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【一護×たつき】

「私、どうしたらもっと黒崎君と仲良くなれるのかなぁ……?」
アタシは嘘つきだ。
「まぁ……根気じゃない?アイツ超鈍いから。アタシも応援したげるから、頑張んな?」
「えへへ……ありがと、たつきちゃん!」
………アタシは嘘つきだ。
親友として、たつきを信頼しきった織姫の無邪気な笑顔。
それは織姫の本意とは裏腹に、蒼く光るナイフのように鋭く冷たくたつきの胸に突き刺さる。



「たつき、聞いてるか?」
「……ゴメン、何だっけ」
「どうかしたか?……ボーッとして」
「……ううん、何でも…ない」
「……最近、多いな。そういうの」
夕暮れ時の一護の部屋。二人はベッドに腰掛けて話をしている。
たつきは軽く目を閉じて、悩みのきっかけを思い起こす。
そう、あれは━━━━ちょうど三ヶ月前だった。
いつまで経っても進展の無い織姫と一護。
それを見かねて、たつきは密かに一護に織姫の好意を伝えることにした。
「織姫はさ、アンタのこと好きなのよ。さっさと気づきなさいよね、そんくらい」
「……知ってる」
たつきは一護の意外な言葉に驚いたが、次の一言はそれを遥かに凌駕した衝撃を持っていた。
「けどよ、俺は━━━━━━」
たつきにはどうすることも出来なかった。
ただ一つ確かだったのは、一護よりむしろ自分自身の方が鈍かった、そういう事実である。
最初はこんなつもりではなかった。
ただ、少しフリをしてすぐに別れてしまえばいい、そうすれば一護の未練も断ち切れるだろう、と。
これは、織姫のためなのだ、と。
けれど今思えば、彼女の出したその答えは
自身でも気付かないほどの仄かな一護への恋愛感情
成長するにつれ離れてゆく幼馴染みへの独占欲
心の奥底に眠るそのようなどろりとした気持ちの作りだした言い訳だった。
程なくしてたつきは、一護との関係に完全に依存していった。

「………ねぇ、しよっか」
たつきは一護の袖を軽く引っ張り、そのまま手と手を重ねる。
「……………」
一護はしばらく遠くを見つめて何かを考えていたが、やがてたつきを静かに押し倒した。
お互いに唇を何度か軽くついばんだ後に一護が舌でたつきの口内を犯していく。
「…ふぅん…んぅ…ん…」
時に乱暴に、時に繊細に。
不均等なリズムで這い回る一護の舌にされるがままとなるのがたつきはたまらなく好きだった。
二つの唇が離れると、その間を粘ばり気のある弦が繋ぐ。
たつきは、下の方へと徐々に流れる唾液をわざとにごくりと音をたてて、残さず飲み込んだ。
そうすることで、自分も一護も何故かひどく興奮することをこの間知ったからだ。
生温かい無味な液体が喉を通り抜けて、たつきの心を充たす。
「はぁ…んっ……一護のキス……美味しい……」
「たつき………」
━━━━━アタシは、卑怯だ。
自分の気持ちと親友の気持ちのジレンマに苦しんで、逃げつく先は結局、この部屋。
彼は彼女の総てを包んでくれた。
ここでたつきは苦痛を忘れ、いいしれない幸福に身を任せる。
悪循環なのは、解っている。そして、やめられないことも。
━━━それはまるで麻薬のようで。
「脱がすぞ………」
一護はすっかり馴れた手つきで制服のブラウスのボタンに手をかける。
ひとつ、またひとつ、と外されていく度にたつきは自分の中で何かが高まっていくのを感じた。
前のはだけたブラウスからは、グリーンライムのブラが健康的な肌色と共に顔を覗かせる。
以前はスポーツブラしか着けていなかったたつきだが、一護と付き合うようになってからは下着にかなり気を使いだした。
もう見慣れているはずなのだが、一護はどうしてもたつきのその姿に赤面してしまう。
綺麗な肌、予想以上に華奢で、綺麗なラインの躯、シャンプーの甘い香り。
上目使いの切ない顔で見上げるたつきと目があうだけで、気が狂いそうになった。
━━━━やべ、たまんねぇわ。

