ピンポ――ン…
「っは――――い! ご、ごめんね黒崎君! ちょっと待ってて!」
「…おう」
『明日の夜、うちに来ませんか?』という、織姫からの誘いでやってきた一護は、
いつになく慌てた様子の織姫に、来るのが早すぎたのかとドアの前で首を捻る。
出直すべきか? と一護が悩んでいると、がたんと音と共にゆっくりとドアが開き、
ホッとしたのも束の間、現れた織姫の姿に思考が完全に凍りついた。
「…ど、どうかな?」
はにかんで頬を薄っすらと桜色に染め上げた織姫は、ちょこんと首を傾げて
一護を上目使いで伺っている。
「えっと… 黒崎君?」
反応の無い一護に更に首を傾げた織姫は、ぐっと近付き覗き込む。
一気に近付かれたお蔭で、一護は織姫にも負けない程頬を赤らめると、
纏まらない思考のまま慌てて口を開いた。
「え、あ、き、聞いてる! 聞いてるから!
いや、その、どした… ソレ……」
「これ? …えっと、へ、変? 似合わない?」
不安そうに小首を傾げた上目使いの織姫の破壊力は凄まじく、一護はそうとは解らないが
慌てふためいて首を縦に振った。
「いや、変じゃないって! 似合ってる!」
…って、聞きたい事は、そうじゃなくて! と喚き散らしたい衝動を押さえ込み、
一護は務めて冷静に、しかし微妙に震えた声で織姫に再度問うた。
「その、似合ってるけど… その格好は……
どうしたんだ?」
「あ、これ? 節分でしょ?」
…………………あ――――…
って、納得してる場合じゃねぇだろ! 俺!!
節分だからって、そんな格好してるヤツはいねぇ!
鬼のお面なら解る。十二分に解る。…親父のヤローが今朝してたからな…
しかしだ、その、何だ、こんな、けしからん格好はダメだ。
うん、けしからん…
などと、一護がけしからんと決めつけている割に、目は釘漬けなのはご愛嬌。
青少年としての極めて正しい反応なのだ。
何せ織姫のそのけしからん格好というのは、
“虎縞模様のチューブトップビキニスタイル”
なのだから。
しかもその上、布が極端に少なく、何処も彼処も申し訳程度に隠れているといった感じで、
たわわな乳房は今にも溢れてしまいそうだし、少しでも脚を開いてしまえば大変な事に
なりそうな、大変けしからん格好なのだ。
「あ! そうだった!
鬼は〜外! 福は〜内!」
ぴしっ! ぱららら… ぴしっ! ぱららら…
と、目の前の大変けしからん鬼っ娘(おにっこ)は、掛け声と共に持っていた豆を投げつけた。
(一体どうしろって言うんだ… 俺に…)
緩む頬を必死で隠しながらも、一護はただ立ち尽すしか無かった。
「あぁ――っ! 間違えちゃった!
あたしが鬼なのに豆投げちゃったよ! 黒崎君に投げて貰おうと思ってたのに…
黒崎君、中入って。交代であたしが外出るから!」
「外に出る!?」
突然な叫びにも驚いた一護だったが、外に出るという織姫の発言には黙っていられる筈が無い。
(こんな格好で外に出るだと!? 誰に見られるか解ったもんじゃねぇってのにか!?)
