1829

【剣八×砕蜂】

今夜も月が出ている。
瀞霊廷は、遥か上空まで及ぶ遮魂膜のお陰で殆どと言っていいほど曇る事が無い。
ここで見る月はいつでも冷ややかな輝きを称えている。
瀞霊廷のおよそ中央にそびえるこの監視鐘楼は、
かなり昔から使われていない。
技術開発局が新たに高性能の監視機を開発して以来、
この古びた鐘楼は数少ない私の隠れ家となった。
床板や梁が腐りかけていてとても快適な場所とは言えないが、
月だけはどこよりも近くに感じる事が出来る。

「美味そうな月ではないか、砕蜂。」

あの方と、良く月見をした物だ。
麗しき主君の幻がちらつく。

あの方の影が蘇るたび、私は心が虚ろになった錯覚に陥る。
胸の奥がぽっかりと。
私の心のあるべき場所には、本当は何も無いのではないかと。
如何に階級を上げ、如何に力を手に入れたとしても、埋まる事の無い大きな孔。
屈辱感と、どうしようもない寂しさだけが満ちた孔。
見張り台の下に見える庭園。
あそこには大きなびわの木があって、
良くあの方と採りに行っては総隊長殿に拳骨を見舞われた。
あそこの池の大きな蓮を、あの方と良く見に行った。
至る所ににあの方の面影が佇んでいて、
月に目を泳がす事に必死になってしまう。
辺りが限りない静寂と言う事もあって、いらぬ事ばかりが頭をかすめる。
だめだ。
月夜が私を弱くする。
切ない。
熱い物が目尻から溢れる

なぜ私を置いて行ってしまわれたのですか。
夜一様・・・

自らの方をきつく抱きしめれば漏れる熱い溜息。
体の奥がジリジリする。
嫌だ、凄く嫌だ。
隠密機動を、刑軍を総括する立場の私に、
女の気持ちなど必要無い物だろう。
しかし、私の欠けた部分を少しでも埋めようと、
右手が裾からゆっくりと胸元に滑り込む。
あの方の事を考えただけで、薄い脂肪の頂点は固くなり、
ほんの少し擦り上げただけで甘い痺れを走らす。
体温が上がって行くのが分かった。
「ぅん・・・はぁっ・・・」
熱を孕んだ先を摘めば堪らず湿った吐息が漏れる。
徐々に強く、自らの膨らみを押しつぶし、
中心を擦り上げ、思うままに快感を貪る。
今はただ快楽の溺れたいと強く願う自分がいる。

気がつけば、胸だけで物足りないのかもう片方の腕が袴の中に入っている。
きめ細かい下腹部を滑り、汗と染み出た蜜で湿った茂みをかき分け、目的の場所を探る。
「ひぅっ!」
熱くぬめる秘裂は触れただけで強い刺激で脳を霞ませた。
固くつむった口元から甘い声が飛び出した。
その声を聞いて私は愕然とする。
一体何をやっているのだ私は。
想う人を使って自らを慰めるだと?
しかもその相手は女ではないか。
何と言う淫らな婢なのだろう。
情けなさで再び涙が溢れ出す。
しかし、蠢く指はもう、自分で止める事が出来ない。
快楽と自己嫌悪で顔をぐしゃぐしゃにしながらも、
私は満たされない心を夢中で慰めた。
すぐ近くに迫った大きな霊圧にも気付かずに。

(まいったな・・・。)
巨大かつ凶悪な霊圧の持ち主、更木剣八は階段に腰掛けて
少々困惑気味に上の様子をうかがっていた。
道場で新入隊員に稽古を着けた後、
今夜の美しい満月を肴に一杯やろうと鐘楼に足を運んだのだが、
よもやこんな場面に出くわそうとは思ってもいなかった。
(なんでここにあの野郎が居やがんだよ・・・。しかもなんで泣いてんだ?)
剣八の居る位置からは後ろ姿しか確認できない。
微かに聞こえる短い息遣いと引きつった様な声の為、
震える小さな肩は泣いているように見えたのだ。
気まずそうに顎を掻きながら、立ち去るべきかどうか考える。
(あいつとはあんましゃべんねぇが・・・
泣いてる女放っとくってのもなぁ・・・。
畜生、なんで俺がこんな事ごちゃごちゃ考えなきゃいけないんだよ。面倒癖ぇ。)
女心のあまり分からない剣八は次第にイライラして来た。
相手を気遣うなんて性分じゃない。
こんな良い月が出ているのに女が一人泣いているからと言って、
みすみす特等席を奪われるのは釈然としない。
取りあえず飲ませりゃ嫌な事なんて忘れるだろうと大徳利を右手に携え、
自慰に夢中などとは夢にも思わず
剣八はずかずかと見張り台へ入って行った。

