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乳魔(4)

どくん、どくん、どくん。 
どぴゅ、どぴゅ、どぴゅう!

呪縛された肉体を乳魔に預けるほか無いコール。
その胸板が、乳魔の胸を押し潰す。
乳魔は特になにもしない。見下すような視線でコールを見上げるだけ。
だが、触れるだけの乳房の刺激でさえ、コールのペニスから残りの精気を搾り出すには十二分だった。
まな板には程遠い盛り上がりを誇る乳魔の胸の上で、コールはあきらめの悪い鯉のごとく跳ね回った。

「んー、でも途中まではけっこーいい感じでしたねー
 そこらの村人と変わらなかったってのは訂正してあげてもいいですよー」

ぞんざいに、乳魔はコールの体を押しのけた。
ちゅぽ、と湿った音を残して、コールのペニスが乳魔の膣圧に押し出される。
ごろん、どさっと草の上に仰向けに転がされる男の体。
ようやく魔性の凶器から解放されたコールは、しかしその興奮まるで冷め遣らず、
真っ赤に発色した亀頭を張り裂けんばかりに膨らませながら、ねちゃ、ねちゃと糸を引く粘液の弾を
間欠的に噴き上げ続けていた。

乳魔は身を起こすと、またもコールの顔を覗き込む。

「さーて、ちょっとはおもしろくなってきたかな?」

ぱちん。

乳魔が指を鳴らすと、コールのペニスの脈動が止まった。

「かはっ!」

体がようやく弛緩し、潰れるように草の褥に沈む。胸いっぱいに酸素を吸い込んだコールの喉がかすれた音を立てた。

「ぜぇっ…! ぜぇっ…! ぜぇっ…!!」

またも解かれた呪縛。

「じゃー、第2ラウンドといきましょーか、お兄さん?
 おっと第3ラウンドでしたっけー?
 なんか戦った気にならないうちにイかれちゃったから忘れてました。あは♪」

乳魔の呼吸は、すでに何事もなかったかのように整っていた。
転がる鈴のように侮辱の言葉を紡ぎ出す。

コールは荒い息の下から声を絞り出す。

「どうして… 呪縛……」
「はい?」
「どうして、呪縛を解くんだ…?」

コールの問いに、しかし乳魔は、

「はぁ? そりゃーアレですよ」

何をバカなことをと言わんばかりの態度で、

「ほら、あるじゃないですか。猫がネズミを捕まえた時とか」

にやぁぁ〜〜と、目を細めて三つ口で笑った。

「………!!!!!」

がば、とコールは跳ね起きる。

「つまるところこの程度のオトコが私をイかせられるワケないよねって舐め切って弄んでるワケですよー。
 あはは、ダメダメそんな怒った顔したってちっとも怖くないですよーお兄さん弱いんだもんって
 あやや、そんな泣きそーな顔しなくても」

煮えたぎった頭にりんりんと鈴の音が響く。
気が狂いそうなほどの屈辱感だった。
淫魔に敗北する自分を想像し、震えた夜もあった。
だが、これほどまでとは思わなかった。
これほどまでに惨めなことだとは!

(貴方はとっても強いと思う)

ふと、昨日聞いた言葉を思い出した。
コールを悶え狂わせ、ポリシーを打ち砕いた女が呟いた言葉。

「…………」

煮えくり返っていた腸の熱が、すぅっと引いていった。

オレは強い。
少なくとも、あの強い強い女と引き分ける程度には。
そうだ、さっきだって、この小生意気なガキをさんざん泣かせたじゃないか。
オレが負けたのは……

コールは乳魔の胸に視線を落とす。

ゆさっ。
ぷるん、ぷるんっ!

それは元気に弾んでいた。

ずくんっ!

「うっ……」

コールの股間に危険な疼きが走る。
エロすぎる。どうしてあんなに艶かしいのか。

そうだ、オレが負けたのは、あの乳のせいだ。
極淫魔クラスと讃え恐れられる乳魔の乳。
あの乳をどうにかしない限り、俺は極淫魔と戦っているようなものだ。
極淫魔と戦って勝てるのは、才能と努力、質の高い訓練と実戦経験の全てを揃えたごく一握りのハンターだけだと言う。
なるほど確かにオレに勝ち目が無いのは当然だろう。
逆に言えば、あの乳さえどうにかしてしまえば、このガキはただの下級淫魔にすぎない……!

