「………」
あの後、適当に休みを取りつつクラウ湖まで向かっていた
もう明け方か……クラウ湖まではあと少し
とは言っても待ち合わせの時間までまだ半刻以上ある
僕はポケットにしまっていた地図を広げ、そこら辺の草むらに座った
「コートルークの町から、もう20kmは歩いてきたか……」
ここから先はだだっ広い草原が続いている、通称“美しき草原”
だが、今は淫魔達がよく出没する旅人にとっては恐ろしい場所になってしまった
この草原を越えた先にクラウ湖はある、が
(ここを超えるのは得策じゃないな)
補給物資や先輩などがいない今、ここを強行するのは非常に危険だ
ならば、と地図に再び目をやる
草原を迂回するように、東側に山が連なっている
山から更に東は海、つまりこの山がこの大陸の東側の境界ということである
この山、淫魔が美しき草原に現れるようになってから山道が作られた
山道の途中には村があり、安全に旅が出来るようにはなっている
(ここを超えてクラウ湖までいけば、丁度今日の夕刻には着くだろう)
僕は山道を通ることを決めると、早速山道入り口の方向へと移動することにした
山道はなかなか険しい道ではあるが、淫魔と会うことなくスムーズに進んでいる
この調子で行けば、昼頃には途中の村に着くこともできるだろう…
だが、旅は順調だったが、僕の心の中は落ち着きがなかった
不可抗力、そういう言葉が浮かぶ
だが僕は戦いから逃げ、先輩と離れ、淫魔と手を組むことを選んだ
淫魔を倒し、アキを救うために
(……迷うことはできない)
僕は必ずアキを救うことを誓った
だから、今更ここから逃げることなんて出来ない
(細かいことは、後で考えるさ)
僕は山道を進む
だが、足を止めた
決意が揺らいだのではない
「…………」
この雰囲気
間違いない、淫魔がいる
「出て来い!」
僕は力強く叫ぶ、すると淫魔は別段惜しむことなく姿を晒した
数は……2
どちらも人間の姿をした淫魔だ、ということは特殊淫魔ではない
五大淫魔のどれか、ということになるが…
「うふふ、ここで待ち伏せしてれば必ず人間が来ると思いましたわ」
「私たちの草原に来ないなんて、冷たいんじゃない?」
一人は上品に、もう一人は勝気そうに喋ってくる
どっちも背は僕と同じぐらいか、ロングヘアーで全裸の女性…
2対1はこの間の特殊淫魔戦の時でも経験したし、大丈夫とは思うのだが
あの時は正直、先輩がいなければ負けていた…
今回のこっちは本当の意味で、僕の助けになってくれる人はいない
自分で、なんとかするしかない
「………」
僕は無言で構える
「もう、急いちゃって…そんなに早くイキたいのかな?」
勝気な淫魔が挑発してくる、が、乗るわけにはいかない
「死にたがり、ならぬイキたがりってとこですか?」
「……時間がない、来ないならこっちから行くぞ!」
僕は2人の淫魔とじりじりと間合いを詰めていく
淫魔達の方もゆっくりと左右に別れていく
僕は左に行った勝気な淫魔に向かって攻撃を仕掛けることにした
手で、乳房を愛撫する……
形のいい双乳が僕の手の中で踊る
「んっ…さすがに、なんの抵抗もなしにイってはくれないよね」
勝気な淫魔は台詞を返してはくるが、どうやら効いてる感じだ
横目でもう一人の淫魔の様子をさぐる、さっきの場所から動いてない
二人一緒に攻めてくると思ったから、少々拍子抜けしたところはあるが…
一体ずつというのなら都合がいい、一気に倒してしまおう
僕は勢いづいて、胸の攻撃のテンポを速める
「……んっ、もう、調子に乗ってぇ!」
「ぐっ?」
勝気な淫魔は突然僕の首に両手を回し、両足で腰を挟み抱きついてきた!
「く、何を……」
淫魔の全体重が僕の体にかかり、僕はそのまましりもちをついてしまう
「ふふふ、面白いことしてあげる!」
「ふぐっ…!?」
淫魔は足を僕の体から離すため一瞬身を引いたが
次の瞬間には仰向けの僕に淫魔は少し自分の体を前に出し
胸を僕の顔に押し付けてきた!
「んんっ、んっ……!?」
「ふふふ、どぉ?私の胸の味は?」
この淫魔の胸はそんなに大きくはない…Cぐらいか
だがこれは…
「くっ、ふ……」
顔を逸らして脱出しようと試みるが、淫魔は解放してはくれない
上手い具合に胸の位置を変え、僕の動きを読んでいるからだ
「もう、私の胸の中で変な声出さないでくれない?」
「く、うううう!」
僕はそれどころではなかった、このままでは窒息してしまう
「ふふふ、はい、空気ですよ〜♪」
まるで僕の心を見透かしたかのように、淫魔は胸を僕の顔から上げる
僕はたまらず空気を吸い込む
だが次の瞬間、また双乳が僕の顔に覆い被さる!
「んぐっ」
「うふふふふふふ」
勝気な淫魔はこの状況を楽しむかのように笑っている
くっそ、なめるな!
僕は立ち上がろうと本腰を入れる
だがそれは許されなかった
「くっ…!?」
足……ひざの辺りを押さえつけられている
僕の顔を胸で閉じ込めてる淫魔は足は広げて外に投げ出している
ということは…もう一人の淫魔か!?
