森を抜けてしばらく歩くと、僕は目的の村についた。
辺りはすでに夕暮れになりかけていた。
噂ではこの村はスライムに襲われていると聞いたが、一見するかぎりその様子は感じられない。
どうやら村は平和そのものといった感じだ。
近所を歩いていた老人に尋ねてみたところ、村のはずれにある教会に一匹のスライムを封印したという。
そのスライムが今回の元凶だったらしい。
僕はスライムが封印されたという教会に足を運ぶことにした。
「はいりま〜す。ごめんくださ〜い・・・」
いちおう断りをいれてから(だれに?)僕は教会に入ってみた。返事はない。
内部は誰もいない廃墟といった感じで、ローソクの明かりが灯っていた。
祭壇の前あたり、教会の床には魔方陣が施されていた。
その魔法陣を囲むように4体の女神像が配置されている。
問題のスライムは魔方陣の中央にフワフワと浮かんでいた。
魔方陣と女神像の効果で宙吊りにされていると言い換えてもいい。
これって高度な封印術なのかな? 僕には良くわからないけど。
警戒しながら僕がゆっくりと近づくと、浮いているスライムがかすかに目を開いた。
「あなた・・・・・・ルル?」
突然ルルの名前が出たのには驚いたが、僕は冷静に返事をした。
「いや、僕の名はウィル。スライムのルルは僕が倒したよ。」
「そう・・・」
彼女は少し寂しそうだった。
仲間を倒した人間が目の前にいるのだから、楽しいわけがないよな。
浮かんでいる彼女は夢の中で現れたルルのような白いワンピースを着ていた。
長い黒髪で僕より5歳くらい年上といった感じだ。
スライム特有の透き通る美しい肌をしている。
「実は・・・わたし、もう目が見えないの」
「そうなんだ。でも、なんで僕をルルと間違えたの?」
そう聞き返すと、彼女は少し笑った。
「ルルの琥珀色の心が、あなたとかぶって見えたから。」
どうやら目は見えなくても雰囲気で僕をルルと判断したらしい。
彼女がルルのお母さんなのかどうかは知らないが、もうすぐ命が尽きる感じはなんとなく伝わってくる。
「戦いを通じて、ルルはあなたに心を開いたみたいね。 ところであなたは今でもスライムが嫌い?」
僕は少しだけ考えてから答えた。
「人間を襲うスライムは、当然だけど憎いよ。でもルルは嫌いじゃないよ。」
僕が答えると、彼女はフフッと笑った。
「・・・身勝手なものね。でも私たちも、スライムを狩る人間は嫌い。弱いからってなぶり殺しにされるのがいやだったから、仕方なく淫魔と組んだのよ。」
そんないきさつがあったなんて知らなかったが、争う理由についてはお互いに言い分はあるのだろう。
そしてそれはお互いの種族にとっては「正義」なんだ。
それは僕にだってわかっていること。
ふいに彼女からの提案があった。
「ねえ、お互いの存在意義を賭けて・・・私と戦ってみない?」
こんな死にかけの相手から挑戦状をたたきつけられたら、後にはひけない。
「・・・いいだろう。でも、きみは宙吊りのままだよ。僕にはその魔法陣を解除することができないんだ。」
スライム相手にフェアな勝負を挑む必要はないのだが、なぜかそれについては言っておきかった。
それについては彼女も承諾しているようだ。
「そうね・・・通常のイかせあいではなく、10分間あなたが私の攻撃に耐えられたらあなたの勝ちということにしない?」
養成学校でやるタフネスの特訓みたいなものだな。
とにかく一定時間をガマンする。じつにシンプルなルールだ。
「10分間のガマンか・・・」
実は、ガマン比べは結構得意な分野だったりするが、あえて困った振りをしてみる。
ずるいようだが、それで相手が油断してくれればそれでいい。
「それとも、怖いのかしら? ふふっ」
「その挑戦、受けてたつよ。」
こうして、スライムとの10分間バトルが始まった。
でも、このとき僕は今回の勝負を甘く見ていた。
「自己紹介がまだだったわね。私の名前はミリア。この地域のスライム族のまとめ役だったわ。」
彼女の言葉を聞きながら、ふわふわと浮かぶミリアの前に立つ。
地面から10cmくらい浮かんでいるから、僕と目線が一緒になる。
ミリアは僕に見えるように手の平を広げて見せた。
「本当はいろいろしてあげたいんだけど、今回は時間も短いから手コキだけ集中してあげる。 でもあなたにガマンできるかしら?」
時計の秒針が12時のところにきたら、戦闘開始ということにした。
10分くらいなら、どんな快感でもガマンできるはずだ。
ミリアは目をつぶったまま、指先に意識を集中した。
彼女の指先が少し光った後、変化が現れた。
なんと人差し指の先が4つに割れて、その一つ一つが意志をもって動いているのだ。
いわゆるイソギンチャクのような感じ・・・こんなので愛撫されるのか。
どんな感触なのだろう。まったく想像できないな。
秒針が12時をさした。バトルスタートだ!
