夏の北海道'96 チャレンジ夏山!



期間:1996年7月19日~8月25日

 マイカーを使って、1ケ月以上のロングバケーションを使って北海道の夏山に登りまくり。
 

7月19日~20日 さあ出発
 夜中の11時に自宅を出発。下館から国道50号線を走った。
 翌20日の夜中1時高崎を通過。高崎ICから新潟の亀田ICまで高速道路を使って(4950円)、新潟の日本海フェリーターミナルに着いたのは5時半。フェリーの出航は10:30なのでしばらく仮眠。でも暑いのであまりぐっすり寝れない。7時になると乗船の受付開始。9時からの乗船を待った。
 9時に乗船開始。甲板に少しでも多くの車を載せようとしているので隣の車との間はきつきつ。一晩を過ごすための荷物を持って客室のある階へ上がる。2等寝台で予約したのでベッドの指定を受けて、部屋に入る。ベッドは2段。カーテンでしきることができて少しはプライバシーも確保できる。
 船内を一回りし、フォワードサロンで早目のお昼を食べ、寝た。起きると夕方でお風呂の入れる時間になっていたので入浴。あとは翌朝までぐっすり。

7月21日 北海道上陸!!
 朝3時過ぎ船内にもうすぐ小樽のアナウンスが流れ、みんな一斉に起き出した。外はもうすぐ夜明け。ちょうど積丹半島を廻り込んでいるところだ。
 4:30に小樽上陸。札幌方向でなく、積丹半島のほうへ走り出し、海岸線を余市、岩内、寿都と走り、7時に島牧へ。道の駅で今夜の宿を『島牧YH(ユースホステル)』に予約した。走り出すと隣がYHだった。ここのYHは1993年7月に起きた北海道奥尻沖地震で建物が倒壊し、建て直したばっかりだ。
 豪快な『賀老の滝』を見て、すぐ近くの狩場山へ登った。しばらくはダケカンバ林の延々とした登り。分岐には大きな雪渓が急な登り斜面にありそこをトラバース。けっこう怖かった。あとはなだらかな尾根沿いの道で11:15頂上へ。頂上にはミヤマキンポウゲ、イワイチョウなどが咲いていた。
賀老の滝 ブナ林  狩場山頂上
 のんびりとして13:30に登山口まで戻った。
 賀老高原に『ダラゴンウォーター』と呼ばれる炭酸水が川のわきの岩の割れ目から湧いている場所があるのでそこに寄ってみた。それは細い川を岩を飛びながら渡っていった所にあった。置いてあるコップで掬って飲むとシュワーっとした。
 宿の近くに『漁火温泉』というのがあったので入ってみた。入浴料は300円。内風呂と露天風呂があり、露天風呂からは海が見え気持ちよかった。
 そして島牧YHにチェックイン。ここの夕食は海の幸がいっぱいで美味しかった。夕食後のミーティングでは『木』の話を聞いた。

7月22日 コックリ湖って知ってる?
 島牧YHから出発して、賀老の滝の付近のブナ林を歩く。見事なブナ林。歩いていて気持ちよかった。途中の吊橋からの眺めは最高だった。クマゲラがいるかと期待したが声も聞こえなかった。
 YHの周辺情報で『スナフジ沼』という沼が奥まった場所にあると教えてくれたが林の中のダートを10km走ってもたどり着かなかったのであきらめた。
コックリ湖
 ニセコへ向かう途中の『蘭越』に『コックリ湖』という小さい湖があるので寄ってみた。5kmくらいのダートを走ったあと、2.7kmの山道を50分(看板には80分と書いてあった)歩いてたどり着いた。一人で行くとクマが出てきそうで怖かった。
 ゆっくりしたかったけど恐いのでサッサと下りる。雨が降ってきて、滑って危なかった。
 ニセコから支笏湖へ。頭痛がしていたのでキャンプをしようと思ったけどYHへ電話して宿泊の予約をした。YHのお風呂が故障したそうで隣の『支笏湖観光ホテル』で入浴。大きいお風呂で気持ちよかった。泡風呂、露天風呂、打たせ湯などがあって最高。一気に疲れが吹き飛んだ。

