「じゃあ、始めよっか」
少女の目つきが捕食者のそれに変わる。
そして彼女は俺の方へ一歩を踏み出した―ところで、
「ストップ」
俺は待ったをかけた。
「―はぁ?あなた、いまさらなにいってるの?こわくなったとかいっても、
かまわず犯すからねっ」
ぷー、と頬を膨らませて文句を言う淫魔。
「いや、そういうわけじゃないよ。ただ、どうせするならベッドの上だ」
「ベッドの…って、そんなのどこに…あ」
彼女の返答を待たず、手近な民家のドアを開け、中に入る。
「ちょ、ちょっとっ。待ちなさいよっ!」
淫魔は仕方なく俺について来た。
よし―俺のペース。性技での戦いに限らず、およそ戦いというのは
主導権を握った方が勝つ。
「ここでいいか―始めよう」
寝室のダブルベッドの上で、服を脱ぎながら言う。
「お兄さん、変わった人間よね…今までのは、逃げるか
あきらめちゃうかどっちかだったのに」
うんしょ、と可愛らしい声を上げてワンピースを脱ぐ。
下着は穿いておらず、靴下だけの姿になる。
「私のからだ、どう?コーフンする?」
綺麗な肢体だった。細い手足、白い肌。
そして―僅かに膨らんだ胸、小さな尻、すじが一本走っただけの無毛の秘所。
気付けば、俺のペニスは、徐々に上を向き始めていた。
「あは、ちんちんふくらんでるっ。お兄さん、さてはロリコン?」
意地悪い表情で訊いてくる。
いや、俺には断じてそんな性癖はない。ない、はず…
って、いかん。いつの間にか相手のペースだ。
「いや、違うよ。ただ君が可愛すぎるからね」
焦りを隠すため、軽口をたたく。
「………」
あれ?少女は、顔を真っ赤に染めてしまった。
「お、おだてたってダメよ!あんたはもう食べちゃうことに決定したの!」
…なんか、褒められたりするのに慣れてないのかな…
「それじゃ、いただきますっ!」
少女は、早口に言うと、俺に飛び掛ってきた。
「…っと。いきなりだね」
さて、こんな突撃、避けるのは容易いが…
俺は、敢えて飛んできた小さな身体を抱きとめた。
少女と目線を合わせ、腰のあたりを両手で固定する。すると…
「あ、あれ?」
俺より頭二つは背が低い少女の手は俺の股間には届かない。
対して、俺は一方的に彼女の性感帯を責めることができる。
「勝負あった、かな?」
彼女の尻をさすりながら言う。
「ん…っ、こ、このっ!離してっ!」
もちろん、言われて離すわけはない。
俺はそのまま、尻や背中、幼い陰部を責め続けた。
「あっ…ん…ふうっ、あっ!」
感じている…油断さえしなければ、勝てる。
俺が、そう思った瞬間だった。
「…っ!?」
股間が、妙な感覚に包まれた。
これは…足、か。淫魔は俺のペニスを器用に足で挟んでいた。
「はんげき開始よ、お兄さん」
さらに、淫魔は足を上下させ始めた。
「うっ…く…」
予想以上に気持ちいい。絶妙な力加減で足コキされるペニスは、
すぐに涎を垂れ流し、にちゃにちゃと卑猥な音を立て始める。
「あは、お兄さんの、もうぬるぬるになっちゃったよ…
これならすぐ、どっぴゅんしちゃうかもね?」
確かに、この少女の攻撃力は予想以上だ。
優位な体勢とはいえ、先にこちらの精力が尽きてしまうかも知れない。
どうする?一旦距離をおくか、それとも、このまま我慢比べか…
続く
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