「そろそろ私達の正体でも教えておきましょうか」
「………!?」
完全に視界がふさがれていてどうなってるのかわからない
だが、次の瞬間、すっかり勃起してしまったペニスにスリスリとした感触が撫でつけられる!
「ふ、ぐ……!?」
手とは違う、ペニス全体をローラーのように這うこの感触
だが淫魔のそれであることは間違いない、快楽を呼び起こす……
「私達は、“足淫魔”…その様子だと、戦うのは初めてみたいですね?」
「……!」
足淫魔…
確かに5大勢力の中では、唯一戦っていない淫魔だ
初めて戦う相手、しかも2対1…
これは結構マズいかもしれない
「では、しっかりと体に植えつけてもらいましょうか…私たちの感触を」
「う、ふううっ!?」
スリスリスリ…ペニスに這う快感が、より強くなっている
これは、両足の裏で、愛撫されているのか…!?
と、胸から解放される、空気を反射的に吸う
「足淫魔だからって、足だけだとは思わないことねっ!」
そして再び胸に埋没させられる
(くっ、脱出、できない……っ!)
2人に押さえつけられた状態では、なかなか脱することができない
しかも胸のいい匂いがだんだん僕の脳天に直撃する…
(やばいっ……!)
だが、思いとは別に、僕は胸の攻撃に溺れていく
頭が、ぼーっとしてくる…
(こんなところで…ダメだ!)
「こっちもしっかりマッサージしておきましょうか」
と、足の愛撫をしていた淫魔が、今度は玉袋も足の指と合わせてマッサージしてきた!
片方の足で玉袋を、そしてもう片方の足は、ペニスをしっかりと愛撫してくる
「う、ふううううっ……」
「我慢汁が出てきましたね…そろそろ限界も近いですか?」
更に攻撃を強める足コキ、射精を無理矢理促すかのように
足の指が亀頭を責め、精液を外に送ろうと玉袋が足で揉まれていく
くそ、耐えきれない…!
僕は抵抗を試みようと腰に力を入れ、射精を防ごうとする
「我慢なんてさせないよ」
だが、胸で僕の顔を圧迫していた淫魔が、両手を僕の頭の後ろに回し
更に強く胸の中に僕の頭を埋めさせる
その際にモロに僕は淫魔の香りを喰らい、頭の中の理性が吹っ飛んだ
僕は力強く淫魔の体を抱きしめ返した
ドピュピュピュピュピュピュピュピュピュピュピュッ!!
白濁液は天を舞った
「ふふふ……気持ち良かったですか?足は」
2人の淫魔に解放されたが、僕は放心状態になっていた
(くそ……力が、出ない)
「足でイクなんて、変態さん……♪」
勝気な淫魔が僕の目を覗き込んで来る
「ねーねー、次は私がイカせていい?」
「ふふふ、かまわないわよ…病み付きにさせてあげましょう」
と、まだ僕の体力が回復していないというのに、2人の淫魔は僕に次の攻撃をしようとしていた
勝気な淫魔が僕のペニスに腰を押し込んでくる
「いっくよ♪」
「ちょ、まっ…!」
僕の静止の言葉も空しく、彼女は僕のペニスの上で激しく腰を揺らし始めた
「あああああああああっ!!」
さっきとは打って代わって、僕は情けない声をあげた
「足淫魔の素股は絶品でしょう…?」
上品な淫魔が僕を見下す格好で言う
ペニスは間に挟まれ、ひたすらこねくりまわされる
「ほらほらっ、どう? 気持ちいいでしょう?」
「ああ…もう……やめてくれぇ……」
「やめてほしくなんてないくせに、ほーら、もうイキそうだ!」
リズミカルな腰の動きに合わせるように、僕のペニスは段々射精感が高まっていく
彼女は僕の胸板に両手を置いて、逃げれないように固定する
「も、もう……っ!」
「ふふふ、トドメね!」
最後に一際激しくペニスが擦られ、僕は限界に達した
再び白濁液が飛び出る……
その白濁液の中に僕の体力の元があったかのように、僕の中で何か力が抜けていく…
マズイ……もう、意識が………
このまま、死ぬまで、吸われるのか………?
…………
目を開く
気が付けば淫魔達は消えていた
いや、ここは……山道でもない?
見えるのは、天井
どうやら、何処かの家の中らしい
状況を確認してみる
布団で寝ている僕
うーん……確か、足淫魔たちに負けて、死にそうになってた気がするんだけど
起きてみる、手足は動くみたいだ
と、何かがポトリと落ちる
タオル……
どうやら僕の額に被せてあったらしい
誰かが、助けてくれたのか?
僕はキョロキョロと辺りを見回す
普通の一軒家……のようだ
ここは寝室のようで、奥の方に居間のようなものが見える
と
「あら、気がついた?」
居間の方から声、こっちに来る
普通のおばさん、と言った感じの人だ
「ここは……」
「感謝してね、ここのレジスタンスの人があなたが淫魔にやられそうになっているのを助けてくれたんだから」
「レジスタンス…じゃあ、ここは」
僕の言葉におばさんはゆっくりと頷く
「山脈の中間にあるこの村…ロスト村はレジスタンス部隊で構成された村なのよ」
続く
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