寝静まった廊下を歩いていたのは、三番隊の副隊長・吉良イヅルだった。夜もすっかり更け、細い三日月は
真上に輝いていた。彼が藍染に呼ばれたのは昼ごろだった。
(しかし珍しいなあ…)
初めてのことに戸惑いながら、そして失態でもしたかと考え込みながら歩いていた。ほんのり明るい部屋が
藍染のいる部屋だ。緊張に肩を張りながら、部屋の前に立った。
『ん…あ、……た…いちょう…』
女性の甘ったるい声がして、出しかけた声を飲み込んだ。知った声だ。まさかとは思うが、と違うことを祈った。
「来たか、入りなさい」
影を見て藍染が呼んだ。影――イヅルは少し驚いた後、しっかりした声で返事をした。気づかれては、
引き返すこともかなわない。
「…失礼します」
イヅルが入ると、イヅルと、藍染に貫かれたままの少女が視線を合わせて固まった。時間が止まったように動かない。
困惑と驚愕が複雑に絡み合って、行動することを許さなかった。
「風邪を引いてはいけない」
言われ、やっとイヅルが動く。障子を閉め、振り向きたくなかったが振り向いた。そして変わらずある光景を
もう一度目の当たりにして、直立した。どうすればいいのだろうか、何故呼ばれたのかを考えるも答えは出ない。
「……?…?!」
霰もない姿を同期のイヅルに見られ、雛森は羞恥心に心を喰われた。膝を閉じたかったが、閉ざそうとすると
藍染のものも動く。結果、絶頂近くまで達しかけた体から出る淫らな声を抑え切れなさそうで、出来なかった。
「雛森くんももう限界なんだ」
藍染は言い、イヅルの視線をひくつく秘部へ促させた。目を逸らしたかったが湧き上がる欲を抑えきれずに
目を追わせてしまった。白濁が出ていないということは藍染がしていないということだろうとか、いらないことを
考えてしまい、ズボンに張る突起が大きくなる。
「君もすぐに大丈夫だろう?…ずっと雛森くんに好意を寄せていたことくらいなら知っているよ」
二人とも、頭が真っ白になった。間接的に突然告白された者、秘めていた、そしてこのまま終わらせようと
していた思いを簡単に剥き出されてしまった者。もう何も考えられなかった。
既に良心も理性も、何も無くなったイヅルは、雛森の瞳を見つめてみた。彼女次第で、もうどうにでも
なってしまおうと思った。
同じように雛森も思っていた。だからとにかく、最初に湧き上がった感情を口にしてみた。
「吉良…くんので……私のここ、何とかして…」
くちゅ、と音がした。雛森の左手が、自らの秘部に触れていた。液が止まらず滴っている。イヅルがごくりと
唾を飲んだ。
艶っぽい声でそう懇願されてしまっては、男として黙ってはいられない。イヅルの思考は一点にたどり着く。
「わかったよ、雛森くん!」
帯を解くと、すとんとズボンが落ちた。既に硬くなったそれは、反り返るかというほどに長い。
(藍染隊長のより長いかも…)
太さはそれほどでもない、むしろ一般男性を微妙に下回るくらいかと思えたが、彼の細さも相まって人よりも長く見えた。
それが自らを奥まで突くのかと考えただけで、流れ出る愛液が増す。
「行くよ…」
雛森の両肩を掴み、イヅルは自身を雛森に挿し込んだ。思いのほかするりと入ったことに安堵したが、
その思いもすぐに何処かへ飛び去ってしまった。得たことの無い快感に支配され、脳が一触に染まる。
これまで感じたことの無い快楽をもっと得ようと腰を打ち付ける。時にゆっくりと抜き、かと思えば勢いよく挿れる。
「んあ、あ、ん…はあっ!」
それに合わせるように、雛森から声が出る。イヅルの動き一つ一つが、雛森の感じすぎる性感帯を刺激した。
快楽に溺れた二人は、既に飢えた獣に似ていた。
(…初めて…だよな)
やけに雛森のスポットを当てるイヅルを見ながら、藍染はそんなことを思っていた。雛森同様、元々素質が
あったのか、愛しさゆえにわかるというのか。
「ひなもり、くん…ッ!」
いつも遠くから想って来た。彼女が幸せなら自分も幸せだった。その彼女がいま傍にいて、自らと交わってさえいるのだ。
信じられないことへの幸福感と絶頂が、同時にイヅルを支配していく。
(頃合か)
絶頂の寸前の雛森の癖――右手の人差し指と中指を、下唇に添える――が見えた藍染は、ずっと止めていた
腰をゆっくり動かした。藍染もそろそろ限界だった。雛森の体が徐々に、徐々に早く――。
「ふああぁああぁあ!」
三人が同時に達したのが感じれた。ねっとりとした液体が雛森からあふれ出してくる。
全てを終え、イヅルは会釈してからしどろもどろに藍染と会話し、三番隊の隊舎に戻った。
次に雛森が目を覚ましたころには誰もいなかった。今日は集まらなければならなかったと慌てて出て行った先で
彼女は悪夢を見るのだが、それはまた、別のお話。
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