「どうして私動けないの―――?」
それが彼女の率直な思いだった。
年の頃として18、9位だろうか、仲間達を従い人間界で猛威を振るってきた少女。
鎖骨から大きく丸いラインを引く豊かな胸、雪の様に白くむっちりとした太股、
メイドの様なフリフリのスカートの奥に潜む彼女の肉鞘。
そして何よりも彼女が誇りに思っていたのが、肩から腰に掛けての真っ直ぐに伸びた銀色の髪と
人間を見下す為に創られたかの様な藍色の瞳だった。
そう、彼女は人を捕食する淫魔であり、最強種と名高い夢魔であった。
彼女に付き従う仲間――――もとい、家臣の淫魔も全て夢魔だけで組織されていた。
彼女は夢魔―――巨大淫魔界と呼ばれる世界の皇女であった。
その少女はいつもの通り、人間界で淫魔ハンターを狩り続けていた。
自らの性技を以って人間を骨抜きにし、騎乗してトドメを指す―――いつもの事だった。
人間が当たり前に食事をする様に、彼女にとっても何気ない行動に過ぎなかった筈だった。
「エレノア様、騎士級ハンターの殲滅を確認しました。」
銀色の髪を持つ夢魔が少女に報告をする。
彼女にとってそれは聞きなれた言葉―――敵ではない、獲物を狩ったと淫魔達は思うだけなのだ。
淫魔と人間の争いは熾烈を極め、世界は混乱に満ちている――――が、彼女はそれほどのセンチメンタリズムを持っていない。
彼女は唯、暇を潰しているだけに過ぎない。
皇女ではあるが、既に今世代の淫女皇は即位してしまったのだ。
「人間を狩らなければ理性を保てない。」
それが彼女の持論であり、淫魔たる者の誇りでもあるのだ。
そして、今日も人間の一人をあえて生かしておき、最期の性交を自らと味わわせる。
それが全ての始まりだった。
「今日の最後の獲物は貴方ね―――、久しぶりに手応えのある人間達だったけど、残念。
アハトの夢魔姫兵隊を相手にしては、人間である事自体が敗因にしかならないのよ。」
エレノアは赤い髪をした少年―――年にして14、5だろうか。
騎士級ハンターの見習いと思える位に、性技も余りに稚拙であった少年に声を掛けた。
素手に家臣の夢魔に射精させられ、淫魔の呪縛に掛かっている。
「でも、唯では殺さないわ。そうね―――腕だけでも呪縛を解いてあげる。」
辺りに紫とも桃とも思える淫気が立ち込め―――少年が気付いた時には、エレノアは少年に覆い被さっていた。
片方だけでも人の頭位の大きさを持つ乳房が二つ、少年の胸板に押し付けられた。
何処までも大きく、そして柔らかい餅の様な感触が少年の脳を刺激する。
時に乳房を揺すり、その豊満な感触を余す事無く味わわせようとしていた。
「ほら――触ってもいいのよ?貴方の胸の上で拉げてるやわらかいおっぱい、触りたいでしょう?」
エレノアの問いに少年は頬を赤く染めつつも、ゆっくりと手を伸ばし胸へと到達させる。
むにゅん―――と擬音にすればそう聞こえるだろうか。
手の平では余りに支え切れない乳房が、少年の手を押し返す。
その重量級とも言えるバストを少年は荒く揉み抱き、先端の乳首を指で摘み上げる。
と言うよりも―――これ以上自分の胸に押し付けられる乳房の感触に恐れを感じたからだ。
彼女が軽く身体を揺するだけで、その乳房は凶器の様に少年の胸を這いずり回り刺激する。
その感触に絶える事が出来なかったのだ。
「ふふっ―――そう、もっと激しく揉んでいいのよ。今は貴方だけのおっぱいなんだから。」
少年に語りつつもエレノアは内心、余り乗り気では無かった。
自分の下で必死に胸を弄る少年に大した欲情を感じる事が出来なかったからだ。
