このまま、一気に―
俺は、少女の細い胴をひょい、と持ち上げ、向きを変えた。
「ふあ…お兄さん、入れるの…?」
「ああ。最後の―勝負だ」
少女の秘所に、熱く滾ったモノを押し付ける。
くそ―今更ながら、背徳感がこみあげてきた。
「いいよ。ちょうだい」
「う、おおおっ!」
雄叫びを上げ、淫魔の体を突き上げる。
ず…ずずずずっ…
「んんんんんんんっ!」
「うお…き、つっ…」
さすがに―少女のナカは、物凄く、狭かった。
「…やっぱり、全部は入りきらないか…」
俺のペニスは、少女の最奥に到達したにもかかわらず、
未だ三分の一近くが膣内に収まってはいなかった。
「はっ…はっ…あ…んっ!」
少女は全身を紅潮させ、目の焦点も定まっていない。明らかに、限界寸前。
確かに、このキツ過ぎる膣はかなり気持ちいいが―勝てる。
「う、あっ…なんだ、これ…」
そう思った、瞬間だった。
淫魔の膣はぐにぐにと、俺のモノをさらに奥へと飲み込もうとでもするかのように蠕動してきたのだ。
そして、ついに―
「あっ―ぐあああああああっ!」
俺のペニスは、ずるり、と、小さな子宮の中へ、迎え入れられた。
カリを子宮口にがっちりと咥え込まれ、竿は幼い膣にぎちぎちと締め上げられ―
そして、亀頭は、熱い子宮に包まれる。
「あ、あああああああ…」
人間では有り得ない感覚―俺は、急激に高められる。
駄目だ―気持ち、良すぎる―
「あっ…ふうっ…ん…おちんちん気持ちいい…イっ…ちゃいっ…そお…」
「―!」
そう、だ―先に、こいつをイかせれば―何の問題も、ないっ!
俺は、ハンターとしての意地を賭けて、捨て身のピストンを開始する―!
ず、ずずずずずずずっ…
キツ過ぎる膣から、ゆっくりとペニスを引き抜く。子宮口が、逃すまいとしてカリに巻きついてくる。
「うっ…くふうっ…」
くそ―たった一往復で、こんなに―
今度は、一気に腰を突き上げる。
ぱぁん、という音が響き、きゃうんっ、と少女が嬌声を上げる。
俺のペニスは、再び魔性の膣の奥の奥まで咥え込まれる。
「はう、うううううぅぅ…!」
さっきまで、勝利を確信していたのに―もう、互角にまで追い込まれている。
「負け、るかっ…!」
ずずずずっ…と、引き抜く。
「はっ…はっ…はっ…!」
―もう、限界だ。目の前の少女に、白濁液を吐き出してしまいたい。
そんな、欲望が、押さえ切れなくなってくる。
―次が、最後だ。
これで勝てなければ―俺の、負けだ。
「お、おおおおおおっ!」
最後の気迫と共に、渾身の力を込めて少女の体を貫く。
そして―
「うあっ!駄目だっ…イっ…あああああああああああああああーーーーーー!」
俺は、淫魔の小さな体を抱きしめながら、絶頂した。
どびゅるぅうううぅうううううううううう!
溜めに溜めた、大量の精液が、少女の子宮に直接叩きつけられる。
「ふあっ!あ、つ!わたし、もっ…きゃうううううぅうっ!」
少女の体が腕の中でびくびくと跳ねるのを感じながら、俺は意識を失った。
◆
「…ーい。もしもーし。こらー。起きろー」
「―うう、ん…」
ゆさゆさと揺すられて、目が覚める。
目の前には、美しい少女―
「ああ、おはよう…」
さわやかに挨拶なんぞをしてみる。
「お、おはよう」
律儀に返してきた。
「って、おはようじゃないわよ、じょうきょう、わかってる?」
ああ、そういえば―体が重い。
「俺の、負けか…」
「んーん、引き分け。わたしもイっちゃったもん」
しかし、この子は淫気が消えただけ、対して俺はというとほとんど全ての行動が制限された状態。
「いや、やっぱり、俺の…」
「うるさいなー、私が引き分けって言ったら引き分けなの!」
ぷー、と頬を膨らませて怒る。素直に可愛いと思った。
「ね、それより、約束どおり名前教えてよ」
ああ、そんなことも言ったっけ…
「…マシロ。ヒイラギ=マシロ」
「マシロ…かぁ。うふふ、マシロ、マシロ…」
少女は嬉しそうに俺の名前を呟きながら、胸板に頬擦りをしてくる。
…ぐあ。むちゃくちゃ可愛い。やばい、俺、本気でこの子のことが…好きかもしれない。
「…そういえば、君は?」
「…ん?クリス。名字はないの。ただのクリス」
「いい、名前だ…」
クリスはありがと、と照れくさそうに呟き、体を起こした。
そして、ふいに真顔になり―
「私―マシロのこと、好きになっちゃったみたい。
だから―マシロ、私の彼氏になって」
そんなことを、口にした。
「―」
息を飲む。俺は―
「たしかに、君は可愛いし、魅力的だけど…」
「じゃあ、OK!?やった、マシロ、だいす…」
き、という彼女の言葉を遮る。
「だけど、だよクリス」
「だけ、ど…?」
「人間を、食うモノとは、仲良くできないよ」
そう。人と、人を喰うモノは、絶対に、相容れない―
たとえ、どんなに可愛らしくても―この子は、淫魔なんだ。
「じゃ、食べなきゃいいのね」
「へ?」
いや、そんな、簡単に―
「私、もう人は食べない。毎日、マシロがちょっとだけせーえきくれれば、
それだけでいいから―ダメ?」
と、泣きそうな顔で見つめてくる。
ああ―そんな顔は、反則だ。
「―いいよ」
それを聞くと、クリスはぱあっ、と表情を明るくして―
俺に、キスしてきた。
「んっ…ちょ、クリス…ん」
ちゅっ、ちゅっ、と連続でキスされる。吸精行為ではない、ただの愛情表現。
「ふふ。これでマシロはわたしのもの〜」
幸せそうに言う可愛い少女を、俺は、力の入らない腕で、精一杯、抱きしめた。
◆
あれから。
俺は、変わらず淫魔ハンターの仕事を続けていた。
ただひとつ変化があったのは、淫魔をイかせた後、ひとつの質問をするようになったこと。
つまり、人食いを止める気はないか、という質問。
クリスのことがあってから、俺は淫魔を単純に人間の敵と見ることができなくなっていた。
精を吸っても、殺しさえしなければ―人と淫魔は、共存できるのではないか。
しかし―ほとんどの淫魔は、人間を餌としてしか見ていない。
もう人は殺さない、と約束してくれた淫魔は、数えるほどしかいないのだ。
「ただいま」
任務を終え、家のドアを開く。と、奥からぱたぱたと足音が駆けてくる。
「おかえりっ」
そのままぽふん、と俺に抱きついてくるクリス。
俺は軽く抱き返し、頭をよしよしと撫でてやる。
ああ―可愛いなあ。
もうすっかり、この子にメロメロになってるな…俺。
ちゅ、とおでこに軽いキスをして、愛しい淫魔に尋ねる。
「食事にする?お風呂にする?それとも…」
普通は家で待ってる方が言う台詞じゃないかと思うが、
クリスが言ってくれとおねだりするので仕方がないのだ。
…なんか、すっかり俺の方が立場が下になってるな…
クリスは微笑んで答える。
「じゃあ…」
人と淫魔の、奇妙な恋人関係。
それでも、俺は、俺たちは、幸せだった。
HAPPY END
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