7月23日 然別湖へと
 朝食を食べて、国民休暇村の下にある千歳川へ行ったが去年まで見られていた『ヤマセミ』は見られなかった。
 苫小牧に抜け、濃い霧のかかった日勝峠を通って新得へ。駅前の玉川菓子店で『三方六』というバームクーヘンにホワイトチョコをかけたお菓子の端切れを463円で買ったら、すごい量だった。
 そして14時前に風呂屋に入ったのだが本当は14時からの営業だけど入れてくれた。入浴料260円。毎日トムラウシから運んでくるという熱めのお湯と泡風呂があった。
 そして然別湖のキャンプ場へ。

7月24日 大雪山高原温泉から沼めぐり
 5:20に起きたがクマゲラの声もしないし、シマフクロウもいないというのでのんびりと過ごした。
 8時半に出発。晴れないと思っていたら三国峠を越えた途端、青空が広がった。
 高原温泉から沼めぐりに歩いた。入山受付でここ何年かお会いしている管理事務所の岡崎さんから「今年は中腹部に雪が多く、山道が水没して一周はできない」と教えてもらった。
リュウキンカ  大学沼
 一番奥にある『大学沼』を目指して歩き出す。エゾ沼の手前のリュウキンカが見事だった。大学沼は雪だらけで、沼は見えなかった。でもすぐ目の前にガケがせまっている姿は絶景だった。
 石北峠を通って北見へぬけ、そこから清里へ。『緑風荘』というきれいな温泉施設で入浴。280円で、泡風呂、サウナ、寝湯、水風呂がある。ついでに休憩もOK。
 摩周湖へ行ったがすごいガスで前がまるっきり見えない。今日はここでキャンプ。

7月25日 知床へ
 早朝、斜里から岩尾別へ。川沿いでのんびり朝食を食べたあと、知床五湖へ行ったが、今年はクマが多くPM6:30からAM7:30は通行止めだそうだ。五湖を一周し、知床峠の近くにある『羅臼湖』へ行こうと思ったが、天気が悪いのでやめて、眺めのいい場所でのんびり読書をした。
 岩尾別温泉に向かい、昼食をとって温泉(無料)に入った。
 13時、早めだが岩尾別YHに入り、明日からの知床連山縦走の用意をした。

7月26日 知床連山2泊3日の縦走出発
 雨。今日から2泊3日の知床連山縦走ツアーに出発。
縦走に行ったメンバーと
 女8人、男6人、スタッフ3人の計17人で重いザックを背負って山道をゆっくり、ゆっくり、登っていった。何もこんな雨の日に行かなくてもと思いながら歩く。汗もすごいし、カッパを着ていても中までビショビショ。ついでに靴の中まで水が入っていく。
 11:30昼の弁当は『銀冷水』で食べた。雨の中ずぶ濡れになりながら皆、暗い顔をしていた。
 大沢には雪渓が残っていて、14時、ラウス平にやっと着いたという感じ。
 15時『三ツ峰』のテント場到着。付近は花がいっぱいで、晴れていればいいのにと思った。
 夜はテントの中で2班に分かれて焼肉で夕食。すごい量だった。

7月27日 縦走2日目
 朝起きたら雨は止んでいた。朝食はレトルトの雑炊。
 三ツ峰のテント場から上り下りを繰り返し、『二ツ池』で早目の昼食。メニューは牛丼。レトルトだけど美味しかった。ここまではけっこう視界もよく遠くの山々まで見えていた。
二ツ池
 徐々にガスがかかってきて視界が悪くなってきた。南岳からガレ場を下って、知円別岳の大雪渓の残っている所でキャンプ。前回ここでキャンプしたときには、風でテントが飛ばされ散々だったらしい。夜は外でカレーとベーコンポテト焼きを食べたが風とガスでけっこう寒かった。

7月28日 縦走最終日
 今朝はガス。風は止んでいたけど何も見えない。外で朝食のおかゆを食べ出発。
 キャンプ場から硫黄山はガレ場、雪渓、沢、岩場と変化に富んだコース。下っていくとだんだん晴れだし、昼食場所では青い海、青い空が広がり、最高の眺めだった。お昼はモチ入りのラーメンだった。もう少しで縦走が終わるという満ち足りた時間が流れた。
 新噴火口からは走るように下り、カムイワッカの橋へたどり着いた。皆はカムイワッカの湯滝に入ったが残った私達は早くも冷たいビール(350円)で乾杯。
 YHのバスが迎えに来てくれ、YHへ。一緒に登った森本明美さん、守雅人さん、池村直美さん、中根淳さん、小長井信幸さん、湊雄一郎さん、田端実香さん、野村朋未さん、森永陽子さん、池田美和子さん、木村英之さん、福田静子さん、本城さん、関口ペアレント、奥野スタッフ、伊島スタッフ、お疲れ様でした。
岩尾別YHに戻ってみんなと
 夜は打ち上げ。外でバーベキューをしながら飲んだ。その後は歌って、踊って、夜遅くまで騒いだ。