「(―――詰まらないわね、もう殺しちゃおうかな―――。)」
エレノアにも男の好みと言う物はある。彼女は俗に言う年上の頼れる男が好み―――なのだ。
年下は勿論、同年代の夢魔の男も全く相手にして来なかった。
祖国の巨大淫魔界でも数少ない夢魔の男から求婚を求められていたが、全て断っていた。
彼女は淫魔界にある五つの公爵家の一つを任されているが、婚姻に興味など更々無かった。
自分がなる筈だった淫女皇を姉に奪われ、生きる意欲と言う物が既に失われていたからだ。
エレノアは乳房を少年に押し付けながら、ゆっくりと下半身へ移動し、顔を少年の突起した部分へと埋める。
そして、痛々しい程に勃起した少年のそれを舐め始めた。
「くぅ――ううっ――」
少年が少しずつ吐息を零し始めた。
生温かい彼女の口腔の中で、舌を這わされ、濡れた頬に包まれ、唾液塗れのモノを激しく吸引される。
豊かな乳房で少年の太股を挟みつつ、更に激しく粘着音を辺りに響かせる。
「じゅぶ―――ちゅるちゅる――んんっ――じゅぶっ!」
「いぅ――うああっ――や、やめ――」
少年は快感に思わず身体を奮わせようとしたが、呪縛がそれを許さず、唯恍惚の表情を浮かべるしかなかった。
まるで自分の身体が性器になったかの様に、全身を激しい快楽が走り出す。
少年はエレノアの頭をどかそうと手を伸ばすが、全て無為に終わってしまう。
エレノアの頭が激しく上下に動き始めたからだ。
「いやぁぁ――そんなに激しくしないで―――ふぅぁっ!!」
今まで以上に激しい粘着音が辺りに響く。
エレノアは喉の奥まで少年を包み込み、唇の先まで外部へ出すと、また喉奥まで飲み込んでしまう。
その間、精液を啜り出す吸い込みも決して忘れない。
乳房の膨らみも容赦なく少年の足を刺激し、乳首が少年の太股へ押し付けられる。
呪縛の掛かった人間は射精感を抑える事が出来ない。
エレノアの激しい愛撫に少年は成すすべも無く、先端から白濁液を奔出した。
「あぅぅ!――ふぁ――んぅ!!」
エレノアの口内は元より、激しい放出は彼女の顔や銀髪までも白く汚した。
噎せ返る様な雄の匂い。
どろっとした濃厚な白い精液が彼女を包み込む。
「ん――じゅる――んんっ、――ふふっ、若いから元気なのね―――こんなに沢山出してくれるなんて。」
顔にかかった精を手で拭いつつ、エレノアは藍色の瞳で少年を覗き込む。
息も絶え絶えになりつつある少年だったが、少年自身はまだ萎える事を知らなかった。
若いだけではない、エレノアは皇族の持つ特殊な性気を放っている。
それを吸い続ける限り、少年は死ぬまで勃起する事をやめる事が出来ないのだ。
エレノアは自分の手に付いた精液を全て舐め取ると―――勃起した少年のモノへ手を這わせ
ゆっくりと立ち上がり狙いを定め始めた。
「ふふっ、貴方の童貞チンポ―――私の下の口で食べてあげる。
良かったわね、死ぬ前に童貞を喪失出来て?大丈夫――じっくりと見せてあげるわ。」
エレノアはまるで少年に見せ付けるかの様に、スローモーションの様に、
少年の肉棒へ腰を宛がい―――そして、腰を降ろした―――。
「うっぐっ!?――ひぃあああっっっ!!」
肉棒が挿入されるに連れて、エレノア自身の膣が侵入して来た異物を逃さないかの様に収縮し、
根元から先端までを隙間無く締め上げ始めた。
濡れているのに激しいきつさも併せ持ち、正に男を搾る為に存在するかの様な膣内であった。
「ふふふふ―――何処まで耐え切れるかしらね。夢魔の味を文字通り死ぬほど味わいなさい。」
エレノアの豊かな腰が激しくグラインドされる毎に、少年のモノも激しく右往左往させられ、