ギシリ・・・
朽ちかけた床板が剣八の体重に悲鳴を上げる。
「!!」
砕蜂は素早く裾を整ながら片手は腰の斬魄刀に添え身を翻した。
そして意外な音の主に驚く。
「よぉ。」
「貴様っ・・・更木?」
「何泣いてんだ?」
はっと自分の顔が水浸しだったのを思い出し、
斬魄刀から離した右手で慌てて目尻を拭う。
「こんな所で何をしている。」
燻る熱を悟られまいと、目付きをより険しく細める。
「こっちの台詞だ。俺の隠れ家になんで二番隊の隊長が居る。」
「月を・・・眺めていただけだ。」
「そうかい」と興味無さげに言い捨てると剣八は月のよく見える位置に腰を下ろし、
懐から取り出した盃に酒を注ぎ始めた。
「何がそんなに悲しいのか知ったこっちゃねぇが人が飲んでる横でめそめそされちゃ、
 酒がまずくなる。嫌な事なんて飲んで忘れちまえ。」
「め、めそめそなど・・・・!?」
立ち上がろうとするが足に力が入らない。
半分まで立った所で尻餅を突いてしまった。
臀部に走る衝撃で忘れかけていた甘い疼きが戻ってくる。

「〜〜〜〜・・・・っ」
「?、どうした?」
突然へたり込んだ砕蜂に驚いて剣八が近づく。
「なっ何でも無い、来るな!」
しかしもう遅かった。
「おいおい、んなでかい声出さなくたって何も・・・・・!?」
起こそうと至近距離に近づいた所ではたと剣八が動きを止めた。
上気し、軽く汗ばんだ薄紅色の肌から立ち上る濃い女の匂いを、
剣八の獣じみた嗅覚は逃さなかった。
潤んだ瞳に見つめられギクリとする。
「お前、まさか・・・」
(しまった・・・っ)
羞恥のあまりますます火を噴いたように紅潮した。

気まずい沈黙。
剣八の大きな口がぐにゃりと曲がる。
かなり凶悪な笑顔だ。
「部屋でやんのじゃ物足りなくなっちまったのか?」
「そんなことっ・・・!」
消え入りたいほど恥ずかしい。
霊圧感知を怠っていた事を心から後悔した。
よりにもよって自慰を他人に見られるとは。
堪らず顔をうつむける。
しかし、それ以上の言葉は聞こえてこない。
もっとからかわれるかと思っていた分、少し不安になる。
相手の顔を伺おうとしたとたん、長く逞しい腕に抱きよせられた。
「なっ!?」
「・・・まぁよ。誰だってやる事だ気にするこたぁねぇ。」
聞こえて来たのは意外なほどに真面目な声。
「だがよ、泣きながらでも慰めずにゃ居られねぇってことはよっぽどの事だ。
 相手が誰かまでは聞かねぇが、手前自身を傷付けながらすんのは良くねぇ。
 いつ迄経っても満たされねぇ穴を広げるだけだ。
 それに不健康だしなぁ。」
低く、子供を諭す様な声。
予想だにしなかった言葉だった。

しかし、不完全燃焼のまま、こんな事をされては堪った物ではない。
押し付けられた厚い胸板から衣越しに染み出す汗と男の匂いが鼻腔を通り、
更に脳を潤ませる。
ずるい男だ。もう私に歯止めが利かない事を知っている。
「こっちも手前のせいで爆発寸前だ。もやもやしてねぇでお互いすっきりしようじゃねぇか。」
もはや剣八の声などほとんど聞こえていなかったが、
広い背中へ回った細い腕が無言の承諾ととられたようだ。
より強く抱きしめられ、それだけで体の芯を電流が走る。
「んんっ・・・ぅむ・・・はぁっ・・んぅっ・・・」
半開きだった小さな口は丸ごと銜え込まれてしまう。
唇に滑り込んだ尖った舌が歯列をなぞり、歯の隙間から口内に侵入した。
互いに舌を絡ませながら角度を変えて啄む。
舌の根元に唾液を落とされたかと思うと舌を甘噛みされ、下唇を吸われる。
戦闘こそわからないが、異性の扱いに関しては剣八の方が上だ。