7月29日 ただのんびりと
 次々と出発する昨日まで一緒だった仲間に別れを告げ、いい天気なので洗濯物が乾くのをのんびり待った。
 昼食を食べ13時に出発。
 知床峠を通り羅臼へ。『熊超の滝』へ寄った。滝までは歩道が付けられ、行きやすくなった。夏でも涼しいけど、人がいなくて寂しいのでちょっと恐い。
 14時無料の温泉『熊の湯』へ行き入浴。
 間欠泉があるというので見に行ったが30分待ってやっとシューっと細く噴き上がったと思ったら、5秒くらいで終わってしまった。あっけない。
 熊の湯の近くのキャンプ場でキャンプしようとしたら駐車場がいっぱいなのであきらめた。(管理人さんはテント張るんだったら駐車場を空けてあげるよと言ってくれたけど。)
 野付まで移動。月が出ていてきれいだったが、すごい蚊の大群が押し寄せてきたので移動。結局根室手前の『白鳥台』まで行って車中泊。

7月30日 春国岱で野鳥観察
 白鳥台で朝食を食べ、春国岱へ。ネイチャーセンターができ、看板などが新しくなっていた。
 木道を一周し、奥の見晴らしのいいところで野鳥観察。去年は『クマゲラ』が親子で出てきたが、今年はいなかった。
 虫刺されがかゆいのでキンカンを買いに根室の市街へ。薬屋の向かいに『光洋湯』というお風呂屋があったので入った。340円でサウナ、ジャグジー、寝湯、薬湯と施設充実。
 明日も春国岱へ行ってみたいのでまた白鳥台で車中泊。

7月31日 釧路湿原へ
 早朝、起きてすぐ春国岱へ行ったが、やはりクマゲラはいなかった。
 別海の公園で朝食を食べ、摩周へ。摩周岳へ登ろうと思ったが何も見えないのでやめた。
 『弟子屈フォトギャラリー』に寄った。桜井淳史さんの写真がいっぱい。
 塘路から湿原のほうに入り、『コッタロ展望台』へ。すぐ下にタンチョウの親子がいた。
 ザルボ展望台にも登ったが蚊が多いのですぐ下りてしまった。
 茅沼(かやぬま)の憩の家で温泉に入った。400円で露天風呂、サウナ、3種の温度の風呂がある。塩泉なのですごくポカポカするが、かゆい所がさらに痒い。
 今夜はここで車中泊。

8月1日 斜里岳登山
 朝起きると雨はやんで少し青空が見えている。
滝コースはこんな滝登り  弟子屈から斜里岳の5合目にある登山口『清岳荘』へ行った。最後の7kmはダートだった。
 天気は期待せずに8:30過ぎに登山開始。滝コースをとった。初めから沢を右へ左へと飛ぶように渡りを繰り返す。下二股からはさらにすごくなり、滝の連続の中を今にも落ちそうになりながら登った。靴の中までビショビショ。頂上直下は急なガレ場の登り。
 頂上に着くと晴れて見晴らしがいい。雲海も見えきれい。花もいっぱい。
斜里岳頂上から
 下りは違うコースをたどり下った。尾根道で長く遠回り、足場もグチャグチャな所が多く大変だった。途中の『熊見峠』で小野さんという岐阜から来ている旅行者と会い、一緒に話しながら下った。
 下りて話をしているうちに明日、一緒に阿寒岳に登ろうということになった。
 阿寒湖を抜けオンネトーの近くの野中温泉YHへ向かった。
 小野さんはすぐそばの駐車場でキャンプ。