抜く事も突く事も出来ず、唯々翻弄させられる。
呪縛が我慢を許さず、与えられる快感をダイレクトに脳へ送られる。
身動きすら出来ぬ少年の上で、エレノアは激しいダンスを披露する。
およそ少年に似付かぬその雄雄しき剛直が、彼女の膣を激しく押し開いていた。
「いいっ!いいのっ!!貴方――凄くいいっ!!」
エレノアが腰を揺する度に彼女の乳房が激しく上下左右に揺れる。
長い銀髪を荒々しく震わせ、藍色の瞳が怪しく光る。
既に彼女の股からは溢れんばかりの淫液が垂れ流され、少年の腰を伝い大地へと零れていく。
多くの夢魔達が彼女と少年のまぐわいを羨望の眼差して見つめる中、
エレノアは我を忘れたかの様に腰を少年に押し付け、例え様の無い激しい快感を貪って行く。
だが、その時少年が激しく腰を打ち上げ、自身をエレノアの子宮にまで押し上げた。
「えっ!?―――な、何?何で貴方―――ひゃうっ!?」
少年は己を膣奥まで突き上げつつ、激しく揺れる乳房に手を伸ばす。
手の平で乳房が柔らかく弾み、力を入れて揉むと何処までも拉げていった。
「駄目だよ、お姉さん。呪縛だけで勝利したと思うなんて―――」
赤い髪と赤い瞳をした少年は、初めて彼女に言葉を発した。
少年が腰を突き上げる度に、エレノアの肢体が激しく上下する。
少年の肉棒が膣内を押し上げる度に、エレノアは嬌声を上げる。
エレノア自身、皇女という立場上、常に呪縛の掛かった人間ばかり相手にしてきた。
本当の命のやり取り―――バトルファックとは常に無縁の代物であったのだ。
一方的な逆レイプしか経験して来なかった彼女にとって、反撃される事は予測さえ出来ないでいた。
動こうにも圧倒的な快感が脳を焼き尽くそうとし、彼女へ動く指令を出せずにいた。
「どうして私動けないの―――?」
初めてエレノアは恐怖を覚えた。
捕食する対象でしかない――誰をいつ食べたかなんて覚えている筈も無い―――
狩られる側の家畜が牙を持って反撃を始めたのだ。
恐怖に囚われたエレノアは少年から齎される快楽に身を任せ始めていった。
「くっふ――はぁぅん―――そんなっ――私が――感じてる!?」
「どうしたの?お姉さん?僕なんか大した事無いって、そう思ってたんじゃないの?」
更に少年は激しく乳房を握り締め、形が変わる位に揉み上げ、いつしか身体を起こし対面座位へと移した。
少年はエレノアを抱き締めつつ、更に腰を突き上げる。
鋭利な刃物の様な少年の肉棒が、彼女の膣内を更に押し上げる。
「くっ――人間如きが―――私をイカせられると――思うなっ!」
エレノアは少年の頭を掴むと、そのまま自らの豊満な乳房の中へ埋めてしまう。
夢魔である彼女の胸は埋没してきた少年の頭を余す事無く包み込み、ぴったりと張り付いた。
何処までも柔らかく弾力性のある乳房が、少年の顔を優しく受け止める。
「んぶっ!?―んんっ!ぐっ――!!」
少年はエレノアの腰に手を回し、顔を外そうとするも、少年の頭と同サイズの乳房は決して離れず、
もがけばもがく程に、彼女のおっぱいの中へ埋め込まれていった。
「どうしたの?――さっきまでの勢いは?―はぁっ、はぁっ、――寝たままでいれば、こんな事にはならなかったのにね。」
だが、エレノア自身も攻め込まれている事に変わりは無かった。
お互いに絶頂は間近であり、彼女は少年の動きを封じる事しか出来なかった。
自分の胸の中でもがく少年を見下ろしつつ、彼女は膣内を急激に締め上げる。
これで終わる――そう思った彼女は抱き締めている少年の髪の匂いを思わず嗅いでしまった。