一護は左腕をたつきの背中にまわして上半身を持ち上げる。
近付いた唇にもう一度軽く口付けてから右手でブラジャーのフロントホックを外した。
束縛を解かれたバストはたぷん、と静かに揺れて、薄いピンク色に染まったその尖端が露になる。
「………お前、また大きくなってないか?」
一護は率直な疑問を述べただけなのだが、その言葉は更にたつきの羞恥心を煽った。
思わず顔を赤らめてうつむき、たつきはつぶやく。
「だって……アンタが触ってばっかりいるから……」
行為の中において、一護は胸を愛撫する時間が長い。
一護本人に特にそういう意識はないが、それはハッキリとたつきに感じられた。
そのせいで何度か彼女はそれだけで達してしまったことさえあるくらいだ。
それはもしかしたら母親を早くに失ったことに潜在的な原因があるのかもしれない。
「………好きだろ?コレいじられんの」
からかうようにそう言って一護はたつきの乳首を片方軽く摘んだ。
「あぁっ……ん」
心地よい刺激がたつきを瞬時に襲う。思わず声が漏れてしまった。
「ほら、な?」
一護は性的興奮の混じった悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「だって………だって……」
「……気持ちいいんだろ?」
一護はピン、ともう一度乳首を弾く。
「ふぁっ!?………う……ん」
「じゃあ、いいじゃねえか」
「あぁっ……んっ……はァァ…」
もう固く勃った敏感な乳頭を一護は容赦なく弄ぶ。
たつきはそれに耐えるように目を瞑った。自然と息が荒くなる。
━━━━別に初めから好きだったわけじゃない。
でも、毎回毎回おんなじとこばっかりイジめられたら、癖になっちゃうよ………

一護は一度たつきを嬲るのをやめて、まだ肩にかかるブラウスとブラをそっと脱がせた。
弾力のある胸がぷるんと震える。
上半身が完全な裸となったたつきを一護はまじまじと眺める。
「……ち、ちょっと……あんま見ないでよ……」
一護としては本来、邪魔な服を取り除いて愛撫に専念したかっただけなのだ。
だが、まだ明るい室内でたつきのその姿は一護の目を自然と釘付けにした。
そして、ぽつりと一言。
「……………綺麗だ」
「〜〜〜〜〜〜〜!!!」
いかんせん長い間悪友という関係を続けてきた二人である。
たつきは一護のこの手のストレートな言葉にまったくといっていいほど免疫がなかった。
真顔でかわいいだの綺麗だの言われた日には一週間はその言葉が嫌でも頭の中で反芻してしまう。
「ば、バカ!変なコト言うな!!」
もう見せまいとたつきは一護にしっかり抱きつき、自分の姿を隠した。
一護は顔を真っ赤にしているたつきの耳もとに口を寄せ、多少自分も照れながら囁く。
「からかってんじゃなくて……その………本当に綺麗だ」
たつきはゾクゾク、と背筋を何かが這い上がるのを感じた。
その「何か」が頭の奥まで辿り着いた時に、それが「いとおしい」という感情なのだと気付く。
「…………あり……がと」
しっかりと抱き合ったまま、二人はまた舌を絡めて唇を求めあった。
舌のざらざらとした柔らかい感触は、お互いの脳へ高揚した性欲と愛情を送り続ける。
しばらくして名残り惜しそうに顔を離して、
一護はゆっくりとたつきを寝かせ、自分もYシャツを脱いでから上から覆い被さった。
直接肌と肌とが触れ合い、お互いの体温を感じとる。
一護はたつきの胸の辺りに頭を持ってきて、両手で揉みしだいた。
大きな円を描くように、優しく小刻みにムニュムニュと指を動かしていく。
「……ふぁぁっ……あァ…」
一護は指の沈み込む何とも言えない柔らかな感触とたつきの官能的な反応を楽しんでいた。
10本の指と掌を器用に激しく細かくうごめかせていく。
その都度たつきの乳房は変幻自在に形を変え、まるで別の生き物のように動いた。