8月2日 雌阿寒岳登山
小野さんと  4:30に起きたら霧雨。小野さんのいる駐車場へ移動し、朝食をゆっくり食べ、7:50出発。
 頂上まで薄日は射すがガスが出ている。内輪山の中は見え、ブルーグリーンの火口湖があった。
 9:20頂上で早いから阿寒富士へも行こうとするがガレガレで滑り、恐かった。阿寒富士の上りも細かい石で滑りそうで登りが苦しかった。10:15山頂へ着くとあたりが晴れだし、紺色のオンネトーが見えた。コマクサも咲いていた。
 11:30また雌阿寒岳に登るとさっきは見えなかった北側の景色が見え、すごい噴火口が見えていた。遠くに阿寒湖も見えていた。
 下ろうとするとガスが出てきたが、オンネトーはきれいに見えていた。
 13:25野中温泉に戻った。温泉に入りたいねって言って、YHに頼んだら、小野さんもタダで入れてくれた。ありがとうございました。その後、明日は帰らなければならないという小野さんと別れ、野中温泉でキャンプ。

8月3日 雄阿寒岳登山
雄阿寒頂上  朝4:30頃外を見たら青空が広がっていたので大急ぎで朝ご飯を食べ出発。食べているうちにガスが出てきたが昨日と同じように山頂は晴れるだろうと思った。
 6:30に雄阿寒登山口を出発。太郎湖、次郎湖の脇を通り、針葉樹林の薄暗い森を抜け、5合目までは長くきつい登りだった。
 8:15、5合目で先に出ていた2人のおじさんと出会い、その後をついて行ったが、そこからは一変して森も開け、楽な登り、下りとなりすぐに頂上が見えてきた。
 8:50頂上到着。パンケトー、ペンケトーといった湖も見え、眺めが良かった。
 11:10には登山口に戻りあっけなく登山終了。
 弟子屈の方へ下り、清里の『パパスランド』で入浴。280円で泡湯、打たせ湯、歩行湯がありなかなか良かった。でも清里だったら緑風荘のほうが好きかな。
 斜里からウトロへ向かい知床自然センターの駐車場でキャンプ。

8月4日 雨止み待ち
 昨日から雨が降り続き、止まない。
 自然センターから歩いて10分くらいの『乙女の涙』という滝を見に行った。雨がやんだかなと思うとまた降り出した。
 知床峠を越え羅臼側に行き、ビジターセンターでスライドを見せてもらった。
 羅臼の市街を抜け、知床半島の先のほうへ22km行ったところにある『相泊温泉』に入った。海岸にブルーシートをかけた小屋があり、中をのぞくと男女別の湯船と脱衣所があるが、海側はなんの目隠しもないオープンな温泉。もちろん無料。うすい塩味がした。
 羅臼に戻り、ビジターセンターの近くの駐車場で車中泊。

8月5日 また羅臼登山
 朝、外を見たら青空。これは晴れるぞと思い羅臼岳の登山口まで移動。途中知床峠では国後にかかる虹が見えていたが、峠に近づくとガスと強風。
 5:30登山口のあるホテル『地の涯(はて)』に着くと大型観光バスが5台。中からぞろぞろと人が出てきて登山。私も準備をし、登山開始。すぐに団体に追いつき先に行かせてもらう。「大沢」まで行くとガスと強風。下山してきた人が頂上もすごいですよと教えてくれた。
 7:25『羅臼平』でカッパを着て準備したが、寒いしやめようかなと思っている時、さっき追い越してきた人が休みもせずに歩いていく。それを見て私も行こうと思い直し頂上を目指した。
 風はさらに強くなり、帽子も、自分も飛ばされそうになりながら8:25に頂上へ。感激もそこそこにすぐに下山。
 9:10に羅臼平にもどり、三ツ峰方向へ。キャンプ場までは30分。この前来た時はあんなにきつかったのに。しかしこの前のエゾキスゲの群落は花が終わってしまい残念!!
 10:35また羅臼平に戻り、12:00登山口へ戻る。そこでは青空がひろがっていた。なんか皮肉。
 川湯温泉に移動し、古い建物の共同浴場で入浴。入浴料150円は番台にある箱に入れるようになっている。
 近くのビジターセンターの駐車場で車中泊。

