竿の奥に残っている精液まで搾り取るとヒカリはそれらを口に運びながら再び話し始め
た。
「次はお口で奉仕させていただきますね。私の唾液は飲ませるほど浸透率はよくないです
けど効果があるんです。だからそろそろ…」
ヒカリの言葉と同時に2度目の本効果の波がやってくる。
「ぐぅ!」
思わずスタンはうなり声をあげてしまった。肉欲の本能に体がのっとられそうになる。
「浸透率が悪いので本効果と同時に前効果も来ちゃうんです。苦しいですか?もう1度聞き
ますね。私と淫魔にも人間にも見つからないところで暮らしませんか?」
しかしヒカリの問いにスタンは必死の形相で首を横に振った。
「そうですか…」
残念そうな顔をするとヒカリはスタンのそそり立つモノを咥えこんだ。
ジュル…チュズル…
卑猥な音を立てながら翻弄されるモノの感触を媚薬で高ぶらされたスタンには耐え切れる
術が無かった。
ビュルル!ズビュルル!
3度目の射精。もうこの塔に入って何度出したかわからない。しかし吐き出される精液は未
だに濃厚で、ヒカリはその大量の精液をすべて飲み干した。返事を聞く時間をとっている
のかヒカリは息が整うまでスタンを見守っている。しかしその間にフェラによってモノか
ら吸収された唾液から3度目の本効果がスタンに襲い掛かる。本能に負けてスタンは肉欲に
溺れそうになるのを唇をかんで必死に押さえ込む。しかしこのまま攻められ続ければ分が
悪い。禁欲の鎖は既に外されているのだが媚薬の効果と射精の疲れで体がまったく動かな
い。せめて挿入さえ出来れば勝機はあるというものだが…
「次はここで奉仕させてもらいますね。遠慮せずにいっぱい出してくださいね。」
これは運がいいとスタンは思った。ヒカリはスタンに跨るとゆっくりとモノを腰に沈め始
めたのだ。
(これなら勝てる!)
ぎりぎりの状態で見えた勝機にスタンは激しく腰を動かそうとした。しかし、
「〜〜!!」
声にならない声を上げてスタンは思わずのけぞった。何をされているわけでもない。しか
し先ほどの数倍の肉欲の波が体に電流のように走ったのだ。
「ん…私の愛液は…唾液の5倍くらいの濃度の媚薬なんです…」
ヒカリの言葉に一瞬見えた希望の光が闇に閉ざされる。浸透率が悪いといっても5倍の濃度
ならば即効性の効果も抜群だ。そして遅延効果の本効果の波の短さも威力も5倍のようであ
る。一気に襲い掛かる2つの波に必死に保っていた理性だったが、
ビュルル!ビュルルル!
数度動かされただけであっさりと果ててしまい、その快感の波についに理性が吹き飛んだ。
「うおぉぉ!」
先ほどまでまったく体が動かなかったのが嘘のように叫び声と共にスタンはヒカリを押し
倒すと腰を突き出した。それは戦士が淫魔相手に行うべき攻撃の責めではなく、ただ自分
の快楽のための責め。快楽に身を任せて腰を動かし、
ドビュル!ビュルルル!
躊躇無くヒカリの膣に精液を吐き出す。
「おにいさ…まって!…」
快感はあるがそれほど強くはないため理性を失ったスタンを必死にヒカリは呼び戻そうと
するが、まったく耳に届いては居ないようだ。
(このままじゃいけない…)
このまま腰を振り続ければスタンはあっさりと絶命するだろう。淫魔としてはそれでいい
のだが、ヒカリはスタンを殺したいわけではない。しかし今のままではあのときの男のよ
うに彼は自らの欲望のままに腰を振り続けて死ぬだろう。
(駄目!)
スタンの危険を察知し、ヒカリはスタンの動きを抑制するように体を丸める。しかしスタ
ンはお構いなしにヒカリを抱きかかえるとそのまま腰を振り続けた。そしてもう何度目か
の絶頂に達する。もう精力は尽きかけているはずなのだが吸収され続ける高濃度の媚薬の
効果で高ぶりが収まらない。
(これで!)