たつきは揉みしだかれる胸と指の動きを見つめていた。
一護の指づかいは非常になめらかで優しいので、マッサージをされているような気持ちのよさがある。
先程までの興奮を少し忘れて、たつきはまどろむようにリラックスしていった。
その時だった。
一護は急に指を胸の中心へと収束させ、たつきのぼんやりとした意識を引き戻す。
「……はぁ……っ!!」
全く無防備な瞬間をつかれたため、予想だにしない快感がたつきを襲った。
一護はそのまま二つの突起をきゅっと摘みあげる。
「ひあぁぁっ!!」
「気ぃ抜いてっと………お仕置きだぜ?……なんつって」
一護はまた意地の悪い笑みを浮かべている。
「やぁっ…ん…もぉ……何言って……あン…」
たつきは抵抗しようとしたが、更なる快楽を欲して体が言うことを聞かない。
「じゃあ………やめるか………?」
不意に一護がたつきを離れる。
温もりが消えていくのを感じて、たつきは不安になって自分から一護に寄り添う。
「……だめ……やめ…ないで…………お仕置き……して」
━━━━━ああ、アタシは、どうかしちゃってるんだろうか
「……仕方ねぇやつだな?」
一護と付き合ってみて、初めてたつきは彼が意外とSで、
逆に自分がマゾヒスティックな一面を持っていることを知った。
一護の悪戯を表面では拒否しながら、なんだかんだでいつも愉しんでしまっているのだ。
Sといっても、一護は決して乱暴なことはしない。相手が嫌がることをするのは自分も嫌な質だ。
その分彼は心の中に入るのが恐ろしくうまかった。
たつきの高いプライドをいとも簡単に剥がして、その奥の本音を優しく撫でる。
それはたつきには何よりも心地のよいことで、たつきはその虜になっていった。

一護は再度たつきの乳首を嬲り始めた。
擦り潰す様にこねくり回すとたつきが躯をのけぞらせる。
「あっ…あっ…そんなにぐりぐりしちゃ……くぅぅ!!」
一護は反応を確かめてから右手を離し、スカートの中に潜り込ませた。
「……!!そこ、さわっちゃだめ……」
たつきの顔が羞恥にまみれていくのがわかる。
「………お前……もう、こんなじゃねえか……」
引き出された一護の指は、たつきの愛液で糸を引いていた。
「やぁ………言うなぁ……」
たつきは顔を伏せる。
それが一護にはたまらなく可愛くてたつきの髪をそっと撫でた。
「……嬉しいぜ……感じてくれたんだろ?」
たつきはうつむいたままぼそぼそと答える。
「その………今日、なんかすごく……気持ちよくて……」
耳まで赤くなったたつきの顔を持ち上げると、一護はまた唇を貪る。
深く、深く愛してやりたいと思った。
右手で下着の中、左手で胸を犯す。
「んむぅ……ふぅぅん……」
少しして唇を離すと今度は空いている方の胸の尖端をくわえた。
新たな刺激にたつきが躯をこわばらせる。
「……んんっ!!くぅ……っ!!」
右手の二本の指でトロトロの膣の中をまさぐるのに加えて一護は更に親指を淫核に擦りつけていく。
「ん……!?ふぅぅ……ん……っ!!」
ふと、一護はたつきが自分の唇を噛み締めているのに気が付いた。
「………声、我慢してるのか?」
「だって……夏梨ちゃんに……聞かれちゃ……う……」
「!!!」
そうだ。
遊子はこの時間、下で晩飯の支度をしているが、夏梨は隣の部屋で宿題をしている。
一護はすっかりそのことを忘れていた。
「そ……そうだな…」
「…………まさか、アンタ忘れてた?」
「……………おう」
「……………あきれた……」
「…………………………おう」
たつきがハァ、と溜め息をつく。ムードもぶち壊しだ。
静まり帰った部屋で、急に一護は嫌な予感がした。
次の瞬間、二人に戦慄が走る。