8月6日 藻琴山登山
 川湯自然観察会というのが5:45から開催。けっこう多くの人が集まったのでびっくり。エゾイソツツジは終わり、ガンコウランが熟していた。最後に絵葉書とヨーグルトをくれた。
 屈斜路湖をぐるっとまわり、8:45藻琴山へ。ササの生い茂る尾根道を2.2kmすすむと山頂(40分)。ちょっとしたハイキング気分で行ける。ちょうど準備をしているときに2年前然別湖で会った渡辺さんと再会。奥さんとお孫さんを連れていた。挨拶をして先に。
 山頂まで行くと朝露でズボンはビチョビチョだったが屈斜路湖を一望できる景色を独り占めしたようで最高だった。
 10:05登山口まで戻り、ハイランド小清水725という建物でコーヒーを飲んだ。外には屈斜路湖の雄大な眺めで、優雅なひととき。
 北見から層雲峡に向かう途中に『塩別滝の湯』という温泉があったので入った。300円で、すごくつるつる。単純硫黄泉だそうで、温泉だけの施設。
 層雲峡から高原温泉へ。管理人の『岡崎さん』がいたので少し話をした。五色岳に行く途中の大沼で泊まった人がクマに襲われたらしい。
 明日からトムラウシに行こうと思ったのでここで車中泊。

8月7日 憧れのトムラウシ(山中1泊)に出発
沼の原の木道  青空が広がっているがガスが出たり消えたり。
 7:30『岡崎さん』はいなかったが管理小屋の人に挨拶し出発。まずは沼の原登山口へ。途中で『岡崎さん』とすれ違い、「大沼には泊まるな」と念をおされた。
 8:05登り始めると急登がきつい。それが終わると足元がドロドロ。9:20沼の原分岐。今朝はトムラウシが見えない。相変わらず人がいないので静かだ。
 10:05五色の水場へ。冷たい水で喉をうるおした。
 11:45五色ケ原へ。まだ残雪があり、ツガザクラ、チングルマなどがいっぱい咲いていた。昨年と違いハクサンイチゲは終わり、フウロソウと一部にエゾキンバイの群落が咲いていてきれい。ここでお昼。持ってきたトマトがつぶれていたがうまかった。
 13:50五色岳を超え、化雲岳へ。そこから今夜の宿泊地『ヒサゴ沼』への下りはドロドロで大変だった。キャンプサイトは本当に沼のわきで山の岩場にはナキウサギの声がしていた。

8月8日 いよいよトムラウシ登頂
トムラウシ頂上はすぐ  朝起きたら雲は多いけど雨は降りそうにない。
 6:20出発。急な残雪の上の足跡をたどっていったが道が見えなくなってしまったのでそのままどんどん進むと運良く本道に出た。
 岩場に荷物を置いて山頂へピストンした。トムラウシは近づくにつれてどんどん巨大になって迫ってくる。ずっと登りたいと思って憧れていたのでやっと思いがかなうという感じがこみ上げてくる。
トムラウシ頂上から
 8:30トムラウシ山頂へ。風が強く寒いのですぐ下山。名残惜しいので何度も振り返った。
 そしてリュックを背負い、11:50五色岳でお昼。昨日より青空は見えないがトムラウシは全容を見せていた。さっき登ったトムラウシはもう遠い。
 沼の原の木道でヌプントムラウシから入ってきたおじさんと話をしながら沼の原分岐まで歩いた。
沼の原でうっすらとトムラウシ
 15:30やっと登山口まで戻った。無事帰ったと報告しようと高原温泉に行くと『岡崎さん』は帰ってしまった後だった。
 層雲峡に移動し、『不老の湯』340円に入った。きれいとは言いがたいお風呂だが汗をかいていたのでさっぱりした。
 そして糠平湖でお祝いにビールを買って、然別湖に移動しキャンプ場に。
 昨日・今日の2日間の出来事を思い返しながら満足にひたった。

8月9日 トムラの温泉
 朝から霧雨。4時半に目を覚ますと遠くでクマゲラの鳴き声がしたので、しばらく探したが鳴き声はカラカラカラ…と遠ざかってしまった。
 キャンプに戻って、ご飯を炊きラジオを聴きながらのんびり朝食。
 ナキウサギのいる『駒止湖』へ行ったが、雨のためか鳴き声さえしない。
 新得へ移動し、屈足にある『レイクイン・トムラ登山学校』という所で入浴。350円で温泉、サウナ、露天風呂、打たせ湯、水風呂、寝湯とそろっている。
 入浴後、外のくったり湖のわきの公園でのんびりしたが気持ち良かった。
 明日は富良野の『原始ケ原』に行きたいと思ったので富良野へ移動し車中泊。