コールは力を取り戻した瞳で、乳魔の乳をにらみつける。
ペニスがぐぐっと反り返る。
女に責められて真っ赤に発色し、詰め込まれた快感でパンパンに腫れ上がった情けない勃起ではない。
みなぎった闘士と精気で鋼のごとく硬く研ぎ澄まされた、黒々と輝く堂々たる勃起である。
男の急所は今また再び、男の武器へと変わったのだ。

「わぉ♪ お兄さんまだまだやる気ですね? 全くもう、若いんだからぁ」
「お前に言われたか無ぇ」

淫魔の見た目と実年齢など何の関係もないと知っていながら、コールはそういわずにはいられなかった。
それほどまでに、目の前の乳魔の笑顔は稚なかった。

軽く頭を振って、少女の顔から胸に視線を落とす。
だまされるな。このガキは淫魔。
男をたらしこみ溺れさせ蹂躙し屈服させる、ただそのためだけにある許しがたい存在!

「うおおおおおっ! 行くぞ淫魔!!」

コールは雄たけびを上げて己を奮い立たせる。
そう、ここでこいつを倒さなければ、また犠牲者が増えるのだ。

「かもーんです♪」

乳魔はどこからでもかかって来いとばかりに両手を頭の後ろに組み、腰をくねらせる。

ゆさっ
ぷるるるっ
ふるんっ

誇示された凶器が思う存分揺れてコールを誘う。
ずくん、とペニスがまた疼き、前かがみに崩れてしまいそうになる。
だが、負けるわけにはいかない。

これさえ封じてしまえば!!

コールは自らの両手で、その双球を掴みにいった。
握りつぶし、押さえつけたところで、さっきのように膣をペニスでえぐってやれば!
このガキは本気汁を撒き散らしながら泣き悶えるはずだ!!

「ああああああああああああああああっ!?」

悲鳴を上げたのは

当然のように、コール。

「……乳魔のおっぱいに自分から手を出すなんて……」

乳魔は溜息をついた。

「お兄さん、バカにしてます? それともバカなんですか?」

答えることなどできるはずがない。
際限ない柔らかさを持つ乳魔の胸に、コールの五指がずぶずぶと埋まっていく。
指先は神経の集中している敏感な部位。
それが敵の最大の武器の中にすっぽりと捕えられてしまっていた。

「くううううう!」

揉みしだかずにはいられなかった。
すべすべの肌に包まれた柔肉は、コールの愛撫の全てを受け止めた。
どんなに力を込めて握り締めても、乳房はたやすく要求に答えてその姿を変化させ、
かわりに指先がとろけてしまうほどの快感を返してきた。
その快感に耐えかねて少しでも力を緩めると、あんなに従順だった乳房はすかさずその本性をのぞかせる。
乳房の芯の方から強烈な乳圧が掌を押し返し、骨髄まで快感を押し付けてくるのである。

し…… しまった……!

自分があまりにも無策で無謀だったことに気付くコール。
その表情のわずかな変化を、乳魔は見逃さない。

「お兄さん? ここががらあきになってますよー?」

乳魔が、コールの股間に手をのばす。

「あは、こんなにしちゃってぇ。だいじょーぶなんですか?」

ペニスは真っ赤に発色していた。
そして先端から露をたらりたらりと滴らせていた。
数瞬前の雄々しい面影はどこにもない。
先走りまみれの恥かしいペニスだった。

「ふふ、さわったらそれだけでハジけちゃいそ♪」

乳魔はくすくすと笑いながら、右手の人差し指を立てる。
亀頭にぎりぎりふれないところで、つん、つんとつつくマネをしてみせる。

「くっ……」

効果は絶大だった。
触れられてもいないペニスは、指の動きに反応してぴく、ぴくと踊った。

「あは、かわい♪」

乳魔の指先が、コールを弾いた。

「はうっ!?」

ぱたたっ!
コールのペニスがカウパー腺液を撒き散らした。
思わず乳房をぎゅぅっと握り締める。

ふにゅ……

「くああ!!」

状況はさらに悪化した。
ただでさえ感じているところに、さらにオッパイの柔らかさを感じてしまうコールの手のひら。
みっしりと張り詰めた肉の感触。なのに、どうしてこんなにやわらかいのか。
ペニスはどんどん膨れ上がっていく。

「んふ♪ いいんですかお兄さん? ここ、ちゃんとガードした方が良くありません?」

つんっ!

