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スライムバスター 七戦目 (勝ち)

かなり苦戦した末、メタリカを倒した僕は上級職へのクラスチェンジをするために転職の神殿に来ていた。
そう、いよいよスライム狩人からスライムバスターになるために!
ちょうど今月は2年に1度の認定試験があるんだ。
通過できるかどうかは、初挑戦の僕にはわからないけど・・・試験を受けるための条件は、「スライムを30匹以上倒すこと」それだけだ。

一応その条件はクリアしている。
倒したスライムの数にはルルやミリアもいれている。
でも「スライムを30匹以上倒すこと」は本当に最低限のハードルであって、結局のところは試験官の出すたくさんの問題をクリアしなければならない。
毎回の試験傾向からして、筆記ではなく実技重視ということらしい・・・。
今回の受験者は27人。みんな強そうな人たちばかりだ。
中には女性も二人いる。この人たちとも戦うのかなぁ?

しばらく待っていると、試験が行われている神殿の一室から僕を呼ぶ声がする。
「受験番号3番、ウィルさん。中へどうぞ。」
部屋に入ると、三人の神官が一列に並んで座っていた。みんな美しい女性だ。
その中で一番かわいい印象の神官が僕に向かってニコッと微笑む。
「ウィルさん、遠いところをご苦労様です。どうぞそちらに座ってください。」
神官に勧められるままに椅子に座る僕。目の前の机には水晶球がある。
「では・・・そちらに左手を乗せてもらえますか?」
いわれたとおりに手のひらを乗せたところ、水晶の中がモヤモヤと曇り始めた。

その中を真剣に覗く三人の神官たち。すぐに起こる驚きの声。
「あ、あなた・・・はぐれメタルを倒しているの!? それだけでもスライムバスターの資格は充分に満たしているわ・・・」
この水晶の中には、僕の輝かしい(?)戦歴が写っているらしい。
たしかにいろんな敵と戦ってきた。
「倒したスライムの中には皇族まで・・・ウィルさん、よく生き残れたわね」
皇族とはルルやミリアのことだろうな。
「しかも戦いの後に彼女たちの『心』まで手に入れたのね。一流のスライムバスターでもなかなか拾えないのに・・・すごいわ。」
時折驚きの表情を見せながら、神官たちは手元の用紙に次々と記入していく。
しばらくして、一番年長者であろう美しい神官が僕に向かって微笑んだ。
「ウィルさん、ずいぶん精進なさったのね。本当はこの試験は5次まであるのですけど・・・あなたの場合はそれら全てを免除します。その代わり、いきなりですけど最終の実技試験を受けてもらいます。よろしくて?」
神官からの突然の提案に驚きつつも、僕はペコリと頭を下げていた。

三人の神官たちは椅子から立ち上がり、水晶球付近に魔法陣を敷き、呪文を唱え始める。
すると、魔方陣の真ん中に極めて薄い緑色をしたスライムが召還された。
バブルスライムだ・・・。そういえば、戦いの中でたまに毒を食らったこともあった。
今回のバブルスライムはバストはあまり無いけれど、手足がすごく長い。
髪の色は濃い緑色でショート。穏やかな表情で目を閉じている。
おそらく彼女が最終試験の相手だ。
神官たちの呪文詠唱が終わると、スライムはゆっくりと目を開いた。
ストレートに僕に向けられる彼女の視線。
一瞬キッとにらまれたけど、すぐに穏やかになった。
「あっ! 今回は私好みの男の子ね〜〜。 私の名はトリス。あなたは?」
「僕はウィル。キミが試験官なんだね? よろしくお願いします。」
一応ペコリと頭を下げる僕。
「かわいい〜〜♪ ねえねえ、もうはじめちゃっていいのかなぁ?神官さま??」
トリスは神官たちに尋ねる。
神官の一人がニコリともせずに答える。
「・・・ええ、おもいっきりやっていいわよ。ただし、私たちがストップをかけたらやめること。いいわね?」
「な〜んだ、制限つきか・・・。まあいいわ、ウィルくんの美味しいところ頂くから!」
トリスはペロリと自分の唇を淫らに舐めまわす。
僕のほうはすでに臨戦体制だ。先手必勝!
「じゃあ、いきます!」
ベストポジションを取るために、僕は彼女に向かって一歩踏み出した。

僕が彼女に近づいた瞬間、彼女の体が3つに分裂した。
それに伴い、ボディサイズも3分の1になる。 い、いきなり分裂かよ!?
「わたしたちはね、あんまり芸の無いスライムなの。」
「でも、3人いれば少しは楽しめそうでしょ?うふふ・・・」
よく見ると彼女たちは微妙に髪形が違う。
一人は元のトリスのようにショートカット、そして他はミディアム、ロングと3通りだ。
髪の長さと共に、年齢も微妙に違うように見える。
それに、背中に小さな羽が生えている。まるで妖精のようだ。

「私たちはフェアリースライム。こっちが基本形なの!」
聞いたこと無いぞ!?そんなの。
「安心して。小さくなっても強さは変わらないから。」
「今からあなたにまとわりついて、快楽漬けにしてあげる!」
「相手が小さくなると、勝手に色々想像しちゃうでしょ?」
3匹が各々僕に挑戦的な言葉を投げかけてくる。

僕はというと、軽い混乱状態だった。どこから攻めたらいいのかわからない。
まずはロングヘアのトリス(以下、ロング)が、素早く僕のほうに向かってきた!
僕のおへそのあたりに張り付いて、僕をくすぐり始める。
おへその穴をほじるような、容赦ないくすぐりに僕は思わず前かがみになる。
「ウィルくんて、くすぐり好きなんだ〜〜〜。へへっ」
「は、はなれろっ!・・・くっ・・・」
うれしそうにわきの下を責める彼女。体が小さいのでどうやって責めたらいいのかわからない・・・