8月10日 原始ケ原へ
 朝起きると雲が多いながらも青空が見えている。
 『北の国から』で何度か『原始ケ原』へハイキングしていたのを見たので行ってみたいと思っていた。さらに『富良野岳』にも登ろうと思った。
 『ニングルの森』に入り登山口へ。
 登山道は林間コースと滝コースの2つのコースがあった。林間コースから入ったが整備された登り道。天使の泉というのがあった。原始ケ原までは1時間くらい。原始ケ原は湿原で足元はグチャグチャだが、人があまり入っていないため歩きやすい。
 湿原をぬけ森の中へ入っていったが熊が出てきそうで一人で行くのは危ないと思ったので引き返した。
 下りは滝コースで。丸太橋があったり、河原の石を登ったり、下りたり、川のへつりをワイヤーをたどって行かなければいけないアドベンチャー満点の道。気をつけていないと道を見失いそうだった。
一本橋  川のへつりの丸太道
 無事登山口まで戻り、北の峰へ行きコインランドリーに寄って洗濯。その間にテント・シュラフも天日干しをした。
 チーズ工場、ワイン工場を見学し、『ハイランドふらの』で入浴(350円)。ちょっと高台にあって十勝連峰の眺めがいい。露天風呂がないのが残念だった。
 そこから釧路の手前の白糠まで移動し、道の駅で車中泊。

8月11日 根室へ
 道の駅ではけっこう車中泊をしている家族が多かった。
 厚岸の博物館に入り(220円)見学。海岸に降りたところにある水族館(無料)も見学。
 乙女の横顔に見える『涙岩』、ニョキと岐立した『立岩』も見にいった。
 霧多布岬に近い『琵琶瀬展望台』にも寄ったが、ガスがかかっているのであまり視界はよくない。
 春国岱にも立ち寄り歩いた。カラ類が多い。
 今夜は根室市のキャンプ場へ。温根沼橋を見下ろす高台にあるので眺めはいい。キャンプ場は無料。

8月12日 根室からウトロへ
 根室から標津の『トドワラ』へ。あたりはフウロソウが盛りになっていた。
 そこから養老牛温泉へ行ったが、『カラマツの湯』は川の中に湯船があった。ちょっと入れなかった。
 次に『裏摩周展望台』へ。上のほうはガスがかかっていたが湖面は見えた。
男鹿の滝  そこから清里の『男鹿の滝』へ。舗装路3kmのあと、12kmのダートを走ってやっと到着。そこから歩いて7分くらい。すごい水量で迫力。吹いてくる風は冷たいというより寒いくらい。
 また『緑風荘』で入浴。明日の知床のネイチャーウォッチングボートに乗る予約をした。今日7時までに受付をしてくださいと言われたのでウトロへ。
 『ボンズホーム』という所でボートの受付。9時から3時くらいまでボートに乗って6,000円。
 自然センターの駐車場で車中泊。

8月13日 ネイチャーウォッチングボートで
 8:30前に『ボンズホーム』へ。9時に出航するので港へ歩いて移動。
親子のヒグマ  船長の知床の森の話や断崖にまつわるアイヌの話を聞きながら知床岬まで行って折り返してくるコース。晴れていて暑いけど、ボートが動いているときは風が気持ちいい。クマは行きに2頭、帰りに3頭見た。ボートの上から見ているので襲われる心配はない。海岸に出てエサを探しているらしい。他に、エゾシカ、行きにはオジロワシ、帰りには少し沖に出てイシイルカも見た。イシイルカは乱獲でめっきり数が減ってしまいあまり見られないそうだ。お手軽にいろいろ楽しめるので1日6000円は安いかもと思える。(でもどんどん値上がりし、2004年夏には8,000円になっていた。)
 ウトロの港まで戻ったのが3時近く。そこから清里の緑風荘で入浴。

8月14日 お盆で混雑
 清里から屈斜路湖の砂湯へ。日影が涼しいので駐車場の一番奥を陣取りテーブルと椅子を出して、読書したり、この記録をまとめたりして、1日中そこでのんびり。
 夕方、古丹の共同浴場に行ったが休みだったので、屈斜路湖湖畔の露天風呂に入って、また、今日一日過ごした駐車場に戻った。

8月15日 お盆で混雑
 朝起きると駐車場は昨日以上に多くの車が停まっていた。
 この混雑を見ると動くのがおっくうになり、今日もここで過ごすことに決めた。
 夕方、古丹の共同浴場に行った。今日は開いていた。130円と格安。
 また同じ駐車場に戻り、車中泊。