━━━━━コン、コン
ドアをノックする音。
「イチ兄ィ、ハサミ貸してー?」
「〜〜〜〜〜!!!」
今、ドアを開けられるのはマズイ。
とりあえず一護はYシャツを掴んで慌ててボタンを止め、裸のたつきと自分の下半身を布団の中に隠した。

「……入るよー?」
「……お、おう」
ガチャリとドアの開く音と共に夏梨が入ってくる。
「あれ、たつきちゃんは?……ていうかなんで寝てんの、イチ兄。」
夏梨は不審な目で一護を見てはいるが、どうやらバレてはいないらしい。
「ちょっと疲れててな………たつきは今トイレ。」
苦しい、非常に苦しい言い訳だ。
一護が悪戦苦闘する最中、たつきはズボン越しに硬く勃起した目の前の一護の肉棒を見つめていた。
「(すご……おっきい…興奮してるんだ……アタシに……)」
余りに苦しそうなのでたつきはつい、ジッパーを下ろしてそれを解放してしまった。
「!!!」
「……どうかした?」
「………いや、何でもねぇ」
………ハズはない。
━━━━━こんな時に中で何してんだ、あいつは
布団の中で露になった一護の淫茎と顔をつき合わせているうちに、たつきは何だか変な気持ちになってしまった。
ビクン、と時折波打つそれを最初はさするだけだったが、つい、口が伸びる。
自分を愛撫している間も一護はこんなになっているのを我慢していたのだろうか
どの辺りで一番興奮したのだろうか
そんな妄想を巡らせていると、つい気分に乗せられてしまう。
根本を舐めまわし、段々と舌を登らせていく。
その頃一護はというと、宿題のわからない所があるからついでに教えてくれ、との夏梨の申し出を渋々引き受けていた。
「………っ……!?」
とてつもない快感が一護を襲う。宿題どころではない。
もとより限界に近かったペニスは気を抜いてしまえばいつでも射精してしまいそうなほどだ。
「……な、なぁ、やっぱ後でいいか?何か調子悪ィわ、俺」
精一杯平静を保って一護はそう伝えた。
しかし、たつきは構わずに完全にすっぽりとくわえこんでしまう。
夏梨が不満そうな顔をして愚痴る。その間もたつきの口の上下運動は止まらない。
「(早く……行ってくれ、夏梨……)」
しかし、限界はやはり来ていた。
夏梨が背を向けて、部屋を出ようとした時に、ちょうど。
「………くっ!!!」
一護は、物凄い勢いで精液がほとばしるのを感じた。
結局自分は、妹のいる前で射精してしまったのだ。
ドアがしまって慌てて布団をめくる。
「たつき、お前、何を…………」
一護の目に映ったのは、顔に自分の大量の精液がぶちまけられた虚ろな目のたつきだった。

「………ごめん……何かアタシ……一護の……見てたら……急に……」
少女のその姿は一護から彼女を非難する気持ちを吹き飛ばし、抑えきれない衝動をかきたてるには充分すぎた。
「………ねぇ……いちごぉ………」
夏梨が階段を降りる音が聞こえる。多分テレビを見に降りたのだろう。
もう、他に止める理由はなかった。
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「…あれ?夏梨ちゃん、宿題は?」
「……あたしはお邪魔みたいでね。また後で」
「…………?」
「まぁ……仲が良いのはいいことだけどさ……ところで今日の晩ご飯何?」
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「あはぁっ!?いちごぉ、いちごぉ……」
「うぁっ……たつき……いいぜ……」
部屋に、水分を含んだ淫らな音が響いた。
一護は欲望の塊をたつきにぶつける。
狭い膣内を肉棒が暴れまわると襞が絡まり、より一層きつく締まっていった。
「たつき……たつき……!!」
「ひぁん!!……あァ……イイ……気持ちイイよぉ……」
たつきは一心不乱に自分からも腰を動かして快感を得ようとしていた。一護の背中に爪が赤い痕を残す。
━━━━━もう、何も考えられない……………
今までのキスとは違い、顎をつきだして口の外でお互いの舌を舐めあう。
二人のほてった躯がそのまま溶けてしまいそうなくらいに。
徐徐に一護のグラインドが速くなり、それに合わせてたつきの声の高さも上がる。
一護は両手で激しく揺れるたつきの胸を鷲掴み、その中心をまた押し潰した。
ビクンビクン、とたつきが微かに痙攣して甘い声をあげる。
「はァァ……またぐりぐりするのぉ……あっ…あああ!!」

