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乳魔6

コールはしばらくのけぞって悶えた後、乳魔の背中に突っ伏した。
乳魔の膣にとらえられ、敗れたペニスは、延々と快感の渦に溺れ、精液を吐き出し続けている。

「あやや、随分と精液の活きが悪くなってきましたねー。もうダメになっちゃいました?」

少女は口を尖らせて、無造作に腰をくねらせる。
コールを絶頂に導いたカズノコ天井が、赤子のように無防備なコールの裏筋をくすぐった。

「っ………!!!!」

コールの体が少女の背中の上で跳ねた。
甘い激痛をともなって、コールの限界まで膨れ上がった亀頭がさらにふくれあがり、びゅっ! と一際激しく大きな精の塊が搾り出される。

「あは♪ やればできるじゃないですかー」

コールの熱い飛沫を胎内に受け、少女は嬉しそうに笑った。
が、それも束の間。命の雫を搾り出されたコールの体は少女の背中にだらしなく身を預け、射精も勢いを失っていく。

「むー」

少女は不機嫌そうに唸って、また腰をくねくねと動かした。

「!!! !!!!! !!!!!!! !!!………」

可聴域を越えた悲鳴をあげて、コールが悶絶した。
どくっ、ごぽっと、ペニスが今まで味わったことのない不自然な脈動を繰り返す。

「うぁ。不味っ」

コールの文字通り懸命の射精に、しかし少女は吐き捨てるようにごちて身を起こす。
コールの体はくたびれた布団のように草の上に投げ出された。
もはや胸の上下さえ傍目にはうかがえない。垂れ流される精液の白が草の青の上に広がっていく以外になんの動きも無い。
出来の悪いアニメのような光景だった。

(……だめ…だ……)

勝てない。
強すぎる。
精気を搾られ、活力を失った心身では、もはや黒い塊を押さえることはできなかった。

1度目は、乳房のたった一撃で無様に射精させられた。
2度目は、相手の弱点をつきながらもあっさり逆転されてしまった。
3度目は、責めた自分の方が感じさせられてしまう体たらく。
そして4度目… もはや乳房をつかわせることさえできなかった。

思い返せば、バカバカしいほどの圧倒的な完敗の連続。



それでもまだ、乳魔はパイズリさえ披露していない。



「あー、重かった」

少女は日向の猫のように目を細め、伸びをする。
突き出された乳房が健康的に弾け、揺れる。


ぴゅぅっ!


草いきれの中に青臭い噴水が上がった。

身動きひとつしないコールの股間で、ペニスだけが別の生き物のように跳ねる。
あまりに滑稽なコールの姿に、乳魔ははばかることなく大口を開けて笑った。

「ったくお兄さんって、今までどんな淫魔を倒してきたんですか?
 なんか想像つかないんですけど、お兄さんにイかされる女の子って」

「………!!」

コールの脳裏に、一人の少女の影が浮かんだ。
つい昨夜、自分と死闘を演じ… 絶頂した少女。

(バカにするな…)

声は出なかった。口は反開きのままよだれを垂れ流していた。
それでもコールは叫んだ。乳魔に向けて魂の叫びを上げた。

(バカにするな……!!)

ぎりっ……

コールは土に爪を立てて草を握り締めた。

………?

手が、動いた。
もう乳魔の哄笑は耳に入らなかった。
握り締めた草の感触を確かめる。

淫魔に呪縛されたはずの手が動き、大地にしっかりと食らい就いている。
乳魔が呪縛を解いた様子はない。
やつはまだ笑っているだけだ。

これは……!

限界を超えた肉体が、新たな力に目覚めたのか。

コールの心に再び希望が蘇ってくる。
それは体に力を蘇らせた。

ペニスから垂れ流されていた精液が止まる。

いける!