8月16日 日本海側に大移動
 さすがに2日間も同じところにいたのでもう飽きてきた。それで日本海側のほうへ大移動することにした。
 美幌から中央部に入り、浮島湿原に寄った。駐車場からちょっと歩いた所にある周囲1.6kmの小さい湿原だ。木道が整備され長靴はいらない。ちょっと休憩という感じ。
 さらに旭川をぬけ、妹背牛(もせうし)で温泉『ペペル』500円に入った。シャンプー、リンス、ボディソープなどすべてそろっている現代風の浴場。そこから雨竜沼湿原のキャンプ場へ。

8月17日 雨竜沼から暑寒別岳へ
 朝起きると雲はあるが青空は見えている。
雨竜沼湿原への道
 6:10雨竜沼の南暑寒荘を歩き出し、7:05に雨竜沼へ到着。道はよく整備されていて歩きやすかった。
雨竜沼湿原

雨竜沼展望台からは広大な眺め
 さらに雨竜沼湿原展望台から、9:05南暑寒別岳に登り、最終目的地の暑寒別岳を目指す。急な下りのあと、急な登り、両側の切り立った狭い尾根があったり、あまり安全な道とは言えない。足元は泥だらけですべる。10:45に暑寒別岳の頂上に到着。そこには別な近いルートから登ってきた老夫婦がいたので話をしていると、みかんやお菓子などを頂いてしまった。ごちそう様でした。
暑寒別岳
 暑寒別岳から来た道を戻ったが、下りでは何度もこけた。リュックはドロドロ。
 12:50南暑寒別岳に行くと人がいっぱい登ってきて混んでいる。でも踏み固められて道は歩きやすくなっていた。
 14:40雨竜沼へ。足が疲れて木道を歩くのがつらい。そして15:20に出発地にやっとたどり着いた。長かった。靴下を脱いだら足の指にマメができていた。
 移動し道の駅『北竜パーク』で温泉に入った。500円で大きいお風呂。

8月18日 南へ
 夜中に雷が鳴っていた。天気は不安定だ。
 日本海沿いの小平から小樽へ。そこから内陸に入り黒松内へ行った。
 黒松内はブナの北限地。ブナセンター(150円)を探したが見つからないので駅で地図をもらってたどり着いた。加工センターも隣にあり、2階はいい眺め。
 歌才のブナ林も1時間くらい歩いた。
 真狩に行き『真狩温泉』に入った。400円。天気がよかったので露天風呂からは羊蹄山の眺めは最高。そのうちに暗くなり、星も見えてきた。
 明日はあの羊蹄山に登ろうと思い中腹の『道新自然の家』の駐車場で車中泊。

8月19日 羊蹄山登山
 夜中1時に起きたら星がきれいだった。
羊蹄山の登山口、手前は当時のマイカー
 朝起きたら青空。さっそく登山の用意。一度出発したがカメラを忘れたので取りに戻った。
 6:05出発。6:30南コブに寄りちょっと眺めたがすごく良い眺め。函館の近くの駒ケ岳も見えた。
 7:15に4合目へ。洞爺湖は登っていくほど大きく見えていく。
 8:20に8合目。ここから左にトラバース。樹木もまばらになってきた。9合目からはリンドウ、コガネギク、ヤマハハコなどの秋の花が咲いていた。
 9:05お釜のふちへ。岩をよじ登ったり、乗り越えたり、両側が切れ落ちているので足がすくむこともあった。9:35にやっと頂上へ。頂上からは噴火湾がくっきり見えた。お腹が空いたので早いがお昼。美味しい。
 9:55次々と人が登ってくるので早々と下り始めた。下りはひたすら下りるだけだが、こんなに登ってきたのかと思うほど長かった。
 12:25登山口へ戻った。頂上を見るともう曇ってきていた。早めに行って良かった。
 13:30湧水地のある京極で温泉に入る。500円でサウナ、打たせ湯、ジェットバス、泡風呂、水風呂があり、シャンプー、リンス、ボディソープもそろっていた。
 今夜は室蘭にある『室蘭岳総合公園』でキャンプ。無料のキャンプ場だが人が少なくて、きれいだった。