といっても抱きかかえた状態の責めはそれほどすばやくは出来ない。引いた瞬間を狙って
ヒカリはスタンの竿の根元に禁欲の鎖をはめ込んだ。
(これでイクのは防げるはず…)
構わずスタンは腰を振り続け、絶頂に達する。しかし何度腰を突き出そうともモノから精
は噴出さない。
「うう…」
達成感のやってこない絶頂にスタンはうめき声を上げ、更なる絶頂を得るためにより激し
く腰を振る。しかし再びやってきた絶頂にも精は噴出すことが無かった。
「うぅ…いかせろ…いかせろ!!」
満足できない絶頂に精を求める獣となったスタンは癇癪を起こしそう激怒すると、先ほど
の自分だけが快感を得るためだけの責めから相手を感じさせる攻めへと変更し腰を降り始
めた。
「はぅん!ああ!」
その力強く、激しい攻めにヒカリの口からあえぎ声が漏れる。
(そう…それでいいんです…)
スタンの攻めに抵抗することなくされがままにヒカリはなった。
(私をイカせれば媚薬の効果は消滅する。あなたが死ぬことはなくなるんです。)
「ひぐぅ!はぅん!」
無抵抗のままヒカリはスタンの攻めを受け入れた。それどころか先ほどスタンがやってい
たように自分の快感を更に大きくするため、自らの手で自らの胸などを愛撫する。
「うぐぅあぁぁ!」
かといって散々精を吐き出してすべりがよくなり、無抵抗だといってもヒカリの膣内は今
までスタンが戦ってきたどの淫魔の膣内より強力だった。
「あぅん!はぁん!」
いつもならこの程度の攻めなど精神力でどうとでもなるヒカリだったが、そういった精神
的な抵抗もやめている。精の放出を抑制しているため淫魔独特の射精を受けることによる
鎮静効果はなく、どんどんと高められていく。ヒカリの中にスタンの精がほしいという欲
求が湧くがそれを必死に抑える。今抑制を解けば抑えられた大量の精液が噴出し、スタン
は間違いなく死ぬだろう。それだけは防ぎたかった。
「だめ…イク…イクぅぅ!」
「ぐあぁぁ!」
数十分続いた激しい攻めにヒカリはついに絶頂に達し、無意識に膣を収縮させてしまう。
それだけでスタンも絶頂に達するが、やはり抑制されているためか精液は噴出さない。
ビクン!
絶頂に達し、消滅する寸前にヒカリは激しく仰け反った。その瞬間ヒカリの膣を通してス
タンに大量の生命力が流れ込んでくる。それは房中術と呼ばれるお互いの気を循環させる
術だった。本来人間が淫魔に精気を吸われそうになった瞬間に行う奥の手であり、淫魔で
ある彼女では魔力の生命力への変換が完全ではなかったが、スタンの命をつなぎとめるに
は十分の生命力が注ぎ込まれ、ヒカリは消滅した。
「うぅ…」
ヒカリが消滅することによって結界は解かれ媚薬の効果も消滅し、ようやくスタンは意識
を取り戻した。しかし何も覚えていないわけではなく、逆にすべてのことを覚えていた。
「なぜだよ…」
ヒカリのとった行動にスタンはそうつぶやくとうなだれるように座り込んだ。
十数分がたち、スタンは気を切り替えて地下室から現れた。自分の中にヒカリの魔力と
生命力を感じる。こんなところで立ち止まってはいけないんだと顔を上げると2階へと続く
階段を上り始めた。
(構造上やはり研究室は最上階にありそうだ。それに…)
周囲にはすっかり淫魔の気配は消えたが上のほうにまだ強大な気配を感じる。もし最上階
が研究室ではなくても上から調べていくほうが帰りが楽である。スタンは気合を入れると
まっすぐ最上階を目指して進み始めた。
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