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淫魔の洞窟 第四章

気が付いたら朝で、森の外にいた。僕はアルラウネを倒す事に失敗した事を報告し、家に帰った。
「ただいま。・・あれっ?村長??」
家に帰ってみると誰もいなかった。テーブルを見ると手紙があった。
「ジーニアス、王国で少し問題が起こってな、国王から帰国するよう言われたので、ワシは王国に戻る。一人で寂しいかもしれんが、頑張るんじゃぞ。そうそう、皇帝陛下が、お前の姉の遺品を渡しておいてくれと頼まれたので、手紙のと一緒に置いておくぞ。」
中を見ると金装飾してあるペンダントが入っていた。写真があり自分と姉そして両親が写っている写真が入っていた。僕はそれを常に身に付けるようにするつもりだ。寝る時も風呂に入る時も・・ずっと・・・
僕はもう夜遅いので早く寝ようと思い、布団に入った。・・だけど、二時間ぐらいしても、なかなか寝付けなかった。
5分ほどしてドアが開く音がした。
「泥棒でも来たのかな?」
僕は新品の剣玉を取り、カンテラに火を灯した。入り口に行くと、誰も入って来た様子はなかった。僕は明かりを消し、ベットに入った。
「いらっしゃ〜い♪」
「わあ!」
ベットの中に女性がいた。僕が入り口に行った、隙に潜り込んだ様だ。僕が逃げない様、両手でしっかり抱き締めている。女性は金のロングヘアーで、胸は普通の大きさだ。
「ふふっこの家は町から、離れてて、人通りも少ないから、忍び込むのは簡単だったわ。しかもこんな可愛い子が居るなんて、」
「何だよあんたは!!」
「私?泥棒よ、ついでにこの家にはどんな人が住んでるのかな?と思ってここで待ってたの。私も一応、反クリス軍の一員だし」
「この家には何にも無いから帰って・・」
「そうかしら?まあいいわ。坊やは朝まで寝といてね♪」
「ぎゃあ!!」
女性は、スプレー缶のような物を取り出し、僕の顔に吹きかけてきた。缶から煙がでてきた。麻酔ガスのようだ急に眠く・・なっ・・て・・
「さて、この坊やは朝まで起きないだろうし、ゆっくり調べるかな。あら、綺麗なペンダント・・これ貰って行こうっと。」




朝起きて、姉さんのペンダントが無くなっている事が、真っ先に分かった。金装飾してあるから売ればかなり金になる。僕はペンダントの事は諦めようと思い、ポストに行って手紙が着ていないか調べた。
「何・・この手紙は??」
(女泥棒より)と書かれていた。早速中を見てみた。
「坊や、ペンダント取られて、泣きそうな顔してるんじゃないの?とりあえず、売ったりしないから安心しなさい。返して欲しかったら、洞窟の地下50階まで来なさい。但し、洞窟に入ったら、地下50階に着くまで、一度も地上に戻っちゃダメ!もし帰ったら、ペンダントは、溶岩の中に捨てるわよ。男の子らしく、一発で来なさい。      
                              女泥棒  」
「姉さんのペンダントは、絶対に取り返してやる。」
僕は用意をしていたら、陛下の使者が来た。城に行くと陛下がディアに向かっていて、代わりに妃がいた。
「実は、貴方に頼みがあるんです。」
「僕にできることなら、何でもします。」
「ありがとう。実は昨夜城に賊が侵入して、私の部屋から、大事な指輪が盗んで行ったようです。そして、部屋にはこんな置き手紙があって・・」
手紙の内容は僕の物と殆ど同じだ。
「指輪はいただいたわ、返して欲しければ、淫魔の洞窟の地下40階まで来なさい。」
「どうでしょう?お願いできますか?」
「いいですよ。僕も50階まで用があるんでついでに・・」
「ありがとう御座います。」
妃の依頼を受けて、僕は改めて洞窟に向かった。入り口に先客が居た。
「君誰?」
「ジーニアスだよ。君はこんな所で何してるの?」
「僕はニルス、昨日の夜、泥棒に大事な物取られて、返し欲しかったら30階まで来いって。」
あいつは一体昨夜何回盗みをしたんだろ?子供から妃の物まで盗むなんて・・
「君も同じ?」
「そうだよ、僕は50階だけど・・一緒に行く?」
「うん。」
僕らは洞窟に入って行った。

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