8月20日 また島牧へ
 室蘭に来たのは『わしべつの市場』に寄るためだった。ここは登別のYHで教わったのだが、いろいろ安いので時々寄っている。今回はメロンとカニを自宅に送り、自分用にウニと熟したメロンを買った。
 厚真ではジンギスカンを買って、千歳の名水公園でお昼。近くのサケマス孵化場からダムまで千歳川沿いに歩いた。
 支笏湖の千歳川流出口でカワセミを見つけた。するとアオサギに追われてヤマセミが出てきた。国民休暇村で一休み。
 ニセコから寿都に行き、海岸で夕日を見ながら、ジンギスカンとメロンを食べた。うまかった。
 近くの『ゆべつのゆ』で入浴。500円でジャグジー、打たせ湯、露天風呂、水風呂、サウナ、寝湯がそろっていた。
 島牧の道の駅で車中泊。

8月21日 大平山へ
 島牧YHに寄って、聞いたら大平山に行きたいという富山の医学生がいたので一緒に彼の車で行くことになった。
オオヒラウスユキソウ   登山口手前で工事中のため通行止め。車を置いてそこから歩き出す。沢沿いの道をぐいぐいと上がっていく。約1時間で森林帯を抜け草原の道へ。直登が多くきつい。
 見たかったオオヒラウスユキソウ(エーデルワイス)はまだちょっと早かった。他にエゾシオガマ、トリカブト、オオカサモチ、エゾニュウ、トウゲブキ、チシマリンドウ、ヨツバヒオドリ、イブキジャコウソウ、エゾルリトラノオ、ウツボグサ、クサフジなど、お花がいっぱい。
 1109m峰と呼ばれているところから引き返した。
 今夜は島牧YHへ。

8月22日 後志(しりべし)探索
 まずは欄越の「貝の館」350円へ。いろいろな貝が展示されていた。
 ニセコでは「有島武郎記念館」300円へ。彼はここニセコに惚れ込み移り住んできたそうだ。ここでも作品を書いたそうだ。公園のようになっていて施設はすごい。
 「大湯沼自然展示館」300円にも寄った。
 「神仙池」にも寄ったがガスがすごくて何も見えなかった。
 泊原子力発電所のアピール施設「とまりん館」にも入ったがすごくお金をかけていた。
 リフレッシュプラザ「998」という温泉(400円)に入った。すごく塩分が高くポカポカ、あたたまる。
 岩内の道の駅で車中泊。

8月23日 後志(しりべし)探索2
 今日は朝から小雨。ラジオで局所的な集中豪雨を伝えていた。
 共和で「かかし古里館」100円に入り、余市の「旧余市福原漁場」300円に入ったが、案内人がついてちゃんと説明してくれた。すごく凝った造りの家だった。
 神威岬へ行く途中で崩落事故のあった「豊浜トンネル」を通ったがまだ一方通行でかなり時間がかかった。出口に慰霊所があったのが痛々しい。
 小樽に戻り「鰊御殿」へはギリギリ間に合った。
 朝里温泉に行き簡保の宿で入浴。480円。シンプルな無臭無色の温泉で、ジェットバスがあっただけだった。

8月24日 いよいよ帰り
 朝起きると雨はやみ、雲も少ない。
 朝里ダムに行って昼過ぎまで散歩したり、読書したりと時間を潰した。土曜日なので人が多かった。
 小樽市街に行き土産を買い、17:30早めにフェリー乗り場へ。
 20:30フェリー出港。今回も2等寝台。小樽・新潟で5m未満の車で19,360円。2週間以上滞在していたので往復割引はなし。
 ビールを買って長かった旅行が無事だったことを一人で乾杯。

8月25日 自宅へ
 15:20にやっと新潟港着。
 会津若松に向かって国道49号線を走り出す。今日は日曜日なのでジェットバイクを積んだ車がけっこう目立つ。反対車線はすごい渋滞だった。
 18:00会津若松から294号線を使ったが山間をくねくねと走る道だった。
 19:20白河、21:10宇都宮とスムーズに走り、22:10には自宅到着。


 37日間で走った距離は6638km。
 登った山は15。
  ①狩場山(7/21) ②羅臼岳(7/26、8/5) ③斜里岳(8/1)
  ④雌阿寒岳⑤阿寒富士(8/2) ⑥雄阿寒岳(8/3)
  ⑦藻琴山(8/6) ⑧五色岳⑨化雲山(8/7)
  ⑩トムラウシ山(8/8) ⑪原始ケ原(8/10) ⑫南暑寒別岳(8/17)
  ⑬暑寒別岳(8/17) ⑭羊蹄山(8/19) ⑮大平山(8/21)
 費用は宿泊代23,564円、温泉代7,620円、交通費80,000円くらい、食費30,000円くらい、など。




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