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ネタ【アイコラネタ吉良】

気が付くと、僕は薄暗い部屋の中、簡易ベッドの硬いマットの上に転がっていた。
よく見ると手首に不気味な痣があったり、体の節々が痛む。
ふと不安になり腹部を探ったが幸い臓器は抜かれていないようだった。
「ここは何処だろう」とありきたりな事を考えながら視線を巡らせる。

「気が付いたカネ?」

あぁ、この声。何処かで聞いたことがある…そう、NHK教育でやっていたあのネズミ…

「ポロリ…?」
「違うヨ」

僕は全身総毛だった。忘れてはいけないこの声は、そしてテレビで良く聞くこの声は、あの技術開発局局長の物だったのだ。

「涅隊長ッ!?」
「お目覚めカネ?吉良君」

僕は自分がいる状況がとりあえず「危ない」と言うことは認識した。しかし何故この薄暗い部屋に、こんな危険なマッドサイエンティストと
一緒にいるのかが、ただ疑問だった。
とにかく僕の頭の中では警察24時よろしくサイレンが鳴り響き、身の危険を訴えていた。
今度こそ必ず臓器を抜かれる、と。
しかし、そんな僕の予想に反して涅隊長は比較的穏やかな声で僕の鼓膜を振るわせた。

「実は君に頼みたいことがあってネ」
「頼みたいこと…ですか?」
「君の趣味だというアイコラの噂はかねがね聞いているヨ。うちの娘も世話になっていると聞いたガ?」


娘…僕はまだぼんやりとした脳でその単語を呟いた。
そう、12番隊副隊長涅ネムのことだ。彼女は無愛想に見えるが実際そうだ。無愛想というよりは感情が無いように見える。
噂によると彼女はこの男の娘らしいが、どうも疑わしい。
第一この父親に生殖機能が備わっているのだろうか。あったとしてもそれは人間のソレとは別物のような気がする。
例えばイカのような…いや、話が説明的になりすぎて脱線するのは僕の悪い癖だ。話を戻そう。

「だが私は思うのだがネ。やはりスクール水着の名札には『メス豚』と入れるべきだと思うのだヨ」

どうやら自分の娘をオカズにして売り捌いていた行為に対して怒りは感じていないようで、名札なんていうどうでも良さそうな部分にフェチを全開にする
タイプだったらしい。僕は少し安心した。

「12組ねむ、とネムの名前を平仮名にするのは意味があってのことなのかネ?私には全く分からないのダガ、下着が水色の縞模様なのは…」

僕はそれらを意図して行った。真剣10代の皆で勉強しあった『萌え』の世界が凝縮されているのだ。
僕は3番副隊長であるにも拘わらず、12番隊長の上をいく男なのだ。そこに痺れて憧れる者は数多い筈だ。

「ところで涅隊長、僕に頼みたいことというのは…?」
「アァ、そうそう。君のアイコラ技術は本当になかなかのものだヨ。うちの局の者達も感嘆していたヨ」

技術開発、ソウルソサエティの技術は全てここに集約されている。
そんなプロフェッショナル集団に認めて貰えているなんて、と僕は嬉しくなった。


「それでダネ、うちの局が最近開発した3Dスキャニングの実験に付き合ってもらいたいのダヨ」
「3Dスキャ…なんですか?それは」

僕は聞きなれない横文字に思わず疑問符を投げかけた。

「スキャナーは知っているかネ?」
「えぇ、写真や絵を取り込んでコンピュータ上で見たりすること…ですかね?」
「フン、まぁそんな所だネ。この3Dスキャニングは写真をスキャンして、それを実際に形に出来る機械なのだヨ」
「ということは…?」
「そう、例えばこの写真をスキャンしてみるヨ」

何処から持ってきたのか、隊長はズルリと嫌な音を立てて一枚の写真を取り出した。
ちなみに取り出した場所だが、今思い出しても不気味極まりなかったのでこの「ズルリ」という擬音だけで済ませておく。
その写真は僕が作ったアイコラ…僕の大好きな雛森君の写真だった。

縦置きのPS2みたいなスキャン装置に写真が入る。その側には巨大なガラスケース。
箱は緑の光を何度も放出しながら卑猥に振動していた。卑猥に、というのは僕個人の感想であるが、僕がエロいとかそういう問題ではない。

・・・チン!

なんとも古風な音を立てて、何事かの終了を示したその音に、涅隊長は満足げに頷いてみせた。

「出来たヨ」

僕は目の前の光景に唖然とした。僕の目の前に居たのは…そう、僕が作ったアイコラ通りの雛森君だったのだ。

「す…凄い…」
「ダロウ?この調節機能を使えばより本物に近づけるように身長や体重も変えられるヨ。基本はスキャンだから限界があるがネ」

一糸纏わぬ雛森君は優しい微笑みを僕だけに浮かべ、その瞳に僕だけを映していた。


「でもまだ実験段階だからネ。声なんかは出ないヨ。この機械は君の商売に有益なんじゃないカネ?」
「僕の商売?」
「君は自分の作ったアイコラ写真を売っているのダロウ?その写真が実物になって、触れたらとしたら君の顧客はどうするだろうネ?」
「…ダッチ…ワイフ…」
「それに使ってもいいし、実験に使ってもいい。最近は実験台も少なくてネ。私もこのスキャナで実験台を量産しているのだヨ。良ければ君も
その5番副隊長の具合を確かめてみてはどうかネ?そういった意味で君を拉致…じゃない、招待したんだヨ」

やや耳を疑う単語が聞こえた気がしたが、追求した所で僕の結末は知れている。
…具合。その言葉は僕の全身を駆け抜けた。血が全身を流れているのだと改めて実感した。
それは自身の下腹部に異様な熱さを感じたからだった。
しゃべり場の童貞達よごめん…僕は一足先に卒業だ。
コンドームだって使う必要は無い。毛を巻き込む大惨事が恐ろしいんじゃない。
だって目の前にいるのはダッチワイフなのだ。
…ダッチワイフ?見るからに雛森君そのものなのに?君を人形扱い?

「それで君のアイコラに使われる色んな人物をスキャンして、実験の記録を書いてもらいたいんだヨ。それが頼みたいことサ。
ただし、本人そのものの写真をスキャンするのは止めてくれたまエ。色々問題があってネ」

かくして僕は未来の世界のネコ型ロボットが出したような機械を手に入れてしまったのだった。








以上です。
空気読まずにアイコラネタ投下。エロ無しシモネタのみなので苦手な人はスルーで。

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