たつきの口の端からはさっきの精液と唾液が混ざった半透明の液体がだらしなく溢れていた。
むせかえるような愛液と汗の臭いが充満する。
「……お前……どんどんエロくなってくな……」

「はぁっ…あっ…だって……一護が……やらしいことばっかり……あんっ!!
アタシのカラダに覚えさせるからっ………ひゃぅぅっ!!」
たつきは、躯を責められて、言葉で責められて感じてしまう淫媚な自分にまた興奮する。
快楽が増す事に自分が淫らになっていっているのが手に取るようにわかった。
「あっ…一護ぉ…あはァ…アタ…シ………イきたい……」

まるで躯もそれを望むようにたつきの膣壁が更に一護を締めつける。
「……!!!く……おれ……も……」

「今日は大丈夫だから………
膣内に……射精して………一護の……いっぱい……ああっ!!」

「たつき……たつき………」
「一護ぉ……いち……ご………あぁ…っ!?」
「イっ…イっちゃ………くぅぅぅぅっ!!!」
「!!!!」
「あはぁ……射精てる……あついの……いっぱい……」


交わりを終えてから、二人はその余韻をベッドで共に過ごしていた。
たつきは一護に顔を擦り寄せながら、色々な事を考えた。

織姫のこと。自分のこと。……一護のこと。
もし、アタシが織姫の立場だったら。アタシが親友に好きな人をとられてしまったら。
アタシはきっと織姫みたいに笑ってなんかいられないだろう。
悲しくて、辛くて、苦しくて。ずっとずっと泣き続けるだろう。
━━━━━アタシは、卑怯で、嘘つきで。
でも、友達はこれ以上裏切りたくない。一護も、含めて。
だから………決めた。
別れよう。やっぱりだめだったんだよ、アタシら。
「アタシ………もう帰るわ」
たつきはスッと体を起こし、身支度を始める。
急に、布団の中から手を掴まれた。
「……………もうちょっと……居てくれ」
それは「まだ帰るな」という意味なのだろうけれど、
たつきには「まだ別れないでくれ」に聞こえてしまう。
付き合い始めて最近ようやく、たまに一護はこんな風にたつきに甘えるようになった。
恐らく、これはたつきだけが知っている一護。世界中で、たつきだけが。
素直に、誰にも教えたくない、とたつきは思った。
ずっとずっと独り占めしたい、と。
でも、たつきは悲鳴を上げる心を押し殺す。
「……帰る」
「……駄目だ」
「無茶いわないでよ」
「…………駄目だ」
たつきは自分の考えが悟られている気がしてならなかった。
いや、一護もわかっている。それこそもう10年以上も一緒にいるのだから。
一護もベッドから起き上がる。
「今お前を帰したら、きっと泣く。俺はそんなのイヤだ。」
「……何、言ってんの?」
たつきの声は震えていた。
「もう、独りで悩むな。もう、独りじゃねぇんだ。」
「俺さ……お前がいねぇと、もう駄目みたいだ。」
たつきは手の荷物を下に落としてしまった。もう力が入らないようだった。
「アタシもだよ……ばか……」
ぽつり、と床に涙がこぼれた。

後日。
「織姫……ちょっと、話があるの……」


FIN

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