「うおおおおおおおおっ!!!」

雄たけびを上げてコールは立ち上がった。

「バカにするなぁーーーーっっっ!!」

さっきは心の中に響かせることしかできなかった咆哮を、口から出して乳魔にたたきつける。
そのまま乳魔の小さな体めがけ、コールは跳びかかった。

乳魔は目を驚きに見開いて、息を呑む



ようなことはなかった。



「あ、お兄さん、やっと呪縛に耐性がついたんですね」

乳魔の肩に手をかけたまま、コールの動きが止まった。

目を驚きに見開いて、息を呑んだのはコールの方。

「な… んだと…?」

はじめは、本当に何を言っているのか分からなかった。
ただ、乳魔の屈託無い笑顔がひどく恐ろしく感じられた。

「よかったー。これでやっと、お兄さんのこといじめられます♪」
「な……に…… 笑ってるんだ……」

狼狽して、かすれた声しか出ないと分かっていながら、
コールは虚勢をはるしかなかった。

「オレは、お前の呪縛を打ち破ったんだぞ!?」
「はい、何回も呪縛したり解いたりしてたら、そのうち呪縛に耐性がついちゃうんです」

心の拠り所。
それさえも、乳魔の胸の内。

「な…なんで…」
「だってー、呪縛されてるオトコなんていじめてもつまんないじゃないですかー
 動かないし抵抗しないし、どこをどう責めても性感帯だし」

何を当たり前のことを。とばかりに少女は笑った。
今までで最高の笑顔だった。

「さ、お兄さん? これからが本番ですよ? 覚悟はいいですか?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

コールは逃げた。
恥も外聞もなく少女に背を向けて走り出そうとした。

その一歩目を踏み出そうとしたところに、すでに少女の足がひょいと突き出されていた。

「ぶっ……」

顔から叢に突っ込むコール。
起き上がろうともがく体は、しかし泥の中を泳ぐようにままならない。

「うふふー♪」

ゆさり。

コールの背後で乳魔の乳房が揺れた。

「うぁぁぁぁ! スティア! スティアあああー!!」

敗北、いや、破滅の予感に、コールは絶叫した。
最後を感じた瞬間に、絶叫したのは彼女の名前だった。

「スティア? むー。女の子の名前っぽいですねー」

乳魔は容赦なくコールを背後から抱きすくめた。

乳房がコールの背中で潰れた。

「あっあああああー!!! すてぃああああああああーーーー!!!!」

びゅっ…

乳魔の腕の中で、コールはもがくことを止めた。
ぴん、と天をついたペニスから、精液だけが乳魔の胸から逃れ、数m先へ散った。

「女の子の名前でいいんですか?」

コールはひとしきり震えた後、かくん、とうなづいた。
もはや逆らうことなど不可能だった。

「むー、わたしの前で他の娘の名前を出すなんてー」

少女の不機嫌そうな声。
コールは震えあがった。
勃起していなければ失禁していたかもしれない。
コールの勇気も誇りも、想いも、死の恐怖が塗りつぶしていく。

「悪いひとですねー。どーしてくれましょーか」

むにぃっ……

さらに押し付けられた凶器。
身も心も包み込まれるほどの大きさ。
身も心もとろけさせるほどの柔らかさ。
身も心もたかぶらせるほどの弾力。

死の恐怖を、快感への期待が塗りつぶしていく。
その感情に、コールは心底から戦慄した。

これが、負けるということ。
これが、堕ちるということ。

「あ…… あああ……」

つーっと、涙が滴った。
あまりの絶望と幸福で、頭が真っ白になっていく。

「よし、決めました」

少女がつぶやく。死の宣告。
コールは天を仰いだ。



「わたしの名前、スティアにします」



「……は?」

耳元に囁かれた言葉に、コールは開いたままの唇から抜けた声を漏らした。

「どもあらためまして。乳魔スティアと申します♪ これからはいくらでもわたしの名前を叫んでいただいてけっこうですよー」

しばらくはワケが分からなかった。
とろけた脳にその言葉の意味が染みるまで、かなりの時間を要した。
そして、ようやく少女の宣告が飲み込めた時、

「…きっ、きさまっ!!」

そのあまりの冒涜的な行為に、脳天が沸騰し、

「えい♪」
「あふぁ」

次の瞬間には、頭に昇った血は軒並み股間まで下げられていた。
乳魔の…… スティアの細い小さな指が、コールの亀頭にからみついていた。

「それじゃあ…… はじめましょーか。おにーさん♪」

少女はにっこりと笑った。
最高の笑顔だった。

「あ…… ああああああああああーーーっ!! スティアぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっっっ!!!!!!」

どぴゅぅっ!!!

コールは射精した。
最低で最悪の、そして最高の射精だった。
まぁ、いろいろ試行錯誤したが。

つづく。

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