俺はしばらく、少女と我慢比べをしていたが…
「は…あっ、お兄さん、気持ちよさそうだね。もうイっちゃいそう?」
…不利だ。相手も感じてはいるが、こちらの精力の消費のほうが激しい。
このままでは、おそらく―負ける。
俺は、少女を開放し、一旦距離を置く。
竿の半ばあたりまで上ってきていた熱いものが逆流していくのを感じる。
「なに、お兄さん。やっぱりイっちゃいそうだったの?」
淫魔は一度俺を追い詰めた余裕からか、さっきあっさりと迎撃されたからか、
すぐに飛び掛ってくるようなことはなく、隙を窺っているようだった。
ならば、好都合。男の性感は刺激を受けなければ直ぐにおさまるが、
女の場合一度熱くなった体はそう簡単に冷めない。ここは―
「ああ、君の体があんまりにも気持ちよかったからね」
口先を弄しての、時間稼ぎ。
「う…あ、ありがと」
少女はまた赤面してしまった。―やっぱりおだてに弱い。
まあ、今の言葉は半分以上本音だが。
「それに、顔とかも俺の好みだしね。淫魔じゃなければ、恋人にしたいぐらいだ」
これも半ば以上本音。彼女が人間だったなら、十年もすれば俺のストライクゾーンど真ん中だっただろうに。
「…見た目、だけ?」
少女は拗ねたように言う。
ああ、くそ。可愛いじゃないか。
本当に惜しい。彼女が、淫魔じゃなければ。
人を喰らう存在で、なかったなら。
頭を撫でてやりたいくらい可愛い。
「じゃあ、お互いをもっと知り合おうか。君の名前は?」
少女は少し迷うような間をあけて、言った。
「私をイかせたら、教えてあげる」
「――」
淫魔は、絶頂すると一時的に淫気が消えうせる。身体機能が低下するわけではないが、
このときなら誰でも簡単に出来る程度の魔法式を打ち込めば―淫魔を、消滅させることができる。
俺は―勝ったとして、この子を…
「どうしたの?早く再開しよ」
「…ああ」
今は、目の前の戦いに、集中すべき時。
「あ、ところで、お兄さんは?」
「え?」
「名前」
「…ああ。そうだな、俺をイかせたら教えてあげるよ」
「ふふ、すぐにイかせちゃうもん」
そういって淫魔は立ち上がる。俺は足を投げだして座ったまま、攻撃に備えて身構える。
戦闘、再開。
と、淫魔はくるりと向きを変え、俺に背を向けてしまった。
予想外の行動に俺が戸惑った次の瞬間―小さな尻が、目の前にあった。
ヒップアタック。俺の顔面は彼女の尻に敷かれ―
彼女の眼前には、俺の性感帯が晒される。
いわゆるシックスナインの体勢。全力で一気に決着をつける気か。
いいだろう。俺も、舌には多少の自信がある。
目の前のすじに舌を這わせる。さっきの愛撫で高められた少女の体は、
舌が触れるたびに、ぴくんっ、ぴくんっと反応する。
彼女のほうも責めを開始した。鈴口をちろちろと舐めながら、左手は竿をしごき、右手は玉袋を刺激する。
「うっく…」
さすがに気持ちいい。しかし、俺にはまだ余裕がある。
対して、淫魔の方は…
「ふあっ!あっ!そ…れっ!ダメっ!」
びくんっ、びくんっと痙攣しながら、ついに嬌声を上げ始める。
すじに過ぎなかった無毛の秘所は、愛液に濡れそぼって、ぱくぱくと物欲しげに開き始めていた。
さて、このままシックスナインで戦うか、それとも―
一気に、ケリをつけるか。
続く
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