口付けは首筋へ移動し容赦なく白い肌に赤い痕を着ける。
衣をはだけさせながら鎖骨を通り、浅い谷間まで降りて来た。
小さな乳房は易々と丸呑みにされてしまい、
剣八の尖った歯は柔らかい肌を美味しそうに咀嚼する。
敏感になっている膨らみを満遍なく舐め上げられ、甘噛みされ、
自分では生み出す事の出来ない強い快感を走らせる。
細い方が細かくはねる。
「ひぅっ!んあっ・・・だっだめぇ・・・ふぁっ!」
「色っぽい声で鳴くじゃねぇか。」
余った方の丘の先端をカリカリと引っ掻かれるたび目の前に白い火花が散った。
剣八の口は十分に双丘を堪能すると再び下へと降り始めた。
「ふっ・・・くぁっ・・・ん・・・ひゃんっ!!?」
丁度へその穴を通過する所で一際高い声が出る。
それを剣八は目敏くも見逃さない。
ここぞとばかりに綺麗なへそを舌で犯す。
「やぁっ・・・そこっそこやめぇっ・・・あぁっんぁぁぁあっ!!!」
よっぽど弱いのか軽く達してしまったようだ。
小刻みに腰が痙攣する。
ヘソはようやく解放されたが、今度は別の所から今度は別の場所から快楽の波が押し寄せる。

既にそこは熱く濡れそぼり、ひくひくと蠢動する。
足を肩から背中へ回され剣八の頭がそ砕蜂の股の間に収まる。
砕蜂はブリッジする形になった。
あまりの羞恥に泣きそうになってたが、次の瞬間背骨を強い感覚が走り抜けた。
「ひゃぁっ・・ひぐぅぅぅっっ!!」
神経に直接何かされているのではないかと思うほどの強い刺激から逃れようと腰が蠢く。
しかし両手でしっかり固定されているため、足が宙を蹴るばかり。
残酷なほどに敏感になっているそこは割れ目を軽くなぞられただけで意識が飛んでしまいそうになる。
「ぁくっ・・・くぅぅぅぅんっっつ・・・・」
押し広げられ皺の一本一本を舐め上げられれば堪らず腰が高く持ち上がる。
逃れたいのに両足でより剣八の頭を秘所に押し付けてしまう。
「ぐぅ・・ぁはっ・・・ひんっ・・・ひゃめぇぇ〜〜っ・・・」
もはやろれつも回らない。
ネトネトと絡み付く様な舌使いに止めどなく愛液が剣八の顎を伝い滴り落ちる。
しばらくジンジンと痛みに似た痺れが脳を支配していたが、
包皮を剥かれた肉芽を摘まれ戦慄が走る。
「あはっっひぐぅぅぅぅぅうううんっっっ!!!」
二度目の絶頂を迎えた。

くすみの欠片も無い綺麗な桃色だった其処は赤く充血し、
十分すぎるほど蜜でテラテラと淫猥に光っている。
しかし小さい事には変わりない。
試しに指を入れてみれば柔らかい肉壁が痛いほどに締め付けてくる。
(狭ぇ・・・こんなんで大丈夫なのか?)
頭の端にそんな事が過ったが、最早自らを制止できるほどの理性などは残っていなかった。
なんとか指が三本入るまでに解す間更に二度達してしまったようだ。
剣八が自分の袴に手をかける。
それまでとろんと焦点も危うかった砕蜂の目が、
はち切れんばかりに起ち上がった剣八自身に釘付けになった。
絶頂の余韻をはねのけて脳を恐怖が支配する。
女性の中でも小柄ほうの砕蜂に対し、性別問わず巨人の部類に入る剣八の其れも、
当然のごとく凶悪なサイズだ。
逃げ出そうにも体が言う事を聞いてくれない。
容易く捕まえられ、あぐらを書いた剣八の腰の上に持ち上げられる。
「ひっ・・・ゃっやめろぉっ!!そんな・・・無理に決まっているだろぉ!!?」
「無理なこたぁねぇ。ガキの出てくる穴だぞ?
 手前だってこのままで終わるのは辛ぇだろ。観念しな。」
剣八の腕が徐々に下がり、淫らな水音を立てて互いの性器が接吻する。
みるみる上気していた頬から血の気が引いて行った。
不意に顔を肩口に押し付けられる。
「どうせ初めてだろ?俺なりに優しくするつもりだが、辛けりゃぁ俺の肩を噛みな。」
肌の暖かさと剣八の匂いで妙に心が落ち着いた。

ぐぶりと亀頭が埋まり、次いで異物がゆっくり競り上がってくる感覚と痛みを伴う圧迫感。
そして先ほどの比べ物にならないほどの快感が腰から突き上がってくる。
「くぅっっ・・・あ゙はっ・・・ひぐぅんっっつ・・・」
ゆっくりゆっくりと着実に剣八が砕蜂の中へ侵入して行く。
そして少し止まったかと思えば、少し勢いを着けて一気に膜を突き破った。
肉の裂ける痛みに脳の中で火花が散る。
「あ゙ぁ゙っっ・・・ぃっ痛いぃっっつ!!抜いてっ・・・コレ抜いてぇぇっっつ!!!」
そう叫ぶと肉棒は少し退いたが、すぐにまた突き上げられる。
「やぁっ・・ひっ酷っっ・・いっ・・・ぅうっ・・・ぁぐっ・・くふぅぅぅ〜っ・・・」
痛みと混ざって背骨を伝ってくる甘い刺激に耐えきれず剣八の筋肉で盛り上がった肩に噛み付く。
肉棒は一定のリズムで下がっては少し進み、また下がっては少し進みと、
小刻みな上下運動を繰り返しながら狭い膣肉を押し広げて奥へと目指す。
「くっ・・・」
食いちぎられそうなほどの締め付けと突き上げるたびに噛み締められる肩からの痛みで剣八が呻く。
剣八が二分の一ほどが飲み込まれた所でやっと奥に到達する。
その頃には痛みは狂いそうな程の快感に変わり砕蜂の意識は吹き飛ぶ寸前だった。

