ここは平和な世界ヴェルス、かつては争いなど、何処吹く風とまで言われるぐらい平和だったこの世界も、四千年程前ある魔道士が禁呪を使い、世界にサキュバスを生み出した。彼女達は若い男を捕まえ精を搾り尽して子孫を増やしていった。勿論精を搾り取られた人間は死ぬので人口は激減した。当たり前のことだが、女性にも被害が無かった訳では無い、女性はサキュバスによって淫魔に変えられるか、或いは人間の姿のままサキュバスの配下になっている者もいた。
自体を重く見た、大国ディアの国王はその淫魔を倒せる者はいないかと思い、倒した者には褒美授けると勅命を出し、かなりの男達が集まった。しかし誰一人倒せる者はいなかった。
だが、リースという一人の青年の活躍によりサキュバスの女王が倒された。頭を失った女性達は混乱し、国王自ら出陣した軍により壊滅させられた。世界に平和が戻った誰もがそう信じたかった・・・
数千年後、禁呪が書かれていた本を偶々発見した魔道士、魔法自体の名前は失われた文字の為不明だったが、呪文は現代の言葉で書かれていた。魔道士は「何か強力な魔法じゃないか」と思い、それを使ってしまった。その魔法は紛れも無く四千年前人々を恐怖に陥れた魔法だった。その魔道士はサキュバスの女王を蘇らせてしまった。サキュバスは急激に増加し、四千年前の恨みを晴らすため、人間に復讐するだった。被害は国一つ滅ぼしかねないものだった。
現国王は直に討伐軍を編成したが、敵は討伐軍の二倍の数だった、さらに剣や槍等の攻撃が一切効かなかった為返り討ちにあった。後の研究で魔法、もしくはセックスで相手を逝かせれば倒せることが判明した。最悪の事態だった。魔法士は極僅かしかいない、セックスで相手を逝かせるのも至難の技だ。どちらも一般人には不可能なため、サキュバスによる被害は拡大する一方だった。人々は絶望した。しかし希望はあった。
あのサキュバスの女王を倒した青年の子孫がいたのだだ、その者名前はジーニアス、十代前半の少年だった。
「それは、真なのか!!」
国王はあの英雄の子孫がいると聞き耳を疑った。
「間違いありません!!」
「何と・・我等にはまだ、大きな希望があったのだな!!」
「はい!!・・しかし・・」
「どうした??」
国王は兵士長が問題でもあるように発言をしたので聞いた。
「その者はまだ、幼い少年です。」
「少年!!・・しかし我等に残された道は一つしかないのだ・・・その少年を城に呼べ。」
「分かりました。」
数時間後水色の髪をし、瞳が青い少年がやって来た。いや正確に言えば強制的に連れてこられた。
「よく来てくれた、ジーニアス。お前を呼んだのは他でもない、この国が今どういう状況にあるかは言うまでも無い。サキュバスによって人口の激減、国内には淫魔が大量にうろついている、そして同盟国の王ゲイル殿が殺された。」
「はい、誠に残念です。」
ジーニアスは哀しそうな顔をして言った。
「このままでは我が国も危険だ。そこで英雄リースの子孫である、貴殿を呼んだのだ。どうだ女王を倒す任務引き受けてくれるか?」
「はい!!僕で良ければ喜んで引き受けます!!」
「おお!!そうか、やってくれるか現在この事を知っているのは、私と兵士長だけだ。この事は内密にしよう御主はまだ幼い、世界を救うという民の期待に耐え切れぬかも知れんからな。」
「はい。ではこれより旅の準備をしますので。」
「うむ。」
ジーニアスは城を後にした。実家で荷物をまとめ、家族の墓参りをし少年は都ミルディアンから旅立った、最初の目的地は最近サキュバスの目撃情報が多い、ミルディ街道だった。
数時間後・・・ミルディ街道に着いた暫く歩いていると、二十代前半ぐらいで赤のショートヘアーの女性が三人の男に襲われていた。
「ゲヘへ姉ちゃんこんな所で何してんだ」
「只散歩してるだけです。それが何か・・」
冷静に言う女性、男達は一瞬「変わてるな」と思ったが、気にしない
「そんなに暇なら俺達の酌でもしてもらおうか。」
一人の男が女性の手掴もうとした時、その男の悲劇が始まった。
「ヘルファイアー!!」
「ぎゃあああああ!!あっちーーーーーーー!!」
魔法を受けたのが頭だったみたいだ。そいつが逃げ出すと二人は付いて行った。
「大丈夫ですか?」
「えっええお陰様で・・」
女性は何が起こったのか分からない様子だ
「此処ら辺は、今みたいな奴等が多いから速く町に向かった方が・・」
ジーニアスは辺り見回していた。
「ええそうするわ、でも貴方のお陰で・・・」
女性はジーニアスを後から抱き締め胸を触ってきた。
「なっ何!!僕何かしました!!」
慌てるジーニアス「まっまさかこの人」と思った時には既に遅かった。
「獲物が逃げちゃったわ・・責任とってね」
「あっあなたはまさか!!」
「そうサキュバスよ」
振り返ると黒い翼が生えていたのが分かった。ジーニアスはサキュバスの手から逃れようと思ったが、力は相手の方が上だった。
「暴れないの・・ふぅー」
ジーニアスの顔を横に向け、ピンク色の吐息を吹きかけてきた。
「ゲホッゴホッ・・・・何この煙・・」
「ふふ時季に分かるわ。さてお楽しみの時間よ坊や」
Please don't use this texts&images without permission of ハル.