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乳魔(1)

「ハァ、ハァ、ハァ」

男は息を荒げながら、女の股間に顔を埋めていた。
泡だったネバっこい汁をすすりあげながら、膣壁のコリコリとした部分を舌でつつき回す。
同時に下唇でめくれかえりふくれかえった肉芽を擦る。
さらに肉つきのいい、しかししまったヒップを左手で揉みしだきながら、右手の指をアナルの奥へさしこんでいる。
舌でつついているその裏側をぐりぐりとかき回す。
しかしそれほどの攻撃を加えても、
女の与えてくる快感はまったく弱まりはしなかった。
火照った柔肉が、すっぽりと男の肉棒を包んでいた。
柔らかい肉の塊は、こねくり回す女の手で自由に際限なくその姿を変え、
次の瞬間、強烈な弾力を発揮して、姿を変えた分だけ男の肉棒に快感を叩き込んでくるのだ。
完全に谷間に落ちたペニスは、逃亡も回避もできない。
メートル級のバストの圧倒的な火力に、男の腰はガクガクと震え、ダラダラと先走りを垂れ流していった。

「んっ… んっ… んっ…!」

女は声を殺しながら、男の股間を胸に埋めていた。
自慢の乳だった。
どんな男も一分耐えたことはなかった。
養成学校時代の同級生は皆瞬殺。
先輩をしとめたこともある。1学年上の主席だった男との練習試合。
余裕たっぷりに自分の乳をペニスで受け止めたその先輩は、5秒と立たずに顔色を変えた。
必死の形相でなにやらいろいろともがいたが、それから精液を吐き出して失神するまでの30秒あまりの時間、結局何をどうにもできなかった。
初めての淫魔との実戦。
反り返ったペニスを丸出しにして、乳にとびついて来た男性型淫魔を、ぱふぱふからパイズリのコンボで消滅させるまで20秒もかからなかった。
そして昨日、大淫魔すら為す術も無くその胸の谷間に爆ぜた時、
男と言う生き物は、自分の乳には歯が立たないのだとある種の確信を得るに至ったというのに。
この男は、その乳に挟まれながら、しかし全く衰える様子の無い強烈な口撃を返してくるのだ。

「はぁ、はぁ… はぁっ!!」
「んっ…! んっ…! ああんっ!!」

ベッドの上で激しく悶え合う二つの肉体。

愛液とカウパー腺液の匂いが部屋中に立ちこめ、その中に水音がひっきりなしに響いている。
ギシギシと軋むベッドのあえぎが最高潮に達しようとしていた。

そして、

「うあああっ!!」
「あっはぁぁぁっ!!」

二人が同時に動きを止めた。

ぷしゃあああああっ!!

女の股間から、透明なさらりとした液体が、白い泡を吹き飛ばす勢いで迸った。
動きを止めた男の顔に、手に、胸に、煌くシャワーがふりかかっていく。
女の体がピーンとつっぱって細かく震え、
そして、くたり、と男の体の上に落ちた。

「……ど、どうなったの?」
「どうなったって… スティアがイっちまったんだろ? コールの勝ち…じゃないのか」

今まで声も無く戦いに見入っていた連中が、ようやく夢から覚めたかのようにざわめき出す。

二人はぴくりとも動かない。
やがて、女の胸の谷間から、じく、と白く濁った粘液が溢れた。
谷間から零れ落ちたそれは、その粘度と濃度を見せ付けるかのように、ゆっくり、ゆっくりと乳房の山肌を這い下りて言った、

「こ、コールもイってるわ!」
「え、なに? 引き分け?」
「そんな場合じゃねぇ! 大丈夫か二人とも!!」

淫魔ハンターたちがかけよる。
淫魔ハンター協会支所内の慰安所。
その大寝台の上で、二人は文字通り全てを出し尽くした満足そうな顔で眠っていた。





きっかけは些細なことだった。
異例の早さで大淫魔を倒す依頼を受けた、若手トップクラスに数えられる淫魔ハンター、スティア。
大淫魔との初対決を、しかし難なく勝利したスティアは、意気揚々と協会支所に帰還。
高揚した気分のまま、慰安所で勝利の美酒を呷りつつ、自慢話を友人に熱く語って聞かせた。
それを聞きとがめたのが、コールという、これも若手有望株の淫魔ハンターだった。

−男性型淫魔なんて所詮新種だろ?−
−赤ん坊のチンポ捻ったからって調子にのってんじゃねぇよ−

後は、お決まりのパターンというか。
口論の末に決闘した二人は、今は誰もいない治療室の寝台の上で、静かに身を寄せ合っていた。

「……やるじゃない」
「……お前もな」
「……言い過ぎたことはあやまる…… ごめん」
「……いや、オレの方こそ…… すまなかった」

気まずそうに視線をそらしつつ、
それでも、二人は言葉を切ろうとはしなかった。

「貴方はとっても強いと思う。わたしのおっぱいにあんなに耐えた男は… はじめて」
「お前もかなりデタラメな強さだったぜ…… まさか乳でイかされるとは思わなかった」
「え?」

スティアが思わずコールを見る。
自分を見た男は、誰もがこの乳房の谷間で昇天させられることを思う。
初めてかけられた言葉に目を丸くするスティアに、コールは頬を赤らめて言った。

「オレは貧乳フェチでね」

スティアがもう一度目を丸くした。
ああ、そう言えばこの男は、自分につっかかって来た時、
誰もがイヤらしい視線を這わせるこの乳ではなく
真っ直ぐに、わたしの顔を。

「…っ! 明日も仕事があるんだ。もう行く」

コールは赤い頬のまま立ち上がった。

「あっ」

スティアの手が、コールの腕を追う。
その一瞬の無意識の動きに、二人はまた硬直した。

「……ぷっ」
「……くっ」

二人、どちらともなく笑い出す。

「じゃ、がんばってね。帰ってきたらまた一緒に飲もう」
「ああ、約束だ…」

手早く服をまとって、治療室を出て行くコール。
その背中をじっと見送るスティア。
扉を開け、外へ消える瞬間、コールはわずかに立ち止まった。

「…お前の腰つきはサイコーだったぜ」

ぼそり、と一言。
そのままコールは早足で廊下に消えていった。

スティアは呆然とベッドの上でシーツを抱きしめていた。
その顔が、真っ赤に染まっていた。
久しぶりに妄想の赴くまま投稿。
とりあえず前フリまで。
乳魔に犯されるのは次。

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