「井上… 今すぐ持ってる豆、俺に投げろ…
今すぐ、全部投げろ」
只ならぬ一護の様子に圧倒された織姫は訝しがりつつも頷き、その場で全部の豆を
撒いたのだった。
「えぇっと… こんな所じゃなんだし、入って、黒崎君」
「ん、ああ、お邪魔します」
妙な雰囲気を払拭する様な織姫の笑顔に、一護も何とかいつもの調子で返事をし、
靴を脱いで織姫の後に続こうと伏せた目線を上げた。
「…っ!?」
油断していた所へのカウンターパンチ並の破壊力に、一護はその場に崩れ落ちそうになるのを
気力だけで何とか耐え忍んだが、限界は近い。
ここまで一護にダメージを与えたもの、それは背を向けた織姫の瑞々しくも張りのある
双丘が、殆ど丸見え状態であったからだ。
(こ、これ… Tバックじゃねぇかよ……)
やはり布が極端に少ないそれは、紐よりは太いかな、といった程度のもので、
前を歩く織姫の魅惑的な割れ目に、半ば食い込んでいる有り様だった。
全裸、それ処か、もっとあられもない姿を見た事もあるが、それとこれとはまた別問題で、
見えそうで見えない所や、際どい所しか隠れていないこの格好はいやにエロチックで
妄想を掻き立てる。
(くっ… 拷問かよ…)
食い入る様に見入ってしまいそう所か、襲い掛かってしまいそうな衝動を押さえ込み、
一護は己を叱咤し、織姫の後頭部を凝視しながら後に続いた。
「黒崎君、こっちこっち! こっちに座って!」
「え? あ、ああ」
いきなり織姫にベッドに座る様に促がされ、いつもとは違う展開に、まさかこれは誘ってる
ってヤツなのか!? と、どぎまぎする一護。
しかしそんな一護を余所に、織姫は台所に一旦引っ込むと、太巻きを二本乗せた皿を持って
一護の目の前に座った。
訝しげな顔をしている一護に、織姫はこれからの事を漸く説明し始めた。
「節分の夜にその年の恵方、今年は北北西なんだけど、その恵方に向いて、願い事を
思い浮かべながら目を閉じて、まる齧りするのがね、節分の習わしなんだって。
でね、食べ終わるまで喋っちゃいけないんだよ」
「へぇ…」
一護は僅かに落胆しながらも、晩ご飯お腹一杯食べないようにしてね、
とも言っていた訳が解り、密かに納得した。
「黒崎君、どっちがいい?」
差し出された皿の上には太巻きが二本。
何だか嫌な予感がする一護は、指を差しながら念の為に中身を尋ねる。
「これって… 中身、何なんだ?」
「こっちはね、ノーマル恵方巻き。
で、こっちは、ホワイト尽くし恵方巻き!」
………………ホワイト尽くし……
「ノーマル恵方巻きでお願いします」
「はい、どうぞ〜」
無難な恵方巻きを選んだ一護は、頂きますと齧り付こうとしたが、目の前に座った織姫が
にこにことしながらも、じっと一護から目線を外さないため、何だか食べ辛い。
「井上は、食わないのか?」
「黒崎君が食べ終わったら食べるよ」
「いや、一緒に食えばいいじゃねぇか」
「だって、ちゃんと目を閉じて黙って食べ終わるか、見張ってないとダメでしょ!」
何というか、井上らしくていいと思ってしまう辺り、終ってるなぁ… と思いながらも
反論もせずに、そうか、と頷いて一護は律義にも目を瞑って恵方巻きに齧り付いた。
「あ! お願い事もしてね!」
という織姫の言葉に頷きながら、消しても消しても浮かんでくる不埒な妄想に焦りつつも、
黙々と恵方巻きを食べ続けた。
中々ボリュームのあったそれを一護が食べ終わると、見計らったかのように目の前に
良い香りがするお茶が置かれた。
「じゃあ黒崎君、こっちに座って」
と、織姫に場所を交代させられると、ふと織姫が今から食べようとしている、
ホワイト尽くし恵方巻きの中身が、無性に気になった。
「その中身って、何が入ってるんだ?」
「えっと、生クリームとカスタードクリームとミルククリームとクリームチーズと
ホワイトチョコとヨーグルトとバニラアイスだよ」
「あー… だからホワイト尽くしなのか…」
やっぱり無難な方を選んで間違いなかった、と内心でガッツポーズをする一護。
だが、その選択が果して正しかったのかどうか微妙な事になろうとは、
この時全く思いもしなかったのである。
(ど… あ… う… うあ―――っ!)
「ちゃんと見ててね、黒崎君」
という、今思えば何とも意味深に聞こえてしまう一言と共に、目の前に座った織姫は
目を閉じるとホワイト尽くし恵方巻きに齧り付いた。
までは、よかったのだ。
だが、問題は直ぐ様やって来た。
(何か、白い液体が、零れてるんですけど――っ!?)
そう織姫が何とも絶妙な太さの恵方巻きに齧り付き、ぐっと一口噛んだ所で、
とろーりと白い液体が零れ落ちたのだった。
そしてそれを感じたのか、慌てて織姫が舌を伸ばして舐め取ろうとするも、
目を閉じているため位置が解らず、白い液体は顎を伝い落ちていく。
落ちた先、それは見事と言うか当然と言うべきか、これでもかと強調された神々の谷間だった。
(か… 勘弁してくれーっ!)
その願いも虚しく、更なる攻撃が一護を襲う。
ちゅっ… ちゅるっ…
(吸うな――――っ!!)
