最上階の部屋にたどり着いたスタンは、勢いよく扉を開けたがその部屋の中の状況に思
わず絶句した。
「ほら、また出ちゃいそうね?いいわよ、母さんの膣にいっぱい出して?」
スタン以外にこの塔に侵入していたのはリオンだった。スタンはあれだけの数の淫魔が瞬
殺された理由に納得した。リオンには対淫魔において最強ともいえるものがあったからで
ある。
彼にはつらい過去があった。十数年前。彼がまだ5才の頃の話である。その日は皆既日食
の日で、街の城壁に施されている結界の力がもっとも弱くなる日だった。その頃のリオン
の一家はバーチで商人をしており、それなりに大きな家に住んでいた。街の外からも目立
つほどの…。まさに太陽が隠れた瞬間のもっとも結界が弱まった時に、淫魔が一斉に街に
襲撃をかけた。街の自警団もそれを予想していたわけではない。街壁の内側を総力を上げ
て守ったが、その守備の隙間を抜けていく淫魔も少なくは無かった。そしてそんな淫魔の
1人がリオンたちの家に舞い降りてしまったのだ。
ルーティは在学していた一般学校に避難していた。しかしまだ幼いリオンは両親と共に
家の中にいた。舞い降りた淫魔に対し、戦士ではないリオンの父ヒューゴ・ジルクリフト
だったが、家族を立ち向かうために必死に淫魔に立ち向かった。善戦はしたが禁欲の鎖で
身動きを封じられてからはなすすべも無かった。
さらに現れた淫魔は、目の前でリオンの母クリス・カトレットを犯し、淫魔と変えてし
まう。淫魔となったクリスが最初の獲物に選んだのは、夫だった。淫魔化した母と父の猥
らだが恐ろしい光景にリオンはただ震えるしかなかった。そんなリオンに淫魔が間の手を
伸ばしたが、まだ精通もしていないことに気づき、そのまま飛び去っていった。そして母
クリスもそれについていってしまったのだった。
それ以降リオンはすべての淫魔と性行為にひどい嫌悪感を持っている。彼が戦士の道を
選んだ理由はそれ以外に淫魔を倒す方法が無かったからである。スタン自身育成学校時代
に彼が勃起したところをたことが無かった。たとえ教師に攻められようが、彼のモノは常
に下を向いていた。が、その彼が今なすすべも無く淫魔の膣に挿入させられ、精液を搾り
取られている。
「うぅ…うわぁぁ!」
ドビュルルル!
一体何度イかされたのだろうか。膣内に収まりきれない精液がモノが刺さったままの淫魔
の膣からあふれ出てくる。
「まだいっぱい出るわね、私のエミリオ坊や。ほら、もっと母さんに出して?」
恍惚な表情を浮かべながら淫魔がイッたばかりのリオンのモノを攻め立てる。
「うぅぅ…母さん…かあさん…」
それに答えるようにリオンも激しく腰を振り続ける。そうしてようやくスタンは状況を理
解した。今目の前でリオンに跨っている淫魔は間違いなくリオンの母親クリスであった。
「リオン!何やってんだよ!」
危険を感じ慌てて声をかけた。幸いまだリオンは声に反応する。駆け寄ろうとしたが結界
が張られているのか近づくことは出来ない。
「よそ見しないで、母さんだけを見て?」
しかしこちらを見ようとする首を固定するとそのまま覆いかぶさって唇をふさいだ。
「んん!ん〜〜〜〜〜!」
ニュル!ビュルル!
覆いかぶさって結合が甘くなったモノが射精の脈動に膣から抜け出しクリスの背中を汚し
た。
「もっと…今度はこっちにちょうだい?」
抜けたモノを掴むとクリスは膣の後ろにある穴に導いていく。
「うあぁ!きつ…!」
ビュルル!