「おおっ………!!」

またも乳魔の指と亀頭が接触した。
一瞬のふれあいにすぎなかったが、それでもコールにはキツすぎた。
たまらずオッパイを握り締めていた手の力が緩む。

「おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

その瞬間、オッパイは快感の爆弾と化した。
その乳房の絶妙な弾力のみならず、絶妙な硬さを持つ乳首がこりこりと掌で暴れまわる。
それは金属片を仕込んだ対人地雷のごとく非人道的な兵器だった。

「あは、凄い反応♪」

乳魔が笑う。無邪気に淫蕩に。

「お兄さん? ほんとにわたしのおっぱい離した方がいいですよ?」

その瞳は、やはりネズミを捕まえた子猫。
先ほど彼女が言った言葉に、微塵も嘘は無い。
乳魔は、完全にコールを舐め切り、弄んでいた。

「ほーら、早くガードしないと、おちんちんの先、くりくりーってしちゃいますよー?」

乳魔はこれみよがしに、コールの鼻先に小指を立ててつきつけた。
そして、ゆっくりとそれを下ろしていく。

乳魔にはもう分かっている。
コールにもやっと分かった。

コールはもう、乳魔の乳から手を離すことは、できない。

「ちくしょうっ…… ちくしょうっ……!!」

コールは泣きながら乳魔の乳を揉みしだいた。

ふにぃ〜〜〜
ぷるんっ♪

どんなに揉んでも揉み尽くせなかった。
揉めば揉むほどに形を変え、形を変えた分だけ快感を返してくる。
あれほど忌み嫌った、なんら存在する必然性の無い肉塊に、
今、コールはすっかり魅了されていることを、自覚せざるを得なかった。

いや

コールは最初から自覚していたのかもしれない。
だからあんなに忌み嫌っていたのかもしれない。

乳房の存在する意味。

それは、受精のため、出産のためにある膣とは違う。
ただ、男をたらしこみ溺れさせ蹂躙し屈服させる、そのためだけにある許しがたい存在!
淫魔そのもの。それが女の乳房!!

「ちくしょおおおおおおおお!!!!!!」

絶叫するコールを、乳魔はくすくす笑って見上げた。
上目使いに見下していた。

指先の下降運動がぴたりと止まる。
コールの、臍まで反り返って震えるペニスのすぐ上。

「いーんですね? それじゃやっちゃいますよ?」

乳魔は笑う。

「ふふ、小指一本だけです。それだけで責めますね?」

ウソだ。
お前はもっと大きなものを二つも使ってオレを責めている。

コールは心の中で叫んだ。
口に出す寸前で、ぐっと飲み込んだ。
乳房を揉みしだいているのは自分の手の方。
なのに、責めているのは手ではなくて乳房の方だなんて。
それを認めるということは、

実質、男と言う生き物が、女の乳房と言うものに対して敗北していることを認めるのに等しい。

「いいですかお兄さん? 小指一本ですよ?
 ふつーに考えて、これだけでイっちゃうなんて童貞でも考えにくいくらいですよ?」
「…………」

だからコールは何も言わなかった。

「だからまー、いくらお兄さんが弱いと言っても、こんなもんで勝てるとはわたしも思ってないワケですよー。
 ねぇ、お兄さん? まさか小指一本でイっちゃったりしませんよね? そんな淫魔ハンターこの世にいませんよね? ね?」
「…………」

何も言わず、歯を食いしばった。

「じゃ、いきますよー? ほら、いーっち、にーぃのぉ」
「…………」

歯を食いしばって、乳魔の『小指一本』を受けた。

「さん、はいっ♪」
「…………うっ」

無情にも、食いしばった歯の隙間から喘ぎが漏れた。

どぴゅっ!
ぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅぴゅ、どぴゅぴゅぴゅぴゅっ!!!

「ええー!? お兄さん出ちゃいましたよ? ねぇ精液出ちゃいましたよぉ?
 わたし小指一本しか使ってないのに!? それなのにイっちゃったんですか? ホントに小指一本で負けちゃったんですか?」

乳魔の指に、顔に、髪に、そして乳房に。反り返ったペニスが盛大に精液を噴き上げていく。
それは敗北の証。
乳魔の言葉を肯定しそれを否定することを許さない、己の弱さの動かぬ証拠……!

「くすくす…… お兄さんったら、ほんとに小指一本でイっちゃうなんて。
 そんな淫魔ハンター聞いたことないですよ?
 ってゆーかこの村で一番そーろーだったオトコのコでも小指一本で出しちゃったりはしませんでしたよ?
 もー私にはお兄さんの弱さを表現できる言葉が見つかりませんよー。くすくすっ♪」

聞こえよがしに小指一本を連呼しながら、楽しそうに精液を浴びる乳魔の前で、
コールの呪縛された体は、自らを支える力を失った。
がくり、とヒザが折れる。
それでようやく、コールの両手は乳魔の胸から解放された。
どさっ。
そのままコールの上体が、自らの精液が滴る草の上に突っ伏す。
まるで土下座しているような恰好。

少女の足元にうずくまりながら、コールは涙と精液を垂れ流し続けた。
パスワード設定し忘れてたみたいなので、書き直し。
管理人さん、すみませんが(終)の削除を… 感想は私的に永久保存済みです。

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