下品な笑い声を不快に響かせて笑った長身の男は一見優雅な動作で、しかし乱暴に女の顎を掴んだ。
「ククッ、この乱れた顔を見せたくないからそうやって隠しているんだろう?」
眼鏡の奥の瞳を嫌らしく細めて男は唇を耳元に寄せて囁く。
「とんだインランだ。お堅い女だと思っていたのにね?」
瞼の縁を彩る金の睫毛が小刻みに震えている。
その様子に満足したのか、男は長い舌を女の耳朶に這わせる。
「やっ…めろぉ!」
抗議の声を無視し、舌は穴の奥に入り込む。鼓膜を直に叩く音と生暖かさ。
焦らす様な動き、直接触れる息、音、全てが間近にあり、そして内部へと這入りこんでくる。
「うぁ…っ、こんなこと、何のつもりだ!」
普段は凛と響くその声も今は吐息を含んで僅かに空気を震わせるだけだ。
「何の…まぁ、実験だよ。展開がありきたりすぎて満足しなかったのかな?ハリベル」
「何を…盛った!」
「クハハッ!クスリに決まってるだろぉ?君は思っていたよりおバカさんなんだね?」
骨張った細い指が褐色を強く揉みこむ。容赦ない力で掴まれ、女はたまらず悲鳴をあげた。
「正直、僕も興奮してるんだ。周りは下品な売女ばかりで飽き飽きしている」
指先が尖端を捏ねる度、そこは意思に反してぷっくりと脹れ上がる。
頂の窪みを神経質に整えられた端整な爪が抉り、悲鳴とも矯声ともつかない声が唇から紡がれる。
時を遡れば二時間前、藍染がよく開く茶会の部屋での出来事だった。
珍しくテーブルに向かい合い、紅茶を飲んでいたのは仲が悪いと評判で、実際そうであるグランツ兄弟だった。
弟であるザエルアポロが十刃の一員であるというのは兄の威厳を傷付けるに十分だった。
顔を会わせばカス呼ばわりの男は、兄を認めていないようだった。
兄のイールフォルトも弟を快くは思っていないようでグリムジョーの配下に就き、表向きはその顔の如く穏やかにしてはいるが、
弟の名を出すだけで涼しげな目付きは変わった。
その二人が一緒に茶を飲んでいる光景は珍しいものだったのだ。
もの静かな彼女が思わず声をかけるほどに。
「ザエルアポロにイールフォルト、珍しいな」
驚いた風の彼女を見て、ザエルアポロは優雅に微笑んだ。
「僕らは一応兄弟だからね。同胞、一緒にどうだい?君はフルーティーなのが好きだったね?今はレモンかアップルしかないけれど、どうかな?」
「私は…別に」
表面上かもしれないが仲良くしている兄弟を邪魔しては悪いと思ったのだろう。
彼女は軽く目を伏せ首を横に振って遠慮する旨を伝えた。
「いいじゃないか姉弟、君より格下の俺がいるのが不満なら席を外したっていいんだ」
「そういうつもりは」
「兄貴も君と話をしたいのさ。勿論、僕もね。あまりまともな話が出来る連中がいないから心細いんだ」
苦笑いをっしながら肩を竦めて言うザエルアポロを、少し怪訝に目を細めて見つめ、ハリベルは静かに椅子に腰を下ろした。
「貴方もマトモとは言い難いと思うけれど」
その言葉にイールフォルトは「それもそうだ」と笑い声をあげた。
熱いレモンティーが喉を降る。飲み終わった後思わず吐いた吐息は安心したようなものだった。
「大分疲れているようだね」
ザエルアポロはストレートを一口含み目線だけを彼女に投げかけた。
「そういうわけでは。しかし、どういう状況にあっても油断は…」
「油断、は?」
「して…は…」
彼女の意思は一度其処で途切れた。
「クッ…ハハッ、あぁ、もうこんなにして…」
「あぁ…っ!」
「油断してはいけないんだろう?こんなに隙だらけじゃダメじゃないか」
眼鏡を中指で押し上げ、ザエルアポロは鼻先をハリベルの秘部へと近づける。
「やめ…ッ!藍染様に知られたらッ!」
「あのお方はこういうコトは認めていらっしゃる方だ。現にそういうコトをしてる売女共はウヨウヨいるだろう?」
「私は違うッ!」