「な――何これ――、甘い――匂いと香り。いや――何なの!?」
思わずエレノアは少年を離そうとするが、逆に少年の腕が腰に絡み付き離す事が出来ない。
今まで嗅いだ事の無い甘く切ない芳醇な香りが鼻腔を包む。
淫魔の体内に少年の香りが万遍無く放出されていく。
エレノアは本能的に危険を感じ取るも、それから逃れる術が見当たらなかった。
だが、少年もまた、エレノアの乳房の中で淫魔の淫気を吸い続けていた。
夢魔の凶悪的な乳房の感触が両頬を押さえ込み、少年の体内を淫気で充満させても緩める気配は見れなかった。
そして―――臨界点を越えた。
「いや――イク――イっちゃうぅぅぅ!!」
「んんっ!!んぶっ――んんんっ!!」
お互いに目の前が真っ白で染め上げられていく。
少年はエレノアの胎内へ白濁液を吐き出し、エレノアも激しく絶頂を迎える。
身体中の細胞が激しく躍動し、性交の頂点を極めし姿がそこにあった。
その情景に夢魔達も誰一人動く事が出来ず、唯眺めている事しか出来なかった。
程なくしてお互いに手の力を緩め、対面座位のまま息を荒げていた。
少年の肉棒はエレノアの膣内で歓喜に震え、エレノアの膣もそれを優しく包み込む様であった。
勝敗は―――引き分けだった。
「それじゃ――最初から呪縛に掛かっていたフリをしてた訳ね――。」
草原の上で二人の男女が横になり抱擁していた。
身長差か、少年がエレノアの乳房に顔を埋めながらではあったが――。
「ハンター協会も色々開発してるのは知ってたけど――、何か汚いわね。」
「でも、お姉さん、思ってたほど強く無かったね。僕の初めての淫魔だったのに。」
「うぐっ――、強かったら、君は死んでたんだゾ?良かったと言いなさいよね。」
生意気なことを言う少年の頭を一層激しく胸に押し込むエレノア。
だが、そこには優しさが垣間見えた。
「ぐっ――私は年上が好みなんだからね――勘違いしないでよっ?」
「僕だって、お姉さんみたいな強気な夢魔は願い下げだ――むぐっ!!」
何か失礼な事を喋りそうな少年を乳房の下敷きにしつつ、ふっとエレノアは空を見た。
自分の中で新しい何かが芽生え始めている―――そんな感触がそこにはあった。
「そういえば、私達まだ名前すら名乗っていなかったわね。」
「今頃気付いたの?お姉さんってもしかして馬――んんぐっ!!」
「いいから、聞きなさい。―――私の名はエレノア。
淫魔界アハト・ディールの皇女にして、夢魔の貴族、エレノア・ミッド・ジェネシスよ。」
アハト・ディール――。巨大淫魔界にして、5つの淫魔種族が存在する大型淫魔組織。
その世界の皇女である彼女がどれ程の存在なのか――経験の浅い少年にも容易く創造は出来た。
「別に自分を強く見せる為に説明したつもりはないからね。――それより、貴方の名前を教えて?」
エレノアは下敷きにしていた少年を解放する。
少しむせ込みながらも、少年も彼女の問いに答えた。
「僕の名前は―――クリフだよ―――。」
少年は最後まで言葉を繋げず、エレノアの胸の中で寝息を立て始める。
夥しい精液の放出は少年の眠気を刺激していたのだ。
「夢魔の目の前で眠るなんて―――何て子なの―――。」
こうして人間の少年と夢魔の少女は運命的な出会いを果たした――果たしてしまった。
この出会いが何れ来る大いなる災いの始まりである事を、二人はまだ予感すらし得なかった―――。
淫魔プリンス2 SEED Side Story
Please don't use this texts&images without permission of 葉桜.