「さぁ、はじめるわよ。」
彼女の指が僕のペニスに近づく。ゆっくりゆっくりと・・・じらされるように時が流れる。
チラリ、と時計を見るとまだ8秒・・・何をあせっているんだ? ぼくは!
視線を彼女の指先に戻して、バトルに集中しようとした瞬間のことだった。
「ふふふ、よそ見してはダメよ♪」
次の瞬間、パクッと彼女の指先が僕の亀頭に吸い付く!
指先に触れられた亀頭に甘い痺れが駆け巡る・・・
かじられるような、けずりとられるような、それは全く痛みを伴わない危険な快感の味だった。
予想外の感触に僕の感覚は一気に高められる。 パッとすぐに離れる彼女の指先。
どうやら僕の反応をうかがうだけの一撃だったようだ。
「さて、じゃあ今から私の指先でパクパクしてあげるわね。 あなたのペニスをクニュクニュってやわらかく噛んであげる。何回も何回も・・・そのうちあなたの下のお口がヨダレだらけになると思うわ」
彼女の言葉を聞いて、あらためて気を引き締めようと思った。
彼女の言葉は脅しでもなんでもない。
気を抜いたら一気にイかされる、と自覚するのに充分な一撃だった。
ペニスのほうをチラリと見てみると、彼女の指先がさっきよりも妖しく揺らめいていた。
ぼくの鈴口の周りを、今度はしゅるしゅると這いずり回っている。
こういったバトルでは、視覚効果によって我慢が削り取られることもある。
しかし・・・見てはいけない!と思っても、その光景に目が離せない。
「(こ、こんなのはじめてだよ・・・)」まだ時間は1分を回ったばかり・・・
まだ一度、たった一度やさしくなでられただけなのに!!
ミリアの妖しく踊る指先と言葉責めが、さらに僕を高める。
「どうしたの? もうヨダレが出始めてきたよ・・・もうちょっとしたら私の指先で、ウィルの下のお口に熱〜いキスしてあげるからね♪」
ヤ、ヤバイ。。。こらえきらないと・・・もっとすごい攻撃がくる!
僕は彼女の言葉に追い詰められていた。
そんな僕の焦りとは逆に、ペニスは彼女からの刺激を求めてますます硬さを増している。
時計はすでに2分半を回っているが、時の流れが遅すぎて自信が揺らいでしまいそうだ。
「ほらぁ、いくわよ?」
彼女の指先が、あのイソギンチャクのような触手が、僕の亀頭をやわらかく包む。
今度はさっきと違って、じっくりと味わうように僕のペニスにまとわりつく!