白い液体を吸う音がいやらしくも響き、零れるそれをちろちろと舐める織姫の舌が蠢き、
どうしたって妄想はそれにしか結びつかなくなり、一護を追い詰めてゆく。
既に下半身は、痛いほど張り詰めている。
にも拘らず、一護は手を出す事もせず、しかし織姫から目を反らす事も出来ずに、
先ほどじっくりと見れなかった分まで、食い入る様に魅入った。
極端に布の少ないチューブトップビキニはよく見ればかなり薄手で、胸の先端の形を
はっきりと浮かび上がらせており、大きな乳房は実に窮屈そうに押し込まれている。
そして、目を閉じて恵方巻きに両手を添えて口一杯に頬張り、唇や舌、顎を伝っては
胸の谷間に零れ落ちる白い液体…
長い睫毛が時折震える様まで、妄想を掻き立てて止まない。
「ふぅ… ごちそーさまでした!
うあ、手がベタベタだぁ」
最後の一口を頬張って咀嚼する口元、それを飲み込む喉の動きまでをも、食い入る様に
見つめる一護の心情など知る吉も無い織姫は、手に付いたクリームを無防備にも舐めている。
「そういえば… あたし豆、全部撒いちゃったよ。年齢の数だけ食べなきゃいけないのに…
外に撒いちゃったのって、拾って食べちゃダメかなあ?」
織姫のぽてっとした桜色の唇から覗く赤い舌が指や唇を舐める様は、既に限界を超えた一護の
理性を彼方へと吹き飛ばす。
そして、あ、零れてると言うと、織姫はその神々の谷間へと零れたクリームを指で掬い上げ
躊いも無くぱくりと咥え、一護の本能を卍解させたのだった。
「いいよもう、豆ならあるし…」
「え? 黒崎君、持ってるの?」
「いや… 豆ならここにあるだろ?」
そう言うと一護は織姫を押し倒し、窮屈な布を引き下げ、たわわな乳房を外気に晒すと、
谷間に零れたクリームに舌を這わせつつ、先端のつんと尖った豆を摘み上げた。
「ひゃうっ!」
驚く織姫には構わず、一護は神々の谷間に顔を突っ込み、両手で尖った豆を捏ねくりながら、
乳房の際と際をクリームの雫も残さない様、丹念に舐め取っていく。
「ふっ… ぁ… く、黒崎君?」
「…甘い」
漸く顔を上げた一護はべろりと己の唇を舐めると、やはり織姫の問い掛けには答えずに、
おもむろに捏ねくられすっかり硬く凝った豆に吸い付いた。片手は豆を捏ねくったまま、
揉み応えのある乳房を揉みつつ、口に含んだ豆を舌で転がしては甘噛みし、また吸う。
「あぁっ!…あっ!…んんんっ!」
突然の事に戸惑っていた織姫だったが、一護の性急だが執拗な乳房、豆への愛撫に、
直に身体は素直な反応を示し、何も考えられなくなる。
二つの豆を堪能した一護は身体を起すと、くたりとベッドに沈み込んだ織姫を見遣った。
息は上がり全身を薄っすらと桃色に染め上げ、持ち上げ強調するかの様に下げられた
チューブトップから零れる乳房の先端の豆は、充血しぴんと尖り唾液に濡れている。
呼吸と共に上下する乳房の振動で震える先端の危うく豆に誘われそうになるが、
今最大の興味はもう一つの豆にある。
一護はそれを早速堪能するべく、僅かだが邪魔な存在である小さな布を織姫から取り払うと、
軽く脚を立てた膝頭に手を置いて素早く左右に開き、閉じられない様に頭を突っ込ませた。
今まで見えそうで見えない焦らしを味わされた分、煌煌と明かりに照らされた織姫の秘所は
魅惑的に一護を誘い、一護もまたその誘いを断るつもりも無く、そっと指で織姫の秘所を拡げ、
まだ育っていない小さな豆を見つけると、迷わず吸い付いた。
「ひあぁぁんっ!」
ぼんやりとされるがままになっていた織姫だったが、淫核への突然の愛撫に一際高い声を上げると、
身体を仰け反らせ、腿の間に蠢く一護の髪を緩く掴む。
無論そんな事で止まる程、今の一護には余裕も理性も欠片も残ってはいない。
「あぁっ!…ひあっ!…あぁん!」
一護は先程と同様に小さい豆を吸い上げ舌先で突付いたり、ちろちろと舐め堪能すると、
小さかった豆は、唇で軽く挟めるほど大きく硬く育っていく。
そして、むあっと特有の雌の匂いが色濃くなり、一護の顎を濡らした。
「濡れてる…」
乳房に続いて淫核までも責められ、これだけ感じているのであれば濡れているのは当り前。