僕は彼女たちに先制攻撃を取られて、動揺を隠せない。
ロングに続いて、残りの二匹も素早く僕に襲い掛かってきたその時・・・
「きゃっ」
僕のおへその辺りに張り付いていたロングの下で、小さな悲鳴にも似た声が上がった。
それは僕のペニスを狙っていたミディアムの声だった。
彼女につられて、残りの2匹のフェアリースライムも動きをピタリと止めた。
「な、なんなのよ・・・急に・・・」
「こんなことができるなんて、あなたって一体何者??」

僕は何のことだかわからず、自分の股間のほうに目をやった。
フェアリーたちの視線の先には、うっすらと金属質の輝きを放っているペニスがあった。
その輝きには見覚えがあった。そして、頭の中に聞き覚えのある声が響く。
(見てられないなぁ・・・あたしには勝っておきながら、こんな雑魚キャラに先手を取られてちゃ困るよ、うん。)
「メ、メタリカ!?」
バトル開始直後、いきなり混乱状態になった僕を見かねてメタリカが僕の股間をガードしてくれたようだ。
(あたしがあなたのペニスの感度を下げてあげる。こいつらさっさとイカせちゃってよね!)

メタリカの力を借りた僕は、股間の前でパタパタしているミディアムの小さな腰を捕まえた。
そしていきなり彼女の小さな膣にペニスを突き刺した!
「えぇっ! ちょ、ちょっとまってよ!・・・ああぁん♪」
ミディアムをまずはイカせてしまおう。僕はものすごい速さでピストンを開始した。
普段ならスライムの膣にいきなり挿入などということはしないけど、僕のペニスはメタリカのおかげで相手からの快感を受けない。
一方的にミディアムに快感を注ぎ込むことができるんだ。

「そ、そんな簡単にヤらせはしないわ!」
「あなたの腰の動きを止めてあげるんだから!!」
僕の反撃にあわてたショートとロングが僕の正面と背中に舞い降りる。
ショートがぼくの唇を奪い、ロングが背中を愛撫する。
しかし僕の意識は完全にミディアムをイカせることだけに傾いていた。
残りの二匹の攻撃は、僕の動きを止めるほどのダメージを与えられない。
「あぁ・・・もうダメっ これ、すごい効く! イっちゃうよ〜〜〜〜〜・・・」
ショートに口をふさがれていてよく見えないが、ミディアムの断末魔の叫びは聞こえた。

ペニスの上で脱力したミディアムを確認すると、僕は次の獲物に取り掛かった。
残るはあと二匹だ! 今度は正面のショートの両肩をガッチリ掴む。
「いっぱいキスしてくれてありがとう。お返ししてあげるね。」
僕はそういってから、ショートの小さい体をくるりと180度回転させた。
「えぇっ ず、ずるい〜〜〜〜! これじゃ動けないよっ」
身長が同じなら69の体制だが、相手はフェアリーサイズなので僕のペニスには触れられない。
逆に、僕の目の前には彼女の小さいワレメがある。
僕はワレメを唇で覆うと、そのまま舌をドリルのようにしてショートの膣をかき混ぜた。
くにゅっ、クチュクチュ・・・ちゅる・・・
「あ! ダメ、ダメだってば〜〜!! ずるいよぉ・・・はぁん」
さすがにこれは強烈な刺激だったらしい。
やわらかくもネットリと繰り返す僕の舌技の前に、彼女は昇天した。
残るはあと一匹! 僕の視線はロングを捕らえていた。

「はい、そこまで! ウィルさん、お見事です。」
その様子を見ていた神官が僕に語りかけた。
振り向くと、一番年長者であろう美しい神官以外の二人は、息をハァハァと弾ませて机に伏していた。
「じつはそのフェアリースライムは、わたしたちが作り出した思念体なのです。私の隣にいる二人は、あなたがイカせた二匹の担当でした。」
そういえばショートとミディアムは彼女たちと同じ髪型だ。思念体が快感を感じると、本体にも跳ね返ってくるのだろう。

「このままだと、私もイカされちゃう勢いだったので・・・ね♪」
神官はにっこりと微笑んでから、机に伏している2人をやさしく起こした。
かわいらしい印象の神官が、目をトローンとさせたまま僕に言う。
「私たちの思念体は生身の肉体よりも数倍感じにくいのです。それをここまであっさりイカせるとは・・・なかなかの腕前ですわね。」

神官はイスから立ち上がると、僕に近づいてきた。そして、僕の手のひらに小さな指輪をのせた。
「ウィルさん、あなたはこの認定試験に合格しました。この指輪は合格証書であり、これからのあなたの武器です。」
僕は指輪を自分の左手の人差し指にはめた。その瞬間、僕の左手を光が包んだ。
そして、オレンジ・ゴールド・シルバーの三色の光が指輪に向かって流れ込んだ。
この色は・・・ルル、ミリア、メタリカの『心』の色。
「その指輪の中には、あなたの心の中にあるスライムたちが宿っています。戦いの中で苦しいときは彼女たちの力を引き出しなさい。大きな助けになります。」
僕は神官たちに一礼すると、試験会場をあとにした。

僕はスライムバスターの認定試験に合格したと同時に、スライムの指輪を手に入れた!
きょうからは晴れてスライムバスターの仲間入りだ。
これからどんな冒険があるのか、僕にも楽しみだ。
試験会場からの帰り道、ひそかに僕は心の中でメタリカにお礼を言った。
「君のおかげで合格できたよ。ありがとう、メタリカ」
赤い髪のメタリカがうれしそうに微笑んだ気がした。
とりあえず勝っておかないと。

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