名器といわれるミミズ千匹というのはこんな感じなのかな・・・
さらに、そのうちの触手の一本が尿道を出たり入ったりする。
ちょこん、と差し込まれるたびに、腰がヒクヒクヒクッとけいれんする。
「ふふふ、私の指先だけでこんなに感じてくれるんだね。じゃあ、もっと喜ばせてあげるわ。気が狂っちゃうかもしれないけど、いいよね?」
彼女の人差し指が元の形に戻った。
それもつかの間、今度は彼女の両手の中指がフニャリ、と先ほどまでの人差し指のようになった。
親指と小指は僕のペニスの根元をガッチリ固定している。
つまり、彼女の指先責めから逃げられない状態で亀頭部分を責めまくられるしかないのだ。
「ふふふっ もう出しちゃいそう? それとも、まだまだ耐えられそう?」
さっきまでの指責めで気を良くしたのか、楽しそうにミリアが尋ねてくる。
「あ、あたりまえだろっ」
根拠のない強がりでも、今の自分を励ます必要があった。
そんな僕をあざ笑うかのような一言。
「よかったわぁ♪ でもね、両手での指先責めに耐え切った人間はいないのよ。 一人前のスライムバスターでも私の責めにはガマンできなくて何回もイかせてあげたことがあるもん」
半人前の僕は、この言葉を聞いて気絶しそうになった。
時計の針はすでに7分を経過していた。
僕は今までにない疲労感と戦っていた。
彼女の両手の指先責めはすごい。森の中で出会ったライムの足コキのさらに上を行っていると思う。
彼女がとどめの一撃を繰り出してこないので、なんとか射精しないですんでいる。
10分がこんなに長いと感じたことはない・・・
ただ耐えるだけなのに。スタミナには自信があるのに。
ミリアの落ち着いた指先責めに、僕はなすがままだった。
彼女のしなやかな指の動きに、5分を越えたあたりから体が過敏に反応してしまう。
「ふふっ かわいいのね・・・ウィル。 ここも感じてくれるのかしら?」
ミリアは右手の人差し指で亀頭をくるくる撫で回しながら、左手全体を使って玉袋と裏筋を包み込む。一見するとなんでもないような愛撫だが、彼女の場合全てが急所ねらいなのだ。
「お尻の穴の入り口もツンツンしてあげるわね。 ガマンできるかなぁ〜?」
彼女の小指がアナルをノックするが、決して中に指を入れてこない。
ペニスへの刺激を防御するのに精一杯だった僕は、突然のアナル付近への刺激に過剰に反応してしまう。
「はあああああ!! そこは・・・やめてええええ!!」
「うふ、やっぱりかわいいわ♪」
しかも彼女はまだ一度もぼくの棹をしごいていない。
極上の手コキに僕の腰は刺激を求めて前後するが、彼女はその動きに合わせて快感を制御していた。
「残り2分をきったわ。そろそろ本気を出していいかしら?」
今まででも充分ヤバイのに、さらに奥の手があるらしい。
すでに噛み締めた唇からは血がにじんでいるが、僕のそんな痛みすら包み込んでしまうほどの快感・・・
それが彼女の指責めなんだ。
「あなたがガマンしてる顔って、最高にかわいいけどこれでおしまいね。さあ、無様に精液を撒き散らしちゃいなさい。」
彼女の指が再び形を変える。5本の指が元通りの形になった後、全体的に長くなった。
まるで全ての指が白蛇に変化したように見える。
「あなたの鈴口とカリ首、棹と、両方のタマタマを・・・同時にやさしく溶かしてあげるわ。 これでパクリってされて、さらにペロペロされたら・・・ステキだとおもわない?」
その言葉は、さんざんガマンしつづけた僕を観念させるのに充分なものだった。
僕が想像をはるかに上回る快感がそこにありそうに思えた。
彼女の最後の責めが僕のガマンを全て舐めとろうとしたそのとき、
「あら、残念だわ・・・あなたの勝ちよ、ウィル」
ミリアに促されて時計を見る。
時計の針は、すでにバトルがスタートしてから10分22秒を経過していた。
ミリアの指が僕を解放する。僕はギリギリ耐え切ることができたんだ!
勝負が終わって、彼女が僕に語りかけてきた。
「・・・あなたの勝ちね。あんなにガマンした人間は初めてだわ。」
「ぼくだって初めてだったさ・・・あんな指責めは。」
正直なところ、ぼくが勝ったという印象はない。
でも、彼女の責めを耐え切ったことでタフネスが格段に上がった気はする。
ひょっとしたら彼女は最初からぼくを勝たせる気だったのかもしれないな。
「さすが、ルルが認めただけのことはあるわ。あなたになら、私の・・・残り少ない命と力を預けてもいいわ。」
彼女がそういい終わると何かがコロン、と転がり落ちた。
魔方陣の下で、小さく光を反射するそれは金の指輪だった。
「それをお持ちなさい。あなたにとって、きっと役に立つものよ。そしてできることなら・・・スライムと人間が争わないように戦いつづけてほしいの。」
僕は金色に光る指輪を拾い上げた。
金属としての硬さだけでなく、なんとなくやわらかい手触りがする。
それは自ら光を発しているようにも見える。
「勝手なお願いばかりしてごめんなさい・・・私の娘、ルルが認めたあなたと最後に戦うことができて良かった・・・」
その言葉を最後に、彼女の姿は霧がかかったように薄くなっていった。
やっぱり彼女がルルの母親だったようだ。ルルとの約束は守れなかった。
そして僕はルルのお母さんにスライムと人間の橋渡し役になれ、と言われた。
はたしてそんなことができるのだろうか?
金の指輪を皮袋に入れて、ぼくは村を後にした。
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