それは、ほんの一瞬の出来事だった
一護と楽しそうなルキアを後ろから眺めてたら、いつものように苦しくなって
“ああ、やべーな”と思って顔をそらしたら、目に入ったんだ。井上織姫が
俺はそれまで、井上は「明るい底なしの天然」としか思ってなかったから
微笑みながら一護を見るまなざしに、辛さを懸命に押さえつけようとしてるのを見た時
“ああ、こいつも俺と同じなのか”と思ったら、もうダメだった。
『抱えこんだもの』が恐ろしいほどあっちまったもんだから
思わず、井上の手をつかんで眼があったら、2人ともすぐ飛んじまった。
精神だけの世界に
俺と井上しかいない世界は、月も濡れるような夜だった。
俺が抱きしめると、井上は必死に抵抗した。
「ダメ!だめだよ恋次くん!」
だけど俺は、かまわず井上にくちづけた。驚く井上の隙間をついて、舌を割り込ませた。
井上の舌は甘くやわらかくて、俺は夢中で吸い続けた。
「ん・・ふ・・・んん」
俺がやっと顔を離すと、井上は眼に涙をためて俺を睨んでいた。
濡れたくちびるからこぼれる唾液が月に照らされて、俺はすごく欲情した
「解っちまうんだよ、お前の気持ち。・・・俺も、同じだから」
そう唇を噛む俺を井上はハッと見上げ、長く見つめた後
苦しげに眼をそむけ、ゆっくりと眼を閉じた。涙がひとすじ流れてた。
それと同時に体から力が抜けてった。
俺は、もう1度井上を強く抱きしめてから、井上を横たえた。
井上の肌は熱く湿っていて、俺の肌に吸いついてくる。
見た目よりも大きくて豊かな胸は、熱いくせに汗ばんで冷たく、俺のゴツイ手で揉むたびに弾力を持って返ってきた。
「んん・・んぅ・・」
きれいなピンク色の乳首を口に含めば、ビクッとはね上がる。俺の口の中で、織姫の乳首が勃ってくる
その淫らな感触が俺の脳みそを痺れさせ、俺自身がどんどん熱をはらんでいく。
「ゃ・・ぁあ・・あっ」
下に手をやれば、そこはもうすでにぐっしょりと粘ついていた。
俺はフチをゆっくりとなぞり、じわじわと刺激を与え、蜜がこぼれたのを感じて中指を内に少しだけ挿れた。
押し出された蜜が井上の股にしたたる。井上が大きくしなり、俺をつかむ手に力がこもる。
「あ・・あぅ・・んんっ」
俺も井上も、お互い眼をあわせる事はない。
井上はあのやろうを思ってるし、俺はアイツを思い浮かべてるから。
お互い解ってる
こんなのはただのなぐさめあいでしかない
終ってしまえば、後に残るのは虚しさと激しい後悔しかない
それでも、やめることはできなかった。
「ふ・・んんっ・・んっ」
指での愛撫から舌での愛撫に変えると、井上の蜜はドロっと流れ出し
俺の口もとをべっとりと濡らした。俺はもうガマンできなくなって、熱をもってギンギンになった俺自身を
井上に押しつけた。初めて、うっすらと眼を開けた井上と眼が合う。
「・・・?」
「・・・・ん」
かすかに、でもハッキリとうなずく井上の足を大きく広げ、いきり勃った俺自身を
ゆっくりと沈めてった。井上の体がきしんだようにのけぞる。
「ぅあっ、ああ、あああ」
井上の内は熱く狭く、挿れた俺自身を強く締めつけきた
「あ・・あっ・・ああ、あん、ふっ」
初めは気づかいながら、ゆっくり動いてやったが
痛みに耐えようと苦しげに眉をよせる井上の、濡れて粘ついた口からこぼれるあえぎが
俺の欲情を更にたぎらせ、俺は眼を閉じて井上の内に溺れていった。
井上が俺を見てる事にも気づかなかった。
ふと、結っていた髪をほどかれる感覚に眼をあけた。ざんばらにおろされた俺の髪が動きにあわせてゆらついている。
俺は動きを緩め、井上の顔にかかってる髪をぬぐってやった。広がってるやさしい橙色の髪が、なぜか眼に沁みた。
井上は大きく息をしながらもゆっくりと起き上がると、俺の鎖骨のあたりに顔を埋め、刻まれている彫り物に舌をはわせてきた
「はっ・・・」
体をなぞる湿った淫らな舌が、俺の頭も犯してゆく。
井上はそのまま首すじを上がってくると、俺にくちづけた。
俺の舌にねっとりとからまる、熱くて甘い井上の舌
俺はたまらなくなって井上を再び倒すと、細い肩に後ろから手をまわしガッチリと掴んで、そのまま荒々しく突き上げた。
「ん、ん、んんっ」
俺が烈しく突き上げるたびに、井上は息がつまったように声を上げ、涙をこぼしてゆく
もう、このまま溶けきってしまえばいい
なくなればいい
そうすれば
もう顔をそらさなくてすむから
抑えこまなくてすむから
これ以上
相手を妬まなくてすむから
やがて、俺達にも限界がやってきた
井上の内が強く強く俺を締めつけてきた。
「あ、も、もう、イっちゃう、よぉ、ふ、」
「・・・こいよ、俺の、内に、」
「ああ、あああああっ」
瞬間、井上は大きく眼を見開いて大粒の涙をボロボロ零すと、
俺をこれまでにないくらいに締め上げ、熱い内からとは思えないほど冷たい蜜を俺自身にあびせ、大きくのけぞって果てた。
快感が俺の脳天を突き抜け、眼がくらむ。
「くっ・・・」
俺は、ギッと歯を食い縛り井上の奥まで自身を突き立てると、すぐさま取り出し
井上のハラの上に熱い精液を思いっきりぶちまけた。
結局最後まで、お互いにしっかり眼をあわせる事はなかった。
これはただの夢でしかない。この夢から醒めれば、俺達はきっと激しく後悔する。
それを俺達は解っているから
俺はこうして井上を抱きしめ続けているし、井上は俺の髪を梳くのをやめようとしない。
この時がもっと続けばいい。チラリとそう思った。けれど
やがて、ゆっくりと、お互いの眼があって、夢は醒めた。
それはほんの一瞬の出来事だった。
俺はビクッとし井上の手を離して、井上は襟元を掴む手を強く握って、
互いに食い入るように見つめあった。2人とも少しだけ息があがっている。
「どうしたんだよ、恋次。」
「や・・・別に。」
絞り出した声は、ヤバイぐらいにかすれていた。
一護に名を呼ばれハッとなった俺は、浮かんだ汗を隠す余裕もなく、ぎこちなく振り向こうとした。
途中でキョトンとした顔のルキアが眼に入る。
ダメだ、目が合わせらんねえ。
「織姫もどうかしたのか?」
ルキアが覗きこむと
井上はそれよりもうつむきながら、ふるえそうになるのを必死に押さえるように
つぶやいた。
「ううん、なんでも、ないよ。」
一護のやろうが不思議そうに井上を見ている。
「どうしたのだ?2人ともまるで罰を受ける罪人のような顔だぞ?」
明るく、屈託のないルキアの言葉に
俺達はただ、立ち尽くすしかなかった。
了
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