あの一件以来、市丸隊長が冷たい。
あの手この手で松本さんコラの復活を画策する病床の檜佐木先輩も、
秘かにお世話になっていたらしい阿散井君もどこかよそよそしい。
日番谷隊長に至っては「市丸」の響きを聞いただけでチビって逃げて行く。
主力商品であった松本さんコラは永久欠品となり、アイコラ神としての権威も失墜した。
怒りと絶望を孕んだ男性死神の視線が痛い。
救いの女性死神達には未だに僕を童貞君呼ばわり。
最早これ以下は無いだろう、そう思ってたのに…
「このファイルは…」
端末を操作していて、見慣れないファイルに行き着いた。
shinigamicora.jpg
何かの画像らしい。しにがみこら…?
死神…コラ…、死神…コラ?
怒りっぽい死神の画像だろうか。
怒りっぽい死神…私の事を怒って下さる死神……!
ももももしや…もしやあのお方の画像…!?
私は──何故だか無性に胸をドキドキさせて──ファイルをダブルクリック…
ぎゃああああぁぁぁあ!
波打つ金髪を大胆に振り払い、凹凸激しいその体を惜し気もなくレンズに晒して…
ままままつもとこここんなはれんちなことを…!!
ここここんなに…私の貧相な体とはえらい違いで…市丸辺りが撮ったのだろうか、無防備にレンズに微笑む松本…
「どうしたんすかァァ隊長ォ!!」
「うるさいお前に構っている暇などない!」
私は奴を無視して─当然の如く小脇には油煎餅─必死で画面に食い付いた。
ないのか…ないのか!?
いや松本があってあのお方の画像がない訳がない…ない…ない!
必死でページを繰る!ダブルクリック!ダブルクリック!
ないのか!?本当にないのだろうか!?あの雛森でさえカメラに向かって華奢な裸体を晒しているというのに…!
「お、それアイコラじゃないっすか。隊長でもそういうの興味あるんです?」
私はここで初めて奴を振り返った。油煎餅の臭いが鼻を突く。
「何だと、…あいこら?それは何だ」
「最近俺らの間で流行ってるんすよ。松本さんのはなぜか廃盤になったらしいんすが…」
奴は無駄に流麗な仕草で私と席を変わった後、意外にてきぱきと端末を操作し始める
何処か嬉しそうにフロッピーを飲み込ませて、カタカタと手慣れた様子でページを繰ってゆく
「有名人とか憧れの人の顔とエロ本の裸をくっつけて楽しむ遊びです。隊長のもありますよ、ほら」
私!?なぜだ、なぜそんな物が…
ぎゃああああぁぁああ!!
そこには憂いと恥じらいを含んだ切ない表情で、振り向きざまにこここ股間を開帳している私の姿が…
隊長!?ちょっと隊長、しっかりして下さい…
耳障りな奴の声が、遠くに聞こえた気がした…
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