

ゆさ、ゆさと巨乳がゆれ、桜の花びらのような乳輪が花吹雪のような残像を描くと、

「うっ!」

たまらずコールは前かがみになった。

「あはは、してほしくってたまらないみたいですね? いーですよたっぷりしてあげますよー?」

にやぁ〜〜〜〜〜 と。
スティアがネズミを捕らえたネコの顔を見せた。

「せっかく乳魔に会えたのに、パイズリしてもらえないなんてあんまりですものねー? ふふーん、興味ないとは言わせませんよぉ?」

「…っぐ、うっ……」

答えるに答えられず、変なうめき声を出すしか無いコールの、前かがみに下がった耳元へ、スティアが熱い息をかける。

「まずは優しく、やさしーく挟んで、カチカチのおちんちんをとろとろになるまでふわふわしてあげますね?」

コールの脳漿に蜜を流し込むような、甘い、甘い囁き。

「それからおっぱいでこすってあげます。最初はゆっくり、だんだん早く。すべすべのおっぱいで何回も何回も、おにーさんの先走りでヌルヌルになったカメさんから、ぱつんぱつんに張った裏筋まで、ぜーんぶくるんで撫で回しちゃいますね?」

ふぅ、ふぅ。
スティアが聞いているであろうにもかかわらず、荒い鼻息が止められない。

「そ・し・て… 次はお待ちかね、おっぱいの弾力です。しゅるしゅる擦りながらゆっくり、ゆーっくりとおにーさんのおちんちんに、両側から圧力をかけていってあげますよぉ……♪」

コールは震え上がった。
それでもスティアは容赦しなかった。

「しゅるしゅる、が、だんだんとしこしこ、に変わっていくんです。それがぐいぐい、になって、最後はぎゅむぎゅむっ、ってなりますよぉ…」

ぶっ!
真っ赤に染まったコールの顔から二筋、血が吹き出した。

「乳魔の乳圧、すんごいですよぉ? おにーさんのトロトロにとけたおちんちん、どれくらい持つでしょーね? うふふ、きっとすぐに、くにゅって潰れて、どばっと中身が出ちゃうんでしょうねー」

両手で股間を押さえたままのコールの鼻血を、その白い指で拭いながら、スティアは楽しそうに続けた。
一言一句ゆっくり、はっきりと。コールの耳に注ぎ込むように。

「それでも… わたしの胸に包まれちゃったおにーさんのおちんちんに、逃げ場なんてないんですよ。どんなにぺちゃんこに潰れても、這い出す隙間なんてありませーん。中身が出る場所だってないんです。全部おっぱいの中に閉じ込められたまま、一緒くたに揉みくちゃになってぐちゃぐちゃです」

スティアの頬も上気している。
りんごのような頬をコールにすりよせながら言葉を紡いでいる。

「そ・れ・で・も……やめてあげませんから。わざわざ回復までしてさしあげたんですもの、死んだりしないでしょ? 右のおっぱいの芯と左のおっぱいの芯がぴったり合わさるまで、乳圧をかけてあげますから」

びくっ…… びくっ……
ついにコールの背筋が痙攣をはじめた。

「そのまま、揺さぶって捏ね回してシゴき上げてあげます! うふふ、心配ご無用。それでも絶対に殺したり廃人にしたりはしませんからねー。乳魔のバストテクニックの粋を尽くして、手加減して、挟んで、手加減して、擦って、手加減して、揉みしだいてあげちゃいますっ!!!」


「うおおおおおーーーっ!!!!」


コールが絶叫した。
掴みつぶさんばかりに自らの股間を握り締めた両手の指の間から、黄ばんだ粘質がにゅるにゅると漏れ出た。

「くすくす。おにーさんったら。わたしはなーんにも見ませんでした♪」

ようやくスティアは耳元から唇を離し、コールに背を向けた。


「で、ごほーびいります?」


そして首だけを振り向かせ、コールに微笑む。

「……こ、このやろう……」

スティアの強さは分かっている。
分かっているが、さすがにコレはあんまりだ。
耳から詰め込まれた煮えた蜜を、股間から解き放ち、甘さと熱さが抜けていく脳が己の姿を省みさせる。
自分の無様さにおもわず涙ぐんでしまいそうだ。

「………」

それでも、


ごほーびが要らない、と言えない自分に、

コールはこれ以上無いほどの屈辱感と敗北感を憶えた。
淫魔ハンターの免状を破り捨てたいほどだった。


羞恥で真っ赤になりながら、コールはスティアに怒鳴った。

「……勝負だ」
「ごほーびは?」
「勝負だっ! もう一勝負! せっかく回復させてもらったんだしな!!」
「ごほーびは要らないんですね?」
「勝負しろっ!」
「……おにーさん。ちょっと可愛いですよー」

スティアが笑う。

もうイヤだ。
なんでこいつ、こんなに強いんだ。


「勝・負!」
「はいはい。じゃあ、そうしましょうか」

外見だけとはいえはるかに年下の少女に、苦笑されるというのはどうなんだろう。
耐え難い顔の熱さに身悶えるコールを待っていたのは、


「私はごほーびをあげるつもり。おにーさんは勝負のつもり。それでいーですね?」


さらなる陵辱の言葉だった。



コールはスティアに飛びかかる。


その寸前で、踏みとどまる。


「わは、成長してますね、おにーさん」
「………うるせぇ」

悪態をつきながら、深呼吸して冷静さを取り戻す。
スティアは微笑んだままで軽く舌打ちをしてみせた。

「いーですよ。勝負しましょう? 私はあくまでごほーびのつもりで行きますけど」
「おいおい… こっちはもうお前の本性分かってるんだ。ナめてかかると見せかけてると足元掬うぜ?」
「……いやぁ、ナめてかかってるのはおにーさんの方だと思いますけどねー」

スティアが体ごと振り向いた。


「……乳魔のおっぱい、ナめてません?」


ゆさっ。
ぷるん、ぷるん。
振り向いた、ただそれだけの動作で。
その大きな、豊かすぎる乳房は悩ましげに弾け、コールの視線を釘付けにした。

「私のごほーび相手に、いつまでも勝負のつもりでいられると、本気で思ってます?」

「…………」

コールは声もなく立ち尽くした。
みっしりと重たげな乳房を凝視する他なかった。
先ほど解放したばかりの絶頂感が、もう天をつくほど股間に溜まっていた。


「じゃ、はじめましょーか」


スティアが棒立ちのコールに向かって、無造作に歩を進めた。


無造作に乳房が揺れた。
ごめん。なんかパイズリまでいかなかった。

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