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ネタ【職人・吉良】

「あら、童貞クン」

「………松本さん、その呼び方いい加減にやめて貰えませんか」

職人業を始めてから、以前に増して女性に対して腰が低くなったと自分でも思う。
ズリネタ(最近覚えた)にしてしまっている雛森くんや圧倒的に注文の多い松本さんに対しては格段に、申し訳ないやら情けないやらで複雑な気持ちになりながらも、偉大な女性達への多大な感謝と甚大な謝罪を込めた丁寧な対応をする事しか僕には出来ないからだ。


「いいじゃない、………何悲壮な顔してんのよ。
それはそうと、脱臭剤か何か貸して貰える?
ツマミとお酒の臭いが隊首室に染み付いちゃってんのよね〜、昨日宴会したせいかしら…」

「自業自得じゃないですか。…にしても珍しいですね、松本さんがこんな朝早くから仕事してるなんて」

「隊長が朝から機嫌良くてさ。あんな丁寧に接されると、こっちもやらなきゃって思うのよねぇ」

脱臭炭を片手に颯爽と十番隊へ引き返して行く松本さんの後ろ姿を眺めながら、死覇装を透かして彼女の裸体を見ている錯覚を覚えた。死にたくなった。



「おい吉良、ちょっと」

この呼び掛けが使われた場合、僕は否応なしに応じなければならない。
職人として──…いや、男として。


…また雛森君と松本さんか。
最近妙にこの二人の注文が増えた。
そしてこの依頼主達は主に檜佐木先輩経由で注文してくる。

そう言えば先輩経由の注文も最近になって格段に増えた。
元々彼を立てるために先輩経由の依頼は他の物より早く上げるようにしているから、彼経由の注文が増えるのは当然の事なのだが。
(ちなみに先輩はそれをいい事にマージンを取っている。たまに、ごくたまに、そして色んな形で還元してくれるので、最近はもうとやかく言わない事にした)

「それ、明日までに頼めるか?」
「明日ですか!?」
「依頼主が、明後日朝一で取りに来るんだと。だから俺が明日中に受け取って、明後日」
「……」

どれだけせっかちな人なんだ。
そして先輩も先輩である。僕の負担も考えてくれ。他にも山のように依頼を抱えているし、第一本職ではない。趣味だ。


しかし依頼主を訊くのはやはりタブーだろうか。そうだろうな、僕の作ったオカズ(最近覚えた)でセンズリ(最近覚えた)こいてるなんて知られたくないだろうし。知ったら知ったでしたくもない想像を繰り広げてしまいかねない。

けど、誰なのかちょっと気になるのも事実だ。尺魂界のセックスシンボルである松本さんのアイコラなら、十分に納得出来る。
以前から群を抜いて多いのは当然だし、僕の資料達と彼女の多彩な表情は戦友たち(先輩含む)のマニアックな要求にも十二分に応えてくれている。
問題は…雛森君の方だ。
元々格段に出荷数が多いという訳でもないし(決して少ないという訳ではない)、何よりズリネタ(最近ry)を共有する者として僕自身気になってしまう。

どうしても丁寧で繊細な造りになってしまう雛森君のアイコラを使ってるのはどんな人なんだろう…腹立だしいような、どこか親近感を覚えてしまうような、何とも言えない複雑な気持ちで毎回作品を提供していたのだ。

「それが、実は俺も知らないんだわ」
意を決して訊いたのに。拍子抜けする僕を尻目に先輩は続ける。

「毎回朝一で机の上に封筒が置いてあんだよ。写真と金が入ってる。子供みたいなきったねぇ字でいつまでにって期限が書いてあって、マージンが多いのなんの」
「………へぇ」
「んで前日に机の上に置いとくと、期日の朝一にはもう消えてんだよ。実際昨日も置いて帰ったんだが、今朝にゃとっくに消えてたしな」
「…………そうですか」



期日の早朝、間の抜けた臨戦体制の日番谷隊長と鉢合わせた事は想像に難くないだろう。


今では真剣10代しゃべり場のゲストとして、時には職人見習いとして、僕たちの心の支えとなっている。
何レスか借りて小ネタ投下。
コレ簡単そうに見えて難しいな。

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