「だからイイのさ」
褐色の肉を親指で押し広げると、鮮やかなピンク色が広がる。
肉壁を這うように舌が潜り込み、ハリベルは身を捩じらせた。
「クハハッ、こんなにイイ道具を持っているのに、カスが付いてしまっては勿体無いね?ちゃんと手入れはしているのかい?」
「うっ…」
「女性にこんな質問は失礼だったかな?申し訳ないね」
表面上の侘びを入れ、全く気にしていない風に舌を伸ばす。
粘着質な音が響き、ハリベルは耳を覆う。
「やめっ、やめ…」
「でもやっぱりグロテクスで気持ちが悪いね。ここに挿れる気にはとてもならない」
「だったら…っ見るなぁ!!」
「世間的、一般的には君の性器は美しいと思うよ?僕も認める」
「ひ、あ…うぁ」
長い舌が抉る様な動作で何度も動く。
金色で縁取られた瞳は潤み、救いを求めるように宙を彷徨う。
ガラス一枚通してそれを見つめる男は気違い染みた声と視線で彼女を追い詰めていく。
わざと大きな音を立てて吸い上げ、舌を大きく動かして水音を響かせる。
長い舌が内部に入り込み蠢く感触に、ハリベルは思わずザエルアポロの頭を掴んだ。
「あ…ぐっ、う、あ…ん!」
「やっと本性を見せてくれたね?兄貴、加わったらどうだい?」
視線を投げられ、金髪の男が女の背後に回る。弾力のある尻肉を両手で揉みしだき、左右に割り広げる。
「ククッ、兄貴は相変わらず…女のケツ穴が好きなんだね」
褐色の肌より色素が定着した部分に、赤い舌が伸び、皺に沿って動き出す。
「んんっ!其処…は、ダ…メ」
「ダメなんて言いながらヒクヒク蠢いているよ?」
「それはっ、お前達がっ…!こ、これ以上ふざけた真似は…」
「心外だな、ふざけているだなんて。ねぇ、兄貴?」
薄い紫の瞳と視線がかち合う。自分より格下だというのに。言いように弄ばれ、排泄器官まで見られている。
それなのに彼女の柔らかな其処からは、唾液のように雫が溢れ出る。
その雫を骨ばった指が掬いあげ、後ろの穴に宛がわれる。
くるくると円を描き、何度も皺を伸ばすように動かされる。
そして一気に中指が第二間接まで沈み込む。
「は…っ、ぐ…」
「強気な君が肛門を弄られて耐えている姿…凄くそそられるよ…」
「う、うぁ…こんなこと…っ」
「ホラ兄貴、さっさとケツにぶち込んでやりなよ。僕は中に挿入するなんて気持ち悪いからね、胸を使うとするよ」
服から半分見えている胸を下から押し上げるように強く揉みしだき、谷間へ熱く波打つペニスを滑り込ませる。
「あっ…熱いっ…」
「あぁ、素晴らしいね君の胸。いつも見せ付けられて…こうしたくてたまらなかったんだ」
欲望を包み込むように胸を寄せ、奥深くへと差し込んでいく。
子宮の代わりに、彼女の顎へと先端がコツリと当たった。
「ひ、ぐ…」
「ほら、胸を犯してあげるよ」
女に馬乗りに跨り、腰を揺らす。形容するならその姿は狩った獲物を嬲り殺すような残虐な狩人。
「クハッ、ハハ…!乳首が完全に勃っているね?胸を犯されて感じているんだ?エスパーダの君が!」
両の乳首を服の上から乱暴に摘まれ、引き上げられ、弄られる。谷間には熱い欲望が行き来し、彼女の顎に飛沫を飛ばす。
「ホラっ、兄貴!!さっさとケツに挿れてやれよ!お前みたいなチンカスでも、この女は悦ぶよ!」
「やっ、やぁあああ!!」
「っていう同人誌なんだけど、どう思う?ギン」
「どーもこーもハリベルちゃんてこないな子でしたっけ?」
「お前、二次創作なんだから性格捏造しないとエロ描けないだろう」
紅茶を飲みつつ描きかけの原稿を囲む藍染と市丸の背後に、長身の女性の人影。
彼等の至極マトモな、世間的に言えば美形の部類に入るであろう外見は、それ以来見られなくなったと言う。
以上。
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