「んふっ・・ふーっ・・・ふーっ・・・くふーっ・・・」
首元から短い息遣いがわき上がってくる。
華奢な腕でしがみつき肩に口を押し付けて、
顔を真っ赤にしながら必死で快感に耐えている砕蜂に、
剣八は破壊衝動にも似た欲望がこみ上げてくるのを憶えた。
(くそっ・・・。んな顔されたらもっともっと滅茶苦茶にしたくなるじゃねぇか・・・)
そのどす黒い衝動を微かに残っている理性でなんとか押さえつける。
しかし、愛液とともに連結部から流れ出した砕蜂が完全な女になった証、
一筋の血の香りで最後のたががねじ切れてしまった。
「・・・・わりぃ・・・・」
前借りの詫びの理由を聞き返す間もなく強い衝撃。
同時に痛みとも性感ともとれない感覚が砕蜂の脳に叩き込まれる。
「あ゙ぁ゙っっ!?ぃあぁあぁぁぁっっやめっちょっこわっ壊れゆっっうぁぁぁああっ・・・」
容赦なく熱い肉棒が子宮口に叩き付けられる。
刺激の強さに意識が飛び、また強い快感によって現実の引き戻される。
抗議代わりに小さな爪がゴツゴツと筋肉の浮き上がった背中に突き立てられる。
しかし痛みと滲み出た血の匂いは剣八の欲望の炎を更に燃え上がらせる油でしかなかった。

いつの間にか体勢が変わり、砕蜂の上に剣八が被いかぶさる形になっている。
動きに合わせて控えめな膨らみの頂点が分厚い胸板で擦り上げられ、新たに甘い痺れを走らせる。
「くぅぅぅぅ〜〜〜っっぃぐぅっっむねぇっ・・・くふっ・・」
過剰な刺激で声が出ない。
大きく揺さぶられないように必死で剣八にしがみつく。
「っ・・・くっ・・・・ひゃぁっっ!!?」
また新しい刺激、今度は背骨を冷たい物が走る感覚。
首だけなんとか後ろに曲げると、剣八の長い節くれ立った指が後ろの穴に深く突き刺さっているのが見えた。
直腸をなで上げられ、ワンテンポ遅れて電撃が走る。
「ひっっ・・・ぃひぁぁぁぁあああああああっっっっっ!!」
今まで以上に深い絶頂。
堪らず剣八を喰い絞めれば強い刺激に短い悲鳴。
「ぐっ・・・くっ・・・っっ!!」
大量の性を吐き出して剣八が果てる。
愛液と精液、そしてわずかに血の混じった薄紅色の粘液が二人のつなぎ目から溢れ出た。
びくりびくりと数回細い体が仰け反る。
心地よく打ち寄せる余韻に浸りながら、砕蜂の意識は深い闇の中へ落ちて行った。

「・・・んっ・・・」
朝の光と小鳥のさえずり。
先に目覚めたのは砕蜂だった。
背中の暖かさに気がついく。
剣八の大きな体が自分を包み込んでいる。
そっと起ち上がろうとしたが鈍い痛みに顔をしかめた。
微かに残った性の香りが昨日の激しい情事を鮮明に思い出させる。
膣に残った精液を指先に溜めた鬼道で一瞬にして蒸発させる。
女性の死神が古くから避妊のために使っていた術だが、
よもや自分が使う事になるとは思っても居なかった。
嬉しいような、誰かに申し訳ないような、悲しいような、
複雑な気持ちで胸がいっぱいになる。
気持ち良さそうに寝息を立てる剣八をを起こさぬよう、気をつけて身支度を整えると、
はだけた上着から剣八の肩が覗いていた。
未だくっきりと歯形が赤く残っている。
その痕を愛おしそうに撫で、眠れる獣に口付けた。

剣八が目覚めた頃には、
腕の中の小さな温もりは、初めから無かったかのように痕下とも無く消えていて、
紫色の朝焼けに月が密やかに消え入ろうとしていた。

                                        END.
つたない文章でお見苦しいかと(汗汗)
もたもたと長引かせて申し訳ない。
お付き合いくださった皆様有り難うございました。

[mente]

作品の感想を投稿、閲覧する -> [reply]