その事に漸く気付いた一護は、やはり正気ではない。
一護は淫口に舌を挿し入れ溢れる蜜を掬うと、そのままぷくりと育った豆に何度も擦り付ける。
「ひ、あっ!…っ…ああんっ!…も… やっ…!」
淫核だけではなく陰唇や淫口までも執拗に舐められ、織姫の限界はもう間近だった。
「…いいよ、イけよ」
「ひああぁぁぁっ!」
言葉と共にじゅううと一際強く一護が豆を吸い上げると、織姫は一気に昇り詰めた。
「…はぁ…は…ぁ……ふ…」
荒い息を吐き頬を上気させ、とろんとした顔で見上げる織姫の艶めかしい姿に誘われるまま、
一護は手早く服を脱ぎ捨てると覆い被さり、まだ息の整っていない薄く開いた唇に舌を差し込み貪る。
そして織姫の脚を押し広げると、淫口に宛てがった怒張を一気に沈み込ませた。
「ふ、あぁぁあんっ!!」
急な挿入に織姫は覆い被さった一護に縋り付き、強烈な快感を遣り過ごそうとするが、
それを許さない様に、すぐさま一護は腰を動かし始める。
「ひあんっ!…あぁんっ!…あっあぁっ!」
いつもと違い初めからの激しい抜き差しに、織姫は一気に追い詰められ一護にしがみ付く。
ぎゅうぎゅうと怒張を締めつける肉壁が、織姫が限界に近い事を示しており、
一護は怒張を最奥まで突き立てると、激しく打ちつけた。
「あぁっ…! も、いっちゃ…! ああっ…!」
その激しい動きは織姫を翻弄し、否応無く絶頂へと追い遣り、一護もまた駆けあがる。
「ひ、あああぁぁぁっ!!」
精を放つ怒張の膨張を深く突き立てられた最奥で感じ、織姫は姿態を仰け反らせ達すると、
一護もまた、達した肉壁の締め付けの促がすままに、精を放った。
荒い息と卑猥な水音と嬌声が支配していた部屋が静まると共に、一護の激情も精を放った事で
納まり、漸く思考が戻った一護は己のした事に呆然とした。
しかし、織姫が意識を軽く飛ばしてしまって、ベッドに沈み込んでいるのを確認すると、
事後処理をするべく、慌てておしぼりを作りに台所へ向かった。
取敢えず汗とその他諸々を拭いてやり、風邪を引かない様に布団を掛け暖房を強くした所で、
今だ裸だった己に気付いた一護は慌てて服を着ると、寝ている織姫の枕元に座り
その寝顔をそっと伺う。
無茶してゴメン、でもあそこまでされたらどうにもならないって言うか… などと、
言い訳めいた事をつらつら思いながら、胡桃色の艶やかな髪を梳く。
そうだ、起きたら一緒に豆でも食おうか、そう思い立った一護は織姫を起さない様に、
そっと部屋を抜け出し、コンビニへと向かった。
その後、起きた織姫とコンビニで買って来た豆を食べていると…
「あ、忘れてた!」
「何やってんだ?…つーか、何だソレ?」
「これね、アロマなんだって」
「アロマぁ? つか、何で箱に入ってて、ボタンついてんだよ?」
「んー? 黒崎君が来たら、ボタン押してって。それで終ったら、また押してって」
「………ちょっと見せてみろ」
(何か仕込んであんぞ!? ビデオカメラじゃねーかよ!?
しかもこの位置だと、さっきのバッチリ撮られてるじゃねーか!!)
「…これ、誰のだ?」
「え? 千鶴ちゃんのだよ」
「…まさか、あの衣装も…」
「うん、千鶴ちゃんがくれたの。ホワイト尽くし恵方巻きのアイデアもそうなんだよ〜」
(本匠〜〜〜〜〜〜っ!!)
「…この箱返す時、本匠にお礼言っといてくれ」
「うん、解った!」
素早くテープだけ抜き取った一護は、織姫以外には珍しい爽やかな笑顔でそう言った。
後日…
「何でアンタに文句言われなきゃならないのよ! 楽しんだんでしょ!?」
「ぐっ… それとこれとは別問題だ!!」
「つーか、何でテープごと返さないわけ!?」
「うるせー!!」
「織姫独り占めにしてるんだから、見せる位いいでしょ!」
「いい訳あるか!!」
「あれもダメこれもダメって、狭量な男ね! しょうが無い… アンタと何てゴメンだけど、
3Pで手を打とうじゃない!!!」
「何がしょうがねぇだっ!! ふざけんな――――っ!!!!」
…とか何とか、黒崎一護と本匠千鶴の怒鳴り合いが、あったとか無かったとか…
−了−
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