初めてのアナルの感触にリオンは入れただけで果ててしまった。
「うふ…うふふ…」
そんなリオンにクリスは腰を前後させながら膣の外に漏れた精液をすくって口に運んでい
く。
「リオン!目を覚ますんだよ!リオン!」
「うぅ…あぁぁ…」
スタンが必死に呼びかけるが声が届いてないようである。
「リオン!」
「うるさいわね…そんなにわめかなくてもこの子が終わったら相手してあげるわよ。」
腰を前後に振りながら冷たく言い放つ。
「うるせぇ!リオン!お前はエミリオじゃなくてリオンなんだろう?!しっかりしろよ!
おいリオ…むぐ!」
沈黙の術によってスタンは口をふさがれてしまった。無詠唱の術はどんな低級のものでも
難易度が高い。かなりクリスはランクが高いようである。
(今日からお前の名前はリオン、リオン・マグナスだ。)
一瞬、リオンの耳に実父と同じく討伐中に淫魔にやられた義父の声が聞こえたような気が
した。呪縛から開放され、意識が戻る。
「ほらまたイッちゃいそうね、私のエミリオ坊や。」
目の前で腰を振る淫魔は紛れもない自分の母親。淫魔に犯され、死よりも淫魔になること
を選んだおろかな実母。
「僕を、その名前で呼ぶな。」
油断しきっているクリスに一言そう答えると、勢いよく指を広げられてがら空きのクリス
の膣内に突き入れた。
「な…ひゃう!」
突然の反撃に思わず喘声をクリスは上げてしまった。間髪いれずに体を起こすと、リオン
は目の前の乳首に舌を這わせ、反対の手で逆側の乳首を弄る。腰は禁欲の鎖をはめられて
いるのであろう、自由に動かすことが出来ない。
「いひぃ!!」
しかし経験が少ないピストン攻撃よりも育成学校時代から常にトップ成績のその他の攻め
のほうが与えられるダメージが多いことを彼はわかっている。彼が次席に終わったのはた
だ本番訓練が出来なかったからなのである。
「らめぇ…あらし…いっやう、きえやうぅぅ!」
既に感じすぎてしまっているのか呂律が完全に回っていない。
「ならさっさとイけ」
そんなクリスに冷酷なまでの眼差しでリオンはそう一言吐き捨てた。
「うひぃぃぃ!」
それと同時に絶頂を迎えたクリスの断末魔が響き、消滅した。
「リオン…」
結界は消えたが、どうにも近づきがたい。
「ふふ…」
そんなスタンを見ながらリオンはなぜか自嘲するように笑った。
「今の僕の本番技術じゃスタン、お前にも及ばない。だからしばらく僕は旅に出る。」
一瞬何を言っているのかわからなかったスタンだが、すぐにそれが伝言なのだと気づく。
「そして僕は…過去を断ち切る。」
そう言い残すと、リオンは部屋から去っていった。
「はは…」
素直ではないリオンの態度にスタンは笑うしかなかった。
カサ王国・カサ王城。そこは淫魔の本拠地であった。1つの大きな水晶球を囲んで3人の
淫魔たちがスタンの状況を眺めていた。
「大変です!ウョキウトの塔が…陥落しました!」
伝令係の淫魔がそれを伝えるが何も答えずに手だけで下がれと合図する。既に知っている
情報を伝えに来た伝令に答えるまでもないという様子である。伝令が去ったのを確認して
から各々が口を開き始めた。
「向日葵の君・ヒカリだけでなくあのクリスまで倒すとはね。」
「ゆーてもヒカリはほとんど自殺やん。クリスも確かに淫魔化人間じゃトップクラスかも
しれへんけどしょせんはやっぱ純淫魔と比べたらたいしたことないで。」
「でもヒカリは6つ星。クリスは5つ星よ?普通の戦士程度なら入れただけでイき死んじゃ
うんじゃないかしら?」
「まあなぁ…」
「なんにしても久々に骨のありそうな2人ね。特に…このスタンって子。」
この意見は全員一致で納得なのか、薄暗い室内に妖艶な微笑が響いた。
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